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更新日:2024年1月11日

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定例会見(2024年1月9日)結果概要

過去の知事記者会見の様子をテキスト版でご覧いただけます。

発表項目以外

能登半島地震に関して

 2024年の年頭記者会見を始めます。
 はじめに、発表項目ではありませんが、能登半島地震に関してコメントいたします。
 今回の地震により、お亡くなりになられた方々に対して心より哀悼の意を表しますとともに、被害に遭われた方々に心からお見舞いを申し上げます。
 本県は、地震発生直後に、庁内に災害対策支援チームを設置し、情報収集と関係機関との連絡調整を行うなど、要請があれば、速やかに対応できる体制を整えてまいりました。
 すでに、神奈川県警察が1月1日の発災当日から広域緊急援助隊の派遣を開始し、翌1月2日から、被害が甚大な石川県珠洲市を拠点に、救出・救助や捜索活動に当たっており、80代男性を救出しています。現場は非常に過酷な状況ですが、全隊員が、士気高く、活動を行っていると報告を受けています。
 消防に関しては、1月2日から、横浜市及び川崎市の消防防災ヘリコプターが、緊急消防援助隊として派遣されており、応急活動に従事する消防職員を、陸路では到達しにくい被災箇所に搬送する活動などを行っています。また、昨日、お知らせしていますが、消防庁からの指示を踏まえ、被災地の輪島市において災害救助活動等を行うため、新たに78隊283人の緊急消防援助隊神奈川県大隊が、本日9時に、神奈川県消防学校から現地に向けて出発いたしました。神奈川県大隊の出動に当たり、私も県消防学校に赴き激励を行いました。
 このほか、1月4日には、本県から石川県庁に情報連絡員2名を派遣し、全国知事会と連携し、情報収集や連絡調整に当たっているほか、1月6日からは、総務省からの要請を受け、本県の事務職員20名を石川県羽咋郡志賀町に派遣しています。
 職員20名は、物資の拠点に配置され、避難者に物資が円滑に届けられるよう、物資の積み下ろしや仕分けなどの作業に従事しています。
 同じく1月6日から、厚生労働省からの要請を受け、各政令市及び保健所設置市と連携して保健師チームを石川県珠洲市に派遣しています。保健師チームは2月29日までの派遣を予定しており、現地避難所などで、被災者の健康観察などの支援を行う予定です。
 さらに、1月7日に厚生労働省からDMATのロジスティックチームの派遣要請があり、1月7日から阿南理事並びに山崎感染症対策担当部長兼健康医療局医務担当部長の医師2名を、石川県保健医療調整本部に送ったほか、情報連絡員として県職員2名を派遣しました。
 同じく1月7日に、厚生労働省からDPAT、災害派遣精神医療チームの先遣隊の派遣要請があり、明日10日から1チーム、14日から1チームの計2チームを派遣します。
 県企業庁では、公益社団法人日本水道協会からの要請を受け、1月6日に技術職員5名を派遣し、7日から石川県輪島市で応急給水活動を行っています。
 次に、地震の発生を受け、被災者の方々を支援するために、本県が先週から開始した義援金についてです。大きな被害を受けた被災者の方々のために、本県では、県民の皆様からの義援金を募集しています。先週、1月4日に県庁本庁舎1階の正面玄関及び新庁舎1階のロビーの2箇所に募金箱を設置しました。県のホームページやSNSでもご案内していますので、ぜひ、一人でも多くの方の募金をお願いいたします。この義援金は1月31日まで募集する予定で、日本赤十字社を通じて被災地の方々にお届けいたします。ぜひ、ご協力をいただきたいと思います。
 今後も、被災地からの要請に迅速に対応し、全庁一丸となって被災地支援に取り組んでいきたいと思います。
 今回の地震は、元日の穏やかな時間をご家族などと過ごされている中、突如として、この地震の報道に触れ、緊張と驚きを感じた方も多いと思います。
 昨年は関東大震災から100年の節目に当たり、さまざまな防災イベントを行ってきましたが、本県でも、いつ、また大規模地震に見舞われてもおかしくなく、今回の地震は他人ごとではありません。
 県としても、防災体制の一層の充実に努めることはもとより、県民の皆様お一人お一人に、防災に対する意識を持って日頃からの備えを進めていただくことを、改めて訴えていきたいと思います。

年頭所感 み~~んなDX!!

