更新日:2024年3月27日
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デング熱について
デング熱とは、デングウイルスによって起こる急性熱性感染症で、このウイルスを保有する蚊に刺されることで感染します。そのため、ヒトからヒトへは直接感染しません。主たる媒介蚊はネッタイシマカ(日本には常在していません)ですが、日本のほとんどの地域でみられるヒトスジシマカも媒介します。
デング熱はアジア、中東、アフリカ、中南米、オセアニア地域で患者が報告されています。
日本では、仮に流行地で感染した発症期の人(日本人帰国者ないしは外国人旅行者)が国内で蚊に刺され、その蚊がたまたま他者を吸血した場合に、感染する可能性は低いながらもあり得ます。ただし、仮にそのようなことが起きたとしても、その蚊は冬を越えて生息できず、また、卵を介してウイルスが次世代の蚊に伝わることも報告されたことがないため、限定された場所での一過性の感染と考えられます。
3日から7日(最大2日から14日)の潜伏期間の後に、急激な発熱で発症し、発熱、発疹、頭痛、骨関節痛、嘔気・嘔吐などの症状がみられます。通常、発病後2日から7日で解熱しそのまま治癒します。発疹は解熱時期に出ることが多く点状出血、島状に白く抜ける麻しん様紅班などです。ごくまれに一部の患者は、経過中に出血傾向やショック症状を起こすことがあります。
ヒトがデングウイルスに感染しても、不顕性(症状が現れない)となる頻度は、報告書により異なりますが50から80%です。
デングウイルスに対する特有の薬はありませんので、対症療法となります。デング熱に罹っていて、アスピリンの成分を含む薬を服用すると、出血傾向などの副作用を助長するので、自己判断せず医療機関に御相談ください。
デング熱に有効なワクチンはありません。
予防には、蚊に刺されないような対策を心がけましょう。
【主な予防策】
(1)屋外で活動する場合には長袖、長ズボンを着用するなど、肌の露出を少なくする。裸足でのサンダル履きを避ける。
(2)虫除けスプレーなどを使用する。
(3)雨水が溜まった容器が放置されている場合は、幼虫が発生しないよう1週間に1度は逆さにして水をなくす。
ヒトスジシマカ(国立感染症研究所昆虫医科学部提供)
神奈川県では、デング熱やジカウイルス感染症の発生・流行に備え、県の公園等において蚊媒介感染症対策の一環として蚊の生息調査を行います。
このページの所管所属は健康医療局 保健医療部健康危機・感染症対策課です。