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更新日:2024年9月5日
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過去の知事記者会見の様子をテキスト版でご覧いただけます。
はじめに「『GREEN×EXPO 2027 応援団』を結成します」についてです。
2027年3月19日から、神奈川・横浜の地で、一都三県初の万博であるGREEN×EXPO 2027が開催されます。この国際的イベントを盛り上げていただき、より広く機運醸成を図るため、県独自に、本県にゆかりのある著名人や団体を中心に「GREEN×EXPO 2027 応援団」を結成しました。メンバーは、資料別添のとおり、20名、9団体の方々です。
応援団の皆様には、県主催イベントや広報紙へのコメント掲載などのほか、ご自身によるSNSでの発信など、個々の活動におきましてGREEN×EXPO 2027をPRしていただきたいと考えています。
なお、この応援団の結成につきましては、公益社団法人2027年国際園芸博覧会協会及び横浜市にもご賛同いただいています。
結成にあたり、本日は、応援団長である白井貴子さんにお越しいただきました。白井さんには、これまで、かながわ環境大使として「持続可能な社会かながわ」の実現に向けて、ご尽力いただいております。加えて、今後は、GREEN×EXPO 2027の魅力の発信に、お力添えをいただきたいと思います。
~任命状交付、フォトセッション~
司会: それでは、白井様より、応援団長としての意気込みをいただきたいと思います。白井様、よろしくお願いします。
白井GREEN×EXPO 2027応援団長: シンガーソングライターの白井貴子です。20年程前から、先程知事も伝えていただきましたが、神奈川県の環境大使をやらせていただいています。その中で、第61回全国植樹祭2010かながわのテーマソングも作らせていただき、「森へ行こう!」という歌をたくさんの子どもたちと一緒に歌いました。あれから早20年ですけれども、私も少しでも神奈川県の環境が、未来を担う子どもたちにとってすてきになれば良いなと思って、そういった思いでやってきました。そういった思いもつのって、2年ぐらい前からは、3か月に1回の環境コラムもやらせていただいています。それも見ていただけるとありがたいのですけれども、そうやって頑張ってやってきているのですけれど、じゃあ、私たちの足元の緑はどうかというと、本当にかわいそうなことに、学校の登下校で道草を食って遊ぶような、自由に遊べる緑の場所がすごく減ってきてしまっていると私は感じています。あそこ変わったね、どのように変わったのと言ったら、あそこの大きな木が1本なくなっちゃったとか、そういった話が多くて、私もそういう風景を見るたびに、悲しいと思うことも多かったので、今回、GREEN×EXPO 2027、少しでもEXPOがあって、神奈川県が、横浜が、良くなった。変わったと言われるように願っていますし、私も微力ながら頑張りたいと思っています。皆様どうぞよろしくお願いします。
知事: また、応援団のメンバーのうち、10名と4団体から応援メッセージ動画をいただいていますので、ここで紹介したいと思います。スクリーンをご覧ください。応援団結成にあたり、多くの方々に参加していただきましたが、今後、さらにメンバーを増やしていきたいと考えています。なお、ご紹介しました応援メッセージ動画につきましては、本日から、県公式YouTubeチャンネル「かなチャンTV」で公開しますので、ぜひご覧ください。GREEN×EXPO 2027の開催に向け、応援団の皆様と一緒に、オール神奈川で盛り上げてまいります。この件について、ご質問があればどうぞ。
記者: 知事にお伺いすればいいのか分からないのですが、今回応援団が20名9団体ということで、団長に、白井さんを選ばれた理由を教えていただきたい。
知事: 白井さんは先程からご紹介しているように、既に神奈川の環境大使として実績がございます。この環境大使という存在、活動と今度のGREEN×EXPOは軌を一にする流れだと思っておりますので、これまで神奈川県の広報、PRに大変ご協力いただいた最大の功労者でもありますから、最適の代表だと私は思います。
記者: 白井さんにお伺いしたいのですけども、先程ご挨拶の中で、子どもたちが自由に遊べるような緑が減っているというお話だったと思うのですけれども、具体的に生活圏の中で、そういった風景を目にしてらっしゃるものなのでしょうか。
白井GREEN×EXPO 2027応援団長: 知事の前で少し苦言みたいになってしまってお伝えしづらいのですけど、本当に自然な野原がなくなりました。区画整理されている少しプラスチックな感じの緑の場所はたくさんできているのですけれど、例えば、ドジョウがいたりとか、メダカがいたりとか、そういう自然が少なくなっているので、学校以外のそういうところで子どもたちは学ぶことがたくさんあると思うのです。私は自慢ではないですけど、神奈川県の日大藤沢のあたりで育って、毎日が動物園みたいなところだったのです。だから、ハイジのような生活を送ってこういったかたちになったのです。それだけが良いとは言いませんけれども、例えば、木の実を少し食べてみるとか、そういった経験が一番子どもにとって大切だと思うので、そういうところが少しでも多くなれば良いと思います。
