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更新日:2020年8月21日
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ひきこもりで困っているご本人、ご家族向けの冊子,きっかけ,てがかり,神奈川県立青少年センター青少年サポートプラザ
(このホームページは、神奈川県立青少年センターが発行している「ひきこもりサポート冊子」をホームページ版として作成したものです。)
このパンフレットは、ひきこもりで困っているご本人、ご家族向けに作りました。
どうぞ、気軽にページをめくってみてください。
今のあなたに、何か「きっかけ」や「てがかり」となればと願っています。
ひきこもりは誰にでも起こりうることで、
特別なことではありません。
抱えているストレスをうまく解消できず、
ひきこもることがあります。
ひきこもることは本人のために必要な休養なのです。
「ひきこもり」とは病名ではなく、
さまざまな要因によって社会的な参加の場面がせばまり、
自宅以外での生活の場が長期にわたって失われている状態のことをさします。
ひきこもりの状態には、
こころの病気・障害などが背景にある場合と、
こころの病気・障害などは考えにくい場合とがあります。
ストレスを避けるためにはじまったひきこもりであっても、時間が経つにつれて自分ではどうにもならない状況になってしまうことがあります。
ひきこもりのなかには、精神的な障害や病気が影響してひきこもる場合があります。背景に病気がある場合には、病気がわかれば、どう対応したらよいのかがわかることもあり、治療することで状態が改善される可能性もあります。
いままでとはちがう、気になることがある、という場合は医師や専門家にぜひ相談してみてください。
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良かったこと、できていることを見つけましょう。
リラックスできること、楽になることを探しましょう。
あなたらしさを大切にしてください。
同じような悩みを持った人はたくさんいます。
一緒に考えてくれる仲間を見つけるために、
本人は考えていないようにみえても、
「何とかしたい、自分を理解して欲しい」と思っています。
ご家族としては、外に出て、学校に通ったり、働いて欲しい、何でも良いから活動して欲しいと思い、本人に対しても言ってしまいがちです。自分でもわかっているのに動けないとき、家族に言われることでさらにつらくなります。難しいことですが、本人のペースに合わせてみましょう。
ご本人たちからは、
「家族には家族の生活を楽しんでもらいたい。」
という言葉が多くきかれます。
家族も自分の生活を楽しむゆとりが大切です。
会話がなくても・・・
ご家族も自分をいたわりましょう。
ご家族が誰かに相談することが、ご本人の相談のきっかけにもなります。
ご本人が同じような悩みを持つ人とのかかわりを求めている場合には、「居場所」と呼ばれるグループ活動に参加してみるのも良いでしょう。
安心してつきあえる人を増やしてみましょう。
ご本人に代わって、外の風を家に運んでみてください。
親が、支援団体の情報を得て、本人の相談の契機となった。本人が動き出した理由はわからない。自室にひきこもっていることが多かったが、将来のことを言わないようにしたら、自室から出てきてすごすことが増えた。少しずつしか変化はないが、親もひきこもらず、地域とのつながりをもち、気分転換をしている。
子どもが生まれたときには、生まれてきたことだけで喜んだと思います。今のありのままの子どもの状態を、認めてほしいと思います。がんばりすぎた結果、ひきこもってしまった。将来の心配ばかりしていないで、子どもの力を信じて、目の前にいる子どもに満点をつけてほしい。
「自分は自分、子どもは子ども。」と割り切るようにしている。状況はあまり変わらないが、考えを変えたことで気持ちは楽になった。
(ひきこもりを考える家族セミナーでのお話をもとにしています。)
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家族セミナーのアンケートより
ひきこもりは病気でしょうか?
「ひきこもり」そのものは、状態なので、病気ではありませんが、背景に精神的な障害や病気が影響している場合があります。眠れない、落ち着かない、イライラする、気力がないなど、自分でもどうにもならないような変調があるようでしたら医療の助けが必要かもしれません。
病気かどうか心配な場合は、一度は精神科医に相談することをすすめます。医療機関がわからない、あるいは医療機関に相談するのは抵抗があるという場合には、地域の保健所などで、精神科医の相談が利用できます。
どんな人がひきこもりになりやすいのですか?
まじめでおとなしい人がなりやすいというイメージがあるかもしれませんが、ひとりひとりの性格はさまざまで、家庭や生活環境もみな異なります。不登校と同じように、「誰にでもおこりうること」と考えてよいでしょう。
ひきこもりの原因は?
はっきりと原因のわからない場合も多いでしょうし、原因と思われることがいくつもみつかるかもしれません。原因を探すことよりも、今の状態から、これから先のことを考えていくことが大切です。
不登校だとひきこもりになるのでしょうか?
不登校から引き続きひきこもりになってしまうというデータもありますが、みんながそのままひきこもりになるわけではありません。大半は社会適応していきます。
本人を相談や治療に結び付けるには?
