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更新日:2023年7月11日
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過去の知事記者会見の様子をテキスト版でご覧いただけます。
はじめに、「『2050年脱炭素社会の実現』に資する研究開発プロジェクトを募集します」についてです。
県では、「2050年脱炭素社会の実現」に向けた取組みを推進しています。
このたび、大企業と中小企業等の連携による「2050年脱炭素社会の実現」に資する研究開発プロジェクトを募集し、実用化に向けた支援を行います。
募集するプロジェクトの主な要件は、
・ 概ね3年以内に実用化が見込まれること
・ 県内で研究開発を実施すること
などとしています。
採択上限額は1件当たり3,000万円で、予算額は6,000万円です。
県は、採択されたプロジェクトに対し、研究開発費用の一部を支援するほか、関係機関と連携し、技術的課題の解決や知的財産に関する支援を行います。
この取組みにより、神奈川から新たなイノベーションを創出し、脱炭素社会の実現につなげていきます。
募集期間は、本日から7月31日までです。より多くの研究開発プロジェクトの応募をお待ちしています。
次に、今月16日日曜日から22日土曜日にかけて実施する、米国訪問についてです。
今回は首都ワシントンとニューヨーク及びサンフランシスコを訪問します。
まず、ワシントンでは、米国を代表するシンクタンク、戦略国際問題研究所を訪問し、国際政策の専門家に向けて、県のヘルスケア・ニューフロンティア政策等に関する取組みを紹介し、意見交換を行います。
次に、ニューヨークでは、コロンビア大学の国際長寿センター等が開催する講演会に出席します。
これは、私が昨年9月に「健康な高齢化の10年」を促進する世界のリーダー50人「The Healthy Ageing 50」に、選ばれたことがきっかけであり、この機会に県の取組みをPRしてきます。
続いて、サンフランシスコに移動し、スタンフォード大学等が開催する国際シンポジウムに出席します。
本県とスタンフォード大学医学部は、平成28年にライフサイエンス分野に関する連携覚書を締結し、以来、共催行事の開催や県内シンポジウムへの登壇などの交流が続いています。
今回スタンフォード大学で開催されるシンポジウムでは、初日に「未病」をテーマに議論を行うことになっており、私が基調講演を行います。
その後、ライフサイエンス分野のインキュベーション施設を訪問し、スタートアップ企業等と意見交換を行います。
今回の米国訪問により、ライフサイエンス分野や高齢化に関する国際的な産学公のネットワークをさらに深めてまいります。
知事出席主要行事については、事前に送付した資料のとおりですが、そのうち、3件お知らせがあります。
7月10日月曜日に、秦野市にあるZip Infrastructur株式会社に「黒岩祐治が行く!神奈川の現場」として訪問します。
Zip社を学生時代に起業した須知社長は、自走型ロープウェイ事業を提案し、平成30年度の「かながわ学生ビジネスプランコンテスト」で知事賞を受賞しています。
当日は、開発中の自走型ロープウェイを見学・試乗し、須知社長及び秦野市長と意見交換を行います。
次に、7月12日水曜日に、「黒岩知事と当事者とのオンライン対話」を開催します。
これは、私自らが、オンラインで、当事者の方や特定課題に精通した関係団体などと、少人数で意見交換を行うことにより、当事者目線の施策形成につなげていくものです。
4月の就任会見で申し上げましたが、選挙期間中にさまざまなテーマを少人数で実施しましたオンラインミーティングが大変有意義でしたので、これを参考に検討を重ね、今回第1回目として実施することになりました。
第1回目となる今回のテーマは、「当事者目線の障害福祉」です。
先駆的な支援を実施されている障害者支援施設の職員の方々から、お話を伺い、障害当事者の方々を交えて、当事者目線の障害福祉の実現に向けた支援について、意見交換を行います。
また、その内容をより多くの方にご覧いただけるよう、YouTubeでもライブ配信を行うとともに、ご覧いただいた方からは、Twitterや電子申請システムでご意見も募集します。
