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更新日:2024年12月23日

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令和7年春のスギ・ヒノキ花粉飛散量はスギ「多い」、ヒノキ「例年並み」
令和6年度県内スギ・ヒノキ雄花の着花量調査結果まとまる

2024年12月23日
記者発表資料
(県政・厚木・大和・相模原・平塚・藤沢・秦野・小田原記者クラブ同時発表)

自然環境保全センター(厚木市七沢)では、令和7年春のスギ・ヒノキ花粉飛散量を予測するため、県内のスギ林30箇所、ヒノキ林40箇所で花粉を飛散させる雄花の着花量調査を実施しました。

1 調査結果の概要

今回のスギ調査では、スギ林30箇所の着花点数の平均値は67.3点となりました。この値は、昨年の46.1点、28年間の平均46.6点をいずれも上回り、過去5番目に高い値です(図1)。
一方、ヒノキ林40箇所の着花点数の平均値は47.7点となりました。この値は、昨年の53.4点を下回り、13年間の平均46.0点に近い値です(図2)。
スギ・ヒノキは夏期が猛暑であると雄花の着花量が多くなる傾向にあります。また前年の着花が多いと翌年は減る傾向にあります。スギの着花量が多いのは、令和6年7月・8月が記録的な猛暑であったことや、前年(令和6年春)の雄花の着花量がやや少なかったことが要因と推定されます。一方、ヒノキについては、前年に多く着花した影響でそれほど増えなかったものと思われます。
今回の調査結果から、令和7年春の花粉飛散量は、スギは例年よりも多く、ヒノキは例年並みと予測されます。

 

図1 県内スギ林30箇所の平均着花点数の年変化(28年間の平均値:46.6点)のグラフ

 

図2 県内ヒノキ林40箇所の平均着花点数の年変化(13年間の平均値46.0点)のグラフ

 

2 調査の概要

(1)  スギ
① 調査期間 令和6年11月11日から同月14日まで
② 調査地 県内の森林地帯を次の4地域に区分し、合計30箇所を調査しました。

地域 調査地 箇所数
県北部 相模原市緑区 6箇所
県央部 厚木市、愛川町、清川村 9箇所
県北西部 秦野市、松田町、山北町 6箇所
県西部 小田原市、南足柄市、山北町の一部 9箇所

 

③ 調査方法
各調査箇所のスギ林において40本のスギを抽出し、双眼鏡又は望遠鏡を用いて、1本ごとに着花状況を次の4ランク区分により点数化し、その合計値を本数で除した平均値を調査箇所ごとの着花点数としました。

雄花の着花状況 着花点数
木全体に着花が著しく多い 100点
木全体に認められるか部分的に多い  50点
着花が部分的に認められるか少ない 10点
着花が認められない 0点

 

(2)  ヒノキ
① 調査期間 令和6年12月1日から同月6日まで
② 調査地 県内の森林地帯を次の4地域に区分し、合計40箇所を調査しました。

地域 調査地 箇所数
県北部 相模原市緑区 8箇所
県央・湘南部 厚木市、秦野市、伊勢原市、清川村 9箇所
県北西部 南足柄市、松田町、山北町 9箇所
県西部 小田原市、箱根町 14箇所

 

③ 調査方法
各調査箇所のヒノキ林において見通しのよい10本を調査木とし、双眼鏡又は望遠鏡等を用いて、1本ごとに着花状況を観察して次の6ランク区分により点数化し、その合計値(100点満点)を各調査林分での着花点数としました。

雄花の着花状況 着花点数
木全体に密度が非常に高く着花が非常に多い 10点
木全体に密度が高く、着花が多い 5点
木全体に着花するが密度が低い、一部の枝に着花が多い 2点
一部の枝に着花するが密度も低く少ない 1点
一部の枝に着花するがまばらで非常に少ない 0点
雄花がほとんどないか着花が認められない 0点

 

杉の写真

調査スギ林の状況(清川村煤ヶ谷 土山峠付近 令和6年11月12日撮影)

葉の先端の黄色味かかって見えるのが雄花、3本ともよく着花しています。

 

 

米粒大の杉雄花が多く着いている写真

花粉を飛散する雄花の着花状況(南足柄市大雄町 令和6年11月11日撮影)

米粒大のスギ雄花が多く着いています。

 

 

ヒノキ林の写真

調査ヒノキ林の状況(相模原市緑区長竹 令和6年12月6日撮影)

樹冠のやや黄色味かかって見えるのが雄花、中央から右の個体はよく着花しています。

 

 

ヒノキ林の雄花の着花の写真

調査ヒノキ林の雄花の着花状況(南足柄市内山 令和6年12月3日撮影)

枝先の半円形の白い部分が雄花です。

3 参考資料

問合せ先

神奈川県自然環境保全センター

研究企画部長 十鳥(じゅうとり)電話046-248-0323

研究連携課長 増子(ますこ)電話046-248-0321

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