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更新日:2022年8月31日

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定例会見(2022年8月29日)結果概要

過去の知事記者会見の様子をテキスト版でご覧いただけます。

発表項目

「ベトナムフェスタin神奈川2022」イベントプログラム決定!

 はじめに、「『ベトナムフェスタin神奈川2022』イベントプログラム決定!」についてです。
 9月9日金曜日から11日日曜日に、3年ぶりとなる「ベトナムフェスタin神奈川」を開催します。9日金曜日は横浜市内のホテルにおいて経済プログラムを、10日土曜日、11日日曜日は、日本大通り、神奈川県庁等において、文化交流プログラムを実施します。
 今回のテーマは、「未来へつなぐ神奈川―ベトナム」です。来年2023年は、日越外交関係樹立50周年という記念の年であり、これまでの交流で培ってきた神奈川県とベトナムの絆を将来につなげていくことを目指して開催します。
 今回のベトナムフェスタも、文化、食、観光等、さまざまな分野からベトナムを体感していただける内容となっています。ベトナムフェスタでは恒例となっているベトナム伝統芸能「水上人形劇」は、ベトナムから本場の国立劇団を招いていますので、ぜひご覧ください。
 また、ベトナムのトップアーティストとして、ベトナムで絶大な人気を誇る国民的歌姫ドン・ニーさんが、今回初めてベトナムフェスタに出演します。夫で歌手、実業家でもあるオン・カオ・タンさん、長女ウィニーちゃんとともに「ニー・タン・ファミリー」として出演しますが、ご家族でステージに上がるのは日本初となるので、こちらもご注目いただきたいと思います。
 オミクロン株のBA.5系統を中心とする感染が高止まりしている状況ではありますが、新型コロナウイルス感染症対策を徹底することで、来場者の皆様が安全・安心にベトナムの魅力を楽しめるイベントとします。来場される皆様にも、感染防止対策へのご協力をよろしくお願いします。
ベトナムフェスタを心待ちにしてくださった多くの皆様のご来場をお待ちしています。

マグカル開放区が3年ぶりに復活!

 次に、「『マグカル開放区』が3年ぶりに復活!」についてです。
 「マグカル開放区」とは、日曜日に県庁前の日本大通りで、音楽やダンスなどのパフォーマンスを自由に発表できる場です。
 コロナ禍において、マグカル開放区の会場をオンライン上に移し、「バーチャル開放区」を実施してきましたが、満を持して「マグカル開放区」が3年ぶりに日本大通りに帰ってきます。
 開催は、令和4年10月2日から令和5年3月までの日曜日に、10回程度を予定しています。実施時間は、午前10時から午後4時半までです。プロ、アマ、年齢やジャンルを問わず、どなたでも出演が可能です。
 出演は、事前申込み制となっており、9月1日木曜日からホームページで募集を開始しますので、多くの皆様のご応募をお待ちしております。

バーチャル開放区2022を開催します

 次に、「バーチャル開放区2022を開催します」についてです。
 音楽やダンス、大道芸など、文化芸術を発表する機会や、どこでも気軽に文化芸術に触れる機会を提供することを目的として、3回目となる文化芸術オールジャンルの動画コンテスト「バーチャル開放区」を開催します。
 今年度は、マグカル開放区も3年ぶりに復活しますが、リアルではなく、映像ならではの表現の発表の場として、「バーチャル開放区」も開催するものです。
 今年のテーマは、「ともに生きる」です。お互いの違いを認め合い、支え合い、誰もがその人らしく暮らせることや、その思いなどを、文化芸術の力で表現していただきます。
 募集条件ですが、テーマに沿った、文化芸術オールジャンルの5分程度の動画を、全国の皆様から募集します。プロ・アマや個人・団体の別、年齢、国籍は問いません。
 応募作品の中から、メッセージ性や独自性など総合的に審査し、入賞作品を決定します。
 特に優れた作品には賞金50万円を贈呈するなど、賞金総額は100万円としています。内訳は、1位50万円、2位20万円、3位10万円、県民賞5万円、審査員特別賞5万円、これが3本です。
 今年も、初回のバーチャル開放区で1位を受賞された渡部歩さんに広報大使としてご協力いただき、コンテストを盛り上げていきます。
 募集期間は、本日令和4年8月29日月曜日から10月31日月曜日までです。
 昨年度は、572件に及ぶ多くの応募がありました。今年も、皆さんからのたくさんの応募をお待ちしております。

「ME-BYOサミット神奈川2022」を開催します!