次に、このたび、本県の共生社会の実現に向けて、幅広い世代の方々への共感をより一層広めていくため、著名な書家である金澤翔子さんに「ともに生きる社会かながわ応援大使」通称「ともいき大使」に就任していただくこととなりました。
任命式を7月13日木曜日、13時から県庁本庁舎第2応接室にて行います。
ぜひ、取材にお越しください。
私からの発表は以上です。皆さんからご質問があればどうぞ。
記者: 本日の発表項目から一つ伺いたいのですが、研究開発プロジェクトの募集なのですけれども、先程の予算6,000万円とおっしゃっていましたが、あと大体概ね3年以内に実用化が見込まれるということで、おそらく、大分もう実用化まで見えているもの、研究とはもっと長くかかるものだと思うので、なので研究としてはほぼ走っているものを対象にしているのかなと思うのですが、一方で予算6,000万円といいますと、いわゆる科学技術の研究費にしては少しこう、規模感としては小さいのかなと思うのですけれども、最終的にどういうような成果が出てくるというような期待をされているのか。この大きなねらいについて伺えればと思います。
知事: 「2050年脱炭素社会」を実現するためには、脱炭素に資する既存の技術や製品の普及に加えて、新たな技術、製品を開発し、実用化することが必要です。そこで、本県には、世界トップレベルの研究を行う大企業や、高い技術力を有する中小企業が多く立地している特性を生かし、大企業と中小企業が共同で研究開発に取り組むプロジェクトを新たに支援することとしたものです。このプロジェクトから、「2050年脱炭素社会の実現」に寄与する新たなイノベーションが創出されることを期待しています。最大3,000万円で、総額は6,000万円でございますので、何件採択されるか、これは応募状況を見ながら、しっかりと検討したいと思っています。
記者: 同様のイメージなのですけども、神奈川県としては出資者となってソーシャル・インパクト・ボンドのファンドを10億円規模で持っていたと思うのですけれども、そういった既存の政策を、少しねらいを変えて組み合わせればもっと大きな規模になるのではないかなと思うのですけれども、あえて別々にこうやられる理由は何でしょうか。
知事: 脱炭素社会の実現といったものは、本当に喫緊の課題であって、ありとあらゆることをやっていかなきゃいけないということでありまして、こういった形での募集という中で、今まで従来型のそういったさまざまな支援策ではなかなか手を挙げられなかった方も、この機会に手をあげてみようといったことになることを期待しているところであります。
記者: きょうの発表にはないのですけれども、県内の医療体制についてですが、新型コロナウイルスは徐々に拡大中であると。一方で、ヘルパンギーナが警報レベルに達していたりですとか、あと全国的にですけどRSウイルスの拡大も懸念されているということで、特に感染症の病床において、子供向けの小児科の医療体制、外来と入院ですけれども。小児科について大分不安が広がっているようですけれども、今現状大丈夫なのでしょうか。
知事: まずは、コロナの状況から少し話をしたいと思いますけども、現在の本県の感染状況は、6月26日から7月2日にかけての定点当たり患者数は6.30人となっており、前週の6.07人から0.23人の増加となっています。第9波に入ったかどうかについては、専門家が決めることであり、私自身が判断する立場にはないですが、5類移行後、緩やかながらも連続して増加しており、感染拡大傾向にあると思っています。一方、現在の確保病床への入院者数は、7月5日時点で296人となっており、確保病床数2,061床に対する病床使用率は、14.36%と低い状況に留まっており、医療がひっ迫した状況にはないと考えています。コロナは5類感染症に移行しましたので、特別な制限をかける予定はありませんが、不安に思う方もいらっしゃると思います。そのため、感染状況は週単位で発表し、LINEパーソナルサポートでも、引き続き、お知らせしていきますので、ご自身の判断で感染対策を強めたりする際の参考にしていただきたいと思います。今ご質問のあった小児の方も、さまざまな感染症が広がっているということ、こういったこともわれわれは注視しておりますけれども、先程病床の話もしましたけれど、現在病床がひっ迫し
