更新日:2024年10月1日
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令和6年度第2回 黒岩知事と当事者とのオンライン対話
令和6年8月15日に開催した「黒岩知事と当事者とのオンライン対話」の結果概要を掲載しています。
人生100年時代を迎えようとしている昨今、障がい者や高齢者をはじめ、誰もがスポーツに親しめる神奈川を推進していくために、オリンピック・パラリンピックを通じたスポーツに対する機運の盛り上がりも活かし、スポーツに親しんでいる当事者と意見交換を行いました。
神奈川県 情報公開広聴課長
皆さま、本日はお忙しい中お集まりいただきありがとうございます。ただいまより『令和6年度第2回黒岩知事と当事者とのオンライン対話』を始めます。本日のサポート役を務めます情報公開広聴課長の望月と申します。よろしくお願いいたします。
この対話は、さまざまな課題に対する当事者の皆さまの生の声を直接知事が伺い、当事者目線の意見をいただくことで、今後の県の施策につなげていくものです。この様子はYouTubeでライブ配信を行うとともにアーカイブで県ホームページにも掲載いたします。
今回のテーマは「誰もがスポーツを楽しめる地域づくり」、人生100年時代を迎えようとしている昨今、誰もがスポーツに親しめる神奈川を推進していくために、スポーツに親しんでいる当事者と意見交換を行うものです。本日は1時間、14時50分までを予定しております。YouTubeをご覧の皆さまは是非、Xから「#おんらいんたいわ」「#おんらいんたいわ」を付けてご意見をお寄せください。なお「おんらいんたいわ」はすべてひらがなでお願いいたします。それでは意見交換に先立ち黒岩知事からご挨拶申し上げます。
知事
皆さんこんにちは。神奈川県知事の黒岩祐治です。今日は、このオンライン対話にご参加いただきまして誠にありがとうございます。このオンライン対話っていうのはですね、ひとつのテーマを選んで、そしてこの当事者の皆さんの生の声を聞いていこうと、それを政策に反映していこうとこういうことであります。
今ちょうどですね、パリのオリンピックも終わったばかり、パラリンピックを待つばかりでありますけども、スポーツの魅力といったものをあらためて痛感をするところでもありますね。また毎日、甲子園では熱戦が繰り広げられているというようなこともあります。こういったスポーツの持つ非常に大きな力といったものをですね、どのようにこう活用していけばいいのか?といったこと、これを皆さんの生の声をですね、どんどんお寄せいただきたいというふうに思います。人生100歳時代という中でね、私自身もですね56歳で知事になったんですけども、そのときから走り始めて、58歳でハーフマラソンそして61歳でフルマラソン挑戦して、68歳で、それでもうさすがに引退をしましたけども。いくつからでも始められる、そういった中で誰もがスポーツを楽しめる地域づくり、それはどうやってつくっていけばいいのかなといった辺りについてのテーマでですね、皆さんの率直な当事者の声をお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
神奈川県 情報公開広聴課長
ではここからは進行を交代いたします。細渕さん、よろしくお願いいたします。
進行 細渕様
はい、ラジオ日本の細渕と申します。皆さま、よろしくお願いいたします。私は1998年にラジオ日本に入社しまして、これまで野球、マラソン、競馬、駅伝などスポーツを中心に、ニュースやナレーション、歌番組も担当しています。皆さま、今日はどうぞよろしくお願いいたします。それでは、参加者の皆さまにご挨拶をいただきます。こちらからお名前をご紹介いたしますので、ひと言お願いいたします。まずは浦野珠里さんです。株式会社川崎フロンターレ Anker フロンタウン生田支配人をされています。浦野さんお願いします。
浦野様
はい。こんにちは浦野珠里です。私は川崎フロンターレに入社しまして18年になります。フロンターレが持つスポーツ施設ひと筋でやってまいりました。現在は、昨年に、オープンしました Anker フロンタウン生田で勤務しております。Anker フロンタウン生田は、アカデミーの練習拠点として、また地域の皆さんがより多くのスポーツに親しんでいただける場所として設立しております。本日は、人生100年時代に向けまして、私たちが取り組む活動についてお話しさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
進行 細渕様
ありがとうございます。続きまして松本珠美さんです。逗子市の総合型地域スポーツクラブ「うみかぜクラブ」の会員の方です。松本さん、よろしくお願いします。
松本様
はい、皆さまこんにちは。逗子の松本珠美です。うみかぜクラブでは、健康体操と卓球を中心に参加しています。本日はよろしくお願いいたします。
進行 細渕様
ありがとうございました。続いては石井徹さんです。横浜市戸塚区の総合型地域スポーツクラブ「クローバースポーツクラブ」の運営委員長をされています。石井さんお願いします。
石井様
はい、皆さんこんにちは。私は横浜市総合型地域スポーツクラブ、クローバースポーツクラブの運営委員長をしております。石井徹と申します。私たちのクラブは2006年2月に設立され、近隣の地域の方々の健康づくり、そして仲間づくり、そして街づくりというかたちで取り組んでおります。横浜市の地域福祉保健計画「とつかハートプラン」の中にも取り入れられております。スタッフや指導者はすべて手弁当のボランティアで活動しているクラブです。よろしくお願いいたします。
進行 細渕様
ありがとうございました。続きまして、齋藤光さんです。株式会社カーブスジャパン常務執行役員を務められています。齋藤さんお願いします。
齋藤様
皆さんこんにちは。カーブスジャパンの齋藤でございます。私どもの会社は全国に女性だけの30分フィットネス「カーブス」というのを約2000店舗ほど展開をさせていただいておりまして、神奈川県内においてもですね、100店舗以上展開をしております。また、県の施策で進めていただいているですね、未病センターにもですね、約30店舗ほど登録をさせていただいて地域の皆さまのですね、健康増進に、女性の分野ではありますけれども寄与させていただきたく思っております。本日はよろしくお願いいたします。
進行 細渕様
ありがとうございました。続いて斎藤幸宏さんです。一般社団法人F・マリノススポーツクラブ及び横浜F・マリノスフトゥーロのスタッフも務められています。斎藤さんお願いします。
斎藤様