 次に、「ME-BYOサミット神奈川2022」の開催についてです。本県では、元気で生き生きと暮らせる社会の実現に向けて、未病の改善と最先端医療・最新技術の追求という2つのアプローチを融合した「ヘルスケア・ニューフロンティア政策」に取り組んでおり、そうした中で、未病コンセプトや未病改善の重要性を普及・啓発するとともに、これまでの成果や今後の展開などを議論するため、「ME-BYOサミット神奈川」を開催しています。
 このたび、国際シンポジウム「ME-BYOサミット神奈川2022」の開催が決まりましたのでお知らせします。
 開催日時は、11月8日火曜日と9日水曜日の2日間です。また開催方式は、招待者や関係者、報道の方には、会場である箱根の湯本富士屋ホテルにお集まりいただき、一般の方には、特設サイトを設置し、オンラインでご参加いただきます。特設サイトは9月下旬に開設する予定です。
 そしてテーマですが、4回目となる今回は、「VibrantINOCHIの地域社会への展開」をメインテーマに、WHOやスタンフォード大学など、海外から著名な研究者等をお招きし、現場の最前線である市町村や企業、国内外のアカデミアまでが一堂に介して、開発や実装が進む「未病を見える化する指標」の地域社会での展開や、その先の向かうべき「ME-BYO未来社会」について、幅広い議論を行います。多くの方にご参加いただきたいと考えています。
 セッションごとの概要は資料のとおりです。

クローズドマートの活用に関する個別協定締結

 次に、「神奈川県と株式会社ファーストクラスは、クローズドマートの活用に関する『個別協定』を締結しました!」についてです。
 株式会社ファーストクラスが提供するサービス「クローズドマート」は、賞味期限が迫った食品や商品切り替えで廃棄される商品を安価に販売することにより、食品ロス等削減に貢献する会員限定ECサイトです。会員として200社以上の企業が参加し、利用対象者は220万人を超えています。
 この度、県と株式会社ファーストクラスが協定を締結することで、SDGsパートナーの従業員などが「クローズドマート」を利用できる仕組みを構築します。
 この仕組みにより、SDGsパートナーの従業員などが賞味期限の迫る商品などを購入することを通じ、食品ロス等の削減に貢献します。また、通常、クローズドマートは、従業員100人以上の企業等を対象としており、中小企業の従業員や団体職員などはこうしたサービスを利用することができませんでした。
 この度、県が本協定を締結することにより、かながわSDGsパートナーとして登録している802者の全ての企業・団体等において、従業員数に関わらず、クローズドマートの利用契約が可能となることから、中小企業等の従業員への福利厚生サービスの充実につながります。
 さらに、生活困窮者対策に取り組む団体等への支援として、かながわSDGsパートナーの従業員等が購入した金額の3%が、ファーストクラス社から団体に寄附されます。加えて、クローズドマート利用者が、購入に応じて付与される保有ポイントを活用した寄附も行います。
 今回の取組みは、本来廃棄されるはずだった商品の購入を促進することで、食品ロス等削減に貢献し、さらにその売り上げの一部が生活困窮支援団体等に寄附され、共助の取組みの財政的支援につながるという仕組みになっています。
 このSDGsに向けた具体的な取組みを、SDGsパートナーの皆さんと一緒に進めるとともに、SDGsパートナーへの福利厚生の充実支援にもつなげます。
 こうした取組みにより、SDGsを活用した共助の輪を一層拡大し、802者の「かながわSDGsパートナー」の皆様ととともに、パートナーシップで「いのち輝く神奈川」の実現に向けて取り組んでまいります。

