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更新日:2024年3月29日
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過去の知事記者会見の様子をテキスト版でご覧いただけます。
知事: はじめに「2027年国際園芸博覧会のカウントダウンボードを設置します」についてです。2027年3月19日から、ここ神奈川横浜の地で、1都3県初の万博である2027年国際園芸博覧会、GREEN×EXPO2027が開催されます。「いーおはなの日」にちなみ、開催1087日前である本日、お披露目しようと思います。開催に向けた機運醸成のため、この度、県庁内にカウントダウンボードを設置することとしました。
今回のカウントダウンボードのお披露目にあたり、かながわ環境大使である白井貴子さん、国際園芸博覧会協会の千代光一事務次長にお越しいただきました。白井さんには、これまでかながわ環境大使として、「持続可能な社会かながわ」の実現に向けて、環境保全の大切さなどを発信していただき、地球環境保全の推進にご尽力いただいております。それではお披露目したいと思います。
~お披露目、記念撮影等~
司会: ここで、白井様からコメントをいただきたいと思います。
白井大使: 皆さんこんにちは。ミュージシャンの白井貴子です。花博まで1087日ということで「いーおはな」という数字になっているそうです。きょうから3年ぐらいなのですけども、「PRをしてくださいね」と言っていただいて、そういうお役目をいただきました。私は、「全国植樹祭」の「森へ行こう!」という歌であったり、コロナ禍に私はどうしても、農業をずっとやってみたかったので、きょうは自分でやっている農業の写真、大豆の写真が入ったTシャツを着て来ましたけれども、農業もやっていますし、そしてお花は何よりも大好きです。昨年は「FLOWER POWER」というアルバムを38年ぶりに復刻して、アナログ盤を出したぐらいに、「FLOWER POWER」「FLOWER POWER」と言ってきた私としては、こういうお役目をいただいて、とてもうれしく思っています。とにかく、地元住民としては、長年、瀬谷の広大な緑のところを見るたびに、ここがどうなるのかなとすごく不安と期待があったものですから、こういった花博が開催されると伺って、もう本当に喜んでおります。頑張って、私も1087日PR、やっていきたいと思いますので、皆さんどうぞよろしくお願いいたします。
司会: ありがとうございました。続きまして、国際園芸博覧会千代事務次長からコメントをいただきたいと思います。
千代事務次長: 本日はこういった素敵なカウントダウンボードの除幕式にお招きいただきまして誠にありがとうございます。また、知事が「Vibrant INOCHI」にかける意気込みを示していただきまして、それを見るのも今から楽しみでございます。園芸博覧会のテーマは「幸せを創る明日の風景」ということでございまして、「Vibrant INOCHI」と共通するのですけれども、花の持つ力ということを申し上げたいと思っております。花というのは、嬉しいときや楽しいときには、その喜びを何倍にも増幅してくれるものでございますし、つらいときや悲しいときには、そのつらさ、悲しさを癒してくれるものでございます。昨今のニュースでは、いいこともありますけれども、災害、事件、戦争といった、つらいことがたくさんあります。それから皆様の生活の中でも、幸せで元気いっぱいという方もいらっしゃると思いますけれども、つらい思いをされている方とか、大変だという方も大勢おられると思います。そうした中で、園芸博とか機運醸成に向けた花、美しい花を見ていただいて、少しでも癒しにしていただければと思っております。特に若い方とか、お子さんには、この世界が素晴らしいところなんだ、夢に溢れたところなんだということを感じていただくきっかけにしていきたいと考えております。いつもわれわれに元気をくださる白井貴子大使にも、開幕に向けて、大いに盛り上げていただくことを期待しておりますし、先日、公式キャラクターも選定されまして、愛称を募集しているところでございますので、皆様ぜひ奮ってご応募いただけると幸いです。本日は素敵なカウントダウンボードのお披露目ありがとうございます。
司会: 千代事務次長、ありがとうございました。それでは、知事、白井さん、事務次長、元の位置へお戻りください。引き続き、黒岩知事よろしくお願いいたします。
知事: このデザインは国際園芸博覧会の公式クリエイターである蜷川実花さんによるものです。また、このカウントダウンボードは、県庁新庁舎1階に設置する予定です。
今回のカウントダウンボードの設置のほか、さまざまな機運醸成に向けた取組みを通じ、2027年国際園芸博覧会の開催を広く周知し、開催の成功につなげてまいります。私からの発表は以上です。この件について、ご質問があればどうぞ。