はい。皆さまこんにちは。一般社団法人F・マリノススポーツクラブの斎藤と申します。Jリーグの横浜F・マリノスのトップチームとし、選手を育成するアカデミーや普及活動のサッカースクールとかですね、地域の皆さまに繋がる活動などに関しては一般社団法人F・マリノススポーツクラブとして活動しています。今回はこのような機会をいただきありがとうございます。少しでも、我々の活動をお伝えさせていただき、障がい者サッカーをしている方々の活躍を紹介できればと思っています。本日はよろしくお願いします。
進行 細渕様
ありがとうございました。続きまして町田宏さんです。NPO法人アキレス・インターナショナル・ジャパンの会員の方です。町田さんお願いします。
町田様
皆さんこんにちは。町田宏です。障がい者の伴走クラブ「アキレス」の会員です。私は今、横浜市港北区在住で64歳です。26歳のときに網膜色素変性症という目の病気にかかっていることがわかり、今は光のみ見えている状態です。50歳から盲人マラソンを始めました。よろしくお願いします。
進行 細渕様
ありがとうございました。そして最後に中澤吉裕さんです。横浜市でテニススクールなどを展開する有限会社エヌ・プランニングの代表取締役社長、また、日本パラリンピック委員会の強化本部長を務められています。中澤さん、よろしくお願いします。
中澤様
はい、皆さんこんにちは。そして黒岩知事こんにちは。私は神奈川県内でテニス教室をしています。その中でも、障がいを持っている方もできるテニススクールも展開しています。また2002年から、一般社団法人車椅子テニス協会のナショナルコーチとして活動して、ロンドンパラリンピック帯同、リオ、東京パラリンピックではナショナルチームの監督として大会に参加しました。22年の4月から、公益財団法人日本パラスポーツ協会のハイパフォーマンスマネージャー、23年の3月から、日本パラリンピック協会の強化本部長、そして今ですねオリンピックが終わって、パリパラリンピックが始まる日本選手団の副団長として今度、本当にあと数日後にパリのほうに飛んでいきます。今日は皆さんと一緒に地域のスポーツを盛り上げて多様性共生社会の実現を考え、皆さんの講評を聞き、私も参考にしたいと思っていますのでよろしくお願いいたします。
進行 細渕様
ありがとうございました。以上、今日は7名の方と意見交換を行ってまいります。それではここからその意見交換の場に移っていきましょう。本日は2つのパートに分けて対話を行います。それぞれ参加者の皆さまにお話いただいたあとに、黒岩知事からコメント、続いて質疑を行います。最初のパートは「人生100年時代におけるスポーツの現状と課題について」です。神奈川県民のスポーツ環境や実態についてご意見や課題をお聞かせください。まずは『健康長寿フェスタ』を開催されているAnker フロンタウン生田の浦野さんからお願いいたします。
浦野様
はい、ありがとうございます。それでは今日は、人生100年時代に向けて私たち川崎フロンターレのスポーツ施設が、3施設が取り組むシニアに焦点を当てた健康長寿フェスタについてご説明させていただきたいと思います。健康長寿フェスタとは、健康をテーマにしたシニアが主役のイベントになっています。いくつになってもワクワクドキドキしていただきたいなという気持ちで考えました。
健康寿命という言葉がありますが、単に体が健康なだけではなくて心が上がるということがどんなに大切かっていうことを私は年を重ねるうえでとても強く感じています。皆さんも同じかなと思うんですけれど、ちょっとだるい日があったりしても気持ちが上がっているとそのエネルギーが体に伝わるみたいなことが特にあるかなというふうに思うんですね。このような気持ちから、ご自身の健康に気づいていただいて尚且つ、楽しみを見つけていただきたいということを強く思ってこのイベントを開催しております。
私たち施設のテーマとしましては、居心地のいい施設、居心地のいい場所をテーマに考えております。このイベントもふらっと来ていただいて、気負わず来ていただいて長居したくなるようなイベントにできるように考えております。
では、どんなイベントかというふうに思いまして、こちらご説明させていただきます。健康長寿フェスタは4つのパートに分かれています。まずご自身の健康状態について気づいていただくブース、それから見て楽しむブース、それから動いて楽しむブース、最後に、学んでいただいて知って得するブース、この4つになっています。
まず一番目の健康に気づいていただくブースなんですけれども、体の測定、それから筋力測定、それからお耳の聞こえ方の体験ですね。はい。最後に、整形外科も来ていただいているのでちょこっとした体のメンテナンスもしていただけます。見て楽しむブースなんですけれども、太鼓の演舞なんかをしていただいて、迫力あるところを見ていただいて、気持ちを上げてもらうというところです。次に、動いて楽しむブース、こちらではスナッグゴルフ、ボッチャ、一本下駄の体験、それから声磨き、和太鼓フィットネスなんか盛りだくさんに揃えております。最後、学んで得するブースですけれども、健康食のレシピや健康促進のための歩き方の講習会なんかも用意しています。ほか野菜販売なんかも行っておりますので、本当に気負わずふらっと来ていただいて、すべてが無料になっておりますので、ぜひご参加していただきたいなというふうに思います。9月10月、私たちの3スポーツ施設で開催しています。日付順に言いますと、9月6日金曜日富士通スタジアム川崎、9月16日の月曜日祝日がここ Anker フロンタウン生田、10月14日がフロンタウンさぎぬまというような開催になっております。ぜひ皆さんに一度お越しいただきたいというふうに思います。
最後、大切なところが今後の課題なんですけれども、このイベントには3施設で600人ほどのシニアの方がお越しいただいています。ただこの600人というのは、本当に全体で見たらひと握りかなというふうに思います。まだまだここに来られない方たくさんいらっしゃって、体は健康でも心がちょっとそこに向かないですとか、心の中ではもう外に行きたいと思っていてもお体に何か問題を抱えてらっしゃる方ですとか、たくさん、いろいろな状況に置かれている方がいらっしゃると思います。そんな中で人生100年時代を迎えるわけですから、ご自宅でも健やかに楽しんでいただけるような機会をどうやったら私たちスポーツクラブが提供していけるかなというところが、今後の課題になって日々頭を悩ましております。大きな壁ですけれども、今後そこにはなんとかしてトライしていきたいなというふうに思っております。以上が私からの話でした。お聞きいただきましてありがとうございます。
進行 細渕様
浦野さんありがとうございました。続いて逗子市のスポーツクラブ「うみかぜクラブ」で日常的にスポーツをされている松本さんにお話を伺いますが、そのスポーツをしようと思ったきっかけ、また通われてみての実感はいかがでしょうか。
松本様
