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更新日:2024年7月26日
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平成29年度「黒岩知事との“対話の広場”地域版(県西会場)」の実施結果です
日時 | 平成29年10月17日(火曜日) 18時30分から20時00分 |
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会場 | 県小田原合同庁舎 3階会議室 |
テーマ | スマイルかながわ |
地域テーマ | 祝!ME-BYOサミット神奈川開催 県西から発信するスマイルかながわ |
内容 | 1 知事のあいさつ |
2 事例発表
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3 会場の皆さんとのディスカッション(知事が進行役を務めました) | |
参加者数 | 181名 |
知事あいさつ
こんばんは。神奈川県知事の黒岩祐治です。今回は、この県民との対話の広場にようこそお越しいただきました。こんな時間に、これだけ多くの皆さんに集まっていただいて、本当に嬉しく思っているところであります。せっかくの時間ですからね、「来てよかったな。」と思って帰っていただきたいと思います。この対話の広場というのは、年間を通して統一テーマを毎回、設けていますけれども、昨年は「人生100歳時代の設計図」というテーマでした。今年は、「スマイルかながわ」というテーマであります。県の各地で実施しております。県庁の本庁舎でも、今回は県庁の本庁舎は工事中なので、県立青少年センターでLive版というのをやっています。とっても大好きなので、今日も楽しい回にしたいと思います。
そもそもまず、「スマイルかながわ」とは何なのかということをお話ししていきたいと思います。人生100歳時代、最近、政府が「人生100年時代」と言い始めましたけれども、神奈川県では、1年半前から、言っていて、まねを始めたというところです。これを見てください。1963年に日本全国で100歳以上の人は、全国で153人でした。それが、2016年は、だいたい、6万6,000人くらいいますね。それが、これからさらに伸びて、この伸び方すごいでしょ。2050年、約70万人になります。この時は、人口は減っていますから、142人に1人が、100歳以上ということになります。それだけに、どういう100歳時代にすればいいのかなということですね。今のままじゃ、とてもやりきれないのではないか、という中で、100歳になっても、みんながスマイルでいるような、笑顔あふれるそんな社会を目指していきましょうということで、「スマイルかながわ」になっています。あらゆる政策を、“スマイル”という言葉に集約してみたのですけど、いろんな中で、「未病改善でスマイル」というところを、この県西地域の、「スマイルかながわ」の地域テーマにしたいと思います。
これは、未病とはそもそも何なのかということを示した絵です。健康ですか、病気ですかと、だいたいこういう風に物事を捉えがちですけれども、我々の実感からしたら、健康と病気がはっきり分かれているわけないですよね。未病というのは、白と赤、グラデーションで連続的に変化します。どこにいても、少しずつ白に持っていこうとすることが大事。病気になってから、治すのではなくて、どこにいても、少しずつ白に持ってくるということが大事だということで、それが「未病改善」ですね。
そのために大事なことが、「食」「運動」「社会参加」といったものによって、日常的に未病を改善して、病気にならなくする。100歳時代で、スタートが、100歳を超えた人がたくさんいても、皆さんが健康で、元気であれば、皆さん、幸せになれます。そういう社会を目指していこうということですね。
この中で、このライフステージに応じた未病の改善の取組みというのを、今、訴えています。つまり、この糖尿病対策、生活習慣病対策、これ大事ですね。それから、介護予防、認知症にならないようにしていく。糖尿病にしても、認知症にしても、まさにグラデーションでしょ。認知症だって、何にもない人が、突然、認知症になるわけないですから。少しずつ、進んでいくのですね。なるべく早い段階で、わかって止めた方がいい、これが、未病を改善するということですね。働き盛りの人も大事。