記者: 今も藤沢市にお住まいでよろしかったですか。
白井GREEN×EXPO 2027応援団長: はい。
記者: 20年前に環境大使に就任されて、植樹祭ですか、テーマソングを作られたということなのですけども、今回のGREEN×EXPOでも、シンガーソングライターでいらっしゃると思うので、何かテーマソングのようなことをお考えだったりするのでしょうか。
白井GREEN×EXPO 2027応援団長: 知事は、何より音楽がお好きな方、ミュージカルがお好きな方なので、私は、こんなことできたらすてきだと思うとお伝えしたことはあるのですけど。横浜から6,000本の桜の苗木がアメリカに送られて、愛と平和のために贈った、尽力した、高峰譲吉博士という方の映画がありました。その映画の「SAKURA SAKURA 幸せの架け橋」という主題歌をやらせていただいたのですけれど、まさに、GREEN×EXPOとして、神奈川県から、花を世界に送ったという物語、とても良いと思うのでいかがでしょうかと、少し私も知事にプレゼンテーションさせてもらっています。そういった段階です。とにかく今、日本だけではなくて世界中、大変なことが起こっているので、花の力で愛と平和のメッセージを世界中に神奈川県から送れたらすてきだなという夢を描かせてもらっています。
記者: テーマソングは検討中みたいな感じなのでしょうか。
知事: いろんな方のいろんなアイデアがありますので、皆で知恵を絞って、盛り上げていきたいと思います。
白井GREEN×EXPO 2027応援団長: もちろん私はやりたいと思ってはいます。
記者: 知事にお伺いしたいのですけど、GREEN×EXPOの応援団というのは、横浜市は持っていないと思うのですけれども、横浜市に先んじて応援団を結成した理由というか。
知事: GREEN×EXPOそのものの認知度はまだまだ高くないと思うのです。国際園芸博覧会という名前をつけていたもので、これが万博だというイメージがいまだにあんまり浸透していません。私も、もともとは横浜が会場でありますから、あまり県が前面に出るのはよくないかと思っていて、横浜の下支えをしていこうかと構えていたのですけれども、国の方からもぜひ、神奈川県が前面に出てください、横浜市からも前面に出てくださいという話があったので、前面に出ましょうということでやってまいりまして、そうしたらもう神奈川県全域で盛り上げていこう、神奈川県のありとあらゆる人たちが盛り上げていくのだということでいろいろ声を掛けている中で、横浜市は横浜市の動きも絶対あると思うのですけれども、それはそれとして、われわれはわれわれで、神奈川県で大応援団を結成しようではないかという話をしました。国際園芸博覧会協会にもお話をしたところ、それは良いだろうという話になって、横浜市さんにもお話をしたところ、それは良いじゃないでしょうかということになったので、始めているのでありまして、こういうのが、いろんな形でさまざまな動きが連動してくると、もっともっと大きなエネルギーを生み出してくると思っています。
白井GREEN×EXPO 2027応援団長: 私は実はきのう、日本認知症予防学会のアンバサダーもやらせていただくことになり、未病の話をずっとしてきたのですけど、緑と未病は密接につながっていると思うのです。やはり切り離せないです。私がミュージシャンでありながら、いろんなことをやらなくてはいけないし、やりたいと芽生えてくるのは、音楽にとっても必要な環境だからだと思うのですけど、私はちょうど2年前に両親が他界しましたけども、コロナ禍を利用して、どっぷり介護生活を送ったのですけど、その時間を介護だけでなく、少し息抜きするためにも、それからミュージシャンで旅が多かったので、旅をしていると絶対にできなかった植物を植えるということで、今だと思ってやりました。オーガニック農法で40年頑張ってらっしゃる藤沢の相原農場さんの門を叩いて、農業をやらせていただいたのです。もっぱら大豆をずっと植えてきたのですけれども、その大豆が今3年目、4年目になりますが、お味噌を作ったら、ものすごく美味しくて、津久井産の大豆なのですけども。これまでの幸せの深度と違うというか、私は、やはり植物の力の偉大さ、お花で楽しませてくれて、そしてまた自分の健康も支えてくれるという、いつも手を合わせるような気持ちが芽生えたのです。そういった気持ちをGREEN×EXPOでも、皆さんに届けたいし、大豆を植えたいと思っています、津久井産の。
はじめに、発表項目ではありませんが、令和6年台風第10号に伴う大雨への県の対応についてです。