知事出席主要行事

 知事出席主要行事については、事前送付した資料のとおりです。特に私から付け加えることはありません。
 私からの発表は以上です。皆さんからのご質問をどうぞ。

質疑

「『ベトナムフェスタin神奈川2022』イベントプログラム決定!」について

記者:まず、ベトナムフェスタなのですけれども、3年ぶりの開催ということで、改めて神奈川とベトナムの結びつきを強める意義、教えていただけますでしょうか。

知事:ベトナムフェスタin神奈川、最初に実施してから5年連続実施いたしました。これによって神奈川とベトナムの非常に太いパイプが出来上がりました。そして、それぞれその開催に合わせて、さまざまなベトナムの要人、経済界の皆さんも訪れることになって、その交流はずっと続いていたわけであります。
 その結果として、当時、ベトナムフェスタを始める前は、神奈川に進出しているベトナムの企業は0社だったのですけれども、今やそれが12社になっております。
 しかしコロナということでこれが開催できなくなりました。せっかく築いたこのベトナムと神奈川の太いパイプ、これをしっかりつなげたいな、という思いの中で、前回はオンラインを使ってのベトナムフェスタ★オンラインというのをやりました。それからベトナムフェスタin神奈川だけじゃなくて、神奈川フェスティバルinハノイというイベント、これも2年連続やったのですけれども、これもコロナ禍で止まっておりました。これも、今年、何とかして実現しようと今準備を進めているところでもあります。
 この間に、先程言ったようにベトナムの企業が神奈川に12社も進出したということだけではなくて、神奈川県内に住まわれているベトナム人の方の数も増えてきておりまして、中国に次いで2番目となっています。それだけベトナムの存在感がどんどん増しているということでもあります。そういう中で久々に開催できるといった中で、ベトナムと神奈川のパイプをさらにさらに太いものにしていきたい、そう考えているところであります。

マグカル開放区とバーチャル開放区について

記者:マグカル開放区とバーチャル開放区、リアルとウェブを使ったバーチャルなイベントだと思うのですが、両方は今後も、コロナが収束した段階でも、この2つ、リアルとバーチャルとを併用して行っていくというお考えでしょうか。

知事:バーチャル開放区というのは、当初は苦肉の策でありました。これはせっかく、日本大通りを使って、自由に皆さんの文化芸術を発表できる場、こういったものが確保できてきて、だんだんそれが皆さんに浸透して、にぎわいも増してきたところでありました。しかしそれがコロナでできなくなったという状況の中で、せめてバーチャルの中でやってみようということで、バーチャル開放区というのをやったわけであります。そうしたところバーチャル開放区ならではの魅力を、私も感じることができました。映像作品ということで募集したからこそ出てくる、さまざまな文化芸術への皆さんの思い、発表といったものがあったわけです。当初はマグカル開放区をやることによって、バーチャル開放区を終えようと思っていたのですけれども、しかし、今言ったようにバーチャル開放区ならではの魅力があるということで、では両方やろうということを決めたわけであります。両方やるということは、これからいろんな形の相互展開があると思いますけれども、そのバーチャル開放区で出てきた人が、リアルなマグカル開放区に出てくることもあるだろうし、その逆もあるだろうといったことで、お互いうまく連動させながら、こういった雰囲気を、皆さん若い人の、特にチャンスを、ゆず等も路上ライブであれだけの大スターになっていったということがありますから、そういったきっかけになれば大変ありがたいと思っているところであります。

新型コロナウイルスの対策について

記者:新型コロナの関係について、先週、対策本部会議で、国の全数把握については見直すということが決まりましたけれども、改めて今いろんな知事からも、ご意見、出ていると思うのですけれども、改めて黒岩知事のお考えをお聞かせ願えますでしょうか。