て大変だという状況にはまだ至っていないとみております。この感染状況をしっかりと注視していきます。
記者: 念のための確認なのですが、病床は小児科専用、子供専用の医療体制に限ってもひっ迫していない。こういう理解でよろしいでしょうか。
医療危機対策調整担当課長: 小児につきましては、病床の確保状態が確認できませんので、後程お答えさせていただきます。
記者: 知事の4期目が始まってからの最初の議会である第2回定例会が終盤を迎えていますけれども、今議会については、特に代表質問ですとか、一般質問の場面で、一般傍聴席から、かなり厳しい言葉が飛び、議事がいったん止まるというようなことが散見されております。議会で求められる静粛な議論が、一部妨げられる事態になっているのですけれども、これについて知事の所感について伺えればと思います。
知事: 議会の秩序を守ることは大変重要ですので、傍聴人の方には、議会のルールを順守いただいた上で、傍聴していただきたいと思います。傍聴規則には、「傍聴人の守るべき事項」として、「議場の秩序を乱し、又は議事の妨害となるような行為をしないこと」と定められていると承知していますが、見直しの要否については議会が判断されるべき事項と感じております。今回の私自身の問題については、4月10日の就任会見で広く県民の皆様にお詫びしたところであり、今後については、県政運営に全力を尽くすことで信頼を取り戻していきたいと考えています。議会側からの意見は直接伺っておりませんが、議会の秩序を守ることは大変重要ですので、傍聴人の方には、議会のルールを順守いただいた上で、傍聴していただきたいと思います。
記者: 県庁でチャットGPTの試験運用が始まって1か月ほど経ちましたけれども、議会の方で代表質問としても利用されたかと思うのですけれども、現状の有効性の部分と課題の部分を教えていただけますでしょうか。
知事: 今回の議会の中で、自民党から、ごく一部な部分でありますけれども、チャットGPTで質問を作成し、答弁の方も、その部分に関して、チャットGPTでお答えしたといったことがありました。その部分については、何の不都合もなかったと思っています。今はまだ検証中でありまして私のところに最終的な報告が上がってきてはいませんけれども、さまざまなチャレンジをして、これをどういう形で使えばいいのか、そういったマニュアル作りを進めているところだと認識をしています。これは使い方だとやはり思います。うまく使っていくと非常に業務を効率化できるということがあると思いますが、ある種リスクもあると思いますので、そのリスクを避けながら、どのようにすれば効率的に有効に使えるかといったことです。もうそろそろ意見がまとまって、マニュアルができ上がるのかなというふうに思って、楽しみに待っているところであります。
記者: 今マニュアル作りというお話があったかと思うのですけれども、先日の会見では、ガイドラインのようなものを策定するというお話がありましたが、もし決まっていたりとか、あと目標というところで、いつまでにそういったガイドライン、ルールを策定していくのか、あと業務で本格的に導入するのはいつごろなのか、スケジュール感を教えていただけますでしょうか。
知事: 先程マニュアルといいましたが、正しくはガイドラインですね。ガイドラインを作るということになっていますけども、もうそろそろと考えています。あまり長い時間かけるような感じではないです。私自身も自分で触るまでは、とても高いハードルだと思っていたのですが、実際やってみると、やっている時間の中で、何となく感覚が掴めてくるようなこともありましたので、そんなに長い時間をかける必要はもうないのかなと思っています。なるべく早い段階で、ガイドラインをまとめて、実際の現場で使っていきたいと思っています。
記者: 神奈川県庁広報の名義でツイッターアカウントは現在存在していますけれども、6日から、サービスを開始したメタ社のスレッズについて、知事室の方で運用するご予定はありますでしょうか。
知事: 私は把握していませんが、どうですか。
広報戦略担当局長: そのサービスについてスタートしたことは承知をしております。ただ一方で、どのようなものなのか、広報に適したものなのか、そこについては現在検討中でございます。