女子が特に大事なのですね。未病女子対策、これは、県庁の女性職員のアイデアですね。この「未病女子対策」、何のことを言っているかというと、女性は特に未病に気をつけましょうということですね。実は、最近、ダイエットを一生懸命やって、赤ちゃんを妊娠しても、ダイエットをしているのですね。そうするとどうなるかというと、赤ちゃんが栄養不足になってしまう。赤ちゃんは栄養不足だと、栄養をいっぱい取ろうとする、そうすると、大人になってから糖尿病になっちゃうリスクが高くなる。それは、大変ですよ。だから、女性は特にこの「未病女子対策」というのをやらないといけないなと、痩せすぎでも、気を付けていかなければいけないよということですね。
子どもは大丈夫なのか。子ども、食・運動・社会参加と言った中で、小さい子ども、子どもたち、大丈夫ですか。すごく変な食生活をしている人いますよね、偏食とか。運動って大丈夫ですか。最近の子どもたちって、基礎的運動能力がない子がたくさんいるのですよね。しゃがむことができない子がいるのですよ。しゃがむと後ろに転んじゃうの。社会参加って大丈夫ですか。例えば、SNSなどを、子どもの頃からやっていて、あまり人とコミュニケーションをしたがらない。すると、未病対策って、全世代でやっていかなければならないということですね。
そんな中で、神奈川県は、この県西地域を「未病の戦略的エリア」と位置付けています。それは、なぜか。未病を改善するための様々な資源が整っているから、ということですね。そして、「県西地域活性化プロジェクト」、この県西地域をどんどん元気にしていこうという中で、「未病の改善」というキーワードによって、元気にしていくということを進めています。
様々な施設を、食の駅、運動の駅、様々な未病に関連の駅という形にして、総合的に皆さんに見える化をしているところであります。
その中で、大井町に「未病バレーBIOTOPIA(ビオトピア)」といったものが誕生します。ここに行けば、未病のすべてがわかる。高速道路から見えますね、元第一生命のビルですね。それとその周り、60ヘクタールという非常に広大な土地を全部未病の拠点にしよう。未病といえば、ここにいけば、全部があり、ここに行って、体験すると、みんな元気になって帰ってくる。世界中から、人が集まってくる。そんなところにしようと準備をしていまして、30年春には、第1期のオープンの準備を進めているところです。
そして、県西地域をどのように観光していただければ、未病改善につながるか、ということについて、資格を作りました。「県西未病観光コンシェルジュ」ですね。初級・中級・上級とありますが、こういったことを勉強していただくと、お客様を相手するときにも、未病コンシェルジュですよって、県西地域のいろんな魅力をコンシェルジュによってご案内して、楽しんでいただく。ただ、温泉に入るだけではなく、温泉に入って、気持ちいいだけではなくて、未病コンセプトによって、「あ、こういうふうに温泉に入るとこんなふうに元気になるんだ。」というような付加価値を付けていくということですね。今年度、セミナーの開催予定がありますので、もし、ご興味がある方は、今日の話を聞いて、取ってみたいなと思われる方は、是非、挑戦してみてください。
そして、いよいよ今週末に迫りましたが、「ME-BYOサミット神奈川2017in箱根」といったものをやります。これ、2回目になるのですが、一昨年、第1回目をやりました。今年が、第2回目。ME-BYOサミットの英語は、「ME-BYOサミット」っていうのです。というか、我々が「ME-BYO」の国際商標登録を取りました。「ME-BYO、ME-BYO」って言っていたら、本当にみんな、「ME-BYO、ME-BYO」って言っています。この人、WHO専門家です。世界的に注目を集めて、世界中で一番、日本が、高齢化が進んでいるのですね。日本の中で、神奈川県は、一、二を争うスピードで進み方が早い。だから、ここでモデルを作るということを進めています。こうやって、世界中のお客さんが日本にやってくる、箱根にやってくる、プロセスにこの県西地域の未病をこうやって観光で楽しみながら、元気になるのですよというモデルを示していきましょうということですね。そういった意識を皆さんと共有し合いながら、いろんなアイデア、こうしたら、もっとこの地域は潜在力を持って、広げていけるぞという、世界に発信していこうというアイデアを作りたいということで、今日、ここにお集まりいただいたということであります。
そして、まずは、すばらしい取組みをされているお二人をご紹介いたしまして、プレゼンテーションを聞いていただき、その後は、皆さんとの直接的な対話です。シナリオはありません。発言していただかないと、ストップします。質問でもいいし、意見でもいいし、私たちはこんなことやっていますというアピールでもいいし、どんどん参加してください。それでは、皆さん、私の話は以上です。どうも、ありがとうございました。