記者: 白井様、千代様、それから黒岩知事、それぞれ一言ずつお伺いしたいんですけれども、この間、県議会議員の方々向けの花博の勉強会があったと思うのですが、そのときのお話の中で、やはり大阪・関西万博と同じ万博であるにもかかわらず、まだ少し知名度が足りないという問題意識をお話されておりました。今まさに機運醸成の話をされたところですけれども、それぞれどのように、今後、機運醸成と知名度の向上、これに向けて取り組んでいくか伺えればと思います。
白井大使: 先程も打合せの中で、やはり認知度が低いというお話が出たのですけれども、私自身も花博と園芸というのは少し分かりづらいなというところが正直あったのですが、きょう、綺麗なパンフレットを見せていただいて、「GREEN×EXPO」と書かれていて、とてもピンときたというか、GREENと言えば木々もそうですし、お花ももちろん入っているというところで、本当に環境を大切にしないと、もう未来はないというぐらい、大変なところまでこの地球は追い込まれていますので、それを思うと「GREEN×EXPO」すごくいいなと思っています。なので、花博というだけではなく「GREEN×EXPO」と言われると、私自身も血が騒ぐというか、すごくモチベーションがアップして、たくさんのことを多くの人に伝えられるのではないかと思っています。とにかく世界を巡回している、自然のEXPOだということですよね。それを伝えていきたいと思います。
千代事務次長: 大阪では、最初の大阪万博と花博がありまして、結構、大阪の地は万博に馴染みがあるのですけれども、実はこの園芸博は、首都圏では一度つくばでやっているので語弊があるのですけれども、1都3県では初めての万博ということになります。そういう意味で、もともと、関東の方、首都圏の方にはそれほど馴染みがないところですけども、逆に、まだ行かれたことのない方もいらっしゃると思うので、そこでその魅力をすごく感じていただけるのではないかなと考えております。先日の3年前イベントで公式キャラクターが選定されまして、これから例えば、交通機関にもお願いして、各駅にポスターを張り出していただくとか、あるいは車両のラッピングみたいなことも進めていきますので、徐々に地元から、神奈川、さらに東京に広げて、認知度を上げていきたいと思います。
知事: 国際園芸博覧会という名称がやはり響いたのだと思います。これがいわゆる万博なのだという意識が全然浸透していないです。ですから私も意識的に「来年は大阪万博、3年後は横浜で万博」。こういうことをずっと言っておりまして、万博が、この横浜、神奈川で開かれ、1都3県で初めての万博が開くんだということをどんどん繰り返しこれからアピールしていきたいと思っています。考えてみますと、当初は、横浜市が招致したわけでありまして、神奈川県は、後ろから支えるというポジションでいたんですけれども、協会の方からも「神奈川県も前面に出てください」という話が、1年少し前にありましたので「じゃあ出ましょう」ということで、神奈川県全部をあげて、この花の万博を盛り上げていきたいと思っています。ですから例えば、県立高校、特別支援学校等々、全部の学校を通して、盛り上げるためにいろんな仕掛けをしていきたいと思っていますし、そしてなるべく早く取り組んだ方がいいなという思いの中で、「Vibrant INOCHI」、いのち輝くというのは、神奈川県がずっと掲げてきたメインテーマでありますから、これを「GREEN×EXPO」の場でアピールする流れを作ろうということで、今そういうストーリーを作ろうとしています。そして、展示、出展といったものもいち早く決めましたし、そして、ステージでのパフォーマンス、ミュージカルショーのような形をイメージしていますけれども、「Vibrant INOCHI」といったものをアピールできるような、国際園芸博覧会「GREEN×EXPO」のコンセプトにぴったりな、まさに名物となるようなショーを作っていく。そのプロセスを通じながら、認知度向上、機運醸成にしっかり取り組んでいきたい、そう思っています。
記者: ショーについては、事前にお披露目されたり、それとも開会までのお楽しみなのか、機運醸成という意味で事前に少しさわりを披露しておいて、残りは来てくださいとするのか、何かアイデアはあるでしょうか。
知事: 今、さまざまな企画会議をやっているところです。とにかく早く取り上げた方がいいだろうということで、随分前から、打ち合わせ、会議を重ねてきておりまして、どういった形でやるか、なるべく多くの人を巻き込みたいと思っています。ですから、最後にみんなが参加できるような形のショーであるとか、それを事前に盛り上げていくために、ごく一部を大会の前から見せていくということもあるだろうし、他の媒体を通じてそういったことをアピールしていく。例えば、そういったテーマの絵本を先に作って、そしてそれを広げていきながら、機運醸成につなげていくとか、さまざまなこと、いまは全部アイデアの段階ですけれども検討中です。
記者: なかなか大きくて、すごく魅力のあるボードだと思ったのですけれども、これまで神奈川県庁、もしくは神奈川県が設置していたカウントダウンボードは今までにはあったのでしょうか。教えてください。