8月29日に九州に上陸し、日本列島を遅い速度で縦断した台風第10号の影響で、本県には温かく湿った空気が流れ込み続け、小田原で537ミリの累積雨量が観測されるなど、昭和51年の統計開始以来最多の雨量を記録する大雨となりました。この大雨で5名の負傷者のほか、県内各地で土砂崩れ、住宅の破損や浸水などの被害が発生しました。被害に遭われた方々に心からお見舞いを申し上げます。
県は、速度が遅い台風の影響で、長い期間、大雨が続くことが見込まれたことから、8月30日(金曜日)に、私を本部長とする災害対策本部を設置し、全庁をあげて災害発生に備える体制を確立しました。また、市町村に早期に避難対策を講じてもらうため、大きな被害が見込まれる10市町に対して、30日夜までに災害救助法の適用を決定しました。
さらに、県民の皆さんに、台風への警戒を高めていただき、適切な避難行動をとっていただくため、私からメッセージを発出したほか、台風第10号の特設ページや、かながわ防災パーソナルサポートなどのSNSで、台風の最新情報や避難のポイントなどの情報を、状況の変化に応じて臨機に発信しました。
9月2日(月曜日)には、気象警報も解除され、被害の拡大の恐れもなくなったことから、災害対策本部体制は解除しましたが、県内には、住宅の浸水や損壊などで被災した方がおられますので、災害救助法を適用した市町と連携し、被災者支援に全力で取り組んでまいります。
このほか、道路や河川、公共施設のほか、農業や漁業施設などの復旧に向けて、県として早急に対応すべきものについては、既決予算により、速やかに対応します。現在、全体の被害状況を把握している最中ですので、今後、国の動向も注視しながら、補正予算措置も含めて、対応を検討していきます。
次に、「令和6年度9月補正予算案等」について説明します。
それでは、「令和6年度9月補正予算案等の概要」の1ページをご覧ください。「I 補正予算案について」です。
今回の9月補正予算案では、6月補正予算編成後の状況の変化を踏まえ、早急に対応する必要がある事業について、補正予算措置を講じることとしました。補正予算案の規模は上段の表に記載のとおり、一般会計で1億6,400万円、特別会計で2億円、合計で3億6,400万円です。また、一般会計の財源内訳ですが、下段の表に記載のとおり、国庫支出金3,400万円、繰越金が、1億5,700万円などとなっています。
2ページをお開きください。「2 補正予算案の主な内容」について説明します。
まず、「AIを活用した災害対応支援」として、大規模災害時における職員の意思決定や作業を支援するため、発災時に収集される膨大な情報を整理・分析するAI機能をデータ統合連携基盤に追加します。
次に、「生活保護システムの再構築」として、令和4年10月に閣議決定された「地方公共団体情報システム標準化基本方針」に基づき、ガバメントクラウド上に構築された標準準拠システムに移行するため、生活保護システムを再構築し、運用します。
また、「精神通院医療業務システムの再構築」として、国が開発したPMH(Public Medical Hub)への接続を行うため、精神通院医療業務システムを再構築し、運用します。
次に、「国際園芸博覧会出展事業費」として、GREEN×EXPO 2027への出展に向けて、庭園や展示施設の設計及び工事を実施するとともに、屋外演出及び屋内展示の企画・制作を行います。
3ページをお開きください。「高齢者施設における非常用自家発電設備等の整備」ですが、災害時における高齢者施設の機能を維持するため、非常用自家発電設備等の整備を行う事業者に対して補助します。
次に、「小規模企業者等設備貸与事業資金貸付金」として、県内小規模企業者等の設備投資意欲の増加に対応するため、公益財団法人神奈川産業振興センターが実施する設備の割賦販売及びリース事業に対する貸付金を拡大します。
また、「大和綾瀬地域児童相談所移転工事費」及び次のマルの「平塚保健福祉事務所秦野センター新築工事費」ですが、工期延伸等に対応するため、既設定の継続費を変更します。
次に、「運転免許センターにおけるキャッシュレス決済の導入」として、運転免許更新手数料等について、収入証紙による徴収に代えて、令和7年8月からキャッシュレス化を進めることに伴い、自動決済機を導入するため、債務負担行為を設定します。
4ページをお開きください。「警察官の暑さ対策」では、交番勤務の警察官及び機動隊員の暑さ対策として、耐刃防護衣に対応した空調ベストを整備するため、債務負担行為を設定します。
次に、「県職員の人材育成に向けた研修の実施」として、令和6年3月に策定した「第3期組織・人事改革戦略」に基づき、民間事業者のノウハウ等を活用した効果的な職員研修を実施するため、債務負担行為を設定します。
5ページをお開きください。「II 条例案等について」です。
「1 提出予定議案の内訳」ですが、表に記載のとおり、条例の制定1件、条例の改正8件、工事請負契約の締結2件、動産の取得1件、指定管理者の指定1件、その他1件、合計14件の提案を予定しています。