記者: 発表にあったアメリカ訪問についてなんですけれども、ライフサイエンス分野や高齢化に関する国際的な産学連携をさらに深めていきたいということなのですけれども、改めて、この外国訪問によって県の未病施策だとか、ヘルスケア・ニューフロンティアの施策の推進ということだと思うのですけど、これは県民に対して、知事のアメリカ訪問がどのような成果としてはね返ってくるのかそのあたり少し教えていただいてもいいですか。
知事: 今回の訪問の目的からお話しますけれども、まず、本県とライフサイエンス分野に関する連携覚書を締結している、スタンフォード大学医学部から、共催シンポジウムをぜひアメリカで開催し、「未病」をテーマに議論したいとのお話をいただきました。スタンフォード大学は、ヤフーやグーグルなどのIT産業だけでなく、ライフサイエンス分野の先進的な研究開発に取り組むベンチャー企業や研究機関が数多く集積する、シリコンバレーの中心に位置しています。そのスタンフォード大学や、ニューヨークにある高齢化に関する研究機関等で、本県の未病に関する取組みを発信することで、ヘルスケア・ニューフロンティア政策における海外とのネットワークをさらに強化してまいります。こういった連携が、県民にとってどういうメリットがあるのかっていうことでありますけども、例えばこれまでのことで言いますと、スタンフォード大学と本県っていうのは、平成28年に、ライフサイエンス分野における連携覚書を締結して以来、交流を継続しているわけです。この連携を通してこれまでに例えば、県内で遺伝子関係の研究をしているベンチャー企業が臨床研究に関するアドバイスを受け、同大学内、スタンフォード大学内に研究拠点を設置したり、また県内に研究所を持つ医療福祉機器メーカーが、このスタンフォード大学のネットワークを通じて、アメリカの他の大学と共同研究をおこなってその後、利用拡大承認につながった例などがあるわけであります。スタンフォード大学のあるシリコンバレー、これは産学連携の世界的なモデルといわれておりまして、県としては同大学が持つ産業創出のノウハウやネットワークの活用を期待しているところであります。こういった国際的なネットワークをつくることによって、さまざまな最先端の研究・治療方法といったものが、どんどん進んでいくということ。これはこの神奈川から起こってくるわけでありまして、そのことによって生じる経済的効果含めて、その恩恵を先に受けられるのは、当然神奈川県民の皆さんだろうと思いますので、県民の皆さんにとっても非常に大きな効果がある連携だと思っております。
記者: あす安倍晋三元首相の銃撃から1年ということになりますけれども、この1年でだいぶ政治の状況とかそういったものも変わったかと思いますが、改めて知事、親交も深かったと思いますが、あすをどのような気持ちで迎えるのか、教えていただいてよろしいでしょうか。
知事: あれから1年が経ったのだなということであります。いまだに安倍元総理がこの世にいないということが、何か信じられない感じです。いまだに今度また飲みましょうよ、という話になるのかなと、そのような感じがずっと残っています。やはり改めて振り返ってみて、存在感の大きさというか、お人柄も含めて、今の日本の政治の中における大きなリーダーシップを発揮された面も含めて、本当に大きな存在を失ったのだなというと喪失感を改めて思うところであります。日本も非常に難しい局面、安全保障面においても、ロシアのウクライナ侵攻問題、全然片がつかないで続いているという状況もあり、北朝鮮の度重なる挑発行為も収まらないという中で、さらに中国の台頭といったものが、われわれに対してもさまざまな問題を提起しているということもあり、日本はどうあるべきなのかといったことを本当に突き詰めて、現実の問題として考えていかなきゃいけないときに、本来ならば安倍元総理というような大きなリーダーシップを持った人の存在は、やはり大きかったのではないのか、と改めて思う次第でありました。そういった辺りを残されたわれわれで何とかして、みんなで埋めていかなきゃいけないと改めて思う次第であります。
政策推進担当課長: 先程お答えを保留しました小児病床のひっ迫の関係についてお答えしたいと思います。