知事: ねんりんピックのときもありました。東京オリンピック・パラリンピックのときもあったかな。少し調べてみます。
記者: デザインは蜷川さんがされたということで、県民の方もしくは県外の観光客の方とかにも、これをどう楽しんでほしいかみたいなところのコメントがあれば教えてください。
知事: これは、県庁の中に設置するものでありますので、皆さんに見ていただくようになっていないと思いますが、今、県庁本庁舎の渡り廊下のところに大きな横断幕がつけてあります。そういった形でこれからいろんな形のシティドレッシングを含めながら、アピールする方法をいろいろ考えていきたいと思います。
記者: 万博としてアピールしていくというようなお話だったんですけれども、大阪万博をめぐってはお金の使い方、運営のあり方で、かなり逆風が吹いているところもあります。「GREEN×EXPO」も知名度が上がれば上がるほど、そういうところの目が厳しくなっていくのかなと思うんですけれども、そういう意味で、知事もなるべく多くの方を巻き込んでいくというようなお話だったんですけれども、その中で透明性だとか公平性だとか、そういうものをどういうふうに確保していくのか。そこら辺のお考えを伺えればと思います。
知事: 横浜市、国としっかりと連携しながらやっていきたいと思っています。今回、われわれが目指す「GREEN×EXPO」というのは、神奈川県が掲げている「いのち輝く」というメインテーマにぴったりなイベントなわけです。ですから、ただ単に1つのイベントを盛り上げるだけではなく、神奈川県が取り組んでいるその大きな政策の方向性といったもの、それをアピールする場にもしていきたいということも考えておりました。なるべく普段やっている政策等が全部つながっていく、例えば、われわれが「ともに生きる社会かながわ憲章」というものを作って、共生社会を呼びかけるということ、そういったことも含めながら、先程言ったようなミュージカルショーのようなものも、そういったともに生きるというものがアピールできるような流れを作っていきたい。そして何よりも、県民全員で参加型で作っていくという流れということによって、大阪万博で今いろいろ話題になっていることとは、全然違うような次元での展開をわれわれは考えています。
政策推進担当課長: 先程のカウントダウンボードの設置の例ですけど、東京オリンピックのときも設置していました。
次に、「令和6年4月1日の定期人事異動の概要」についてです。お手元の資料に沿って、ご説明いたします。
まず、「1 主な人事異動」をご覧ください。特別職については、議会のご同意をいただいた、平田総務局参事監及び橋本福祉子どもみらい局参事監の2名を副知事とし、理事・局長級については、総勢17名の人事異動を行います。まさに適材適所の人事配置ができたと考えており、このメンバーには先頭に立ってリーダーシップを発揮し、県庁の取組みを牽引してもらうことを期待しています。
次に、2ページ、「2 人事異動のポイント」です。
まず、「(1)子ども・子育て施策の推進」ですが、全ての子どもが健やかに成長し、県民が安心して子どもを生み、育てることができる社会の実現を目指し、結婚・妊娠・出産・育児の切れ目ない支援やあたたかいコミュニティの創出に向けた取組みを推進するため、新たに「子ども企画担当課長」を設置するなど、子ども・子育て施策の推進体制を強化します。
次に、「(2)当事者目線の障がい福祉の実現」です。当事者目線に立った障がい福祉の実現を目指し、県立障害者支援施設における生活を支えるサービスの更なる充実強化を図るため、中井やまゆり園に参事監級の園長を配置するとともに、新たに福祉職の副園長を設置し、副園長2名体制とします。
また、県立障害者支援施設の独立行政法人化に向けた準備等を進めるため、新たに「独立行政法人化担当課長」を設置するなど、当事者目線の障がい福祉の実現に向けた体制を強化します。
次に、「(3)行ってみたい神奈川の魅力づくり」です。国際文化観光局とスポーツ局を統合して設置する「文化スポーツ観光局」において、「観光により地域が輝く神奈川」の実現を目指すとともに、東京2025デフリンピックを契機とした障がい者スポーツの推進のため、
スポーツ課内に、新たに「健康・パラスポーツ推進室」を設置するなど、神奈川の魅力づくりに向けた推進体制を強化します。
次に、「(4)地域の移動を支える交通サービスの確保」です。鉄道やバス交通等に関する既存の取組みに加え、ライドシェアや海上交通などの新たな交通政策を推進するため、交通企画課の名称を交通政策課に変更するとともに、新たに「特定交通政策担当部長」を設置するなど、地域の移動を支える交通サービスの確保に向け、体制を強化します。
次に、「(5)『災害に強いかながわ』の実現」です。孤立化対策、要配慮者対策、防災におけるDXの推進、効果的な普及啓発など、重点的に取り組む対策を含めた、新たな地震防災戦略の策定等のため、新たに、「防災担当の参事監」や「消防保安担当部長」を設置するなど、「災害に強いかながわ」の実現に向け、体制を強化します。
