ホーム > 電子県庁・県政運営・県勢 > 県政情報 > 県全体の広報 > 知事議会提案説明(提案説明 令和6年第3回定例会)〔11月提案〕

更新日:2024年11月25日

ここから本文です。

知事議会提案説明(提案説明 令和6年第3回定例会)〔11月提案〕

令和6年第3回定例会(提案説明)

 本日、提案しました令和6年度補正予算案並びにその他の諸議案について、その概要をご説明申し上げるとともに、併せて当面の県政に対する所信の一端を申し述べたいと思います。

 はじめに、新たな総合経済対策への対応についてです。

 我が国の経済状況を概観しますと、雇用・所得環境が改善される中で、景気は緩やかな回復が続くことが期待されています。一方、未だ賃金上昇が物価上昇に追い付いていないことから、引き続き、物価高に苦しむ地域住民や地域の産業を守る取組を継続、拡充していくことが求められています。

 こうした中、国は、「日本経済・地方経済の成長」、「物価高の克服」、「国民の安心・安全の確保」の3つの柱で構成する新たな総合経済対策を閣議決定しました。今後、これらの施策を実行するための補正予算の編成を予定しています。

 こうした国の動きを踏まえ、県としても、物価高の影響を大きく受ける県民生活や事業活動を守るため、必要な支援策について検討を進めてまいります。

 次に、当事者目線の障がい福祉についてです。

 県では、不適切な支援が行われてきた県直営の中井やまゆり園を改革するため、令和5年7月に策定した「県立中井やまゆり園当事者目線の支援アクションプラン」に基づき、利用者一人ひとりが主体となれるよう人生を支援するとともに、障がい当事者が街の中で当たり前に暮らせる地域共生社会を目指し、取組を進めてきました。

 そして、利用者支援の再構築や園内外での日中活動の充実に取り組んできた結果、かつて強い行動障害を理由に、長時間、居室に閉じ込められ無表情であった利用者に、笑顔が見られるようになるなど目に見える変化が表れ、一人ひとりの可能性が広がり始めてきたことを感じていました。

 しかし、そうした一方で、園の改革に携わる民間の支援改善アドバイザーからは、40代、50代の若さにもかかわらず、歩行機能が低下し歩けなくなる方や、低栄養が懸念される方がいるなど、長期にわたる入所施設での支援の中で、医療面の対応や健康管理が十分でないなど、いのちに関わる深刻な問題が発生しているとの指摘がありました。

 いのちを守る体制が十分ではないという今回の指摘は、中井やまゆり園だけにとどまらず、知的障害者の施設全体の問題とも考えられ、当事者目線の障がい福祉を推進する上で、重大な課題に直面しているとの強い危機感を抱きました。

 そこで、利用者の健康リスクの状態を把握し、改善に向け直ちに対応するとともに、いのちを守る体制づくりを早急に行うため、医療・健康管理問題の有識者を構成員とする「県立中井やまゆり園における医療・健康管理問題改革委員会」を設置しました。

 当委員会において、低栄養や筋力低下による誤嚥など、健康リスクが高い事例への対応に向けた検討や、福祉施設で実施すべき健康管理のルールづくりについて議論を進め、福祉施設における標準的な医療アクセスの仕組みについて、年度内には一定の方向性を出したいと考えています。

 次に、リニア中央新幹線神奈川県駅(仮称)についてです。

 県は、相模原市橋本に建設されるリニア神奈川県駅のため、100年の歴史を持つ県立相原高等学校を移転するなど、リニア開業に向けた取組を進めてきましたが、JR東海は、令和9年の品川・名古屋間の開業を断念し、開業時期については、令和16年以降にずれ込む見通しとなっています。

 このままでは、リニア神奈川県駅は10年近くにわたり単なる工事現場となり、何も活用されない状態が続くことになります。

 そこで、リニア中央新幹線が開業するまでの間、工事の進捗に支障をきたさない範囲で、利用可能なスペースをエンターテインメントの力により有効活用していくことを検討してきました。

