初期公開日:2023年8月25日更新日:2024年10月10日

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根岸外国人墓地(横浜市中区仲尾台)

キーワード:外国人被害

根岸外国人墓地(位置図)

※地理院タイルに遺構の位置を追記して掲載

 横浜には外国人墓地が、山手外人墓地(主に欧米人)、根岸外国人墓地(欧米人のほか中国人も埋葬)、中華義荘(中国人の墓所)、英連邦戦没者墓地(第二次世界大戦で亡くなった英連邦兵士のための墓所)と4つあります。そのうちのひとつ、根岸外国人墓地は、JR根岸線「山手駅」を降り、南へ坂道を登ること約100mのところにあります。
 関東大震災では、外国人も多く被害を受け、死者1,789名、負傷者2,353名、所在不明者5,251名との記録も残っています24
 根岸外国人墓地入り口脇の説明板には「現在1,200有余の外国人が埋葬され、墓碑は160基程が確認されている。」と書かれていますが、同時に「外国人船員、関東大震災罹災者及び第二次大戦後に埋葬された嬰児(幼児)など、埋葬者名が不明な者も多い。」とも記され、震災の犠牲者が何名埋葬されているかは不明ですが、ここには横浜市が建立した外国人震災慰霊碑が建っています(図3.3-1、3.3-2)。

根岸外国人墓地(図1・2)

 墓地の門を開けて入ると、敷地は斜面を利用してほぼ3段に分かれ、それぞれの段に関東大震災のほか、太平洋戦争などで亡くなった方の墓標が点在しています。3段目の斜面まで登ると右側にこの慰霊碑があります。
 慰霊碑には、「ERECTED IN MEMORY OF THE FOREIGNERS KILLED IN THE GREAT EARTHQUAKE AND FIRE OF SEPTEMBER 1923 BY THE CITY OF YOKOHAMA SEPTEMBER FIRST 1926」と書かれ、関東大震災で亡くなった外国人を慰霊していることが明記されています。
 慰霊碑の周りにある墓標の中には「KILLED IN EARTHQUAKE」や「LOST HIS LIFE IN THE EARTHQUAKE DISASTER」といった地震で亡くなったことが分かる記述が見られます。


24 横浜市役所市史編纂係 編, 「横浜震災誌 第三冊」, 第十一章 横濱在留外国人の被害, 1926年

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