新しい水稲奨励品種てんこもり
令和2年11月6日に県と生産者団体等が構成する「神奈川県稲麦等奨励品種等審査会」を開催し、富山県が育成した水稲品種「てんこもり」が、栽培しやすく、良食味であることから、新たに奨励品種となりました。
「てんこもり」の特徴は、長所として多収性、良食味、高品質、難穂発芽性などで、短所としては、中生品種なのですが熟期はやや早いことです。
形態的特性
稈長は「さとじまん」と同程度、穂長は「さとじまん」より若干短く。穂数は「さとじまん」より多く、草型は偏穂数型に属します。粒着密度は「さとじまん」と同等の「中」です。芒の発生は「少」、芒の長短は「短」で、ふ先色は「黄白」、脱粒性は「難」で「さとじまん」と同等です。
生態的特性
出穂期および成熟期は、「さとじまん」と比較して同程度から2日程度早く、中生のうるち種です。耐倒伏性は「さとじまん」並みであり、多肥条件においても倒伏しません。収量は「さとじまん」と比較して同等からやや少ない傾向です。
耐穂発芽性は「さとじまん」と同程度の難で、紋枯病等の耐病性は「さとじまん」と同等です。
出穂期の様子 (さとじまん:左、てんこもり:右)
成熟期の様子(左:さとじまん、右:てんこもり)
玄米品質・食味の特性
玄米の形状は中、玄米千粒重は「さとじまん」より若干軽く、粒色は中飴で、光沢は良く、玄米外観品質は中の上で「さとじまん」よりも優れています。
食味については、官能試験等により「さとじまん」と比べて高く、蛋白含有率はやや低くなっています。このことから、総合評価で「さとじまん」と比較して優れています。
玄米の外観(右:てんこもり、左:さとじまん)