知事:全国知事会が意見を取りまとめて、全数把握見直しといったこと、そして、地方独自でさまざまに対応できるようにしてほしいということを申し入れたわけです。おそらく、それに呼応した形で総理が、全数把握の見直し、そして方針は、地方、知事が決めるということをおっしゃったわけです。ですから、そういった意味で全国知事会が求めたものに対して、総理は応えくださったと私も思っていましたけれど、しかし、開けてみると全国の知事からさまざまな違った反応が出てきています。少し何かこう私自身が違和感をそこは覚えています。そして、全国統一といったことを求める人たちもいます。あれ、そういうことだったのかなと、本当に私自身が少し首をかしげているところでもあります。ただ、地方独自でといった中では、実はわれわれ神奈川は特に、神奈川で一つのやり方というものをつくって、それを認めてもらおうと思い、加藤厚労大臣に直接オンラインで交渉してお話をいたしました。それは、全数把握、全症例把握を全世代にわたってやめるということです。そして、サービスをプッシュ型からプル型へ、つまり、プッシュ型というのは今までやってきたことです。全症例把握、把握をしてお一人おひとりに行政側がサービスを提供してくるということですけれども、プル型というのは、そういうのをやめて、ご自分の具合が悪いと思ったときには、コロナ119番に自分から連絡していただく。そういうサービスを引っ張ってくる、プル型に変えていく。だから、われわれが提案したのは、全世代においてプル型へということを求めていたわけです。ところが、総理の発言の中では、65歳以上と基礎疾患をお持ちの方は、これまでどおり続けるとおっしゃった。それ以外の人は全部プル型だったら、話は分かるのですけれども、中身をよく見ると、例えば宿泊療養施設には入れるとか、医療費の公費負担は続けられるということが入っていましたから、これはプッシュ型なのです。だから、制度として、整合性がとれていない形になってしまった。ただ、総理の記者会見時点では、そういう詳細が明らかにされていませんでしたから、私は当然のごとく、われわれの要望を受け止めてもらったのだと、われわれの神奈川県独自の要望ではないですけれど、少しずれていましたけど、だから賛成だと言いましたけれども、その次の日の厚生労働省の事務連絡を見ると、この制度そのものの矛盾点が明らかになって、これでは乗ろうと思っていても乗れない。つまり、全数把握、全症例把握をしているからこそ、どこのどなたがどのような状況になっているかが分かるわけで、この人たちに対して例えば宿泊療養施設へというサービスを提供できるのですけれども、把握してない人に対して、どうやってサービスを提供しようというのか、そこの制度設計がきちっと出来上がっていなかったと、非常に大きな問題点が分かったわけです。ですから、われわれは乗れないと言っているわけでして、総理がああいう発言をされたにもかかわらず、全数把握に乗らないとおっしゃっている他の知事とは多分、立っている位置が違うと思います。われわれはあくまでこの制度の矛盾点を早く修正していただいて、修正できれば、それに乗りたいと思っています。

記者:国が統一した見解を来月にも示すのではないかという話もありますけれども、そうすると神奈川で自主療養制度で県内は動いてきましたけれども、それってちょっと後退してしまうのではないかという意見もありますけれども、それについては知事はどうお考えになりますか。

知事:全国統一でやるということが一番大事なことではなくて、やはり制度として整合性があるということが一番大事です。今のままの状態で全国統一にやると言われてもわれわれはその制度上の矛盾が解決されない限り、乗りようがないと思っています。ですからこの分をしっかりと変えていただくということが大事。それとともに地方独自でさまざまな形で多様性を認めてほしいというのは、知事会からの要望でありました。われわれが最初にそう期待したのは、神奈川が言っているものが一番ある種シンプルな形。全世代において、全症例把握、全数把握は全部やめる。そして一般医療にかなり近い形で、自分が具合が悪くなったら医療機関に求めていく。そのときはコロナ119番を一応つくってありますけれども、そこに行くという、普通の医療にかなり近づいていくという、そのプロセスに歩み出そうとしていた。そういった神奈川の取組みも含めて認めてくれるのかと思ったら、そこのところは駄目だと。75歳以上、基礎疾患のある方だけは別扱いだということになったので、ここのところはねじれる原因になったところではないかと思います。

医療危機対策法務担当課長:今の知事発言の中で、75歳以上とありましたが65歳以上です。

知事:失礼しました。

株式会社ファーストクラスとの協定締結について

記者:協定の関係でちょっと確認させてください。これはきょう、手交式みたいなのがあって結んだということでよいのでしょうか。

知事:特に協定締結式というのは予定していません。

記者:結んだのはきょうでよいでしょうか。

SDGs推進担当課長:本日、締結しております。

リアルなイベント開催について

記者:バーチャルな文化施策にしても、ベトナムとの国際交流にしても、あるいは未病にしても3年ぶりとかっていう、コロナがまだ収束してない状況ですけれども、こういうリアルの取組みを、これから、可能な限りしっかり進めていこうというような読み取り方ができると思うのですけれども、やはり、そういう形で文化施策とか、あらゆるところでwithコロナに向けての施策を進めていこうということでしょうか。