続いて、「2 主な条例案」をご覧ください。今回の議案の中で、主なものを説明します。 「条例の制定等」の「宅地造成及び特定盛土等規制法関係3議案」ですが、「宅地造成及び特定盛土等規制法」の施行を踏まえ、特定盛土等規制区域における規制対象規模を強化する規定等について定める条例を制定し、関係条例の改正等を行うものです。8ページに詳細な内容を資料として添付しておりますので、そちらも後程ご覧ください。
「その他の提出予定議案」については、資料に記載のとおりです。
なお、ご説明しました補正予算案及び条例案等については、9月9日に議会提案を予定しています。
次に、「CO2CO2(コツコツ)減らして、コツコツ増やそう!」についてです。
県では脱炭素につながる商品の購入等でポイントを上乗せするキャンペーン「かながわCO2CO2(コツコツ)ポイント+(プラス)」を、趣旨に賛同いただいた9事業者とともに、県内97事業所・店舗等において、令和6年10月1日(火曜日)から実施します。
キャンペーンの概要ですが、本キャンペーンでは、生産・流通・使用過程でのCO2排出量が少ない、県産品の購入や、使用済み化粧品容器の持参等に対し、各店舗で通常付与されるポイントよりも、ポイントを上乗せすることで、県民の皆様の脱炭素意識の醸成や、ライフスタイルの転換につなげます。
事業者・対象商品等は資料のとおりですが、本日はいくつかの商品をご用意していますのでご紹介します。こちらの県産品は、津久井在来大豆を原料とした納豆です。産地から消費者への輸送における燃料使用量が少ないため、CO2の排出を減少する効果があります。こちらのボックスは、化粧品の使用済みプラスチック容器を回収して、花や緑を育てる植木鉢にリサイクルする容器回収ボックスです。そのほか、こちらのステンレスボトルやエコバッグなど、脱炭素につながる商品等を多数ご用意しています。
昨年度は6事業者、54事業所・店舗等で実施しましたが、今年度は、規模を大幅に拡大し、9事業者の県内97事業所・店舗等で実施します。実施期間は、令和6年10月1日(火曜日)から、12月27日(金曜日)までです。多くの皆様のご利用をお待ちしております。
最後に、本庁庁舎のセキュリティゲートの設置についてコメントします。
県では、本庁庁舎のセキュリティ対策として、各庁舎にセキュリティゲートを設置する予定であり、10月からの運用開始に向けて準備を進めています。ゲート設置後は、各庁舎の来庁者出入口は1箇所となり、来庁された方はゲートの横に設置されたQR入庁証発券機で入庁用のQRコードを発券してから、ゲートを通過して入庁することとなります。なお、この入庁用のQRコードは当日限り有効となります。
QRコードは、訪問先や氏名などの簡単な入力をするだけで発券を可能とするなど、県民のアクセスに十分配慮します。また、ゲートの幅は車いすでの通過が可能なものとし、QR入庁証発券機への入力が困難な方には案内員がサポートできる体制を確保するなど、障がい者や高齢者などにも配慮していきます。
来庁者の方々が戸惑うことのないよう、日ごろ県庁をご利用されている方々に事前に配布するためのチラシも作成しました。このほか、県ホームページなどさまざまな媒体で広報を行っていく予定です。
明後日の7日から順次、各庁舎にセキュリティゲートの搬入設置を行っていく予定です。動作確認等の作業を行った後、10月1日より運用を開始したいと考えています。ご来庁の皆様におかれましては、ご理解とご協力のほど、よろしくお願いします。
知事出席主要行事については、事前に送付した資料のとおりですが、そのうち、1件お知らせがあります。
9月24日(火曜日)に、相模原市にある株式会社PXPに「黒岩祐治が行く!神奈川の現場」として訪問します。PXP社はペロブスカイト太陽電池とカルコパイライト太陽電池を接合することで、変換効率を高めた、軽くて曲がる次世代太陽電池を研究開発している県内のスタートアップ企業です。
この取組みは「低温物流の脱炭素化に資する次世代太陽電池システムの開発」として、県が「2050年脱炭素社会の実現」に資する研究開発プロジェクトに採択したもので、先日の会見の場においても私から発表したところです。
当日は、次世代太陽電池の量産化に向け、試験的に設置した生産ラインであるパイロットラインを視察するとともに、意見交換などを行います。ぜひ、取材にお越しください。
私からの発表は以上です。皆さんからのご質問をどうぞ。
記者: 知事会見と同時刻で小田原市でも市長会見がありまして、台風10号関連なのですけれども、側聞しただけなのですけれども、被害総額が5億円程かかるという話が出ているようです。県内全域で、農業とかさまざまな被害があると思うのですけれども、把握されている限りで結構なのですけど、被害総額みたいなものが積算されているのであれば教えていただけないでしょうか。
知事: 先程申し上げましたけど、現時点で被害の全体像をまずは把握してというところからの段階でありますから被害の総額というものを今、明示できる状況ではありません。もう少し時間をいただきたいと思います。
