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更新日:2020年4月1日
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サントリーと県が協働で実施している「天然水の森 丹沢」として、今年度は、渓流沿いのスギ・ヒノキ人工林で、かつての渓畔林の姿を再生するための森林整備を行いました。
渓畔林とは、渓流沿いに自然に成立する森林のことで、県内の渓畔林は過去に関東大震災等の自然攪乱(※1)に度々あい、大きな影響を受けてきました。また、拡大造林(※2)期には、木材生産の目的で渓流沿いまでスギ・ヒノキの植林が行われ、自然度の高い渓畔林が減少しました。近年になるとそれらの人工林の管理不足により、林床植生が衰退し、土壌流出等の機能的な劣化が見られています。
今回の森林整備では、樹木をまとめて帯状に伐採する帯状間伐(0.05ha)と、混みあった木々を単木で間引く定性間伐(計1.25ha)を実施しました。
<写真1 (左)帯状間伐施工前の様子 (右)帯状間伐施工後の様子>
帯状間伐を実施した箇所には、カツラやシオジなど渓畔林を構成する5種の広葉樹を植栽しました。また、シカの採食から植生を守るための植生保護柵を設置しました。
林内が暗く、土壌の流出が懸念された定性間伐地の人工林においても、混み合った木々が間引かれ、森林整備前と比べて林内が明るくなりました。
<写真2 (左)定性間伐施工前の様子 (右)定性間伐施工後の様子>
森林整備期間中に台風19号が直撃し、森林整備で使用する作業歩道が土砂や倒木により崩れてしまいました。これにより作業は中断しましたが、その後、歩道は補修され、無事に森林整備が完了しました。
<写真3 (左)台風による被災直後の作業歩道の様子 (右)補修後の作業歩道の様子>
森林整備の効果が渓畔域全体へ発揮されるまでには長い時間を要します。落葉・落下昆虫の供給といった渓畔林の持つ機能が最大限に発揮され、生物多様性に富んだ渓畔林に導くため、今後もモニタリングによる結果の検証をしながら、取組を進めてまいります。
(※1)自然攪乱 | 台風や斜面崩壊、土石流などで樹木が倒れたり、根こそぎ崩れること。 |
(※2)拡大造林 | 天然林や二次林を伐採した後や、ススキ草原などの草地に植林すること。第二次世界大戦後の1960年代に盛んに拡大造林が行われ、主にスギやヒノキの植林が行われた。 |
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