更新日:2024年9月30日
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「残したい系統の牛に限ってなかなか妊娠しないんだよなぁ」とか、「せっかく性選別精液を使ったのに雄が生まれた」など現場での後継牛確保は思い通りにいかないことがよくあります。
そこで提案です。どうしても残したい系統の牛からの採卵はいかがでしょう。事前にホルモン処置をすることにより複数個の受精卵を採り、それらを比較的能力の低いレシピエント(受卵)牛に移植する。このことによって優良後継牛を確保するとともに群の改良にも寄与します。
通常、採卵というと体内から受精卵を採ってくるとイメージをされている方も多いと思いますが、最近は体外受精の一つである経腟採卵(OPU)という新技術も徐々に現場で使われ始めています。これは超音波画像を見ながら、生きている牛の腟の中から卵巣に向けて、専用の特殊な注射針を刺し、受精していない未熟な卵子を吸引してきます。そして実験室内で体外受精させて受精卵を作成した後、レシピエント(受卵)牛に移植するという技術です。体外培養技術も日々進歩し、通常採卵とそれほどそん色ない受胎率を期待できるようにもなってきました。また、ホルモン処置にもよりますが、繰り返し実施することもできて、より効率的に多くの後継牛を確保することも可能です。
経腟採卵(OPU)に興味のある方、後継牛確保についてお困りの方、当所にお気軽にご相談下さい。
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