 次に、年頭の記者会見に当たりまして、今後、県が進めていく取組みとそこに込めた私の思いをご説明したいと思います。
 2024年のテーマは、「み~~んなDX!!」です。
 県民の皆様一人ひとりが、DXの恩恵を感じられる、そのような1年にしたいという思いを込めたテーマといたしました。
 2024年は、デジタルの力をさらに活用し、あらゆる分野でDXを推進することで、「安心してくらせる神奈川」、「誰もが活躍できる神奈川」、「持続的に発展する神奈川」を目指します。
 まず、「DXで安心してくらせる神奈川」です。
 1つ目は「子ども・子育て支援」です。
 知事選挙の時に、少子化の流れがどうして止まらないのかと考える中で、さまざまな不安が大きいのだろうと、皆様からの声を聞いて実感しました。
 そこで、子育てにおける不安を取り除くため、LINEを活用し、子育て世代が必要とする行政の支援情報を、必要な方に必要なタイミングで、プッシュ型で発信したり、育児に関する悩みの相談を受ける「かながわ子育てパーソナルサポート」の取組みを進めます。
 また、子どもたちが抱える困難を、1人1台端末等を活用して学校がいち早く把握し、必要な支援につなげる「かながわ子どもサポートドック」の取組みを進めます。
 2つ目は「医療DX・未病改善の推進」です。
 効率的で質の高い医療を提供するため、「オンライン診療」を推進するとともに、「マイME-BYOカルテ」や「未病指標」などにより、未病状態を見える化し、行動変容につなげて、未病改善による健康寿命の延伸に取り組みます。
 3つ目は「防災DXの推進」です。
 将来的に、避難情報のプッシュ型発信への活用なども視野に入れ、「データ統合連携基盤」で、ハザードマップにリアルタイムの気象情報を重ね合わせ、土砂災害等の危険が迫る地域に、避難が必要な方がどのくらい住んでいるのかを把握できるようにするなど、市町村の避難対策を支援します。
 また、リアルな三次元映像で災害を疑似体験できるVRを活用し、県民の防災意識の向上を図るなど、デジタル技術を活用した災害対応力の強化に取り組みます。
 次に、「DXで誰もが活躍できる神奈川」です。
 「共生社会の推進」として、「メタバースの活用による場の創出」に取り組みます。
 インターネット上の仮想空間である「メタバース」内で、ともいきアートの展示や、ひきこもり当事者の社会参加に向けたつながりイベントを行うなど、誰もが安心して参加できる交流の場を創出し、障がい者やひきこもり当事者など、誰もが自分らしく活躍できる環境を作ります。
 また、障がい者等が出演する「演劇やダンス作品のオンライン配信」等により、誰もが文化芸術に親しむための取組みを進めます。
 最後に、「DXで持続的に発展する神奈川」です。
 1つ目は「交通施策の推進」です。
 デジタル技術の進展を踏まえ、市町村や交通事業者などと連携し、「AIオンデマンド交通」や、MaaS、自動運転などの新たな交通サービスの実用化の取組みを促進します。
 また、配車アプリなどを活用し、「神奈川版ライドシェア」の早期実現をめざします。
 さらに、県内ベンチャー企業が開発中の「自走式ロープウェイ」について、将来的な県内での実用化を目指し、導入が適している地形や道路の条件を整理するなど、技術的な側面から研究を行います。
 2つ目は「成長産業の振興」です。
 デジタル化の進展により、今後の成長が期待されるロボット・宇宙産業など、成長産業の創出や集積に取り組みます。
 また、リニア中央新幹線神奈川県駅の周辺開発を契機に、JR東海や相模原市など関係者と連携し、ロボットの実用化等に積極的に取り組み、駅周辺が「ロボットあふれるまち」となるよう、取組みを進めます。
 3つ目は「観光・地域活性化の推進」です。
 データに基づく効果的な観光施策を展開するため、さまざまな「観光データを収集・分析・活用」するとともに、デジタルラリーなどを活用したプロモーションを行うことで、周遊観光の促進に取り組みます。
 2024年は、「み~~んなDX!!」をテーマに、進歩の著しいデジタルの力をさまざまな県政課題の解決に積極的に活用し、当事者目線に立って県民の不安を解消することで、やさしい社会の実現をめざしてまいります。