はい、ありがとうございます。まずうみかぜクラブなんですけれども、うみかぜクラブは現在、小学1年生から90代までの468人の方が活動中です。そしてたくさんのメニューがありまして、球技メニューが3種目、フィットネスメニューも3種目、体操系運動メニューも8種目、そして社会福祉法人「湘南の凪」とのコラボメニュー4種目、文化メニュー1種目っていうことで、2024年度の年間786回実施要請しておりまして、そこに参加させていただいているんですけれども、2年前にちょっと運動不足っていうことでぎっくり腰をしてしまいましてね、体がつったり更年期もありますので体の不調がありまして、何かやっぱり心と体を鍛えたいなっていう思いから娘にも「何か運動したら」ってこう声をかけられたのがきっかけで、「そうだ、うみかぜクラブ、逗子にあるから、じゃあ行ってみよう」ということで参加をしました。
そして一応、簡単な健康体操とそれから中学時代に少し体験していた卓球から始めました。やはり少しダイエットもしたいなとかそういう思いから、体を動かし始めました。そしておかげさまで代謝も良くなり、調子も良くなり心と体が本当に鍛えられて、そして市内にたくさんのお友だちができましたので本当に一番の宝だなと思っております。災害時に本当に知り合いが増えるってことは安心に繋がりますし、今後、現在58歳で今年59歳になるんですね、そうすると認知予防のためにもやっぱりお友だちと体を動かして楽しくおしゃべりをする、それが一番大切かなって思っております。今後とも楽しくうみかぜクラブ参加してまいりたいと思います。本日はどうもありがとうございました。
進行 細渕様
松本さんありがとうございました。続きまして、石井さんにお話を伺いますが横浜市でスポーツクラブの運営委員長をされている立場から、石井さん現状はどのようにお感じでしょうか。
石井様
はい。我々のクラブはその会員的な割合が高齢者の方がやはり非常に多くいます。今、会員は140名から150名ほどなんですけれども、その中でだいたい子どもさんと言われる高校生ぐらいまでが2割で、それから成人の方がやはり2割、60、70、80代の方が6割というかたちの会員の割合になっていますけれども、非常に皆さん生き生きと活動していただいて楽しんで帰っていただいております。
クラブの特徴を申し上げますと、クローバーという名前の由来が4つの葉っぱということでですね、活動拠点を貸していただいている小学校がひとつと、あとそれに取り巻く連合町内会が3つありまして、その協力を得まして今活動させていただいてクローバーという命名にいたしました。その連合の中でもスポーツ推進委員さんとか青少年指導員さん、あるいは地域のケアプラザ、そういうところの力ももちろんお借りしてボランティアでしているということですね。
年会費が3000円、年会費ですよ年3000円いただいて8教室展開していますけど、どの教室もフリーで全部参加できるかたちになっております。会費自体のみの運営で、どっからの助成金も補助金もいただかない、自分たちでやっているかたちになります。毎月、第2第4土曜日が活動日なんですけど、2時間をひとコマといたしますと年間46コマできるんですね。何をしても構わないんですけれども、それを3000円で割りますと単純計算ですけど、1時間のひとつのコマが70円で皆さん楽しんでいただけるという仕組みを作っております。
あとですね活動内容的にはですね、スポーツの部門の教室が6教室ですね。あと文化部門が2教室とバドミントンとグランドゴルフ、それから卓球、ソフトボール、あと健康体操、ご高齢の方が多いんで健康体操、横浜では「はまちゃん体操」をしております。あとストレッチというかたち、それと文化部門は手とか指先とか頭を使います、麻雀教室と、あと私が花の生産者なんで、毎月季節の花の寄せ植えを皆さんで作って楽しんでいただいているというかたちが活動内容になります。
あとですね課題なんですけれども、まず私、うしろにありますけど横浜市の地域スポーツクラブの会長もしておりますけれども、なかなか総合型クラブが立ち上がってこないっていうのは、活動場所、拠点がなかなか確保できない、そこが特に課題ですね。当初の目標はだいたい横浜市中学校に1箇所という目標を立てておりまして、だいたい今150弱中学校があるんで150箇所ぐらい本来ですとできていたいところなんですけど、なかなかその場所が確保できない。あとやっぱり運営スタッフと、それからその教えていただく指導者、そういう方たちもなかなかこう現れてきてくれない。という中でやはり会員さんもそうなんですね。毎年毎年継続はしていただくんですけど、新規の会員さんがなかなか入ってこない。というところで、この総合型地域スポーツクラブというその言葉、認知不足というか、そこがやはり特にネックになっておりますね。本当に身近で、要は散歩して歩いている距離に活動場所がある、皆さんが楽しめる場所がある。そういうかたちをやはり展開していきたいなっていうのが今後の目標であり課題でもあります。よろしくお願いします。
進行 細渕様
石井さんありがとうございました。続きまして、女性のための健康体操教室カーブスジャパンですが、齋藤さん、その女性のスポーツ環境についてはどうお感じでしょうか。
齋藤様
はい、カーブスジャパン齋藤でございます。私どもですね、神奈川県にも100店舗以上お店を出させていただいているとお話しましたけど、その中で会員さんの流れを若干ご説明をしたいなと思うんですけど、コロナ前とコロナ禍そしてコロナ後というふうに見るとですね、やはり動いてらっしゃる年齢層が大きく変化をしているなというふうに感じています。やはりコロナ前はですね、60代後半から70代の方がかなり積極的にご自分の健康に対してお金を払ってですね、健康投資をされていた中からですね、コロナ禍での自粛の期間が終わったあとですね、その方たち戻ってくるのかなというふうにも思っていたんですけれども今、積極的に健康活動に勤しんでいらっしゃるのはやはり50代前半から60代前半ぐらいまでの方でですね、60代後半から70代の方、出られているようなんですけれども、健康というところにまでですね、あまり意識が向いてないというか実際に動いてらっしゃらずにですね、その年齢層の活動量がかなり低下をしているなというふうに感じています。
