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更新日:2024年4月10日
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損失補償についてご案内しています。
損失補償には、権利取得裁決で決められる土地に関する補償と、明渡裁決で決められる明渡しに関する補償の二つがあります。なお補償の基準は、土地収用法88条の2に基づく細目政令により、定められています。
損失の補償は、原則として、金銭で補償することになっています。例外として、替地による補償、移転の代行による補償などが認められます。(土地収用法70条)
収用委員会は、損失の補償について、起業者、土地所有者及び関係人が申し立てた範囲内で裁決することになります。例えば、土地所有者及び関係人の主張する補償額が起業者の見積額より大きい場合、起業者の見積額を下限とし、土地所有者及び関係人の主張する補償額を上限として裁決します。
土地所有者には、土地に対する補償を、関係人には借地権など所有権以外の土地に関する権利の消滅に対する補償を算定します。
収用する土地の対価にあたる補償です。価格は、近傍の類似した土地の取引価格などを考慮して算定します。この補償金の額を決める時点は、土地収用法と都市計画法によって異なります。
土地収用法に定める手続にしたがって収用されるときは、算定にあたって事業認定の告示の日を基準日とする相当な価格に権利取得裁決の時までの物価変動に応じた法定修正率を乗じた額となります。ただし、支払請求の場合は、支払期限までの修正率を乗じて得た額となります。
都市計画法によって、都市計画の決定、都市計画事業の認可と手続きが進んできた場合は、都市計画事業の認可の告示日を基準として補償金の額を算定します。ただし、事業に長期間要することから裁決申請をしないまま1年を経過すると、1年後の日が基準となります。その後は、毎年1年経過後の日を基準に補償金の額を算定し、事業期間が終了するまでそれが繰り返されます。
土地の収用により、借地権などの所有権以外の権利は消滅します。そのため、その権利に対する額が補償されます。権利の取引価格や契約内容、収益性などを考慮して算定します。
ただし、抵当権などの補償は、個別に見積もることが難しいので、通常、土地所有者など担保権が設定されている者の補償に含めます。
同一の所有者に属する一団の土地(同一の目的に供されている一体の土地)の一部が収用されることによって残地が生じる場合の補償です。
土地の一部が収用された結果、残地の面積が過小となるなど、残地の価格が低下し、損失が生じたときは、元の価格との差額が補償されます。
残地を従来利用していた目的に供することが著しく困難となるときは、土地所有者は残地の収用を意見書で請求することができます。
残地に通路やその他の工作物の新築、改装、増築、もしくは修繕又は盛土もしくは切土をする必要が生ずるときは、これに要する費用が補償されます。
また、この補償の全部又は一部に代えて、起業者が当該工事を行うことを意見書で要求することもできます。
土地所有者又は関係人は、土地又はその土地に関する所有権以外の権利に対する補償金の全部又は一部に代えて、替地(代替地)による補償を意見書で要求することができます。金銭補償では替地の取得が難しく、従前の生活が維持できないなど特別の事情がないと、認められません。
収用される土地に建物などの物件があるときは、通常、これを移転するために要する費用が補償されます。この費用は、客観的かつ合理的に移転先と移転方法を想定して算定します。
建物を移転するための費用です。移転先(構内または構外)、移転方法(除却、改造、再築など)を認定の上、算定します。
塀、門扉など建物以外の物件を移転するための費用です。なお、移転ができない工作物は新設費などを補償します。
庭木など樹木を移植するための費用です。なお、伐採が相当と認められる場合には、伐採費を補償します。
その他、土地が収用されることにより、通常、損失が発生すると客観的に認められるものが補償されます。主に次のようなものがあります。
動産の移転に要する費用が補償されます。
建物の移転に伴い、建物の賃借人が家主との契約関係を続けることが難しい場合、同種同等の建物を賃借するのに必要な費用などが補償されます。
営業を一時休止する必要がある場合、休業期間中の収益減少額などが補償されます。
その他、家賃減収補償、仮住居補償、移転雑費補償など、土地が収用されることによって通常受ける損失が補償されます。明渡しに関する補償金の額は、明渡裁決の時の価格で決められます。
なお、事業認定の告示後において、土地所有者または関係人が、土地の形質を変更したり、物件の新築、増築などをしたときは、あらかじめ知事の承認を得た場合を除いて、これに関する損失の補償を請求することはできません。
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