本人が受診や相談を拒否している場合は、無理強いすることはおすすめできません。まずは、ご家族が相談機関や支援団体などに出向いて、情報を得ることが重要です。家族が根気強くはたらきかけていくことで変化していきます。
家族に暴力をふるうので困っているのですが?
ひきこもっている人の多くが、孤立感・焦り、不安を抱えており、家庭内暴力が起こることは珍しいことではありません。家族で抱え込まず、周囲の人や専門機関で相談するなど早目の対応が必要です。状況によっては警察の介入も必要となることもあります。
仕事を探してもうまくいかなかったり、働いても仕事が続かないのですが?
本人の希望ばかりで、仕事をするのは困難です。仕事をする上で必要なことはたくさんありますが、どんなことが苦手でどんなことが得意なのかを考えてみることも必要です。
中学の部活動の友人関係でうまくいかず、不登校になった。高校も休みがちで、短大にすすんだが結局中退してしまった。
完全にひきこもっていたわけではなく、アルバイトをしたり、ひきこもったりすることを繰り返していた。昼夜逆転の生活をし、夜遅く自室にもどり、朝まで悶々と過ごして眠る・・・。朝は、多くの人が登校や出勤などの活動を始める時間。眠っていれば、何もしていない後ろめたさもやり過ごせるし、親にも責められない。そうすることで自分を守っていたと思う。
「ひきこもり」は親に責められる。自分でもダメだと思う。人とうまく付き合えず、こもっているのだが、うまくいくようにがんばる気持ちにはならなかった。明日が来るのが苦痛で、今日を何とかやり過ごしたい。「ひきこもり」が問題なのではなく、つらい気持ちに焦点をあてて、苦痛を軽くすることが大切だと思う。ひきこもっていてもHappyならばそれでもよい。私は苦しかったから外に出るようになった。
親にされていやだったことは、「学校に行きなさい。」「学校に行かれないなら働きなさい。」とできないことを強要されたこと。どうしてできないのか、理由を言えない、自分でもわからない。親は「ひきこもり」に怒り、焦り、不安・不満の感情をぶつけてきた。子どもが、自分の思うようになっていないことに釈然としなかったのだろうと、今は思う。また、私が何か外出したり、アルバイトをするなど行動した時に一喜一憂されることもいやだった。私のことで振り回されている家族の姿をみるのが苦痛だった。
そんな状況でも、お金は必要があれば使わせてくれたので助かった。家族でも外出・旅行に行ったり、車で送ってくれたり。父が自分の状態を話題にしなかったので助かった。逆に母とは互いに気を使う緊張感があった。母と一緒にいる時間は、互いの行動が気になり、母から常に責められる可能性があった。母が、母自身の仕事や趣味に目を向けてくれていたらよかったと思う。母自身のことと私のことを分けて考えてくれたらよかった。誰もいない時はリラックスしていた。親の期待にこたえていない自分を申し訳なく思っていた。でも親の価値観を押しつけようと迫られるのは苦痛だった。
心療内科や相談機関、居場所にも参加したが、働くようになったきっかけとして、「これだ。」というものはなかった。好きなことをとおして違う考えに触れ、自分の考えを広げることができた。外の世界は、自分とは関係なく動いていくことを感じた。働きたいという気持ちが強くあったわけではないが、好きなことなら、「自分にもできるかな。」と思い、働きはじめた。そこで「働き方はひとつではないんだよ。」という話を聞いて、「ここままの自分でも働きやすい働き方でよいのかもしれない。」と思えた。
今は、自分のいやなことはしない、無理はしないようにしている。
(ひきこもりを考える家族セミナーでのお話をまとめました。)
ひきこもりの専門家は多くはありませんが、相談できる機関はいろいろあります。
本人の状況に応じて、利用するとよいでしょう。
地域の保健所などで相談ができます。
地域の保健所(保健福祉事務所)には、精神保健の相談窓口があります。ご家族だけでも相談ができ、精神科医による相談も可能です。
県内には地域で不登校やひきこもりなどの青少年を支援している団体があります。団体によっては、相談を受け付けているところもあります。
また、家族の集まりや勉強会、本人の居場所などの活動をしているところもあります。
青少年センターのホームページにNPOの情報が掲載されています。
http://www.pref.kanagawa.jp/docs/ch3/cnt/nposupport/npo/index.html
どこへ相談したらよいかわからないときには、
お気軽にご相談ください。適切な相
談機関をご案内します。
匿名でご相談可能です。
○電話番号 045-242-8201(相談専用)
○受付日時 火曜日から日曜日の午前9時から12時、午後1時から4時(年
○電話番号 0465-35-9527(相談専用)
○受付日時 月曜日から金曜日の10時30分から12時、13時から16時(祝日、年末年始を除く)
監修 山田正夫(精神科医)
神奈川県精神保健福祉センター
青少年サポート課
電話 045-263-4467
このページの所管所属は 青少年センターです。