やはり人生100年時代というのを考えたときにはですね、今のこの世代の方たちをですね、しっかり動かしていくというのが、非常にこう私たち健康ビジネスしている人間にとってもですね、もちろんこれは自治体さまにとってもそうかと思うんですけれども、そういうところにですね、そういう人たちをしっかり外に出して健康活動に時間を使っていただくというふうにしていくことが重要かなというふうに思っています。そのためにですね、神奈川県さまにおいてはやはり病気の見える化というコンセプトでですね、未病センターというものを出店をされていると思いますけれども、ここまでも頑張っていろいろと広げてこられているとは思うんですけど、一段とですねそこに、そこを加速させてですね、よりその方たちにとって現状の健康状態の把握をしていただいてですね、危機感を持っていただくということ、すごい大事なんじゃないかなというふうに思っています。私どももですね、30店舗ほどですね未病センターとして活動させていただいておりますけれども、あらためてここをちょっと力を入れてですね、県民の皆さまの現在の状態の見える化、これを促進をしていく、これひとつ大事かなというふうに感じています。
あともうひとつはですね、今年の1月に、厚労省の健康日本21のですね、身体活動・運動ガイドというのが10年ぶりに改訂をされてですね、厚労省の研究班の方たちがガイドを出されているんですけれども、その中で国のガイドとしては初めてですね、筋力トレーニングというものをガイドの中でこう推奨、今年1月に発表されたものでして、特に高齢者に向けては週2、3回の筋トレであったりとか、筋力トレーニングと有酸素運動を組み合わせたサーキットトレーニングというようなものを推奨しています。意外と民間というか巷では筋トレしている人が多いので、国が筋トレを初めて推奨したということになると結構意外かなというふうに思われる方、多いのかもしれないんですけれども、先生方にお聞きするとしっかりと海外であったりとか日本のエビデンスをですね、しっかりと全体をレビューして、しっかり効果が認められたこともあってようやく10年ぶりにですね、国としてこの筋トレを推奨するというふうに至ったんだよというようなお話いただいておりましたけれども、この時期にですね、しっかり未病センター等で現状のご自分の健康状態をしっかりご認識をいただいたうえでですね、そして正しい解決策というところに県の皆さまと一緒にですね、導いていくことがですね、この60代70代の方たちの今後の健康のためにですね、非常に価値がある活動になっていくんじゃないかなというふうに感じております。私からは以上です。ありがとうございます。
進行 細渕様
齋藤さんありがとうございました。最初のパートの人生100年時代におけるスポーツの現状と課題について4人の方にお話を伺いました。それでは黒岩知事、今の4人の方の発言を踏まえまして感想やコメントをお願いいたします。
知事
はい、ありがとうございます。なんか細渕さんの声を聞いているとラジオの放送を聞いているみたいな感じになって、なんかいかにもプロっぽいなって感じがして大変楽しく聞かせていただきました。皆さんがいろんなかたちでですね、地域のそのスポーツ活動をやってらっしゃること、いろいろ工夫されてやっていることについて非常に感銘を受けました。今皆さんのお話っていうのはこの今オリンピックをやっているようなですね、トップアスリートの世界じゃなくて、健康のためのそのスポーツといったものを幅広く広げていこうというね、そういう取り組みだということで非常に心強いなと思いました。
県の基本的な考え方を若干ちょっとお話させていただきたいと思うんですが、未病という言葉、出てきましたけども、この真っ白な健康があって真っ赤な病気がある白赤モデルじゃなくて、健康と病気はグラデーション、連続で繋がってるんだ、これが未病だ、病気になってから治すんじゃなくてグラデーション、どこにいても未病の状態、どこにいても少しでも白い方に持ってくることが大事。これ最初言ったときにですね、もう10数年前ですけども、予防じゃないかって言われたんですけど、予防っていうのは白赤モデルですね、あらかじめ防ぐときですね、病気になった人に予防しましょうとは言わない、予防と未病は似ているようであって実はちょっと違うんですね。どこの状況にいっても未病状態、それを少しでも改善するそのために何が大事かってときに、食、運動、社会参加、こういう位置付けをしておりまして、この運動というとこですね。我々が注目しているのはこの未病改善のために重要な要素である運動だということだと思うんですよね。こういったその未病を改善するアプローチとある種最先端のテクノロジー医療、データ、そういうものを組み合わせて健康な時代を長くしていこう、健康寿命を伸ばしていこうという、これがヘルスケアニューフロンティアという神奈川の政策でありまして、これ世界に向けてずっと発信をし続けているということなんですね。
そういう中でこの運動の持つ意味っていうのは非常に重要だなということで、私もさっき申し上げましたけれども自分自身もですね、人生100歳時代と見据えながら56歳から走り始めて61歳でフルマラソンに挑戦と、ちゃんと走ることができたということを自ら実践をしてきたわけでもありました。そんな中でですね、この我々未病のこのグラデーションモデルで実はですね、WHOと東京大学で2年間かけて開発したのがあるんですね。これは未病指標といったものでありましてね、簡単なアプリ、これをですね携帯に入れておくと簡単なチェックの中でそのグラデーションのどこにいるのかって数字が出てくるんですね、ポンとね。その数字が出てくると、今、開発している機能はですね、今の生活習慣をしているとこの数字がもっと悪くなるよと見える、そうすると自分の健康状態、未病状態が見える化して将来のリスクが見えると行動変容に繋がると、こういう流れを作っていこうとしているわけであります。
そういう中でだから皆さんの取り組みと非常に合い通ずるところがあると思うんですけども、是非ちょっとお伺いしたいと思うのはですね、我々もこう取り組んできている中で一番悩ましいのはですね、関心のある人と全く関心のない人がいますよね、皆さんのようにこう多くの皆さんに「さあ参加してください」って呼びかけて、そうすると反応する人たちはですね、元々関心がある人、これはどんどん反応してくるだろう参加してくる、でも全く関心がない人、この人たちはなかなかアクションに繋がらないですよね。この関心がない世代を動かすためになんか工夫されていることってなんかあるでしょうか。ひとりずつ聞かせていただきますが、浦野さんいかがでしょうか。
浦野様
はい、ありがとうございます。まさしくそこに私の課題もございまして、なかなか関心のない人を外に出してくるっていうのは、なかなか難しいところなんですけれども、先ほどもちょっとチラッと申し上げたとおり、この健康長寿フェスタは本当に中でいろいろなイベントを行っていますけれども、わざわざそのイベントに出てこなくても、皆さん例えばお買い物大好きですよね、女性の皆さんなんかは特にそうかなと思うんですけれども、あと日常生活の中で食べるって絶対欠かさないことだと思うので、野菜市なんかを企画しているんですけれども、地場の野菜なんかをそこで販売させてもらって野菜市があるよっていうところで、ちょっとこう賑わったところに出ていく、で、傍らに行ったら太鼓が演舞されていたりイベントがあったりとかっていう、そのきっかけは他のところでもいいかなっていうふうに思っていたりですとか、うちはフィットネスのいろいろな自主事業を行っているんですけれども、本当に口コミでお友だちをこう誘ってくるっていう活動を地道にしていて、最初にこうたくさんの人がガンと来ることを期待しているんではなくて、本当に地味にもう一喜一憂せずに、徐々に徐々に広がっていくことを目指してやってきています。