次に、「(6)DXの推進体制の強化」です。デジタルの力を活用しながら、県民目線に立った行政改革を推進するため、新たに「デジタル戦略担当部長」や「デジタル行政改革担当部長」を設置するなど、誰もが安心して暮らせるやさしい社会の実現に向けた推進体制を強化します。
最後に、「3 女性職員の登用」です。今回の人事異動により、知事部局の管理職手当受給者474人のうち、女性は106人となり、女性管理職の割合は、昨年度から0.5ポイント増の22.4%となりました。私が初めて知事に就任した2011年の時は、6.2%でしたので、約3.6倍に増えています。今後も優秀な女性職員を積極的に登用していきます。人事異動の概要は以上です。
次に、「生産性向上に取り組む、中小企業・小規模事業者向けの補助金の公募を開始します!」についてです。
長引く物価高騰や深刻な人手不足など、中小企業等が抱える喫緊の課題に対応するためには、事業の生産性を向上させ「稼ぐ力」を安定・強化することが重要です。
そこで、2つの新たな補助金の公募を開始します。
まず、「中小企業生産性向上促進事業費補助金」ですが、これにより、例えば、製造業での工作機械やロボットの導入、飲食業での自動調理機器等の導入など、従業員一人当たりの生産性が向上する設備の導入を支援します。公募期間は4月1日月曜日から5月31日金曜日となります。
次に、「小規模事業者デジタル化支援推進事業費補助金」についてです。小規模事業者を対象として、例えば、POSレジや販売管理システムなどのデジタル技術を活用して、人手不足の解消や効率化に資するシステム等の導入を支援します。こちらは、6月3日月曜日からの公募開始となります。いずれの補助金も、詳しくはホームページ等で公募要領をご確認ください。
次に、「『神奈川県事業承継補助金』の公募を開始します!」についてです。
物価高騰や人手不足等の影響を受けた中小企業者の皆様が、これまでの事業活動の中で培ってきた貴重な経営資源や従業員の雇用を守るため、第三者への事業承継に取り組む際の費用について補助するものです。具体的には、事業承継する際に必要となる、税理士や弁護士などによる企業価値の算定、契約書の作成等の経費や、従業員を引き続き県内で雇用する人件費を補助します。
事業承継を円滑に進めるには、長い期間を要することが多いため、早期にその必要性に気付き、着手することが何よりも重要です。県では、中小企業・小規模企業の経営者の皆様に、さまざまな経営課題を早期に把握し改善していただく「企業経営の未病チェックシート」の取組みを進めています。チェックシート活用などにより、事業承継に課題があるとわかった事業者の方は、ぜひ、この補助金を活用して、早めに事業承継に向けて取り組んでいただきたいと思います。
公募期間は、令和6年4月1日月曜日から令和7年1月31日金曜日までで、予算の上限に達した場合は、期限前に募集を終了します。詳しくは、ホームページなどで公募要領をご確認ください。
知事出席主要行事については、事前に送付した資料のとおりですが、そのうち、2件お知らせがあります。
3月29日金曜日に「脱炭素化促進のためのペロブスカイト太陽電池の社会実装に向けた連携協定」締結式を開催します。
次世代型の太陽電池として大きな期待をされている「ペロブスカイト太陽電池」の社会実装に向けて、県有施設などにおける実証や普及啓発に連携して取り組むため、県、最先端テクノロジーを活用して環境課題の解決に取り組む株式会社マクニカ、ペロブスカイト太陽電池の開発者である桐蔭横浜大学の宮坂特任教授が代表取締役を務めるペクセル・テクノロジース株式会社の3者で協定を締結するものです。
この協定により、ペロブスカイト太陽電池の社会実装に向けた取組みをより一層加速させていくとともに、低コストが期待されるペロブスカイト太陽電池と蓄電池による「エネルギーの地産地消」を広くPRしていきます。
当日は、マクニカの原社長、宮坂特任教授も出席される予定です。ぜひ、取材にお越しください。
次に、令和6年度より海老名市内の全ての小・中学校で、インクルーシブ教育を今まで以上に力強く推進するため、県教育委員会と海老名市教育委員会が協定を締結いたします。
全国的にも珍しい取組みとなることから、教育委員会だけでなく、私と海老名市長も協定締結式に出席します。
協定締結式は、3月29日金曜日13時30分より新庁舎5階、第5会議室にて開催しますので、ぜひ取材にお越しください。
私からの発表は以上です。皆さんからのご質問をどうぞ。
記者: 人事異動の件でいくつかお伺いするんですけれども、まず全般的なお話として、先程適材適所ですとか、リーダーシップというお話ございましたけれども、全体として、どのような県の姿を目指しての人事異動なのかというところ、概観としてとして伺えればと思います。