司会
はじめに、鈴木恵美様をご紹介します。
鈴木様は、食育インストラクターの資格を生かし、箱根の森をキャンパスとした女性のためのコミュニティ「はこねのもり女子大学(通称:はこじょ)」の講師として、地元の旬の食材を使用した「フォレストキッチン」を開催されました。
また、ベリーダンスダンサーとしてもご活躍されており、「はこじょ」でも、ベリーダンス教室の講師を勤められるなど、箱根を拠点に精力的に活動されています。
それでは鈴木様よろしくお願いいたします。
鈴木 恵美氏(はこねのもり女子大学スタッフ兼講師)
箱根根町仙石原から参りました鈴木です。事例発表をさせていただきます。本日は、未病改善に向けた取組みというということで、私が、箱根で行っている活動を中心にお話をさせていただきます。
私は元々東京都町田市に住んでおり、OLとダンサーという二足のわらじで、日々忙しくしておりましたが、箱根町で生まれ育った主人と出会い、結婚を機に箱根町で暮らすようになりました。現在は、パートとこれからお話しするはこねのもり女子大学スタッフ兼フォレストキッチン主宰、そして、ベリーダンスダンサーとしても活動しております。
箱根で暮らすことに対して、田舎だとか、不便だとか、そういったところの不安はありませんでした。ただ、もちろん、近くに友達が一人もいません。話す相手は、主人だけ。つまらないということではないのですが、それでは、体もなまるし、頭もボケてしまうということで、移住して2か月でパートに出るようになりました。
幸いにも箱根は観光地ですので、勤務先は職種を自分の中で限定しなければ、たくさんあります。パート先の人たちと話すことで、地域の情報を得ることができたり、仕事を教わっていた方が、実は、主人の友達のお母さんだったなんていう驚きもあったりと、だんだんと日々の生活も楽しく変化していきました。
ただ、観光客からの質問に答えられないことが多く、自分が住む箱根のことを私は知らないんだなぁという感覚も自分の中で覚え始めていた頃、仲良くさせていただいたパート先の方から、「はこねのもり女子大学」が行っているイベントに誘われました。
「はこねのもり女子大学」、通称「はこじょ」は、学校教育法上で定められた正規の大学ではなく、体験学習と交流を目的としたコミュニティです。箱根という土地に息づく、自然の恵み、芸術や文化、歴史の足跡、そんなすべてを学びの環境にして、感性を磨く大学です。
月に1度の授業は、箱根の自然をフィールドに行い、授業は聴く・観る・嗅ぐ・触れる・味わうの五科です。校舎はなく、ある時は芦ノ湖の辺り、ある時は駒ケ岳のてっぺんが教室になります。箱根の全域がキャンパスです。
私が初めて参加した時は、「はこじょ旅ウォークランin芦ノ湖」というもので、箱根駅伝ミュージアムを見学後ウォーキング、そして、芦ノ湖の辺りでヨガ、その後はランニングです。正直、ランニングは苦手というより、普段走ったこともありませんでしたので、走れるかどうかの不安もありましたが、「箱根のことを知ろう」、「家でじっとしているより参加した方が断然楽しいはず」、「女子だけだし楽しそう」と軽い気持ちで参加してみることにしました。人とのつながりを作るには、イベントに参加してみることが一番の近道です。
参加をしてみると、私を含め、ほぼお一人で参加されている方ばかりで、都心に住み、箱根が好きで、疲れを癒しに、そして、リフレッシュして、いい笑顔でまた普段の生活に戻っていくのだなという印象を受けました。普通の観光では知り得ない箱根のすばらしい自然を体感してもらうことのできる気軽なイベントだと思い、翌月も、また翌月も、というかたちで毎月参加するようになりました。
そんな中、未病を改善する神奈川県の「県西地域活性化プロジェクト」の一環として、箱根町とはこじょの共同企画がスタートし、新しく授業内容にアウトドアクッキング授業が組み込まれることになりました。そこで、元々私が料理好きで、食育インストラクターの免許を持っていたことと、普段よりキャンプ旅行に行くことが多く、日本はもちろん海外でもキャンプ旅に出かけており、キャンプ中は毎日、アウトドアクッキングを楽しんでいたという経緯があり、アウトドアクッキング授業「フォレストキッチン」の講師を担当することになりました。お話をいただいたときには、森の中に身を置いて作って食べるアウトドアクッキングの醍醐味を是非お伝えしたい、自分が普段やっていることで役に立つこともあるのだなという思いでした。
フォレストキッチンでは、地元のお店から食材を調達し、できるだけ旬の食材を使い、自然の中で料理を味わうことで、免疫力アップ、未病改善に繋げていけるようなメニュー作りをしています。