知事
はい、ありがとうございます。松本さんいかがですか。
松本様
はい。私もうみかぜクラブ、どうしようかなって。近くのフィットネスクラブにしようかなって悩んだんですけど、自宅からうみかぜクラブは歩いても15分、バイクで5分ぐらいなので入ったんですね。それで、すごく良かったんですよ。皆さまいい方で、もう本当にちょっとスポーツやったらみんな褒めてくれたり、自分のことを褒めてくれる人っていうのはこの年代になると誰もいないんですけれども、やっぱり70代80代の方々が「いいよ」とかね「上手だよ」ってちょっと卓球をやり始めたときに褒めていただいて、すごくそれが嬉しくて楽しかったんですね。そしてそのことをやはりお友だちに話しまして、うみかぜクラブ本当に楽しいよって。もうなんかストレッチ、なかなか家でね時間があってもYouTube見てやろうと思ってもなかなかひとりだとやっぱりできないんですね。やっぱり、そういったことですごく楽しいから良かったらどうっていうことでお友だちに口コミでお話しして、あらじゃ行ってみようかしらっていうことで仲いいお友だちが、私が声かけたことで何人か入ってくださって一緒に卓球も楽しんでおります。
知事
なるほどね。褒めてもらう、口コミで広がるってまさにね、これ非常に大事なことですよね。褒めてもらったらじゃあ続けようかなって気持ちにもなりますよね。
松本様
そうですね「上手上手」とかね、全然上手じゃないんですけどね、褒めていただけるんですよ、ちょっとしたことで。それが嬉しくてニコニコで帰ってくると近所の方も「あら今日行ってきたの」みたいな感じで、ニコニコして帰ってくると近所の人が「今日行ってたの」って「運動してきたのね」ってわかるみたいなんですよ。あの笑顔でニコニコして帰って歩いてるから。
知事
はいありがとうございます。石井さんいかがですか。多くの人を巻き込むために関心がない人をどう巻き込むか
石井様
要は地域でのいろんなイベントにとにかく出るということですね。文化祭りとかですね、今月で言えば3日4日にやりました金沢区のビーチフェスタにいましてですね、ビーチバレーを楽しんでる家族の方たちにこう体験してもらうということで名前を知ってもらう、総合型っていうのを知ってもらう。5月にはトライアスロンで、10月はこれから横浜マラソンがありますから、そこで給水所のブースのところで宣伝するとか、秋口から横浜エクセレンスさん、バスケのチームなんですけど、そこの一角でですねやっぱりちょっと体験コーナを作ってそこで体験してもらうと。こう構えて入るスポーツではないんで、気楽にもっと楽しめますよっていうことをちょっとした体験を通してですね、知ってもらうというかたちで今とりあえずデモンストレーションとか見てもらう、楽しんでやってもらうというところに力を入れてやっております。
知事
僕はつくづく思ったんだけど、前の東京オリンピックのときね、みんなでラジオ体操踊って動画作ったんですよね。ラジオ体操。あのとき驚いたんだけど県庁職員も何百人かいて、一斉に「さあラジオ体操やりましょう」って動画ドンってやったら一発で撮れたんですよ。ということはみんなラジオ体操覚えてるんですよ。これ結構すごいことだなと思ってて、ラジオ体操かかったらもうみんな自然に体操するようになるっていうね。染み付いているっていう。そういうのがあって振り返ってみると僕らその小学校の頃とかね、夏休みとかになったらラジオ体操朝起きて夏休みだから朝ゆっくり寝てたいんだけども、早く起きてラジオ体操通うって、そのときのインセンティブは何だったのかっていうところですね。インセンティブはあのポンと押してもらうハンコだったと思うんですよね。あのハンコもらったからってどうってことないんだけど、あの枠の中にハンコが押されてくるとなんか次またもらおうっていう、つまりインセンティブって出てきますよね。だから皆さんのそういう活動の中でどんなかたちでインセンティブを作ってくのかっていうこと、これなんかすごく大事だなと思うんですけど、カーブスの齋藤さんいかがでしょうか。
齋藤様
はい、ありがとうございます。私どもの会員さんもどちらかというとですね、すごく運動に関心があったりとかですね、それよりもどちらかというと今知事がおっしゃってた無関心に近い人たちが今通っていただいてるんですけれども。なぜ無関心の人たちにその情報が届くのかっていうと、先ほど何回か出てきていますけれども、やはり口コミがやっぱ僕らとしては入会の動機としては一番多くてですね、すでに通ってらっしゃる方たちがご自分の大事なお友だちであったりとか、ご両親の場合も結構ありますけれども、お声がけをしてですね、それで重い腰がようやく上がっていくというようなケースがあります。ただ、やはりこの口コミってのが非常に難しくて1回2回声かけてですね、じゃあその無関心な人がじゃあ行こうかってすぐなるかと言ったらですね、やっぱどうしてもならないですね。やっぱりゆっくり時間をかけてですね、ときには1年ぐらい何回かに分けてですね、お声がけをすることでそっかじゃあそれだけ言うんだったらやってみようかというようなケースが結構見受けられるんですね。
やはりこっから考えられるのは定期的に自分から情報を取りに行かない無関心の人たちが、強制的に自分がですね、健康情報に触れる環境作りっていうのが、これがやっぱり非常に大事なんだろうな、口コミはその中の人を介した情報提供の情報に触れるきっかけ作りのひとつだと思うんですけれども、例えば自分の買い回り先に必ずちょっとしたちっちゃな健康イベントでもいいけれども必ず入り口の近くでやっててですね、それを何回か見るうちに、じゃあ今日はやってみようかっていう気持ちになるであったりとかですね、やっぱその一発でなんとかっていうのはなかなか多分難しい、もう生活習慣に関わる問題になってくると思うのでなかなか難しいとは思うんですけど。いかにしてその無関心の人たちが自分から情報を取りに行かなくても受動的に情報を継続的にですね、受けられる環境作りを作っていくのかということが非常に重要なんじゃないかなというふうに感じています。
知事
なるほどね。さっき松本さんおっしゃってたみたいにね、そのどうなんですか、カーブス社員の皆さんは来られた方に褒めたりって一生懸命乗せたりするということはやられるんですか?