知事: 「新かながわグランドデザイン」に掲げる施策を着実に推進させるため、当事者目線の障がい福祉の実現や、行ってみたい神奈川の魅力づくり、「災害に強いかながわ」の実現など、さまざまな県政課題に対応するため、適材適所の人員配置を心がけました。今回の人事には、大きく4つのポイントがあると考えています。まず1点目は、「当事者目線の障がい福祉の実現」です。中井やまゆり園の「当事者目線の支援アクションプラン」に基づく支援改革を推進し、新たに設置する独立行政法人に継承していくため、今年1月に障害者支援改革担当の参事監として採用した井上一氏を中井やまゆり園長に配置するとともに、現場に精通した福祉職を二人目の副園長として配置することとしました。また、園と一体となって独立行政法人化の取組みを推進するため、本庁に、新たに「独立行政法人化担当課長」を設置するなど、当事者目線の障がい福祉の実現に向けて取り組んでいくための体制を整えました。2点目は、「行ってみたい神奈川の魅力づくり」です。新たに設置する「文化スポーツ観光局」において、「観光により地域が輝く神奈川」の実現を目指すため、JTB出身で、現在、一般財団法人日本健康開発財団理事長の横山 弘氏を「観光地域連携担当課長」として採用するなど、「かながわDMO」との連携をより一層深めます。また、スポーツ分野においても、さまざまな分野との連携を強化するため、ここで役職定年を迎える、三枝スポーツ局長について、法令上の特例を適用し、引き続き「スポーツ担当局長」として配置するなど、新たな局が一体となって、神奈川の魅力づくりを推進するための体制を整えました。3点目は、「災害に強いかながわ」の実現です。能登半島地震のような大規模地震や、従来の想定を超える集中豪雨等の自然災害のほか、ロシアのウクライナ侵攻等の緊迫する国際情勢にも的確に対応できるよう、ここで退任となる、佐川くらし安全防災局長を再任用のうえ、「防災担当の参事監」として配置します。また、これまでの自衛隊・警察本部に加え、新たに消防庁から幹部職員を招き、「消防保安担当部長」として配置するなど、さまざまな防災関係機関との連携を深め、本県の災害対応力の強化を図ります。最後に4点目は、女性の積極登用です。先程申し上げたとおり、知事就任当時、知事部局の女性管理職は全体の6.2%でしたが、今回の異動で、約3.6倍の22.4%に増えました。今では、あらゆる分野で多くの女性管理職が活躍しており、女性が管理職になることが当たり前のこととして、職員の意識にも浸透していると思います。引き続き、適材適所の観点から、優秀な女性職員を積極的に登用していきたいと思います。このように、今回の人事異動というのは、県がこれから進めていく「新かながわグランドデザイン」、新たに推進していこうという、この流れをしっかりと推進できるパワフルな人材を適材適所として登用したということだと思います。
記者: いただいた中で、少し中に入っていくご質問なんですけれども、DXの推進体制の評価なんですけれども、こちらに資料には幹部の方々が書かれていますけれども、デジタル戦略本部室自体で何人から何人増員するですとか、そういった人員体制は全体でどうなるんでしょうか。
人事課長: 具体の数字は手元にありませんが、数名の増員をしていくということで、庁内のDXの推進ですとか、そういったところの体制を整えてやっていく予定でございます。
記者: 女性職員の幹部登用の件です。毎年伺っているんですけれども、伸びているとはいえ前年度比で0.5ポイント増ということで、例えば、半々にしようとなると何十年もかかるというような話になると思うんですけれども、去年まで伺っているところですと、ちょうど幹部になりうるところの年代、キャリアの女性職員が辞めてしまったりですとか、あるいは休暇に入ったりとか、そういったことで層が薄くなっているというような問題意識を語っていらっしゃったと思うのですが、まずこの増えているけれども、伸びの割合が0.5ポイント増というところで、多分ご満足はされてないんだろうなと思うんですけれども、これでいいのかというのが1つです。伸ばしたいとお思いであるならば、今後さらにどういう取組みをするのか何か問題意識があれば伺えればと思います。
知事: 女性登用を進めていきたいと思いながら、前もお話をしましたけれども、ちょうど上がってほしい年代の層が、もうすでに辞めた方が多かったり、薄くなっていたというのが正直なところであります。ですから、層が薄くならないように、ずっと長く働き続けてくださる、その下の世代。今、表面に見えてるところではなくてその次の世代を引き上げるということをかなり進めています。あるところからは、もっと伸びが、急速に増えていく形で仕掛けているところであります。
記者: 今の質問に関連して、幹部職員の女性登用というのを意識付けをしているというところなんですけれども、意識付けに対する仕掛けというのはどういったことをやっていらっしゃるのか具体的に教えていただけますか。
知事: 層が薄くなっていたというのは、それまでの間に、介護とかいろんなことで、お辞めになった方が結構いらっしゃったわけです。この人たちは、本当ならば、課長とかになっていただくような人で、そういうのを見ると、層が薄くなっていたわけです。ですからその次の世代を、要するに、そうならないようにしてわれわれはいろんな形で支援してきているということです。だから、課長候補生がだんだん増えていく、そういう状況だと認識しています。
