更新日:2024年9月19日

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第8回レポート

カナカモミール

今回のインタビューは、県の職業技術校で学び、昨年より病院でお仕事をされているシングルマザーのあゆみさん(仮名)にお話をうかがいました!

  • シングルマザーあゆみさん(仮名)
  • 40歳代
  • 病院の調理員として働く
  • 高校二年生男の子と中学二年生女の子の子育て中

お仕事について

  • あゆみさんの以前のお仕事についてお聞かせいただけますか?

(あゆみさん)「家庭向け食材を車で配送する仕事をしていましたが、勤務先の営業所が閉鎖するということで、会社都合で退社しました。そのため、雇用保険もすぐに受給できました。」

  • 現在は病院調理のお仕事に就いていらっしゃるのですね?

「職業技術校の介護調理コース※1で半年学んだ後、病院調理員の正社員として勤務しています。病院食※2の調理、配膳、後片付け、洗い場まで一連の仕事をして、一年くらい経ちましたね。」

  • いまのお仕事のやりがいや、大変な部分があれば教えてください。

「病床数が多くないのであまり重労働ではありませんが、患者さんごとに食べられないものがあるので、配膳に気は使いますね。」

「オープンキッチン形式になっている食堂で食べてくれた患者さんからは、『美味しかったよ』などと声をかけてもらえると、うれしい気持ちになります。」

職業技術校実習風景イメージ写真1

職業技術校で学んだこと

  • 県の職業技術校で、介護調理コースを選んだ理由を教えてください。

「食材配送の前職のとき、ヘルパーさんがご高齢者の食事をお手伝いする様子を見ていたので、調理に興味をもちました。介護関係の職であれば定年後も働けそうだなということもありました。」

「西部総合職業技術校が真新しくてキレイだったよと、前職の同僚が推薦してくれたので、ハローワークの担当者に、西部総合職業技術校へ行ってみたいと自分から申し出ました。雇用保険が、職業技術校に通う期間ずっと受給できるということも大きかったです。」

  • 職業技術校に応募されるときに「ひとり親の優先枠」があったことはご存知でしたか?

「はい。応募時に記入欄があったので記入しました。」

  • 職業技術校で取得できる資格はありましたか?就職に役立ちましたか

「通校しながら取得できる資格は、介護職員初任者研修です。調理師免許は、2年間以上の実務経験で受験資格が得られるので、これからの目標です。調理師になれれば、食品衛生責任者講習を修了しているので、食品衛生責任者になる資格ももらえます。」

「調理師の資格をまだ持たない中で調理職としての正社員での就職は厳しく、需要の多い介護分野で探す方が良い、と先生からアドバイスをいただきました。しかし調理の仕事をしたいと思っていたので、取得した介護の資格を使わずに就職しました。」

生活と子育て

  • 子育てをしながらの仕事は大変でしたか?

「離婚した当初は生命保険会社で働き、その後アルバイトなどの期間もありましたが、子育てしながら働くというのは自分にとっては普通のことでした。

「幼稚園への子どもたちのお迎えを実家の親にサポートしてもらい、小学校では学童保育なども利用しました。それらはとても助かりました。」

「子どもたちが我慢してくれたことはあるかもしれませんが、子どもがいるために自分が苦労したという意識はなかったです。」

  • 職業技術校へ通うという決断について、お子様は何か言ってましたか?

「子どもたちはいいんじゃないという反応でした。ただ、授業との兼ね合いで娘の中学校の入学式に出られなかった事だけは心残りですね。なにしろ介護職員初任者研修の資格を取得するためには、欠席することはできなかったので。」

  • 職業技術校で学んだことで、現在、役に立っていることはありますか?

「職業技術校で病院食※2の勉強をしたので、それが役立っています。特に、高齢者の方向けのミキサー食※3きざみ食※4などは、技術校で習ったことが病院でも同じだったので、それも良かったです。」

「職業技術校に通うことで、若い方から定年を迎えた方まで幅広く友人もできました。職業技術校に通うこと自体は大変でしたが、とても楽しかったです。皆さんにも勧めたいくらいですね。」

職業技術校実習風景イメージ写真2

今後の目標とメッセージ

  • お仕事や人生での今後の目標について教えてください。

「給料アップにつながるので、まずは調理師資格を取得することを目指しています。」

  • ひとり親の方へメッセージはありますか?

「やりたいことがあれば、年齢関係なく色々チャレンジしてもらいたいなと思います。職業技術校は、存在自体を知らない人もまだまだ多いのではないかと思いますので、ぜひ皆さんに勧めたいですね。」

ありがとうございます。あゆみさんの益々の活躍を期待しています。

インタビューで紹介した支援制度

  • 神奈川県の職業訓練(職業技術校)

あゆみさん(仮名)が訓練を受けた「介護調理コース」など、訓練期間が6か月のコースと一部の1年間のコースは授業料が無料です。また、全コース募集定員の約1割に「ひとり親家庭優先枠」を設定しています。
なお、雇用保険受給資格者などで、一定の条件を満たす方が、ハローワークの受講指示により入校された場合、手当が支給されます。
また、雇用保険を受給できない求職者の方で一定の条件を満たす方については、職業訓練を受講中に給付金が受給できる「求職者支援制度」があります。

  • ※1介護調理コース
    調理技術の基礎から、大量調理技術、介護食等の理論と技術、介護の実務の基礎を学び、介護の知識と技術を兼ね備えた調理員を目指すコースです。
  • ※2病院食
    病院内で入院している患者に対して提供される食事です。
  • ※3ミキサー食
    咀嚼(そしゃく:噛む)機能や嚥下(えんげ:飲み込む)機能が低下した方が食べやすいように、食事をミキサーにかけてペースト状にした食事です。
  • ※4きざみ食
    飲み込む力はあるけれど、噛む力が弱くなった方が食べやすいように刻んだ食事です。刻みの大きさは、食べる方の状況によって1~2cm角のものもあれば、みじん切りほどに細かいものもあります。

 

 

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