実際に授業がスタートすると、普段料理をされない方もする方も一緒になって、みんなでワイワイと楽しそうに料理をしています。塩を入れ過ぎたり、水を入れ過ぎたりと、いろいろハプニングもありますが、最後は失敗を笑いながら、「でも、美味しいよ。」と皆さん笑顔で、食事をされています。やはり、身も心も解放されながら味わう料理は格別なようです。イベントの前日には、町の公共施設をお借りして、スタッフで下準備を行っているのですが、その時間も料理教室のような感覚で、私自身、とても楽しい、リラックスした時間を過ごすことができています。
また、体を動かす授業の方でも講師をさせていただきました。私が現在、ベリーダンサーとして活動していることもあり、ベリーダンス講師を担当いたしました。こちらは昨年10月に開催したイベント「はこじょマルシェ」で、ベリーダンスの講師として体験教室を行った時のものです。
こちらは、「はこじょ」が行っている東京校での授業です。ベリーダンス特有のウエスト周りを中心とした動きは、インナーマッスルを鍛え、女性ホルモンのバランスや骨盤を整え、生理不順や更年期障害などにも効果が見られると言われており、女性が美しく輝き未病対策にもなります。授業に参加された皆様は初めて体験する方ばかりでしたが、今まで動かしたことのない筋肉や意識したことのない筋肉にとてもびっくりされておりました。初めてのベリーダンス体験に最初はやや緊張気味のお顔でしたが、皆さんできないことを諦めずに、楽しく一生懸命にやっており、最後はキラキラした笑顔でとても美しい表情になりました。
知らない場所に入って行くのは緊張もするし、はじめの一歩を踏み出す勇気が必要ですが、興味や方向性が同じ人とつながることができるのは大きいですね。私の場合、そこから、自分はこういうことができるというスキルも、人とのつながりを通して知ってもらうことで、仕事へつながっていきました。単なる料理好きや、キャンプ好きの私が、自分では大したことではないと普通に行っていたことを、出会った方にもったいない、もっと生かした方がいいよなどと教えられ、人と出会うことで自分にできる仕事が見えてきたのです。
これからは、自分にできることを生かし、箱根に住む女性たちへ、くつろげる場所や時間、心が解放される場所、仕事や家庭からも離れ、一人の女性として輝ける時間の提供ができたらよいなと、箱根でベリーダンス教室を開講したいと考えております。天気が良ければ、教室を出て森の中で授業を行うなど、箱根ならではの魅力を取り込めたらと考えています。
また、これは長期的な夢ですが、国内外の旅人と地域の人が集える心地良い場所を料理とともに提供したいと思っています。
発表は以上です。ご静聴ありがとうございました。
司会
続いて、植田勇次様をご紹介します。
定年後に障がい者施設に再就職するなど、社会福祉と地域おこしを軸に活動し、有害鳥獣対策や特産品作り、後継者育成など様々な方面で活動し、溢れる郷土愛と地域に恩返しの気持ちで地域活性化に尽力されています。
それでは植田様、よろしくお願いいたします。
植田 勇次氏(矢倉沢地域おこし委員会顧問)
こんばんは。ただ今ご紹介に預かりました植田です。よろしくお願いいたします。今日は表題にありますとおり「積極的な社会参加によって健康で充実した人生の後半戦を過ごすことができますよ」ということを私のつたない経験を基にお話させていただきます。
私の好きな詩の一節にこんな文章があります。
「青春とは人生のある期間を言うのではなく心の様相を言うのだ」
皆様も1度はお聞きになったことがあろうかと思います。詩人サミュエル・ウルマンが70歳の時に作った詩です。「青春」はこの一節から始まり「80歳であろうと人は青春にして已む」で終わります。私は時としてネガティブな気持ちになった時、この詩を読み返します。そして勇気をもらいます。また、やろうという気持ちが湧いてまいります。ご覧のように私の髪の毛は大分寂しくなりましたが、私が思うに、頭髪年齢と精神年齢は違うのではないかと思っておりまして、私は今、青春を毎日謳歌しております。毎夜、明日やることを考えながら、思いを巡らせて床に就く。私にとって、毎日幸せな日々です。
それでは、社会参加のきっかけについてお話します。会社員時代、60歳が定年だったのですが、その10年前、50歳になった時、初めて定年を意識しまして、リタイヤした後の人生について考えるようになりました。どう過ごすのか、どうすれば充実した人生の後半戦を過ごせるのか、そんなことを考えました。
そして、達した結論は「より多くの笑顔の人に出会い、笑顔の人から幸せをもらう人生後半戦を過ごすこと」です。人からもらうので、ちゃっかりした考え方ですが、この考え方に基づいて、いろんなことをやってまいりました。