齋藤様
そうですね。まず来てらっしゃるメンバーさんに継続していただくためには、すごく重要なのは3つぐらいあってですね。まず個人としてしっかり認識するために、私ども下の名前でしっかりお呼びするんですけれども、先ほどお話に出てましたけど、女性の方ってちょっと途中からですね、例えば誰々さんの奥さんであったりとか誰々のママさんであったりとかですね、その方として認識をされることが少ないので、私どものお店ではミナヨさんとかですね、マサコさんとか、ダイレクトにその方の下の名前でお呼びをして、しっかりとその人に運動を指導させていただくということと、運動始めるといろんな変化が出るんですけれども、ご自分ではそのちょっとした歩くスピードが速くなったりとか姿勢が良くなったって気づかないケースもあるので、それらのちっちゃな成果をしっかりと見つけてあげて「すごく姿勢良くなりましたよ」とかですね、「歩くの速くなりましたよ」ということをしっかりとその方にお伝えをさせていただくと、やっぱり私として認識してもらってしっかりサービスしてもらって、しっかりちっちゃいけれども変化出てるんだなというふうに思うと、もうちょっと高い山にも登っていこうとされるんだと思います。
知事
ありがとうございます。非常に良くわかりやすいですよね。そういうのはやっぱインセンティブになるなって感じでとっても良く伝わってきましたね。ありがとうございました。一旦細渕さんお返しいたします。
進行 細渕様
はい。黒岩知事、皆さま、ありがとうございました。では次のパートに行きましょう。障がい者スポーツの現状と未来についてです。神奈川県内の環境、現状、課題をお聞かせいただきます。まずはF・マリノススポーツクラブの斎藤さんにお話を伺います。横浜F・マリノスが取り組んでいる障がい者スポーツ活動並びに課題などについて教えてください。
斎藤様
はい。我々の関わっている障がい者スポーツ、障がい者サッカーですね、に関しては大きく分けて5つの活動をしています。まずは特別支援学校など訪問してサッカー教室ですね。これ楽しさとか体を動かす楽しさを伝えるものになっています。あとは電動車いすのサッカーっていう競技もありまして、その選手たちと一緒に大会の企画から運営というところでF・マリノスカップというかたちで大会を運営しております。それから、知的発達障がい児のお子さまだけのサッカースクールですね「虹色クラス」という名前で実施しております。同じく知的発達障がい児に向けてなかなかこう定期的に来られない子たちのサッカー教室で「ふぁんタイム」という活動をしております。そして最後に、知的障がい者の選手だけのサッカーチーム「横浜F・マリノスフトゥーロ」というかたちでさせていただいいてます。
今回はその横浜F・マリノスフトゥーロの活動について少しお話しさせていただけたらと思います。経緯としては2002年日韓ワールドカップの決勝が横浜の地で開催されるということでクラブも転換期を迎えまして、いろんな方々にサッカーを楽しんでもらいたい、その一環として障がい者サッカーとの関わりが多くなり、単発のサッカー教室などを経て2004年にですね横浜ラポールさんと、あと横浜スポーツ協会、当時の横浜体育協会ですね、3社で共同してチーム活動が始まりました。こちら今フトゥーロの選手なんですけども現在120名程度ですね、の選手たちがいまして、下は中学生から上は54歳の選手まで同じピッチに立っています。対象としては「愛の手帳」療育手帳ですね、保有している選手になります。もう人数が多いもので、なかなか同じレベルでのサッカーっていうのは難しくてABCDEFと6チームの枠組で活動しております。中には女性の選手も5名ほどいて活躍しています。活動内容としては月4回から6回程度練習していまして、年間通してのリーグ戦だったりとか、あとはトップチームのAチームに関しては横浜市のサッカーリーグですね、横浜市民大会というもので一般の方と対戦をする、我々は知的障がい者のみですけども、一般の方の大会に知的障がい者の選手だけで参戦しています。なかなか結果は振るわないときも多いんですけども、そういうインクルーシブなところの活動にも力を入れています。あとは、サッカーを自分がプレイするだけじゃなくて我々のサッカー教室のサポートスタッフとして活躍している選手もいたりとか、今回このイベントやるよって言って手を挙げてもらった選手が手伝いをしてもらうというかたちになります。
課題とか問題点に関しては、やはり先ほど石井さんもおっしゃっていましたけどもなかなかやっぱ活動する場所っていうとこですね。こちら一般の方たちでもグランドがなかなかない中で、またこう障がいがある方たちとなると一般の方たちと競合する部分もあるので、よりなかなかこう練習する場が確保できないっていうのが一番の課題になっています。あとは我々のところに関しては日本代表に毎回呼ばれる選手っていうのはなかなかいないので、そういう突き抜けた選手を出していくためにも練習会場、それから練習回数を増やしていくこと、それから先ほどお話ししたとおり、やっぱなかなか知的障がい者だけでやっていても伸びない部分もあったりするのでインクルーシブというかたちで一般の方ともやることでより成長していく部分かなと感じております。あとはですね、なかなかこう見た目ではわかりづらい軽度な選手も多かったりするので、なかなかこう一般の方たちと一緒と思われて、なかなか生きづらい部分っていうのが持っている選手もいたりするので、そういった選手たちをフォローしていくっていうところに関しても我々の課題かなと思います。簡単ではありますが以上になります。ありがとうございます。
進行 細渕様
斎藤さんありがとうございました。続いては町田さんにお話を伺います。町田さんは視覚障がい者のランナーですが、その普段の練習や活動内容、そして障がい者スポーツの課題、問題点についても教えてください。
町田様
町田です。これは見えますか? 伴走ロープで、私が左手に持って伴走者が右手に持って二人三脚で楽しく走っています。私は26のときに将来、目が見えなくなるということを言われてショックだったんですけども、その当時熱中していたスキーができなくなるのもとても残念でした。それもやはり28でできなくなって、それ以降まったくスポーツはしていませんでした。49のときに友人に誘われてウォーキングをしたんですが、街中は歩きづらいんで大会を検索したんですね。その中で盲人マラソンていうのを見つけて伴走クラブに入りました。
それが50歳のときです。アキレス・インターナショナル・ジャパン。アキレスは本部がニューヨークで世界17カ国に支部を持ちます。日本支部ができたのは1995年です。練習会は東京原宿の代々木公園で、毎月第2第4第5の日曜日午前中にやっています。だいたい70人ぐらい集まります。今、最高齢で毎回来てくれているのが、伴走者の方で95歳の女性がいます。アキレスに入りますと、アキレスの本部のニューヨークのマラソン大会にツアーで行けます。ニューヨークシティマラソンです。私もマラソン始めて3年目で初フルとしてニューヨークに行きました。するともうすごい大声援、歓声で感動しまして、3年連続で行かしていただきました。その後も海外マラソンに魅力を感じて、ロンドン、ボストン、シカゴ、ベルリンと走りました。以上の5つが世界6大メジャーのうちの5つで、それに東京を加えたものが世界6大メジャー大会と言われています。そしてその6つの大会を完走すると「シックススター」という称号が与えられます。私はまだ東京は走っていません。倍率が高くてなかなか当選しませんので、ちょうどですね明日8月16日が来年3月2日に行われる東京マラソンの一般エントリー開始です。是非当選して、シックススターになりたいなと今、思っています。