知事出席主要行事

 知事出席主要行事については、事前に送付した資料のとおりです。特に私から付け加えることはありません。私からの発表は以上です。ご質問があればどうぞ。

質疑

能登半島地震について

記者: 能登半島地震に関してですが、今派遣されています阿南理事らDMATの方から、何らか現地の報告など知事にあるものがあれば教えていただきたいと思います。あと、常々やってらっしゃると思うんですが、県内の備蓄の関係のチェックだとか、今回を機に、何か改めてやってらっしゃることがあれば教えてください。

知事: 阿南理事の業務は、DMATロジスティックチーム、DMAT都道府県調整本部等の本部業務において、統括DMAT登録者をサポートするチームであります。阿南理事は、石川県庁に設置された保健医療調整本部において、石川県に派遣されたDMATの具体的な活動内容や支援を行う場所について、円滑に調整が行われるようにサポートを行っているということです。行った人間から話を聞いたところ、まさに水を得た魚のように、頑張って、最前線で働いていらっしゃるというふうに聞いています。そして、県内備蓄のことですが、今は現地の災害復旧、救助がまず第一ですので、県の中の状況を調べる状況には特にはありません。

知事出席行事について

記者: 知事出席主要行事メモの来週の予定で15日に県タクシー協会新年賀詞交歓会というのがありますけれども、ライドシェアの関係で伺います。ここで何かライドシェアのことでお話になるのか、この賀詞交換会は今年初めてなのか、それとも、例年行ってらっしゃることなのか教えてください。

政策推進担当課長: 例年行っているのかは調べてお答えしたいと思います。

知事: 当然、ライドシェアはタクシー業界の皆さんと一緒にやっていきたいという思いでやってきています。そのへんをしっかりとご説明して、お願いをしたいと思っています。

年頭所感について

記者: 知事の冒頭のご紹介の中で、「み~~んなDX!!」の今年取り組みたい、取り組むべき課題というところでご説明がありましたが、今日新年1回目の会見なので、もう少し総論的に他の件も聞きたいんですけど、これ以外で知事が今年1年取り組まれたい政策ですとかテーマ、もしこの他にお考えあれば、お聞かせ願います。

知事: 今年に入って、突然新しいことをやるということではないです。今までやってきたことの延長線にすべてあります。例えば、この中では触れませんでしたけれども、「当事者目線の障がい福祉」を推進していくということ、これは至上命題と思っております。中井やまゆり園の改革が今進んでいることは間違いありませんけども、しかし、その足元からまた虐待事例が報告されているという状況があり、非常に根の深い問題だと思っています。これを真剣に進めていくということが非常に重要なことだと思っています。それと物価高。生活困窮の方々がたくさんいらっしゃる状況の中で、それはしっかりその状況を見ながら、国ともしっかり連携しながら、お支えしていく、サポートしていくという流れをしっかり作っていきたいと思っています。基本的に生活困窮でありますとか、さまざまな困難を抱えてらっしゃる方々にしっかりと目を向けながら、県としてやるべきことをしっかりやっていくという中で、やさしい社会を実現するといったことを前進させていきたいと考えています。去年までやってきたことを振り返って、その延長線でさらにやっていくということに尽きると思います。

ライドシェアについて

記者: 先程も少しお話が出たのですけれども、今年はライドシェア元年ということで、全国からもかなり動向が注目を集めているかと思うのですけれども、改めてこの春に導入を予定しているライドシェアに向けての思いと、現在の進捗状況、アプリの開発等に少し時間かかっているということでしたが、そのあたりについてお伺いさせてください。

知事: 神奈川版ライドシェアの一番の根本というのは、利用者目線に立った仕組みをつくる。これに尽きると思います。地域を限定してそして時間帯を限定している。つまり、今、三浦市で実証実験をやろうと準備を進めているところですけれども、三浦市で夜、利用者の方がタクシーに乗ろうと思っても全然捕まらない状況にある。例えば、救急車で病院運ばれた後、ある程度診断が終わって家に帰っていいですよと言われても、帰ろうとタクシーを呼ぼうと思っても、タクシーが来ないという状況、利用者が困ってらっしゃるということがあります。その困っている利用者の目線に立って移動手段を確保する。そのためにどうすればいいのか。タクシー会社で及ばないところは、まさにライドシェア、一般ドライバーのご協力を得ましょう。その代わり安全性等々、さまざまなことについては、タクシー会社の皆さんと一緒になってやっていきたい。そういったことを実際に始めてみて、そして、まさに実証実験ですから、始めてみて、そこで浮かび上がったさまざまな課題、それをまずは乗り越えながら、利用者目線に立った移動体系を構築していく。これが、われわれの大きなミッションだと思います。

