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更新日:2026年10月2日

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神労委令和7年(不)第7号事件決定書の交付について

神奈川県労働委員会は、標記の事件について、申立人の不当労働行為救済申立てを却下する決定をしました。

1 当事者

申立人 X(組合)

被申立人 Y(市)

2 事件の概要

 本件は、【1】組合が、令和7年1月23日付けで、組合員Aの休業補償や雇止め撤回等を交渉事項として、市に対して団体交渉を申し入れたところ、市が同年2月3日付けでこれを拒否したことが、労働組合法(以下「労組法」という。)第7条第2号に、【2】市が市立短期大学の非常勤講師選考規程を改正し、非常勤講師の任用期限を原則として70歳とする規定を定めたことが、組合員Bを対象とした措置であり、同条第3号に該当する不当労働行為であるとして、同年5月12日に救済申立て(以下「本件申立て」という。)があった事件である。

3 決定の概要

⑴ 主文

 本件申立てを却下する。

⑵ 争点及び判断の要旨

(争点)

 組合員A及び組合員Bは、一般職の地方公務員たる会計年度任用職員か否か。

(判断の要旨)

 組合員A及び組合員Bが非常勤講師として講義を担当していた市立短期大学(以下「市立短大」という。)は、市が設置し、直接運営する公立大学であって、その教職員の任命権者は市長である。市による会計年度任用職員の任用は、市長の任命権限に基づく行政処分であるから、その任用意思が各名宛人に到達することにより、その効果を発する。

 令和6年度の任用通知書兼労働条件通知書(以下「R6任用通知書」という。)は、市長名義の公文書であり、任用根拠として「パートタイム会計年度任用職員(地方公務員法第22条の第(ママ)2第1項第1号)」と記載されていた。したがって、任命権者である市長は、市立短大の非常勤講師を一般職の地方公務員である会計年度任用職員として任用する意思を有していたことが明らかであり、この任用意思は、各名宛人がR6任用通知書を受領したことにより各名宛人に到達したものと認めるのが相当である。

 この点に関し、組合は、組合員A及び組合員BはR6任用通知書を受領していない旨主張するが、当該組合員らが同通知書を受領したことは、次のとおり認定した事実に照らし明らかといえる。

 すなわち、令和6年度における非常勤講師任用に際しては、非常勤講師任用予定者が集まる場として「非常勤講師打合せ会」と題する会合(以下「R6打合せ会」という。)が開催され、その開催に合わせて、R6任用通知書を含む配付物が用意されていた。R6打合せ会においては、市立短大の職員が配付物の受領確認を行い、不足物がある場合にはその旨申し出るよう求めたうえで、R6任用通知書の記載内容について説明を行った。組合員A及び組合員Bは、R6打合せ会に最初から途中退席することなく出席していたことから、上記の市立短大の職員による配付物の受領確認とその内容に関する発言を聞いていたと解するのが相当である。

 そうすると、市立短大の職員の受領確認に対して、組合員A及び組合員BがR6任用通知書を交付されていない旨を申し出たり、その後の受領を前提とした説明に対して、何らかの異議を唱えたりした事実は認められないことから、組合員A及び組合員Bは、R6打合せ会においてR6任用通知書を受領したと認めるのが相当である。

 これらのことから、組合員A及び組合員Bは、令和6年度において、一般職の地方公務員である会計年度任用職員であったと認められる。

 また、組合員Bは、令和7年度の任用通知書兼労働条件通知書を受領している。よって、組合員Bは令和7年度においても、一般職の地方公務員である会計年度任用職員であったと認められる。

 なお、組合は、会計年度任用職員ではない者を会計年度任用職員として任用するためには、当該労働者の同意が必要となる旨等を主張する。しかし、市による会計年度任用職員の任用は、市長の任命権限に基づく行政処分であるから、双方の合意に基づく私法上の雇用契約とは性質を異にするものであり、組合が求めるような同意が必要とは認められず、また、その他の組合の主張にも理由がないため、これを採用することはできない。

 以上のとおり、本件における組合員A及び組合員Bに関する事項については、労組法が適用されない一般職の地方公務員である会計年度任用職員に係る事項であり、組合に不当労働行為救済命令の申立適格を認めることはできないため、本件申立てを却下する。

 

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