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更新日:2023年12月26日
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科学技術関連コラム・バックナンバー(岸本座長)
掲載日:2021年8月
このたび、新たに、科学技術にかかわるコラムを神奈川県科学技術会議の委員の皆様にご執筆いただくことにしました。
コラムは随時更新予定です。第6回目は、座長の岸本喜久雄先生です。
私は3歳の頃から茅ヶ崎に住んでいます。卒業した小学校の校歌のはじまりは「松の花咲く砂の道 通えば明るい春の風よ」です。実際は、砂埃のなか、凸凹道を通学したことが記憶に残っています。その頃に比べると住環境は格段に良くなりました。家の中には様々な家電製品があり、暮らしを豊かにしています。私たちの世代は、科学技術のもたらす恩恵を享受し、その進歩を実感してきたように思います。
小学校というと、楽しかった思い出を持つ方は多いかも知れません。私もその一人です。小学校からの友人は同時代を生きてきた同士とも言えます。小学校は、考えることの基本を身に付ける、言わばヒトが人らしく成長する時期だと思います。印象に残っているのは、6年のときだったと思いますが、不思議なこと、疑問に思うことについて生徒が考えたことを発表するという授業がありました。この授業で、不思議なこと、疑問に思うことを考えるのは、習い覚えることと違った頭の使い方をするのだと気づかされました。また、それが楽しいことだとも知りました。小学校時代の恩師から疑問を持つことの楽しさを教えていただいたことが、科学技術分野を目指す契機になったのかと思い出されます。
現在、私は日本工学会の会長を務めています。本会は1879年に工部大学校(東京大学工学部の前身)の第1期卒業生により創立された我が国の最初の工学系学術団体です。現在は約100学協会を会員とする連合体組織として工学及び工業の進歩発達に寄与することを目的として活動を行っています。明治以来、資源に乏しい我が国が近代国家として発展できたのは、科学技術を専門とする先人たちの挑戦と努力が大きく寄与しています。我が国が将来に亘って持続的に発展し、世界に対しても貢献をしていくには、多くの方々が科学技術に関心を持ち、牽引役となる人材が育つことが大切です。環境に恵まれた神奈川県から将来を担う科学技術人材が多く輩出されることを願っています。
このページの所管所属は政策局 いのち・未来戦略本部室です。