 その第1弾として、今月9日及び10日には、相模原市、JR東海との共催により、リニア神奈川県駅において、工事現場でのイベント「さがみはらリニアフェスタ」を開催しました。このイベントを皮切りに、今後、このエリアを「リニア・ステーションシアター」とするなど、エンターテインメントを発信し、新たな文化芸術活動を創造する場としての活用を考えていきます。

 また、リニア神奈川県駅は、「さがみロボット産業特区」内に位置していることから、JR東海が整備したイノベーション創出促進交流拠点「FUN+TECHLABO(ファンタステックラボ)」を活用して、ロボット企業だけでなく、部品製造企業、大学などのネットワーク形成や協業など横のつながりを確保できる環境をつくっていきます。

 さらに、リニア神奈川県駅に近い相模湖周辺は、山に囲まれた湖の美しい景観にも恵まれ、観光地としての高いポテンシャルも有するとともに、バレエによる地域活性化も目指しているところです。神奈川県が近代バレエ発祥の地と言われていることを踏まえ、県としても地元と連携して、バレエ公演や関連イベントを実施することで、相模湖を全国からバレエファンが集まる聖地とするなど、文化芸術の力でこの地域のにぎわいの創出につなげていきたいと考えています。

 今後、リニア中央新幹線が完成するまでのプロセスの中で、リニア神奈川県駅の工事現場を活用した取組などを進めることにより、リニアに対する関心や新しいまちづくりへの期待が高まっていくよう、相模原市やJR東海と連携して進めてまいります。

 それでは、ただいま提案しました補正予算案についてご説明申し上げます。

 今回の補正予算案では、9月補正予算編成後の状況の変化を踏まえ、早急に対応する必要がある事業について、措置することとしました。

 まず、仮称ですが、浦島合同庁舎の新築工事について、物価高騰の影響等による工事費の増額に対応するため、既設定の継続費を変更します。

 次に、県営住宅事業会計として、県営上溝団地及び追浜第一団地の建替えについて、物価高騰の影響等による工事費の増額に対応するため、債務負担行為の設定等を行います。また、建設事業等の年間事業量のより一層の平準化に向けて、令和7年度当初予算への計上を予定している建設事業等の一部を前倒しして年度内に発注するため、「当該年度の支出がゼロの県費債務負担行為」いわゆる「ゼロ県債」を過去最大の額で設定します。

 以上が補正予算案の概要ですが、補正予算の総額は一般会計で、4,400万円、特別会計で9億9,700余万円となっています。

 また、一般会計の補正予算の財源としましては、繰越金及び県債を充当しています。

 次に、予算以外の案件ですが、今回は条例の制定1件、条例の改正15件、工事請負契約の締結1件、動産の取得1件、指定管理者の指定1件など、全体で24件のご審議をお願いしています。

 まず、条例の制定ですが、神奈川県こども目線の施策推進条例は、こども基本法の趣旨等を踏まえ、こども目線の施策を推進するため、基本理念並びに県、事業者及び県民の責務等について、所要の定めをするものです。

 次に、条例の改正ですが、主なものについてご説明します。

 収入証紙に関する条例の一部を改正する条例は、収入証紙の利用を終了する手数料について、収入証紙以外の方法による徴収とするなど、所要の改正を行うものです。

 条例の改正については、このほか地方税法第37条の2第1項第4号に掲げる寄附金を受け入れる特定非営利活動法人等を定める条例の一部を改正する条例など、14件の改正をお願いしています。

 次に、条例以外の案件ですが、工事請負契約の締結は、元野庭高校雨水地下貯留施設設置工事請負契約をお願いするものです。

 また、動産の取得は、避難者用屋内テントを買い入れるものであり、指定管理者の指定は、真鶴港のご審議をお願いするものです。

 このほか、工事請負契約の変更についてなど5件を提案しています。

 なお、職員の給与につきましては、現在関係条例の改正等について準備を進めています。今後、本定例会に提案し、ご審議いただきたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。

 以上をもちまして、私の説明を終わります。

 細部につきましては、議事の進行に伴い、私もしくは副知事以下関係局長等からご説明させていただきたいと存じます。

 よろしくご審議の上、ご議決くださいますようお願い申し上げます。

このページに関するお問い合わせ先

このページの所管所属は政策局 知事室です。