知事:そうですね、コロナとの2年半にわたる長い長い闘いがありました。まだ完全収束がいつかは見えてはいませんけれども、しかし、この流れの中で随分変わってきたということはあります。ワクチンの接種がこれだけ進んだといったこともありますし、まだ完璧ではありませんけどいくつかの薬も出てきたということもあります。そして今のオミクロン株、BA.5といったもの。今までのかつてのコロナとは随分違った状況にもなっている。そういったことを総合的に踏まえて、今、かつてやっていたような行動規制といったものをかけていない状況です。それこそ、行政側から規制をかけるのではなくて、お一人おひとりが、基本的な感染防止対策を徹底しながら、経済活動も続けていってほしいということをずっと申し上げているわけです。その延長線上の中であるからこそ、こういった今まで2年間はできなかったイベントができるようになってきているということです。いろんな各種イベントが全部同じような形で動いていると思います。プロ野球にしてもサッカーにしても、大きなコンサートにしても、中止しているものもありますけれども、大体行われてきているというのがあります。そういう流れの中で、基本的な感染防止対策をわれわれ会場側もやりますけれども、皆さんもしっかりとお気をつけになって楽しんでいただきたいと考えています。

全数把握の見直しについて

記者:先程の全数把握の質問と一部重複するところはあるのですけれど、その後、岸田首相が土曜日の会見で、全国一律での対応を基本としている。さらに重症化リスクのある人に限って報告対象を求めていくということと、そこから漏れる自宅療養者への支援についても検討するっていう方向性を示したのですけれど、少し、金曜日の段階から一歩進んだ対応が示されたと思うのですが、まずこの点について、知事のお考えをお聞きしたいのと、先程のお話だと、全国一律はあまり重要ではないというお考えだと思うのですけれど、仮にこれらの要素が全部そろった場合、改めて神奈川県としてどういう対応をされるのかを聞きたいと思います。

知事:国の方も若干混乱されたのではないかと思います。私は全国知事会のコロナ対策副本部長でもありますから、そういった取りまとめに当たってきた方であります。
 全国知事会から出てきた要望を踏まえて、各自知事の判断で任せましょうと言ったら、知事の方から全国統一にしてくれと言われて、そうであれば全国統一にしましょうということをおっしゃったっていうことの中で、少し混乱があったのかと思います。ただ私自身の認識としては、やはり先程申し上げたように、今回は、いろんな声を聞きながらやる中で、ここの部分とここの部分をくっつけるみたいな、こういう最終的な政策決定が行われたのではないかと思わざるをえないです。われわれが見ればできないことが決まって、進めようとしている。だからしようがないわけです。ここのところを調整していかなければいけない。われわれが一番最初に求めていたのは、すごくシンプルなのです。全数把握、全症例把握を全世代やめて、全部をプル型サービス、自分が、具合が悪いと思ったときには、自分からコロナ119番まで電話していただくという形を徹底していこうという、非常にシンプルなわけです。だからわれわれとしてみれば、これを総理が決断をしてくれて発表してくださるのが、一番ベストだと思っています。われわれが考えているものが一番やはり合理的だと思っているわけです。ただ、そうした場合に、何だ、患者を見捨てるのかとか、自分たち行政が楽をしようとしているのではないかとか、そういうふうに見られるかもしれないです。ですからわれわれは、こういった方向性というものが、つまり、コロナの出口戦略、一歩ずつこれから出て行かなければならないという中で、非常に重要な一歩だという認識の中で、それを行こうとしているわけです。そのときに大事なことは、皆さんにしっかりと説明をして、ご理解いただくということだと思うのです。それをやはり、国と一体となってやっていければ、一番私はベストなシナリオだと思っています。それが中途半端にあそこに遠慮し、こちらに遠慮しという形で、整合性が取れない形になると、それはさらに混乱を助長しているだけになるのではないかと、そういう危惧をしているところでもあります。

記者:全数把握の関係なのですが、神奈川県としては、今、打ち出されている制度では、なかなか矛盾があって実現できないということ、繰り返しおっしゃっているのですが、もう少し具体的に、この部分は県がやっている制度と矛盾してしまうとか、これが問題なのだ、みたいな、具体的なところを教えていただけるとありがたいのですが。