医療危機対策調整担当課長: 小児の医療ひっ迫の状況ですけども、コロナの患者ということの病床の使用で、小児ということで区分をして確認しているわけではないので正確な数字はわからないのですけども、医療機関からはまだ医療ひっ迫している状況ということは伺っておりません。
記者: 発表項目と少しまた違うのですけれども、パートナーシップ制度の導入についてお伺いします。今月に入って、県内だと真鶴町がパートナーシップ制度を導入して、これで多分、県内全部の市町村で導入済みということになったと思うのですけれども、今の県のスタンスとして、県として導入する予定や、そういった準備はあるのでしょうか。
知事: われわれは、「ともに生きる社会かながわ憲章」というものを打ち出して、ともに生きる共生社会といったものを全面的に展開していこうとしているわけです。そういう大きな流れの中で、パートナーシップ制度といったものも、同じ方向性を向いたものだと思っているところです。基本的には前から申し上げていますけれども、実際の制度が有効であるのは、基礎自治体のさまざまな行政手続き等々だというふうに思いますので、それぞれの基礎自治体が採用されたといった中で、県が上塗りして制度を導入するという必要は特にないと思っています。
記者: 重ねて恐縮なのですけれども、今の制度ですと、県内で導入された市町村に住んでいる方が引っ越しなどで他の市町村に移った場合に、協定を結んでいるところであれば改めて宣誓する必要はないところもあると聞いているのですけれども、協定を結んでいないと、もう1回宣誓し直さなければならないというところもあるらしく、これは県が導入すれば、そういったパートナーの人たちを支援できるのではないかと思うのですが、そこを含めても、今のところ県としては、検討はされない方向ということでいいでしょうか。
知事: 基礎自治体の問題だと思っていますので、基礎自治体から基礎自治体に移る中でそういった不都合が生じる可能性がある場合には、そういったことを、広域調整をする県として、その相手方の自治体にお話をするということがわれわれの仕事だと受けとめています。
記者: マイナンバーカードのことでいくつかお伺いします。今、非常にマイナンバーの紐付けの問題などで、混乱が広がっている現状なのですけれども、この現状についてどのようにお考えかという点と、岸田首相がマイナンバーの総点検の指示をしていて、メインは市町村の事務なのかと思うのですけれども、点検の指示があります。これについて県としてどのように対応されるのかという点と、知事ご自身はマイナンバーカードをお持ちで、もう紐付け等々はされているのでしょうか。この3点についてお願いします。
知事: 最後からお話をお答えします。私自身、当然マイナンバーカードを作っておりますし、紐付けもしております。そのような中で今回、さまざまないわゆるトラブルが表面化して、大変難しい局面を迎えているということは間違いないと思います。これから全部総点検をして、どこに問題があるのか、一件一件全部洗い直して、そしてそれを修正していくという作業をやらなければならない。これが実は、膨大な作業になりそうでありまして、今、働き方改革を進めようとしている中で、こういった膨大な作業にまた忙殺されることになるということであると、本当に暗澹たる思いでもあります。なぜこのようなことになってしまったのかということを国としてもしっかりと検証していただいた上で、早く国民の信頼感を取り戻していかないと、こういった新たな行政というのは進んでいかないので、そのあたり、国をあげての取組みをぜひお願いをしたいと思います。
記者: ありがとうございます。もう1点なのですけれども、保険証の原則廃止というふうな話になっているのですが、これの対応については、国民の安心安全を確認できるまでは先送りすべきだというふうにお考えでしょうか。それとも今の予定通りでいいというふうにお考えでしょうか。
知事: 基本的に政府が判断されることだと思っています。このデジタル革命、私もこの選挙の中で、デジタル行政といったものを声高に叫んで、進めていこうとずっと言ってまいりました。新たなステージ、そういう革命的なことを起こしていくときには、さまざまなトラブルというのは避けられないとは思います。大事なことはそれをしっかりひとつひとつ丁寧に乗り越えていくということだと思います。ですから、この紙の保険証を廃止するという方針。これがそのタイムリミットの中に、しっかり皆様の信頼回復をして新たなステージにいけるかどうかといったことはしばらく注視していかなければいけないと思います。