記者: 今回、まだ被害の実態も分かっていないので愚問かもしれませんけども、今回の補正予算には台風10号関連の復旧費用というのは盛り込まれていないという理解でよろしいでしょうか。
知事: 時期的な問題からしても、補正予算をつくる作業とこの台風10号の被害は合っていませんから、台風10号の被害については、また、しっかり時間をかけて、なるべく早めに対応していきたいと思います。今回の補正予算には入っていません。
記者: AIを使った災害対応支援についてなのですけど、もう少しどういった情報をAIが分析するのかというのを教えていただきたいと思います。
知事: これまで防災分野を中心に活用してきた「データ統合連携基盤」にAI機能を搭載することにより、AIが発災時に収集される膨大な情報の中から必要な情報を的確に抽出し、分析することで職員の意思決定や作業を支援し、業務の迅速化・効率化を目指すものであります。活用事例案としては、AIによる法令・通知等の解釈支援などを検討しており、これにより、災害時において迅速で的確な判断を支援してまいりたいと考えております。
記者: 例えば、SNSとかで発信されている情報とかも収集内容に入ってくるのでしょうか。例えば、Twitterとかで助けてというような情報が発信された場合に拾ってきて分析するとか。
知事: そこまではないです。データ統合連携基盤は、ずっと整備を進めてまいりましたけども、基本的にはさまざまなデータ、例えば、浸水予測図でありますとか、それに合わせて、例えば天気予報の情報、台風が接近してきているとか、雨雲がこうなっている、そういうデータを重ねていく。さまざまな情報を重ねていくわけです。そういう中で、SNSで発信した情報までは、そこに入るということは今のところはないです。
記者: 警察官の暑さ対策があるのですけれども、そもそも、もともと認められていなかったものが今回新しく認められて、空調ベストを着ることが認められて、予算計上されたのかと思うのですけど、他県でもやっている事例があるのでしょうかというのと、耐刃防護衣の下に着用とあるのですけど、特注のものなのでしょうかというのを教えていただけないでしょうか。
知事: 県警察では、制服の夏服着用期間を延長するほか、令和5年度からはペットボトルを装着できるドリンクホルダー、首元周辺を冷やすためのクールタオルなどの各種冷却グッズ、サングラスの活用を促進するなど、警察官の暑さ対策を実施してきました。しかし、近年の夏の暑さは、より厳しいものとなっていることから、今回、新たに空調ベストを整備することで、長時間多くの装備品を身に着けて街頭活動をする警察官の暑さ対策を強化したいと考えています。空調ベストを本格導入するのは神奈川県が全国で4番目となっています。ちなみにこれまでは警視庁、長崎、長野、ということで神奈川は4番目になります。整備する数というのは、神奈川が最も多くなっておりまして6,200着となっています。
警察本部装備課課長代理: 特注品か否かというご質問でございます。市販品のベストとの違いをご説明いたします。市販品は空調ベストを一番上に着用するよう設計されているところなのですけれども、今回導入する空調ベストは、警察官の耐刃防護衣の下に着用するようになっております。着用しても、ベスト内の通気が確保されるように、内部の全面にスペーサーが装着されています。スペーサーというのは、空気の循環を促す部品となります。また耐刃防護衣の下に着用しても、電動ファンからの吸気を妨げないように、電動ファンの吸気部にもスペーサーが装着されている特注品でございます。
記者: 知事、きょうもジャケットを着られていると思うのですが、暑さが厳しくなっている中で、より県職員の方に軽装を促すとか、新しい今までやってきたこと以上のクールビズの取組みたいな考えはありますか。
知事: 前は、「きょうからクールビズです」と期間を区切って、そうではないときには、ネクタイを着用するように言っていましたけれど、そういうルールを全部無くしました。いつでもOKで、自分がそれぞれのときの気持ちの中で、きょうはネクタイはいらないと思ったらそれはそれでいいですよということに既にしております。服装に関してはかなり自由になっているとお考えいただければと思います。
記者: 特に県職員で首につけるようなものとか、そういったものを導入するとか、そういうお考えはありますか。
知事: 県費を使って導入することは考えていませんけど、それぞれの職員が自分でつけることについては妨げるものではありません。
記者: 知事から今、個別の項目についてはご説明いただいたのですけれども、全体、今回の予算案を組む上で、特に意識された点ですとか、力点を置いた点、この部分についてお聞かせください。
