農業(野菜等)への影響と適応策
神奈川県における野菜等に対する気候変動の影響と適応策
気候変動の影響
気温の上昇、降水の時空間分布の変化は、野菜の生育障害、品質の低下、収量の減少をもたらします。
神奈川県では現在、高温障害による品質低下等の影響が見られます。
将来も、同様の影響が予測されています。
影響に対処するための県による施策(適応策)
高温障害を軽減するため、技術試験を実施し、対策技術の確立を行うとともに、農家への技術支援を行います。
現在県で取組んでいる具体的な事例
- キャベツ、ダイコンに対する地球温暖化の影響に関する試験研究を実施
- イチゴの安定生産のため、局所制御(加温・冷却)技術について研究
- 施設野菜の環境制御技術に関する研究の一環として、細霧冷房(ドライミスト)による施設内気温の降温効果を確認
- 農家に対し、環境制御(遮光資材の普及や適切な換気、ヒートポンプ等の機器利用)の技術支援を実施
- 品種の導入の際には、夏の高温等の変化に適応した品種を指導
【参考】日本全国における気候変動による影響(概要)
出典:気候変動影響評価報告書(別ウィンドウで開きます)(2020年12月、環境省)
現在の状況
- 全国的に気候変動の影響が発生
- 露地野菜(キャベツ、ダイコン、スイカなど):収穫期の早期化、生育障害の発生頻度の増加等
- 葉菜類(ホウレンソウ、ネギ、キャベツ、レタス):高温や多雨あるいは少雨による生育不良や生理障害等
- 果菜類(トマト、ナス、キュウリ、ピーマン):高温多雨等による着果不良、生育不良等
- イチゴ:花芽分化の遅れ、花芽形成の不安定化
- 施設生産:冬季の燃料消費量減少
- 花き(キク、バラ、カーネーション、トルコギキョウ、リンドウ、ユリなど):開花の前進・遅延、生育不良
将来予測される影響
- 葉菜類(キャベツ、レタスなど)
- 気温上昇による生育の早期化、栽培成立地域の北上
- 二酸化炭素濃度の上昇による重さの増加
- 果菜類(トマト、パプリカ)