記者: そういう年代って何歳代になるのですかね。
知事: 50前、40代位ですかね。
記者: あと、5年、10年もすればというところでしょうか。
知事: そうです。私が知事になってから、女性登用、女性登用と言ってきたわけでありまして、実はその次の世代をちゃんと育てていこうということをやってきた。そこのところはだんだん層が薄くならないように、上がってきているので、それがあるところからは、課長登用するような年代になられる。そこはどんどん増えていくと思います。
記者: 数値的な目標はあるんでしょうか。
知事: 数値目標は、25%ですよね。
人事課長: 令和8年4月1日時点で25%ということでございます。
知事: 取りあえずはそういう数値目標を持っています。
記者: 当事者目線の障がい福祉の実現のところで、中井やまゆり園の園長、今までは参事監級ではなくて、どういった階級の方だったのですか。
知事: 課長です。本庁の課長級が行っていました。
記者: 副園長の二人体制は、副園長はどういう役割分担をされて二人体制とされるのか、そちらをお願いしたいです。
人事課長: 今までは、事務の副園長ということで、所内の職員の人事管理、予算の管理、そこが中心になっている。今度は福祉職の副園長を二人目として置きますので、それはまさに、障害者の方の支援方法、そういった部分についても目を行き届かしていきたい、そのような趣旨でございます。
記者: 事務と実際の支援の方法を考える、それぞれでということですね。
記者: 来年度の入庁式がコロナ5類以降後、初めて、普通に戻るかと思うんですけども、ポイントがあれば教えてください。
知事: コロナ禍で、今までコロナの前ずっとやっていたのは、皆さん一堂に集まっていただいて、そこで私がおひとりおひとりに辞令交付して、ご挨拶するといったことは当たり前だったんですけども、コロナ禍でそれができなくなって、コロナ禍では、分散して、少人数に分けて、8ヶ所くらいだったと思います。私がそれぞれの部屋に回っていって挨拶をする。辞令交付はなしというのをずっと続けておりましたけども、今年から元の形に復活します。ただ今年は人数が多いので、おひとりおひとりへの辞令交付はやらないようですけども、皆さん一堂に会しての、私からの挨拶といったものは行うと思います。
記者: 人事異動についてお伺いします。武井副知事、小板橋副知事が3月末にご退任なされます。2020年の就任直後から、コロナ禍を闘い抜いた盟友の2人に改めてメッセージなどはございますでしょうか。またあわせて、新しく就任する平田副知事、橋本副知事への評価、期待するものなどはございますでしょうか。
知事: 武井副知事、小板橋副知事ともに、本当に立派な行政マン、職人肌の行政マンとしてしっかりと支えていただいたこと、心から感謝しています。もともと、武井副知事は、副知事になる前、さまざまな困難な課題、津久井やまゆり園事件から始まったさまざまな改革、その流れというのを主導していただいた。それから県立病院機構での問題もありました。そういったものを本当に必死で、一番大変なときを乗り越えてくれたということがあって、副知事をお願いしたわけであります。小板橋副知事は、私が知事になったときに特別秘書という立場の人がいたんですけれども、その方の後任をどうしようかという中で、県庁職員からそういう立場の人を置けないものかと考えて秘書官というポジションを作って、初代を務めてくれたのが小板橋さんでありました。彼が秘書官になってから、私にとっては非常に行政がうまく回り始めたという実感を持っていまして、みごとに秘書官という職を確立してくれたということがあって、今は3代目の秘書官になっていますけれども、非常に大きなそういう功績があったということを踏まえて、副知事になっていただいたということです。なっていただいた後の4年間というものも、そのうちの3年半はコロナに明け暮れたわけでありまして、非常に厳しい状況でした。それから、豚熱の発生もあって、そういったときに小板橋副知事は最前線で頑張ってくださって、本当に頭が下がる。大活躍してくれた副知事でありました。心から敬意を表したいと思います。新しく副知事になっていただきます、平田新副知事と橋本新副知事でありますけども、振り返ってみると非常に困難な課題をともに乗り越えてきたといったことがあります。平田さんは特に、オリンピック・パラリンピック、この実現に向けてさまざまな取組みをやってきてくださった。そして、完璧な形で盛り上げてきたにもかかわらず、それがコロナで1年延期、そして、最終的には無観客。あれだけ苦労して作ってきた聖火リレーもできないということもあり、大変苦しい中、しかし、ひるむことなく、そういう流れを、困難を突破してきた大きな原動力といったことは、やはり副知事に値する非常に大きなパワーと思ったところであります。橋本さんとは、彼とともに一番大変なことを一緒にやってきたという感じがすごくあります。先程申し上げた、病院機構でかつてあった問題に対して、本当に誠心誠意取り組んでくれたということもあり、そして、津久井やまゆり園事件からの流れの中で、「ともに生きる社会かながわ憲章」、そして「当事者目線の障害福祉推進条例」、こういったものを作る上でも、本当に彼の大きな力があったからこそ、神奈川の福祉が大きく変わり始めたといったことがあった。そういった大きな改革魂を持った新しい二人に副知事をやっていただくということは、私がこれから県政を進めていく上で、非常に大きな力になってくるに違いないと期待をしているところであります。