知事:今、総理が打ち出された方針の中に、65歳以上、基礎疾患をお持ちの方は別で、それ以外の方は、全症例把握をしないということをおっしゃっているわけです。この人たちが、例えば宿泊療養施設を使いたいと言ったら、どうぞ、と言っているわけです。それ、把握していないのに、その人は対象者だということをどうやって見極めるのですかということです。そうすると例えば、われわれの宿泊療養施設という、そのホテルにふらっとやって来て、私、陽性だからここに入らせてくださいと言ってきたときに、はいどうぞと言うのか言わないのか。それも非常におかしなことですよね。今、われわれがやっている自主療養届出制度といったものは、ご自分で、ある種、自己申告です。その代わり自主療養届の証明書が出てくる。これをもって、そして自分で自主的に、自宅でじっとしてくださいということなのですけれども、ここにおいて見れば、この人は自宅にいることが原則ですから、公的なサービスは受けられないのです。これは、その人が宿泊療養施設に、この自主療養届出の証明書を持っていますから、入れてくださいとって言ってもこれは駄目なのです。全部、自分から、求めるサービスは提供できますけれど、行政側から、これだというサービスは受けられない。自主療養制度というのは、そういうものなのです。だから今回の政府が打ち出している方針というものは、そういう意味で整合性がとれていないということです。どうやって宿泊療養施設の皆さんを選別するのか、そういったことを一つ考えてみても、少し実務的に分からないです。

記者:そういった中で、総理は全国一律で今後打ち出した形での実施をしたいという考えを示されておりますけれど、実際に全国一律となった場合、神奈川県としてはどう対応していくのでしょうか。

知事:だから全国一律、何を全国一律にするかということが一番大事です。今われわれが指摘している矛盾点といったものを、しっかりと制度設計し直して、しっかりとしたものにするということがあった上で全国一律というのは分かりますけれども、今の矛盾を抱えたまま、全国一律って言っても、それはとてもわれわれ、できないものはできないとしか言いようがないわけです。

記者:だとするとですね、何とかその矛盾点を解消してもらうための働き掛けなりが必要になるかと思うのですけれども、先日も少しおっしゃっていましたけれども、今後そのあたりの解消に向けてはどう動かれるのでしょうか。

知事:もう今、事務方の方で、そういった問題をしっかりとお伝えをしていますので、そういった交渉の中でどう動いてくるかということを、基本的に見極めたい、当面は見極めていきたいと思います。

児童虐待について

記者:児童虐待の事案について、お伺いします。厚木市で、幼児二人が車内に放置されて亡くなって、母親が保護責任者遺棄致死の罪で起訴されています。県の児相もかかわりがあったということですけれども、今回の事案の受け止めについてお願いします。

知事:詳細は把握していませんけれども、最近そういったことが結構、多いですよね。非常に残念なことだと思います。貴重なお子様の命がそういったことで奪われてしまうこと、児童相談所をわれわれは体制を強化しているところでありますけれども、なかなかそれによっても対応しきれていない部分があるのかなと。今回のことがどういうことだったのかを精査しながら、二度とそういうことがないようしっかりと対応していきたいと思います。

記者:今、知事、言及があったのですけれども、県政の理念に、いのち輝くっていうものを掲げていらっしゃって、子どもの命はその中でも一丁目一番地だと思うのですが、大和なんかでも事案があって検証をやっていますけれども、改めて、児相の体制の強化だとか、何かこう県政の方でできること、どんなことをお考えになっていらっしゃいますか。

知事:子ども対策といったものは大きな柱にしています。そして特にコロナということで
これだけ長い間、苦しい状態が続いたと。その中で、これによって生活困窮に陥っている方もたくさんいらっしゃるし、子どもの貧困といった問題もこれまで以上に、厳しくなっているということもあるし、そしてさまざまに皆さんがコロナによるストレスを抱えてる状況の中で、そういった社会のいろんなことがやはり一番弱い子どもたちのところに向かっていっているという現実もあります。ですから、こういった問題に対応するためには、児童相談所の体制を強化するだけで済むのかといった問題です。やはり総合的に、ありとあらゆる政策を総動員して、そしてみんなの気持ちをやはり子どもたちのいのちを守るのだという方向に向かっていかないと、一つの政策で方が付く話ではないということです。だからこそ改めていのちっていうことの大切さといったものを、改めてみんなで確認しながら、総合的に政策を進めていきたいと考えています。

(以上)

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