退職後の12年間で行った主なことです。まずは、社会福祉協議会のボランティアセンターに登録しました。いわゆる「ボラセン」と呼ばれるものです。そこの紹介を受けまして、心の病を持つ人の社会復帰のための訓練施設でボランティアさせていただきました。縁がありまして、そこでパートを週3回、7年間勤めました。ここでも、いろいろな笑顔をいただきました。病気を持っている方でも笑顔はたくさん出てまいります。私の役目は、そういう方たち、どうしても、気持ちが暗い方、顔も暗い方、その人たちが1日そこに来て、帰りに「よかったな」と笑顔で帰っていただくことでした。資格もない中でそんなことをしてきました。
時を同じくして、南足柄市の観光ボランティアガイドの養成講座を受講しました。翌年、ガイドの会の立ち上げに参画いたしまして、今年で10年目になります。そして、平成18年に、私の地元の矢倉沢自治会の役員を3年間務めました。ちょうど地域の高齢化、過疎化が強く意識される時期でございまして、「限界集落」という言葉が、自分たちの中で今にも来そうだという危機感がある状況にありました。そんな中で、住民の総意で地域活性化組織を立ち上げました。その組織の中での2本柱の1つは、有害鳥獣対策活動です。これは主にイノシシを指しています。畑を荒らしてくるイノシシですね。そして、もう1つが地域おこし活動です。
それから、時を前後しながら、着地型体験イベントをやっております。そして、挑戦したのが、プレ民泊、それから、大学生や地元の休耕地を借りて野菜を作っている川崎市の若い会社員の方たちとの交流も今でも続けています。
そして、一昨年、箱根ジオパークガイド養成講座がございまして、それを受講しました。昨年ガイドの会を立ち上げて、今年で2年目、まだまだほやほやのガイドの会でございます。ジオガイドというのは、とても楽しいものです。今まで蹴とばしていた石ころも今は愛おしく可愛く思いまして、蹴飛ばさないように道を歩いています。
これは、地域活動の組織図です。矢倉沢自治会の傘下に、活性化推進委員会がございまして、有害鳥獣対策委員会と地域おこし委員会の2つは、自治会の助成金をいただきながら活動しています。
矢倉沢地区はこんなところにありますという紹介になります。南足柄市矢倉沢は市の北西に位置します。県境にそびえる、今、写真の後ろにある尖った山、矢倉岳の麓に位置しています。矢倉岳は最近脚光を浴びつつありまして、箱根ジオパークのジオサイトに指定されました。この山は火山ではなく、マグマが地下深くゆっくり固まった岩体が、115万年をかけて、これは短いそうですが、隆起でせり上がった山です。岩の山で、固い閃緑岩ですね。そして、中央に道路が見えますが、これは万葉の時代からの官道、足柄古道、江戸時代は矢倉沢往還と呼ばれていまして、東海道の脇往還として使われた道です。今、県道78号線ですけどね。そんなわけで、矢倉沢地区にはさまざまな歴史遺産が残されております。元関所だった跡が2か所残されておりまして、今も人が住んでおります。それから、こんな地形ですので、平坦地は少なく大半は山林であり、中心部の標高は250メートルあります。畑や人家は山から0メートルのところで、イノシシなどの動物と一緒に暮らしている状況であります。
特にその中でいいところは、我が家を含めて地区の60%くらいは、自然の水が水道から出てきます。湧き水です。この山々から湧き出る湧水を使って、消毒なしで水を飲んでおります。毎日美味しい水を飲める幸せを味わっています。
これは有害鳥獣対策の様子です。地域を囲むように金属の金網を張って、イノシシが入ってこないようにしております。9年間かけて、毎年やっていますが、今4,700メートルに達しました。地域のボランティアで、毎年山の中に担いで行って張っております。効果はとてもよく出ておりまして、今まで、作れなかったサツマイモであるとか、田んぼのお米も食べられていましたが、今は普通に作れるようになっています。それでも、入ってくるイノシシはあります。金網の下に穴を掘って入ってきたり、網を張っていない県道を堂々と歩いてきます。そういうイノシシを捕獲すること、二刀流でやっております。このイノシシは箱わなというわなに入ったイノシシです。このイノシシをどうするかと言いますと、私たちは美味しくいただいております。猪鍋が有名ですが、焼肉にするとそれはそれは美味しいです。今流行のジビエ料理ですよね。
