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初期公開日:2022年8月30日更新日:2024年5月7日
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水車発電機のオーバーホールについて紹介します。
城山発電所では、4台ある発電機のうち、3号機のオーバーホールを平成22年に、4号機を平成23~24年に実施しました。
事前に劣化診断という発電機の外部点検を行い、必要と判断されたらオーバーホールを実施します。発電機を分解したらどうなるのかな?作業の様子を見ていきましょう!
(オーバーホールとは、発電機などの機械を分解して点検することをいいます。消耗部品の取り替えや検査・修理を行うことで、安全な運転を維持することができます。機械を細かく分解するため、作業に数か月程度かかります。)
分解前に発電機の状態や性能を調べるため、実際に発電したり、ある部分だけを動かしたりして記録をとります。試験が終わると分解のために水を抜く作業に入ります。水を抜くだけで半日以上かかります。
まず、発電機を分解します。カバーを外して、水車を切り離して、回転子を吊り出します。
城山発電所には、最大130トンの重量物を運ぶことができるクレーンが2台あります。回転子は約200トンのため2台のクレーンを使い運び出します。
回転子を吊り上げているところ。
回転子の検査をするため仮置きをし、準備をしているところ。
回転子を取り外したあと、固定子の点検をしているところ。
次に、水車を分解します。カバーなどの機器を外して、ランナを吊り出します。
水車を分解し、ランナを吊り上げているところ。
工場に部品を運び検査や修理を行います。エレベータでは運べないため、インクラインという設備を利用して外に運び出します。(インクラインとは、斜面にレールを敷き台車を動かして荷物を運び出す設備のことです。詳しくは「web限定!!インクラインツアー!!斜坑を登ってみよう!」をご覧ください。)
台車に荷物を載せるところ。
台車が地上に上がってきたところ。
水車の各部分の劣化状況を調べます。
ケーシングの検査のためにさびを落としているところ。
ガイドベーンの傷の状態を調べているところ。
ランナの下側です。汚れやサビがついていますが、分解して取り出した後、きれいにして検査、修理を行いました。
各部の点検、修理、清掃が終わったら組み立てます。その時に、次のような作業があります。
回転する発電機の外側の部品を、軸の中心から同じ距離に取り付ける作業をセンタリングといい、とても重要な作業の一つです。
軸の中心になるところにピアノ線を垂らしています。
インサイドマイクロメータという測定器を使って、ピアノ線から外側の機器までの距離を数か所測定し、機器が軸の中心から等距離となるよう位置を決めます。
回転する水車発電機の各部品が、回転軸を中心に正確に組み立てられているか、人力で実際に回転させて軸ブレを専用の装置を使って正確に測定します。
軸ブレを測定するダイヤルインジケータという測定器。
分解した発電機を元通りに組み立てた後、すべてのパーツが正常に動くか確認します。それが終わると、発電できるように半日以上かけて水を入れていきます。水車が水で満たされると実際に発電や揚水をして問題なく運転、停止ができることと分解前の記録と比べて異常がないかを確認します。
このページの所管所属は 発電総合制御所です。