記者: 人事の関係で中井やまゆりの園長のことですけれども、課長級からは部長級を飛び越えて参事監級にという、何か格上げというのでしょうか。その狙いというか理由を教えていただきたいです。
知事: 今回参事監として採用した方は井上一さんという方で、学校法人国際学園理事長、星槎学園の学長を務められた方で、今年1月に障害者支援改革担当の参事監として採用した方です。組織のトップとしてのマネジメント経験が豊富で、これまでの経歴から、共生社会の理念や当事者目線の支援への理解が深く、中井やまゆり園の支援改革を進めていく上でも、最適の人材と考えて配置したものであります。障害者支援そのものではないですけど、星槎学園では、さまざまないろいろな個性を持った方を教育するという、そういったことで、本当に大きな力を持っていますので、そういった方に園長になっていただくというのは非常に大きなことだと。職員の意識改革等もどんどん進んできたという話を聞いていますけれども、これを本当に根付かせるためには、やはり相当な力が必要だと思います。そういったことで、皆さんを統率しながら、自ら変えていくという流れを作っていくためには、このような強いリーダーシップを持った人がこの職を受けてくれたということ自体、非常に私は強力なことであると思っています。
記者: 紅麹の健康被害の確認が広がってきています。この事象における知事の受け止めと県内の状況、それから、今後の対策等について教えてください。
知事: このことによってお亡くなりになられた方には、心からお悔やみ、追悼の意を表したいと思います。県では、紅麹を含む健康食品に関する情報を県のホームページのトップページやSNSでお知らせしているほか、各保健福祉事務所で健康被害の相談を受け付けているところです。なお、現時点で、紅麹を含む健康食品に係る県保健福祉事務所への健康被害の報告はありませんが、先程入った情報によりますと、1件、健康被害の相談と思われる問い合わせが保健福祉事務所に寄せられました。本件に関わる相談かどうか、現在内容の精査を行っているところです。県民の皆さんの中で、自主回収をしている製品がお手元にある方は、摂取せずに、各メーカーの返品方法に沿ってご対応いただくとともに、健康被害がある方は医療機関を受診し最寄りの保健福祉事務所等にご相談いただきたいと思います。引き続き、県民からの相談に対応するとともに、情報の収集や提供に努めてまいりたいと思います。
記者: 今の相談と思われる問い合わせというのは、お話を受けて、それを分析している状況ということでしょうか。
生活衛生課長: 今保健福祉事務所の方で内容を確認しているところです。今分かっている範囲では、相談者の方は小林製薬の紅麹コレステヘルプを2年ほど摂取していた。健康被害の自覚症状はないけれども、健康診断を受けたところ、腎機能の低下が認められたということで、現在、再検査をしているというような情報が入っております。再検査の結果によって、これが関連するのかどうかというところになってくるかと思います。
記者: 人事に戻るんですけど1点教えてください。基地対策の担当局長に三森さんを起用されてると思いますけど、担当局長になるということで、基地対策が少し強化されるのかどうかっていう、そのあたりを教えてください。
知事: 県庁の職員の人事異動というのは大体2年3年でいろんなところを回っていくっていうのが普通ですが、私は必ずしもそういうことだけでなくていいのではないかとずっと思っていました。ある種の専門職的に、そこの分野でエキスパートとしてどんどんキャリアを重ねていくという、これも大事なことだと思っております。三森さんは、ずっと基地対策をやってくださいまして、プロフェッショナル中のプロであり、彼がしっかりやってくれるからこその安心感、安定感がありました。彼がキャリアも実績もあるので、局長にという中で、他の局長にというよりも、そのまま基地対策といったものを引き受ける専門職としての局長になってもらいたい、そういった思いでお願いしました。
記者: もう1点、別件なんですけれども県立病院機構についてお伺いします。最近も、飲酒運転であるとか、あるいは幹部職員のパワハラとかで3件の懲戒処分がありました。それ以前にも遺族対応の問題であるとか、さまざまな不祥事がでている状況があると思います。4月から阿南さんを起用して新体制で動くということだと思いますけれども、この事態を知事はどう思っていらっしゃるのか、教えてください。
