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更新日:2020年4月1日
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「天然水の森 丹沢」として、サントリーと県が協働で、水源かん養機能や土砂災害防止機能などの公益的機能を最大限に発揮させるとともに、生物多様性の向上を目指し、昨年度に引き続き、標高が高く道から遠い人工林の森林整備を行いました。
具体的には、林内に光を入れることで林床植生を回復させ、将来的に広葉樹の混ざった森林に導くため、帯状・群状でギャップ状に伐採し、その周囲の劣勢木の間伐を行いました。
写真1のとおり、整備前は手入れ不足により林内が暗く、林床植生の衰退により、土壌流出が懸念されました。
<写真1(左)帯状間伐地施工前の様子 (右)群状間伐地施工前の様子(平成30年4月撮影)>
このため、帯状間伐地では、昨年度と同様、伐採後に植生保護柵を設置しました。
また、林内に光が入り、林床植生が回復することで、生態系ピラミッドの上位に位置する生物の餌となる動植物が生息できるよう、柵の下部に小動物の侵入口を施しました。
<写真2 (左)帯状間伐地施工直後の様子 (右)小動物の侵入口(平成30年8月撮影)>
次に、群状間伐地では、広葉樹を残してヒノキを伐採しました。施工地周辺では、シカの管理捕獲を県が先行的に実施しており、生息数は低下しているため、敢えて植生保護柵は設置せず、植生の回復を観察していくこととしました。
<写真3 群状間伐地施工直後の様子(平成30年8月撮影)>
このほか、帯状・群状間伐地の周囲では劣勢木の定性間伐を行いました。前回と同様に、伐採した丸太は、土壌の流出を防ぎ、安定させるため、林内に等高線上に整理しました。これにより林床植生が回復し、雨水が土壌へ浸透しやすくなり、水源かん養機能の向上につながることを期待しています。
<写真4 定性間伐地施工直後の様子(平成30年8月撮影)>
次回は、整備から約1年が経過した昨年度整備地の植生回復状況をレポートいたします。
<サントリー天然水の森ホームページより>
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