地域おこしについてです。右側にあるのは、今年のざる菊まつりのポスターです。遊休農地に「ざる菊」を植えてイベントを始めています。私たち住民は訪れたお客様との会話を楽しんでおります。そしてキャッチコピーは「のどかな風景 美味しい空気」です。期間中、地区内の道路を散歩道にして、お客様に菊園めぐりと合わせて地場産品の買い物を楽しんでもらいます。里山のお散歩マーケットは今年で9回目になります。こんなふうに荒廃農地が蘇りました。パッチワークのように菊を植えています。ざる菊は自然に剪定しなくても丸くなる性質を持った菊です。県西地域ではあちこちで育てられています。海抜350メートルの高台にある菊園です。荒廃化する前はお茶畑でした。お茶をやらなくなった場所を借りて菊を植えております。花より団子のお客様もたくさん、特に女性のお客様もお見えになります。「地域で採れたものを地域の住民が販売する」という大原則の基に販売しています。この時期は、ミカン、柿などがとれますので、果物を売っております。右側はとん汁を販売している風景です。
ジオの話に移ります。私もジオガイドとして活動していますが、これは在留外国人を矢倉沢地区に案内したところです。散策する道すがら、地域住民によるいろんなサプライズがあり、楽しいツアーになりました。私も全く予想していなかったおもてなしがありました。
まず、真ん中の写真は、軽トラの上に、ミカンです。ちょうどミカンの収穫時期だったので、おじさんがですね、「どこから来たの?」と言いながら、「好きなだけ持って行っていいよ。」とミカンを軽トラからどんどん放り投げてくれまして、お客さんには喜んでいただきました。右側は夫婦で畑をやられているところを通りました。興味深そうに見ていると、だんな様がショウガを抜きまして、「これ、食べな」と放り投げてくれました。外国人の方々は、ショウガを近くの小川で洗って、もりもりと食べていました。味噌もつけず美味しそうに食べていました。左側の写真は花き農家です。花を栽培している農家です。ご主人が「終わりだから、好きなだけ持って行っていいよ。」と言われて、皆さん一生懸命切って、たくさん抱えて、バスに乗りました。ジオといいますと、周りにある風景、人、空気もそうですね、すべてがジオだなと、それを私は実感しました。
着地型体験でタケノコ体験をしています。都市部から多くの家族連れが参加しています。これは是非言いたかったことですが、とても楽しい会話が聞こえてきました。小さなお子さんがお母さんに、「ママ、タケノコって竹になるんだね。」と言うと、お母さんは「そうよ、竹の子だからね。」と言いました。それは、不思議そうに見えますけど、スーパーでしか見たことがなかったお子さんには、タケノコが竹になるのだという実感を初めてしたのだと思いました。終わってから、掘ったばかりのタケノコを天ぷらとタケノコご飯で楽しんでいただきます。楽しそうな顔が写っています。満足そうな顔ですね。
これはざる菊の植栽をしているときの休憩時間の風景です。矢倉沢のきれいどころのおばさま方が写っています。おしゃべりをしながら、持ってきた煮物を食べています。これが楽しみなようで、なかなか止めないので、私が「終わりだよ。」と言わないと立ち上がりません。
私は未病に効くサプリメントを作りました。その名は「好奇心」です。毎日飲んでいて、とてもよく効きます。好奇心を持ちますと、いろんなことを調べたくなります。行きたくなります。そんなことが、学習につながるわけですけれども。好奇心のサプリメントの材料が身の回りにたくさんあるのです。ニュース、新聞記事、身の回りの出来事、山、川、石、みなこれは材料になります。これらを調合して作ったサプリメントが好奇心です。好奇心ある限り、人は「忙しい、忙しい」と言いながら何かをしようとすると私は思っております。好奇心はいいサプリメントだと私は思っております。少し時間が延びましたけれども、これで終わりにしたいと思います。私の話が少しでも皆さんの役に立てればと思います。どうもありがとうございました。
知事
お二人のお話、非常に興味深く聞かせていただきました。とてもすばらしいですね。お二人には実は共通点があるのですね。元々ここに住んでいるのではなくて、鈴木さんは町田にずっといらして、結婚を機にこちらへ来られたということです。植田さんは、お話にはなかったですが、元々、静岡に居て、こちらに来られた。外から来ている。これ非常に大事な要素だと思うのです。ずっと地元で育った人は、意外と地元の良さがわからなかったりするのですね。生まれた時からその景色があるから、ここの魅力は何か実はわからない。外から来た人が「すごい」と感じているところが、地元の人にとってみたら、「なんでそれがすごいの」って、「当たり前の景色じゃないの」というようなことって、実は、結構あるのですね。それを見て、やはりそれは「すばらしいな」だけではなくて、いろいろな形で参加して、それをいろいろなところに広げていったという共通点がありまして、それが非常におもしろいなって思いました。