能登半島地震について

記者: 先程の質問で今回の能登地震を受けて県内の体制について、点検する段階にありますか、というような質問があったと思うのですけれども、既に明らかになっている、指摘されている問題として、いわゆる緊急輸送道路がふさがってしまっているというような問題が報じられているのですけれども、県内の緊急輸送道路、災害時に物資を搬送するために優先される道路がたくさんあると思うのですけれども、その緊急点検を指示するとか、そういった知事から出された指示というのは今のところはないのでしょうか。

知事: 今は、被災地の支援に全力を挙げようとしているところです。それは、明日は我が身ですから、自分たちのところをしっかり点検していく、改めて点検していくことは大事なことですけれども、それよりも、まず今は現地の支援に当たるというのが最優先の課題です。地元のことは関係ないのかというと、そのようなことはなくて、これは去年も関東大震災100年ということがありましたから、総合的にさまざまなことを普段から見直してきているわけです。その延長線上にしっかりと脇を固めて行きたいと考えていますが、今はとにかく被災地支援、それが最優先課題だと考えています。

記者: 先程、緊急消防援助隊に直接ご挨拶とお見送りをされたと思うのですけれども、改めて、どういった現地での活躍を期待されるのかコメントをお願いします。

知事: 78隊263人の皆さんが本当に緊迫感溢れる表情そして意気に燃える、そういう表情で、私の挨拶を聞いてくださいました。そして現地に旅立っていった姿を見送りながら、胸が熱くなりました。そして消防の車両を1つ見るだけでも、消防にはさまざまな車両があるなと、改めて実感しました。この神奈川県の場合には、それぞれの消防本部が連携する、「かながわ消防」という流れを作ってまいりましたけど、今回のミッション、これに対して応える姿というのは、まさに「かながわ消防」が動いているということを感じました。日頃からこの「かながわ消防」というのはお互いの消防本部の枠を越えて連携するという訓練をしていますから、これは現地に入っても、能登市内でみんな活動を行うことでありますから、そういった連携の妙といったものも活きてくるではないかと思っています。ただ、今は、非常に寒い状況、それから雪も心配されるという非常に厳しい状況の中で皆さんを送り出すことについて、本当に頑張ってほしいと、そのような思いを強くしたところです。皆さんの引き締まった、やる気に満ち溢れた表情を見て、非常に頼もしく、心強く思ったところでありました。

知事政策秘書官: 先程の知事の発言について数字の部分を訂正させていただきます。消防隊員の派遣の人数は、知事は263名と申し上げましたが、正しくは283名になります。また活動場所ですけども、知事は能登市と申し上げましたが、輪島市でございます。

(ライドシェアについて)

政策推進担当課長: 先程のタクシー協会の賀詞交歓会の関係ですが、例年というわけではありませんが、昨年は出席をしております。

中井やまゆり園の改革について

記者: 知事のご発言の中で中井やまゆりの名前が出たので伺いたいと思うんですけど1月4日に、井上参事監を新たにお迎えになられて、今後対応強化されていくというふうなお考えだと思うんですけれども、新年の最初にこういう人事を出されたので今年こそはという思いがあるのではないかと思いましたので、参事監の働きへの期待ですとか改めて施設への取組みの考え方を知事に伺えればと思います。お願いします。

知事: 中井やまゆり園の改革が進んでいることは間違いない。今まで、居室施錠をずっと長時間されていた人が外へ出て、にこやかに働いている姿というものも実際目の当たりにしているわけですから、明らかに進んでいることは間違いない。しかし、そのような中でも先程申し上げたように、今の職員による虐待といったものの事例が報告されているといったことは一体何なのか、それだけ根の深い問題だなと、長年にわたって続けられてきた支援、当たり前のようにやられていた支援、それをいきなり変えようとしても、それは自然にそうなってしまう部分がまだまだあるのかなと思うところです。でも、ここでわれわれはひるんではいけない。この改革を絶対前に進めるために、しっかりとした形でやっていかないといけない。そういった中では、この地方独立行政法人化といったものを視野に入れながら、この福祉のステージというものを根本的に変えるという強い思いで前進させていくという中で、人材の適材適所、そして必要な人材をそこに投入するという思いの中で、しっかりとやっていきたい。中井やまゆり園が、しっかりと当事者目線の障がい福祉を実現できるまで、われわれは全力をあげていこうと思っています。

(以上)

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このページの所管所属は政策局 知事室です。