知事: こども医療センターの出来事については、前から申し上げているとおり、患者目線に全然なっていない。そして親御さん目線にも全然なっていないということで、やはり相当根が深いものだと思っているところです。その中で他にも、さまざまなことが出てきているということは、本当に抜本的に変えていかなくてはいけない、大きな課題を持っていると思います。そういった中で、これから神奈川全体の医療のあり方も変えていかなくてはいけない。医療DXといったものをしっかり推進していくという中で、阿南さんというコロナ対策をリードした人物にその任に当たっていただいて、そして病院機構にかなり優秀な人間を送り込んでいますので、阿南さんの強いリーダーシップのもとに大改革を進めていってもらいたいと考えています。
記者: 女性職員の登用のところで改めてもう少しお伺いしたいんですが、例えば、民間企業ですと女性活躍を推進するために、キャリアパスそのものを見直して、例えば、海外駐在をする年齢を出産年齢に重なる30代前後から20代前半にするとか、そもそもの働き方であったりとか、キャリアのあり方自体を見直すような動きもあると思うのですが、下の世代を引き上げていくのと同時に、何かそういったそのキャリアの、働き方の見直しというのも同時に推進していくべきだと思うのですが、そのあたりどのようにお考えでしょうか。
知事: 県庁の人事の中には不文律といいますか、形にはなっていないけれどもルールみたいなものがあって、何年間かは、この職に留まらないと次にいけないとか、そういうものがいろいろありました。私は、もうそういうものを意識しなくていい、優秀な人をどんどん上げていけばいいという話をしています。ですから、すでにそういう流れがあって、今まですぐに上がってくることはなかったんですけども、それはかなり進んでいると思っています。そういうのをどんどんこれから進めていきたいと思います。私自身が民間出身ですから、民間では当たり前のように抜擢ってあるわけです。それが県庁の中ではなかった。優秀な人はどんどん抜擢して、若くてもどんどん上がっていく、力を発揮できる、そういう流れを作っていきたいと思います。
記者: 人事について教えてください。中井やまゆり園の園長先生、井上さんなんですけれども、知事はマネジメント力を期待するというお話をされていました。県職員ではなくて外部から人を招いた理由、裏を返せば、現行の県職員では少しマネジメントの力が足りないとも読めてしまうんですけども、このあたりの理由を教えていただけますでしょうか。
知事: 私は、例えば、コロナ対策の中で、阿南先生とか、畑中さんとか、江口さんとか、外部人材を招いて、非常に大きな力を発揮したということがありました。ですから、県職員ができないというわけではなくて、外部の人材のうまい形のカードを切れば、非常に大きな力を発揮できるのではないかと思って、井上さんにお願いをして、来ていただいたと思っています。
記者: もし間違っていたら申し訳ないんですけども、キャリアが星槎学園の学長さんとかであるということは、障害福祉の専門家ではないと思います。障害福祉の専門家とか、そこでキャリアを重ねた方ではなくて、井上さんにされた理由、そこを教えていただけないでしょうか。
知事: 私もこの障害福祉の現場をずっと見ている中で、そこの中にどっぷり浸かってきた人には見えなくなっていることが実はあります。そういう中で、そこにメスを入れていくためには、あえて外部からの目の方が、ある種、知らない目の方が、実は大きな改革のパワーになるのかなと思っています。井上さんは、教育者であるし、先程申し上げたように多様な人材を育てる星槎学園というところで、非常に大きなリーダーシップを発揮して、あれだけの大きな学校を育て上げた人でありますから、そういった大きな力を期待したいと思います。
記者: 紅麹の関連なのですけども、先程情報が入ったということで、相談はいつぐらいに、電話なのかメールなのか、詳細をもう少し教えていただければと思うのですが、可能な範囲でお願いします。
生活衛生課長: 相談が入った正確な時間は、今手元にないのですけど、きょうの午前10時から11時ぐらいの間に、電話で入ったと承知しております。
記者: 先程知事もホームページでお知らせしている、SNSでも知らせているということでしたけれども、相談先が分からないですとか、もしくは認識していないとか、我慢しているというか、どうしたらいいか分からないっていう方も結構いらっしゃると思うんですけれども、そういった方々に向けて発信する、さらなるメッセージ等があれば、よろしくお願いします。
知事: こういった問題というのは、いろんなチャンネルを使って支えていくということが基本だと思うんですけど、まずは、県のホームページのトップページに出ているということ、SNSを使っても発信するということ、県が今すぐにできることは、そういうことでありますから、しかも、これは即応性のある話でありますから、そういうところは、皆様にぜひご協力いただきたいと思います。そういった不安を持っていらっしゃる方は、すぐに県の方に問い合わせてくださいということを告知していただけると大変助かります。
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