あともうひとつ、海外行ったんで、今度は国内と思って、今は全国47都道府県フルマラソン完走を目指しています。今年3月に、第1回「ふくい桜マラソン」っていうのがありまして参加したんですが、それができたことによって全国47都道府県にフルマラソンが揃いました。まだ12しか走っていません。地元の横浜は2018年に黒岩知事がサブ5を達成した年の、私は6時間かかりましたけどそれも走りました。まだ35残ってて、毎年4つ走っても9年かかりますのでしばらくこれで楽しみたいと思います。
マラソンは視覚障がい者にとって適したスポーツだと思います。伴走者は必要ですけれども同じルールで楽しめます。私も今は健康マラソンでタイムは気にせず時間内完走を目指していますので、そんなに苦しくはありません。マラソンと出会って健康に自信持てるようになったことと、友人が増えたこと、あとは今まで旅行も全然行ってなかったんですね、海外とか国内にも行けて、また交流もできて、ボストンとシカゴはホームステイだったんですね。日本も大阪マラソンでは地元の伴走者と走って、ずっと観光案内をしてもらいながら楽しく走れました。課題というか、やっぱり伴走者と2人並んで走るんで、どうしても道幅取ってしまうんですね。道路の整備や走れる公園とかスポーツ施設がもっと充実してもらうとありがたいなと思います。以上です。ありがとうございました。
進行 細渕様
町田さんありがとうございました。ではこのパート最後にお話を伺うのは、横浜市を拠点にテニススクールを運営する中澤さんです。また中澤さんは、日本パラリンピック委員会の強化本部長も務められています。その障がい者スポーツにまつわる現状と課題、お聞かせください。
中澤様
はい、ありがとうございます。よろしくお願いいたします。今の障がい者スポーツの現状っていうところでは、神奈川県というところももちろんあるんですけども、大きなところで日本としてはですね、2014年に文部科学省からですねスポーツ省へと変わりました。これは大きな変化だと思います。こういったことで、何が変わっていくかもよくわからないけども、地域でスポーツが始まっているっていうふうにならずにですね、スポーツ省ができたっていうところに、パラスポーツが入っているということは地域での振興育成、それからパラスポーツのプロ化っていうのに日本も注目をしているということに我々スポーツ指導者もしくは関わる人たちがですね、理解をしていきながらですね、一緒に盛り上げていかなければいけないということをまず現状としては理解していただきたいし、私もそれを理解していきながら進めていきたいと思ってます。
そんな中ではひとつ、パラスポーツの中ではパラスポーツのアスリートのプロ化というのが今進んでる現状だと思います。これは東京オリンピック・パラリンピックのレガシーにも繋がっているのかなと思っております。そしてもうひとついただいた質問の中で課題というところなんですけども、これも大きく日本と、それから今日の話で言うと神奈川県というところで似ているものがあるのかなと思っております。これはですねまず、現状のほうのスポーツをオリンピックスポーツというならばパラリンピックのほうのスポーツ、障がい者スポーツをパラスポーツと言うとですね、オリパラの一体化、これは国でも大きく言われていますが、かたちとしては、例えば文章としていろんなとこに出たり、今日のように言葉としてはあの皆さんが耳にしたりするんですけども、実際どういうような交流を通じて地域で進んでいるのかというのが大きな課題になると思います。それを1個ずつ分析してくといくつかあるんですけども、皆さんが先ほど言われていた場所の問題、これオリとパラが一緒にできる可能性があるとこがあれば少し展開ができると思います。
それから指導者の問題、パラリンピックの指導を通じて学ぶことはたくさんあると思いますので、オリとパラの指導者の資質の向上が、これが地域で地元で図れるということもできます。それから資金の問題、スポーツをするにはお金がかかります。オリンピックパラリンピックともに一緒になることで、注目度を浴びることができると思います。そしてもうひとつ、スポーツハラスメントの撲滅の問題。こちらに関しても指導者がオリとパラ、垣根をなく一緒にやることにすごく意味があると思っていますので、課題としてはいくつかあるんですけども、まずは一体化、一緒になって連動していくことそして共存していくことがすごく重要なのかなと思っております。私からは以上です。
進行 細渕様
中澤さんありがとうございました。中澤さんもうひとつお聞かせいただきたいんですが、2週間後8月28日からパリのパラリンピックが行われますが、神奈川県出身の注目選手の方、教えていただけますか。
中澤様
はい、ありがとうございます。これはですね皆さんあの知事、神奈川県から何人パラスポーツ選手、パラリンピックに出るか、ご存知だと思うので私から答えますね。実は176名の選手の中で、神奈川県から12名の選手が参加します。8月2日の3時発表の時点では海外のパラリンピックでは最多の318名の日本選手団を編成していくということになります。で注目の選手ということではですね、もう本当にこの12名全員ひとりひとり声を上げて名前を呼んでいきたいんですけども、時間の関係もあるので言えないんですけど本当に神奈川県から出る選手みんなが注目だと思いますし、何よりもこのパラリンピックオリンピックそうですけども、4年間8年間12年間かけて出場した選手たちがですね、自分たちの種目100mであれば10何秒、テニスであれば長くても2時間少しで、この長い4年以上かけてきた準備があっという間に終わってしまうこの、はかなそうである中で素晴らしい輝きを出す選手たちを見ることが最大の魅力かなと思います。
進行 細淵様
中澤さんありがとうございました。それでは黒岩知事お時間が迫ってきてはおりますが、今のパートにつきましての質問ご感想をお願いします。
知事
ありがとうございます。神奈川県はですね、8年前に津久井やまゆり園事件っていうのが起きてですね、コミュニケーションが取れない人間は生きてる意味がないんだって勝手にその思いで19人の命を奪ったというね、大変悲惨な事件がありました。なぜこんなことが起きたんだろう、2度とこういうことを起こしちゃいけないってことでずっと我々向き合ってきてですね、議会とともに「ともに生きる社会かながわ憲章」っていうのを取りまとめて、そしてそのあとに当事者目線の障害福祉推進条例こういうものを作って進めてきたわけでですね、その中でやっぱりともに生きるという、これが非常に大事なことだなとずっと思ってるわけでありますけれども、そんな中でこの例えば教育現場で言うとですね、特別支援学校っていうのがあるわけですね。
片やインクルーシブ教育っていうのがあるわけですね。インクルーシブってのは要するにもう特別に障がい者の方を1箇所に集めるんじゃなくて、もう一緒に混ぜこぜにしちゃおうということなんですけども、神奈川県は実はこのインクルーシブ教育が全国で一番進んでいるところでもあるわけですね。ところが悩ましいのはですね、知的障がいのお子さんをお持ちのお母さん方お父さん方がですね、自分の息子は手厚い支援が受けられるからと言って特別支援学校に入れたがるんですよね。ところが我々はやっぱりともに生きるってことからするならば、やっぱりもう混ぜこぜのほうがいいんじゃないかっていうことでインクルーシブ教育を進めようとするんですけども、この間の狭間ってのは非常に難しいわけでありますね。