知事: 今回の補正予算案は、喫緊の政策課題に早急に対応する必要がある事業について、措置しています。主なものとして、大規模災害時における職員の意思決定や作業を支援するため、発災時に収集される膨大な情報を整理・分析するAI機能を、データ統合連携基盤に追加します。また、GREEN×EXPO 2027に向けた庭園等の出展や、警察官の暑さ対策として、空調ベストの調達など、早急に対応すべき事業を計上したところです。
記者: 先程知事から言及があったように、去年の11月にスタートされた事業だと思うのですが、今回、また10月から二度目のスタートというところで、継続して実施されているというところで、ある程度脱炭素の取組みについて、一定の効果が認められたのかと感じたのですけども、知事としてここまでの取組みの成果の有無、どのように受け止められているのかお聞かせください。
知事: 脱炭素社会を実現するためには、県民一人ひとりが自分事として取り組んで、ライフスタイルの転換を図っていくということが重要です。そこで、本事業を実施することで、どういった商品を選べばCO2の排出を減らして、脱炭素化を進めることができるのか、県民の皆様に知っていただいて、行動に移すきっかけにしていただいて、と思ってやってまいりました。昨年度は延べ約15万人の方にご利用をいただきました。それだけ皆さんにも幅広く脱炭素というものをどうやったら自分事化ができるのかという、実際にアクションにつながったと評価をしています。今年度新たな事業者にも参画いただきまして、事業規模も大幅に拡大しますので、より大きな波及効果といったものを期待しています。
記者: 先程のAIを活用した災害対策に関連してなのですけれども、こちらのAIを導入することによって、例えば今回の台風10号のような災害のときに、今までできなかったことで、どういうことができるようになるのかという点を教えていただけますでしょうか。
知事: 例えば、先程申し上げたようにさまざまな情報が蓄積されてきます。それをAIが分析することによって、必要な情報を的確に抽出して、分析することで、職員の意思決定や作業を支援し、業務の迅速化・効率化を目指す。その中で、例えば、具体の話としては、AIによる法令、通知です。そういったものの解釈支援。さまざまな法律、法的にはこういう問題ありますや、国からこういう通知がきていますという情報もありますので、それを整理しながら、職員が的確に判断できるような支援をつなげていきたいと考えています。
記者: 今回、台風10号で、各地でさまざまな被害が今でも続いていると思います。長い雨ということで、今回の災害で知事が改めて、ここが課題だと感じられた点が何かありましたら教えてください。
知事: 今回は非常に大きな台風だという話があり、そして大変迷走しているという話、遅いということもあり、そして台風のエリアだけではなくて、日本列島全体のあちらこちらに大雨をもたらす大変厄介な台風だったと思います。これまであまり経験したことがないような台風だったのではないかと思います。今まで台風というのは、予想通りに通り過ぎていくものというイメージがありましたから、こういった台風があるのかということです。地球温暖化の影響でしょうか。異常気象ということで、今まで見たことのない台風が起きることになったことをまず知ったことは、非常に大きなことだと思います。その中で、神奈川県内で異常な大雨、記録的な大雨が降りました。私の頭によぎったのは、5年前の台風19号でした。あのとき県内でも大変な被害を受けたわけです。あのときは、亡くなられた方もいらした。山が大きく崩れて、そこに埋まったということもあったし、城山ダムの緊急放流ということにも踏み切らざるを得えなかったということもあって、そういうことになったら大変だという緊張感を持って見つめていましたけども、本当にある意味幸いだったのは、そこまでのことにはならなかったということです。死者が出なかった。これは本当に良かったという感じです。ほんのわずかな差で大被害につながったこともあり得るということです。こういったことは台風の状況も、今までの常識が通用しない新たなステージに入っているということを改めて皆で確認しながら、何が起きても迅速に対応できるように、改めて、市町村との情報共有のあり方等々、見直していきたいと思います。
記者: 盛土の条例案の提案の件なのですけれども、こちら1点お伺いしたいのが、県内の道路網が発達しているので、規制がゆるいと集中してしまうおそれがあるということを懸念されてと書かれていますが、改めてそういう状況での懸念というか、今回それを踏まえて、なぜこういう条例案の制定を目指していらっしゃるかということを教えてください。
知事: 盛土規制法は、知事等の許可が必要となる盛土等の規制対象規模を、山間部などの特定盛土等規制区域と、それに比べて規制が厳しい市街地などの宅地造成等工事規制区域の2つに区分して全国一律で定めているというものであります。このうち、特定盛土等規制区域は、災害防止のために必要であれば、条例で規制を強化することが可能であるとされています。本県は道路網が発達しておりまして、特定盛土等規制区域にアクセスしやすく、進入が容易であることから、宅地造成等工事規制区域より規制が緩いと、土砂の搬入が集中するというおそれがあります。そのため、条例で規制を強化して、両区域の規制対象規模を同じくするということとしました。
