中井やまゆり園職員による利用者への虐待について
2023年12月11日
記者発表資料
(小田原記者クラブ同時発表)
県立障害者支援施設「中井やまゆり園」の職員が、居室内にあるポータブルトイレに座り、排泄している利用者に対し、食事介助を行うなどの行為を行い、12月8日、自治体から園に対して虐待認定がされたことが伝えられました。障害のある方が安心安全に過ごす施設として絶対にあってはならない行為であり、県は、再発防止に全力で取り組んでまいります。
1概要
- 令和5年10月26日(木曜日)昼食時、民間の支援改善アドバイザーが園内を巡回する中で、居室内にあるポータブルトイレに座り、排泄している利用者(60代女性)に対し、職員2名(50代女性・40代女性)が服薬、食事支援を行うなどの行為を目撃し、園幹部職員に不適切であると指摘がありました。
- 園は、10月27日(金曜日)に園長をトップとする園内検証チームを立ち上げ、事実確認のため、園職員のヒアリングを順次行いました。
- 11月2日(木曜日)に改めて幹部会議を開催し、同日に当該利用者に係る給付費の支給を決定した自治体(以下「支給決定自治体」という。)に電話で第一報を入れ、11月6日(月曜日)、園幹部職員が支給決定自治体に出向き、障害者虐待防止法に基づく通報として受理されました。併せて、利用者本人、ご家族に対して、謝罪を行いました。
- 12月8日(金曜日)、支給決定自治体より、心理的虐待にあたると認定されました。
(ヒアリングの結果)
- 前日の夜からほとんど食事を摂ることができておらず、また医師からは薬は必ず飲ませるよう指示があった。
- 排泄のために、居室内にあるポータブルトイレに座った際、今なら食事を摂ってもらえると考え、服薬、食事支援を行ってしまった。
- 薬は飲めたので、食べられると思い、食事を優先してしまった。
2県の対応
(1)園内で職員による意見交換(11月6日(月曜日))
<主な意見>
- 発作があり、薬が飲めないことはとても心配だった。
- 支援に当たって何を優先するかは改めて考えるべき。
(2)県立中井やまゆり園改革アドバイザリー会議(11月8日(水曜日))
<主な意見>
- 職員が追い込まれていたというものではなく、食堂などで皆と食事を摂ることができないという諦めから起きている。
- 居室内にあるポータブルトイレに座り、排泄している中でも食べ物を食べることを本人が望んでいると捉えてしまっている。
- 事案発生後、園で検証しても、利用者本人の思いに立って検証することができていない。
(3)利用者支援の見直し
- 寮内でアンケートを実施し、寮会議で振り返りを行い、食事の時間を気にすることなく、本人のペースに合わせて支援することを徹底している。
3今後について
- 県本庁と園は、支援改善アドバイザーの指導を仰ぎながら、原因究明や再発防止に向けた取組を進めています。
- 園職員と園長との意見交換会を継続して実施するとともに、虐待認定を受け、改めて全職員を対象に園長から理念の徹底を図ります。
- 園は、支給決定自治体の改善指導に基づき、令和6年1月末日までに改善計画書を提出します。
(注記)県立中井やまゆり園について
【施設の概要】主として、知的障害のある方に対する支援を行う障害者支援施設
【所在地】足柄上郡中井町境218番地【定員】入所140名(うち短期入所18名)
神奈川県福祉子どもみらい局福祉部障害サービス課
課長 髙橋
電話 045-210-4702
運営指導グループ 岸岡
電話 045-210-4705