記者: 知事の直接の所管ではないと思うのですが、お考えを聞きたいのですけれども、先日、特別支援学校の小学生、中学生、いわゆるGIGAスクール構想で、あまねく小中学生にパソコンやタブレットを配布する、というふうな国の進めていたものがありましたけれども、県内の特別支援学校に1人1台というふうなことにはなっていなかった、最終的にそうなるということですが、その経緯等々をご覧になって、どのようにお考えになっていたかっていうのがあれば聞かせてください。
知事: 最初に報道を聞いたときに、神奈川はそんなに遅れていたのかと思ってびっくりし、担当に話を聞きました。そしたら決して遅れていたわけではなくて、その考え方が違っていたということの報告を受けました。国としては、小学校中学校に、あと特別支援学校の小中学校の部分で、この子たちには一人一人全部自分のものとして、という対応することを求めていたということでありますけども、県は高校生の部分、高校生の人たちもまずその恩恵を被ってもらおうということで、流動的にみんなが使える、高校生までみんなが使えるということで対応していたといったことなので、別に遅れていたわけじゃなかったということです。今まで高校生は、どうするのかっていったらみなさんどうぞご自分で用意してください、みたいなことになっていた、それは余りにも負担が大きいだろうということで、高校生も一緒になって使えるような形にしていたといったことであった。この間、国の方からこられて教育長とお話をされたと聞いていますけれども、その中でも考え方が違っていたのだなということを共有したという中で、国の方針に合わせましょうということにしたといった中で、高校生、今まではその恩恵を被ったのに、その被った部分ができなくなるのかという中では、新たな支援の仕組みを使って、何とかそこをフォローしていきたいということだったというふうに聞いておりますので、最初思ったときに何でこんなに遅れているのだろうと思ったのは、そうではなかったといったことだというふうに私は理解しております。
記者: ただ、1人1台持つということで、個別にはならない、自分の使っているものをカスタマイズできるわけではないと思うのですが、1人1台持つということがすごく大事だと思うのですが、それに関して改めてお聞きしたいのですが。
知事: 現場から聞いた話は1人1台持つということよりも、1人1台ちゃんと使えるということ、これを重視したということです。だから、それをじっといつも、ずっと持ってないとすごく困るってことじゃなくて、そういった特別支援学校の授業の中では、こういったものを使いながらやる授業、そうじゃないところもある。使おうとするときにみんなが使えるっていう状況、これを高校生も含めて運用したということであったので、問題ではないというふうに受けとめています。
記者: 先程ヘルパンギーナのお話、子供の風邪のお話がありましたが、医療ひっ迫はないということでしたけど、改めて県民に呼びかける注意喚起などあればお願いします。
知事: そういう感染症が増えてるといったことは注意をしていただきたいと思います。ただ、コロナとの闘いが長かったので、あのように感染者が増えてくると、さまざまな規制がかかってくるのかと思われるかもしれませんが、それではないということを改めてご理解いただきたいと思います。基本は、そういった感染症が増えたとしても、その都度その都度しっかり対応していくということでわれわれはやってまいりますし、それとともに、医療のひっ迫具合はずっとウォッチングしながら、手遅れのないようにしっかり対応していくということ。それとともに、感染防止対策というのはコロナのときに徹底したと思うのですけども、あれをもう一度思い出していただきたいと思います。手洗い・うがい等々、こういったものをしっかりやるということ。これだけはしっかりと継続してやっていきたい。そのような中で、なるべくかからないように注意をした中で、これから夏休みが近づいてまいりますけど、取り組んでいっていただきたいなと思います。