記者: 自民党総裁選についてお伺いさせていただきます。県内選出の河野太郎さんが出馬を表明されまして、小泉進次郎さんはあした、出馬の表明会見をされるということで、県内から総裁候補が二人出るということについての知事の受け止めと、各候補、総裁選の公約を発表され始めておりますが、知事として、何か公約とかについて、議論に期待したいことがありましたらお願いいたします。
知事: 県内でまだ最終確定ではありませんけども、お二人が出馬されるということのようであります。それだけ有望な政治家が県内の中にいらっしゃるということは大変誇らしいことだと思っております。私はどなたがどうだという立場にありませんけれども、派閥解消というのが進むと、こんなにたくさんの方が立候補されるようなことになったのだという中で、見たことがない総裁選だというのが正直な印象です。そういった中で議論はこれからだと思います。それぞれ皆さんがどういった政策を持ってこられるのか。まだ立候補をしっかり表明されていない方がたくさんいらっしゃいますから、皆さんがそろった上で、それぞれの政策をしっかりと私は見ていきたいと思っています。そういった中で、やはりこれからの超高齢社会、われわれはずっと申し上げてまいりましたけども、それを乗り越えるために、どういうことが必要なのかといったことで、われわれは未病という考え方をしっかり出してきましたけども、そういったことに対してのメッセージがあるかないかといったことは非常に関心もありますし、東京都一極集中の是正といった問題をわれわれも提起していますけれども、そういった問題に対してどのような政策を出してもらえるかといったこともあるし、あとライドシェアといったもの、神奈川版ライドシェアをわれわれは始めたわけですけども、一部には全面的な解禁によるライドシェアなどの提案もあると言ったようなことを、どのように発信されてこられるのか、そういったもの等々、さまざまな関心がありますので、しっかりと議論をしたいと思います。
記者: セキュリティゲートについて伺いたいのですけれども、昨今、警備という意味で官庁の警備は大変大事だと思うのですけれども、一方で県民にとってみれば、県庁が閉鎖的になるのではないかというような懸念の声も聞こえてきそうなのですけれども、そのあたりについて改めて知事、これを設置する意義といいますか、そのあたり教えていただければと思います。
知事: どこで何が行われるか分からないという社会情勢の中で、最低限のセキュリティチェックを行う体制ということは大事なことだと考えておりますので、ようやく実現できたという思いであります。県民に安心してご利用いただけるだけではなく、職員も安心して、職務に専念できる環境づくりに効果を発揮できるものと考えています。これまでの神奈川県庁というのは、開かれた県庁、建物のセキュリティもそうですけども、それはそれで非常に素晴らしい伝統だとは思うのですが、しかし、あまりにも開かれすぎていたのではないかという恐怖感が正直ありました。誰でもどこでも入れる。そういったところ今はないです。それは少し開かれ過ぎているのではないかというのがあったので、最低限のセキュリティを行う体制でありまして、これによって、閉鎖的になったという印象がないよう、入りたいと思われたら手続きをしたら入れる、そういう形をキープしたいと思っていますので、しっかり運用面で、そういった面はつなげていきたいと思っています。
記者: 補正予算の方なのですけども、国際園芸博覧会の出展事業費で、総額16億円ぐらいの規模がついていると思うのですけれども、現段階で、定員ですとか、大きさですとか、どれぐらいの来場者を想定してこの予算を組んでいらっしゃるかというのを教えていただけるでしょうか。
知事: GREEN×EXPO 2027では、「いのち輝く Vibrant INOCHI」、これをテーマとして庭園を県としては、出展をいたします。この国際的イベントは、国内外から1,000万人以上の来場者が見込まれている万博でありまして、共生社会の実現や未病改善、循環型社会の実現など、県の施策をPRする絶好の機会であることから、出展することを決定したところです。
記者: 規模感ですとか、そういったものというのは、今お示しいただくのは難しいでしょう。
知事: 規模というのは、広さですか。
記者: どれぐらいの施設にするとか。
国際園芸博覧会担当課長: 現在のところ規模ですが、県の出展の敷地として5,000平方メートルを確保することで、今博覧会協会と調整しているところでございます。
記者: 大体、県の施設に何人ぐらい来てほしいという想定でこの予算でいらっしゃるでしょうか。
国際園芸博覧会担当課長: 今、知事の方から、来場者1,000万以上というお話がございました。そちらについて、具体的な来場者目標はまだ設定してないのですが、なるべく多くの方に来場いただくよう、魅力的な出展を企画していこうと考えています。