その中でこれはスポーツの現場でも、そのまま言えるのかなっていう感じが実はしてきたんですよね。パラリンピックっていう競技ね、本当に昔から比べれば注目度って全然違いますよね、今ね。昔はパラリンピックっていうのは中継もされてなかったし、あまりみんな知らなかったですけども、今は中継されて、その盛り上がり方っていうのはオリンピックに負けないぐらいの盛り上がり方をするということで、うわすごいなとなるんだけども、しかしこれは障がい者の方だけを集めてやってるスポーツ大会であるというある種分離しやってるということですよね。その中で私、前から思ってたんだけどオリパラ一体化っていうのね、ともに生きるとかするならばやっぱり一体となっていくべきじゃないのかな、だから部門が別にあってもいいと思うんですね。障がいの部門でこういう部門の人たちって、だって柔道でも何にしても体重の部門別とかそういうのあるわけですから、まだそういう部門別を全部入れてオリパラ一体化っていうのが一番いいなとは思うんですけど。こういうそのインクルーシブ的な障がいスポーツの未来像か、やっぱりそうは言っても特別に障がい者の皆さんだけの環境を整えるってことに重点を置くべきなのか、この辺り斎藤さんいかがでしょうか。
斎藤様
はい、そうですね、黒岩知事おっしゃるとおり、我々も先ほど少しお話しさせていただいたとおり、インクルーシブでやっている活動もあるんですけども、やはり我々がやっている虹色クラスっていうとかふぁんタイムっていう、こう知的発達障がいがあるお子さまたちのサッカースクールでは、やはりインクルーシブだとなかなかこう入って一歩が踏み出せないっていう子どもたちがいたりとか、あとはご家庭の方もそうですね、どうしても周りの目が気になってしまって習い事を行かせてみるけど、やっぱ周りの方の目が気になってこうなかなか通わせられないとかってなると、我々がやっている虹色クラスっていうもので、みんなが同じほうがスタートのところに関してはもしかしたらいいかなって思っているときもありますし、いやあのインクルーシブでやったほうが本当我々が想像を超えるようなコミュニケーションが取れたりとか、一緒になってやっていける部分もあると思うので、私としては今こう実際に現場に立ってるところを感じると、両方の観点が大事かなと考えております。
知事
はい、ありがとうございます。あれですよね町田さんがやってらっしゃる視覚障がい者のあれは伴走者がいればまさにインクルーシブで一緒にやれるんですよね。
町田様
そうですね。あの私たちまず障がいについて知ってもらうってことがすごく大事だと思うんで、それにはね伴走がすごく適してるんですね。1時間、まぁ30分でも、その間ずっとおしゃべりしながら自分のことを話せるんで、それで私もさまざまな職業とか年代の人と伴走してもらって自分もすごくためになるし、相手に障がいのことを知ってもらってそれでお互いの共生の点を見つけるのがいいなと思います。
知事
なるほどね。中澤さんいかがですか、オリパラ一体に向けて進みあるんでしょうかね。
中澤様
はい、ありがとうございます。今、知事からいただいたお話、非常に素晴らしい内容だと思ってます。私の思う今の答えは「両方やる」というのがひとつ目の答えです。中身としてはなぜかと言うと、共に生きるインクルーシブっていうところとオリパラ一体化っていう話の中で、最初に出てきた親と子っていう話では子どもは何も感じてないと思います。子どもにはやっぱり生まれてきてわからない環境を伝えるのは親なので、そういった意味では黒岩知事はじめ私も54になってくんですけども、その50過ぎた我々…そうじゃない人もいると思うんですけども、考え方を我々のマインドを変えていかないと、やっぱりお子さんを変えてくのは親であったり地域の指導者であるので、我々がどういうマインドで行くかっていうところの教育が必要なので、いくらいい施設を作ったとこで、施設はあったほうが嬉しいですけども、やっぱり関わる人間のマインドを変えていくっていうのを並行してやるってのがひとつ重要かなと思います。
もうひとつ両輪で進めていくっていうところで、先ほど言った障がいを持ってる子たちが外に出てくってのは僕はこれ本当に実体験の中でやはりハードル高いと思います。ただそんな中で、障がいを持ってる子たちだからこそ一緒にできる場、それと、みんなと一緒にできる人たち、さらにそれを超えてプロとして一緒にやっていける人たち、要は我々も何か学ぶときに初級中級上級なんて名前があるように、そういうスモールステップをしっかりですね、作る、こういったことがすごく重要で、今言われたようなお話を県として、できれば私も協力させていただいて、ゴール設定をきちんとして、どういったKPI(重要業績評価指標)を作っていくかということをしっかりと示していくこと、これができれば地域でオリパラ選手がもっともっと増えると思いますし、共に生きるインクルーシブな社会の実現に向かっていけるんじゃないかなと日々そんなこと考えています。
知事
ありがとうございます。非常にね今日は有意義な話ができたと思いますね。私自身もね、車いすバスケット、車いすバスケットってのは車いすに乗ればみんな同じなんですよね。私やってみたら、車いすバスケットという競技ですよね、別に障がい者の競技じゃなくて車いすに乗ってやるバスケットだって言えば乗る人は別に障がいがあろうがなかろうが関係ないわけであってね、そういったものをこう広めるということと同時にやっぱり障がい者スポーツは障がい者スポーツとして充実できるような場をどう確保するか、まさに両面作戦でねしっかりやっていきたいと思います。本当どうもありがとうございました。なんかちょっと時間超過してしまってるんですね。すいませんでした。ありがとうございました。
進行 細渕様
知事、今回の対話の総括、ひと言いただけますか。
知事
いや本当ちょっと時間が足りなくなっちゃってね、私もちょっと3時までかなと勘違いしててちょっと時間ミスしてしまいましたけども。皆さんの本当生の声を聞かせていただいてですね、スポーツのまた大きな大きな可能性というものを感じたし、そして具体的にいろんなかたちでですね、その地域のスポーツを広げる障がい者スポーツそしてそれをまたインクルーシブのかたちでもやっていこうみたいな、さまざまなこのいろんなかたちでの動きがあるってことを確認できてですね、非常に勇気づけられました。ちょうどこのオリンピックとパラリンピックの間にですね、こういった議論ができたということも非常に良かったなと思いますね。本当皆さんどうもありがとうございました。
進行 細渕様
黒岩知事、皆さまありがとうございました。それでは進行を県にお戻しします。
神奈川県 情報公開広聴課長
はい、細渕さん、進行役を務めていただきましてありがとうございました。本日ご参加の皆さま、貴重な意見をいただきありがとうございました。またYouTubeでご視聴いただいた皆さまもありがとうございました。本日の様子は神奈川県のホームページに掲載し、YouTube動画も配信いたします。また引き続きご意見も受け付けてございますので県のホームページからご意見を是非お寄せください。
それではこれを持ちまして令和6年度第2回黒岩知事と当事者とのオンライン対話を終了いたします。皆さま本当にありがとうございました。
このページの所管所属は政策局 政策部情報公開広聴課です。