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更新日:2024年9月30日

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丈夫な子牛を育てるために

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 現在、飼料価格の高騰が続いており、F1子牛の価格も不安定な状況となっています。そこで、少しでも収入が上がるように、受精卵移植を活用した黒毛和種子牛の生産に取り組む酪農家が増えています。ところが、黒毛和種子牛はF1子牛やホルスタイン子牛とは生時体重や哺乳量が異なり、下痢の発生や発育の遅れが心配されます。黒毛和種子牛の人工哺乳についてのポイントを押さえ、丈夫で大きな子牛に育てて、効果的な副収入の確保に努めましょう。

 黒毛和種子牛哺乳のポイント

 (1)初乳を十分に与えましょう。
 黒毛和種子牛に必要な移行抗体(初乳に含まれる母牛の免疫物質)はホルスタインの倍です。必要な量の移行抗体を子牛に与えるために、十分な量の初乳を、できれば生後6時間以内に与えましょう。量の目安は体重の10%程度であり、2~3リットルと言われています。1度に飲みきれない場合は、時間をおいて再度与えるなどの工夫をするとよいでしょう。
 また、初乳に含まれる移行抗体の量には個体差があります。一般的には初産牛より経産牛の方が多く含まれているとされています。経産牛の初乳を冷凍保存しておき、初産牛が分娩した子牛に飲ませることもできます。さらに、初乳製剤という人工的に作られた初乳もあり、こちらを利用することも効果的です。

 (2)人工乳(スターター)の給与 
 3日から5日齢から一掴み程度の人工乳(スターター)を給与しましょう。スターターを給与することで、ルーメンの発達が促されます。スターターは用意しただけでは食べるようになりませんので、初めは子牛の口にいれてやるなどの馴致が必要です。

 (3)水の給与を行いましょう
 ミルク以外に水を給与することも重要です。水はスターターを消化するために必要であるため、いつでもきれいな水が飲めるようにしておきましょう。また、冬季にはぬるま湯を給与すると寒冷対策にもなります。 

 他にも哺乳や飼養のポイントがいくつかありますが、農場の実情に合わせて優先順位の高いものから取り組むと良いでしょう。個別の相談も承りますので、いつでも普及指導課までご連絡ください。 

 現在、配合飼料価格の高騰が続いており、養鶏経営に大きな影響がでています。このような情勢から、飼料を無駄なく利用するために工夫できることを確認し、影響の長期化に向けた対策が必要です。

子牛の水の給与

 

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