植田さんとは、前に県知事としての現場訪問でお目にかかったことが、実はあったのです。何の現場訪問の時かというと、有害鳥獣対策ですね。シカとかイノシシとかね、クマとかね、大変なのですよね。イノシシなんか食べ放題ですよ。畑とかね、せっかく作ってこれから収穫といった時に、一晩ですべて食べちゃう。それでは農業はやってられない。そんな時に、植田さんの地域は柵をきちんと張って、わなもしっかり仕掛けて、完璧な有害鳥獣対策を行われているというモデルで、お話を聞いたので、当時はその専門家だと思っていたのです。今日、話を聞いてみると、他にいっぱい専門家があるという、すごいですね。今日の植田さんの話っていうのは、「人生100歳時代」というテーマで話していただいても、よかったのかなと思うくらいですね。定年退職されてからですものね。
植田 勇次氏(矢倉沢地域おこし委員会顧問)
そうです。退職してからです。
知事
だから、今までいろいろお話されてきたことは、定年されるまでは、なかったことですもんね。
植田 勇次氏(矢倉沢地域おこし委員会顧問)
なかったですね。
知事
100歳時代では、だいたい60歳が定年でしょ。それから、40年間あるでしょ。その時どうするか、こういう生き方が一つのモデルになるだろうなという話でもあるのですが。お話を聞いていて思ったのが、楽しんでいますよね。観ていて楽しそうだなって。鈴木さんのアウトドアのクッキングの写真が映って、びっくりしましたけれども、結構ごちそうでしたよね。何を作られたのですか。
鈴木 恵美氏(はこねのもり女子大学スタッフ兼講師)
アウトドアクッキングとは言ってもガス台があるので、家で作れるものは外でも作れるという思いなので、何でも作っています。この写真は、「はこねのもり女子大学」の授業で、パエリアを作ったところです。次の写真はバケットを使って、肉は箱根の山麓豚を使って、豚肉をソテーしたものはさんで食べるということをしました。その次の写真は、海外で作ったものですが、箱根とちょうど姉妹都市にあるニュージーランドをキャンプの旅をしたときに作ったもので、サーモンやお肉を焼いて、残っていた野菜でカレーを作ったり、基本的にお酒が好きなので、お酒に合う料理をいつも作っています。
知事
アウトドアというから、バーベキューか何かかと思ったら、本格的な料理でね、すごいですよね。
鈴木 恵美氏(はこねのもり女子大学スタッフ兼講師)
そうですね。使うものは結構一緒ですので、なんでも、鍋とフライパンがあれば、作れないものはないかなという思いで作っています。
知事
単純にこれを見て、自分もここに行って食べたいなと思いますよね。自分もなんか一緒になって作って、わいわい楽しかったら、頭の中にイメージ膨らんできてね。
鈴木 恵美氏(はこねのもり女子大学スタッフ兼講師)
外で食べると、また一段と美味しいです。景色を見ながら。
知事
これなんか、話を聴いているだけで、健康になっている気がしますね。未病を改善ってそういうことなのですね。そういった意味でいうと、この県西地域には、生かすべき資源がいっぱいある。改めてお二人の話を聞くと、私自身もそうだなと思った次第であります。さあ、お二人の話を聞いて、これから先、お約束したように皆さんとの対話が始まります。質問でも結構、意見でも結構、こんなことをやっているという発表でも結構、はいどうぞ。
参加者1(男性・里地里山協議会)
黒岩知事が就任された時、「未病」という言葉を聞き、私は「これだ。」と思いました。私は昭和の一桁生まれ。戦後の復興期から、みんな一生懸命やって、今日の繁栄がある。その中で、仕事が多くなってきて、子どもを家において、親が働きにでる。そこから、人々の考え方は変わってきました。そういう中で、久野というところは未病に対して、非常に関心がある。昔の里地里山の風景があって、それは何かというと、田舎の公園でした。それが戦後復興の中で、樹木に価値があって、それを植えたものの、それ以降、神奈川県の材は売れなくなってしまった。そこで、山主さんはどうしたかというと、県の水源涵養林の協定の中に入ってしまった。そのあと、未病のことでどうしたものか。山王川、久野川は全長が9.5キロあります。そのうち、7キロは奥入瀬渓谷と同じような良い流れがあります。ヤマメも泳いでいます。その沿道に道を作ればすばらしいものができると思って、県職員に見てもらい、「これでいこう。」ということになった時に、山主さんは「いいですよ。」と言った。山主さんは、ほとんど材木の価値がないから、何か県が使ってくれるならと協定に参加しようとなった。所管の県政総合センターの所長さんの権限の中で、だめだと。なぜかというと、「枯れ枝が落ちて誰かがケガしたら、誰が補償するのか」と、その一点で、非常に残念でした。そこは川を上って下るだけで、自然の流れがあり、弁当を持って行けば休めて心も癒せる。これが認めてもらえなかったというのが、私は非常に残念でした。知事さんの立場として、できれば現場を見ていただければ幸いです。
