虐待はなぜ起こるのか?
どうして「虐待」は起きてしまうんだろう。
子ども虐待が起こる背景は、多くの場合一つではありません。
身体的、精神的、社会的、経済的などの要因のいくつかが複雑に絡み合い、その結果として生じるのが子ども虐待と考えられます。
子ども虐待に至るおそれのある要因(リスク要因)
保護者側のリスク要因
・妊娠そのものを受容することが困難(望まぬ妊娠、10代の妊娠)
・子どもへの愛着形成が十分に行われていない。(妊娠中に早産等何らかの問題が発生したことで胎児への受容に影響がある。長期入院)
・マタニティーブルーや産後うつ病など精神的に不安定な状況
・元来性格が攻撃的・衝動的
・医療につながっていない精神障害、知的障害、慢性疾患、アルコール依存、薬物依存
・被虐待経験
・育児に対する不安やストレス(保護者が未熟など)など
子ども側のリスク要因
・乳児期の子ども
・未熟児
・障害児
・何らかの育てにくさを持っている子どもなど
養育環境のリスク要因
・未婚を含む単身家庭
・内縁者や同居人がいる家庭
・子連れの再婚家庭
・夫婦関係を始め人間関係に問題を抱える家庭
・転居を繰り返す家庭
・親族や地域社会から孤立した家庭
・生計者の失業や転職の繰り返しなどで経済不安のある家庭
・夫婦不和、配偶者からの暴力等不安定な状況にある家庭
・定期的な健康診査を受診しないなど
上記のような要因がある場合は虐待が起きやすいと考えられますが、もちろんこうした家庭で必ず虐待が起きるというわけではありません。