更新日:2024年10月8日
ここから本文です。
当所ではイチゴの省力的な栽培方法の開発に取り組んでいます。ここでは、イチゴ品種‘紅ほっぺ’を用いて高設栽培で試験した、定植前マルチング及びランナー切り離し同時定植に局所温度制御を組み合わせた栽培方法について紹介します。
一般的にイチゴ栽培におけるポリフィルムによるマルチングは、定植の約1か月後に行うため、植わっている苗を傷めないように気を遣う煩雑な作業です。定植前マルチングやランナー切り離し同時定植は、定植前に行うため作業性がよく、育苗期間の短縮化や定植時期の分散にもなります。しかしながら、未分化苗の定植や定植前にマルチングすることで培地温度が上昇すると花芽が分化しにくくなり、開花遅延による収穫時期の遅れが問題となります。一方、イチゴは局所温度制御により高温期にクラウン部のみ冷却することで、開花が促進されることが明らかになっています。そこで、定植前マルチング及びランナー切り離し同時定植と局所温度制御を組み合わせる栽培方法について検討したところ
慣行栽培(ランナー切り離し後、花芽分化を確認した苗を定植し、定植の約1か月後にマルチングする)と同等の収穫開始及び総収量を得られることが明らかになりました。
このページの所管所属は 農業技術センターです。