記者: 今月から夏休みに入りまして、本格的に国内外から観光客の方がまた神奈川エリアに押し寄せて来るかと思うのですけども、一方で、人手不足の問題であったりとか、物価高とかの問題、あるいはこの一部の箱根などの人気のエリアに観光客が集中してしまうような問題だったりとかいろいろと取り組むべき課題も多いのかなと思うのですが、今この神奈川のブランディングとしてやはりその観光って一つの大きな要となっておりますので、そのあたり夏に向けて具体的な施策等ありましたら教えてください。
知事: 今までコロナという中で、この観光業界は非常につらい思いをされました。それがようやくコロナの出口になったという中で、インバウンドも本格的に復帰し始めた。そういった中で観光客がまた戻ってきているということは、観光地にとって本当に待望した日がやってきたと思います。ただ、選挙中のときもそうですけども、観光業者の皆さんとオンラインでの対話等々も含めた中では、例えば箱根などにおいても、インバウンドを含め、大変たくさんの観光客が来てくださっているにもかかわらず、ホテルの部屋を全部稼働することができない。それがなぜかと言えば、ベッドメイキングをする人が足りなくなったということがあったり、タクシーの数が非常に減って、皆さん非常に不満の声を出されることが多い。コロナ禍でお客さんが全然いなくなった中で、タクシーの運転手を辞めて、別の業種に移られた方が随分たくさんいた。車はあるけど、タクシーが動いてないということがある。それとともに、バスの本数もかなり減ってしまった。これもバスの運転手さんが、コロナの長い時間の間で、他の業種に移ってしまったということがあるということで、せっかく観光客がたくさんやって来ているのに関わらず、人手不足のため、それを十分に受け入れることができない。これは非常に大きな課題です。こういったことは、一つ一つ丁寧に解決に向かって進んでいかなければならないと思います。今すぐ効果的な決定打があるわけではない。今、さまざまな分野で人材不足と言われている中で、政府の方も技能実習生といったものの受入枠をおおいに拡大します。こういったものに対して、政府も取り組んでいますから、われわれも地方自治体としてしっかり呼応する形で取り組んでいく必要があるというふうに思いますが、実際にそういう技能実習生等々、海外からの労働力が入ってきたときに、やはりその方々の生活もありますから、その生活をしっかり支えていくという環境づくりがわれわれの仕事だと思います。せっかくこの大きな流れが出てきて、観光客の皆さんがやって来たという中での対策を、国、そして市町村としっかり連携しながら機敏に対応していきたいと思っています。
記者: 先日、横浜市のポイント還元事業で、ポイントが失効したりとかして、予算がちゃんと市民に届いていなかったのではないかみたいなことで、結構苦情が殺到したということがあり、市が説明したということがあるのですけども、もう間もなくかながわPayも始まりますし、予算がきちんと市民の方に還元されているのかというような、そのチェックの仕組みとか、ポイントの利用期間とか周知徹底がどれぐらいされているのかということをお願いします。
知事: このかながわPayに関しては、大変なご好評いただいておりました。私も生でその声を聞きましたけども、大変助かっているという声を聞きました。そして今回、待望のかながわPayの復活ということになります。こういうことをやるときにはいろんなことも起きるんじゃないのかな、ということはありますけども、かながわPayの歴史を振り返ってみると、最初はなかなか利用が進まなかったのです。せっかく予算を投じて用意しているにも関わらず、なかなか利用が広がらなくて、余ってしまうのではないかと。そのような中でわれわれもあれやこれやと、広報手段を通じて、アピールをしたのです。そうしたら、認知が広がった段階から急速にこの利用が広がってきたという状況になって、そして広がってくると、どんどん好評の声が来て、またやってほしいという良い流れが出てきました。今回初めて取り組むわけではないので、これまでやってきたことをしっかり検証しながら、特段今までやってきた中で大きな問題があったというのは、われわれは聞いていませんけども、もし何かあったら、それをしっかり修正しながら、皆さんのご期待にこたえられるように対応していきたいと思っています。
(以上)
このページの所管所属は政策局 知事室です。