記者: 次に警察官の暑さ対策なのですけども、これは6,200着とすごくたくさんの方に整備するということで、この残暑に間に合うというお話なのでしょうか。それとも来年の夏に向けてのお話でしょうか。
警察本部装備課課長代理: 来年の6月をめどに整備を計画しております。
記者: セキュリティゲートなのですけども、先程安全面の確保が大事というところを知事がおっしゃられていまして、現在の状況、セキュリティゲートがない段階で、具体的な不審者情報ですとか、カスタマーハラスメントと表現すれば良いのか分からないのですけども、県庁の運営に影響が出るような事案というのがどれぐらいあったのかというのを教えていただけないでしょうか。
庁舎管理課長: 具体的な数字は特に把握しておりません。ただ、近年ですと、爆破予告のメール等が寄せられて、それについて報道発表をした事例がございます。
知事: 要するにこういうのは、起きてからやるというわけではなくて、起きる前にやることが大事。今の状況、本当にいつ何が起きるか分からない状況だと私は思います。ですから、起きる前に対応するということの中で、しかも開かれた県庁をギリギリ守りながら、最低限のセキュリティチェックを行う。こういう流れにしたいと思います。
記者: セキュリティゲートの関係で東庁舎に今度レストランができると思うのですけども、セキュリティゲートを設けることで、なかなかレストランに行きづらくなるとか、県民の方が入りにくくなるとか、そのあたりの対策というのは考えていらっしゃるのでしょうか。
知事: 県庁の開庁時間中はゲートを通っていただく必要がありますけれども、入力内容を簡素化して、QR入庁証が発行されるようにしていきます。閉庁時間は、ゲートを開放して通行できるようにしたいと考えています。
記者: 今年の9月1日で関東大震災から101年が経って、各地で朝鮮人の方が殺害されたことへの追悼式が行われていると思います。各県の知事によって追悼文を出したり出さなかったりされているようなのですけども、横浜市でも7日に予定されているみたいなのですけれども、黒岩知事として追悼文を出したりするという予定があるのかどうか、どのような対応をされるのかというのを教えていただけないでしょうか。
知事: 県内で追悼式典が行われているということは報道等を通じて、存じていますけれども、追悼文の依頼は特に受けておりません。今後の式典などで依頼があった際どうするかということは、行事の内容等を踏まえ検討していきたいと考えています。
記者: 警察官の暑さ対策で少し何点か確認したいのですけれども、6,200着というのはここにある交番勤務の警察官と機動隊員の数と考えていいのでしょうか。
警察本部装備課課長代理: 地域警察官と機動隊員の定数に基づいて設定した数字になります。
記者: 配備は来年6月中にということだったのですけれども、かなり酷暑で実際に警察官が熱中症ですとか、そういった支障が既に出ている事案があるのかどうか教えてください。
警察本部装備課課長代理: 具体的に熱中症で倒れたなどの詳しい統計はありません。既に6月の段階で酷暑対策として、制服の夏服期間を延長したり、ペットボトルなどを装着できるようペットボトルホルダーを持ったり、ネッククーラー等を持てるように、利用促進を促す通達を出したところでございます。
記者: 夏服の延長というのは、従来がいつまでで、今回どうされたのでしょうか。
警察本部装備課課長代理: 通常ですと6月1日から9月30日が夏服の着用期間ですが、それを5月10日から10月20日までに改めております。
記者: 盛土対策ですけれども、今回規制を強化する方向で条例制定するということだと思いますが、熱海の土石流災害を受けて国が動き出していると思いますが、県内でもいわゆる是正しなければいけない盛土が、なかなか所有者と連絡が取れなかったり、是正が進んでいないという実態があるようです。今回また豪雨災害もあって、いつ起きるか分からないような状況だと思いますが、改めてこの条例の制定とともに、この盛土対策どのように取り組んでいかれるのか、そのあたりを教えてください。
知事: 熱海の土石流の出来事は今も記憶に生々しいところです。ああいったことがいつ起きるか分からない状況がまだあるわけです。それに対してわれわれはできることからやっていくという流れの一つだとお考えいただきたいと思います。
記者: 台風の対応で被害額については、今積算中ということだったと思うのですけども、予算については、既決予算で流用できなかったら補正対応するっていう話で、既決で対応できる額がどのぐらいあるかというのは積算済みなのでしょうか。
財政課長: 既決予算については流用とか、いろいろな方策があり、額に応じて、できる対応が異なってきますので、そこは積算次第どういうことができるのかを検討していきたいと考えています。
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