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更新日:2020年4月1日
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今回は、お待たせしております、整備から約1年が経過した平成29年度整備地の植生回復状況についてレポートいたします。
スギやヒノキに覆われて暗く、所々で土壌が流出している状況も見受けられた林内を、広葉樹などの様々な樹種が混ざりあった豊かな森林(針広混交林)に仕立てるため、等高線に沿って、正方形(約20m×20m)、帯状の長方形(約10m×40m)に伐採しました。
<写真1(左)伐採箇所A(正方形)施工前 (右)伐採箇所B(長方形)施工前>
写真2は、整備直後の写真です。植生はまだありませんが、ある程度広く隙間をあけることで、光環境が大きく改善されました。
<写真2(左)伐採箇所A(正方形)施工直後 (右)伐採箇所B(長方形)施工直後>
写真3は、整備から約1年が経過した現場の状況です。整備直後と比べ、林内に光が入ることで、植生も徐々に回復してきていることがわかります。
<写真3(左)施工箇所A(正方形)施工約1年後 (右)施工箇所B(長方形)施工約1年後>
今年度実施した植生モニタリング調査の結果、両伐採地ともにアシボソやテンニンソウといった草本層の植物量が増加し、植生が回復していることが確認されました。
また、自動撮影カメラを用いたノウサギの生息調査の結果、ノウサギが好むモミジイチゴ等の植生が繁茂した環境が創出され、小規模伐採地で10回、帯状伐採地で7回、ノウサギが撮影されました。
さらには、植生保護柵内での食痕も確認されたことから、ノウサギが整備箇所を餌場として利用していることがわかりました。
<写真4 撮影されたノウサギの様子>
このほか、タヌキやテン、ツキノワグマなど、様々な野生動物の生息が確認されました。
来年度も、これまで得られた成果を生かしながら、プロジェクトの目標達成に向け、さらに活動を進めていく予定です。次回の更新もお楽しみにお待ちください。
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