知事
ありがとうございます。ここに県西地域県政総合センターの所長がいますから、答えさせましょう。
県西地域県政総合センター所長
私も、初めてその話を聞かせていただいたので、じっくりとお話を聞かせていただきたい。我々もハイキングコースという、「歩いて健康になりたい」とか、「健康寿命を延ばしたい」ということで、市町村と協力して進めていますので、是非詳しいお話を聞かせていただければと思います。
知事
改めてお話を伺い、私も報告を受けるようにします。きっと何かあるのでしょうね。枯れ枝が落ちるからだめなんて、理由はないですからね。わかりました。ちゃんと持ち帰って、宿題にさせていただきます。
参加者2(小田原市・女性)
未病についてご提案があって、参りました。7歳、5歳、2歳の母親で、夫婦ともに実は、茨城の出身で、新幹線が停まる都市を選び、小田原に住んでいます。私は、新幹線通勤するママの60人くらいの団体(小田原通勤ネットワーク)の代表をしています。新横浜から引っ越してきまして、外資系の会社に勤務しています。NPO子育ての輪Leiの方々と移動型児童館をやっております。地域の自治会館を結構お安く借りられるのですね、1,000円から1,800円で借りて、多世代の交流型スペースというのをやっております。老若男女に来ていただきまして、居場所づくりになっています。皆さん生き生きと活動してくださる中で、2点だけ思っていることがあります。
私、外資系の会社ということもありまして、かなりダイバーシティが進んでいるのもあるかもしれないですけど、女性の力が県西で発揮できたらいいと思っています。都市部から離れているために、女性がこうあるべきという思想が結構強いと感じる時があります。優れた女性の力が埋もれてしまうと、もったいない。例えば、はこじょさんとか、有名な団体もたくさんありますけれども、もっともっとたくさん出てらっしゃるのじゃないかなと思っています。また、実は移動型児童館には、ディスアビリティ(障がい者)の方がたくさん来ていらっしゃいます。この方々、ハンディキャップを抱えていらっしゃるのですけれども、ディスアビリティの方でも「ボランティアをしたい」という心を持っていらっしゃいます。その方たちが生き生きと参加できる居場所があると、もっと未病というか、ディスアビリティの方々は、引きこもってしまう方が多いということで、未病対策につながっていくのではないかと思います。知事さんにどうしてもお伝えしたいメッセージがありまして、私が思っているのは、ダイバーシティを普及していけば、それこそ、未病対策につながっていくのではないかなということです。県西地域は、私が勤務している品川や新横浜と比べると、ダイバーシティが少し緩めなのかなと思っておりまして、普及をお願いしたら、より未病対策につながるのではないかなと思っております。よろしくお願いいたします。
知事
英語がいっぱい出てきましたね、ダイバーシティ、多様性ですかね。確かにそうですかね、県西地域あまり感じないですか。横浜や川崎の方がそういうところありますかね。意識の問題ということですか。
参加者2(小田原市・女性)
普段、ハンディキャップを持つ方、子どもや女性に冷たいという雰囲気は受けないが、制度や何かが少し不足しているのかなという印象を受けます。例えば、この前、県議会を傍聴しに行ったのですが、県議会を傍聴するにあたって、託児をしよう、この辺りで託児を受けようとしたら、ちょっとなくて、県議会まで連れて行って、託児をお願いしたのですね。もう少し活躍できる土台のようなものが、その土台を作ってくださいという時に、やっぱり女性はこうあるべきということを言われることは多いかなと思います。
知事
鈴木さん、どうです。そういうふうに感じましたか。
鈴木 恵美氏(はこねのもり女子大学スタッフ兼講師)
私は子どもがいないので、子育てのこととかはあまりわからないです。
知事
女性がもっと活躍できる感じではないよって感じる方、いらっしゃいますか。
神奈川県としても、全域で「女性の活躍応援団」というものを作ってですね、大企業の社長さんに並んでいただいて、20人くらいでやっていて、自分たちの会社で大きな目標を作っていただいて、女性がどれくらい活躍するのだと目標を作ってやっていただいています。神奈川県全域で。これ、大きな話題になったのですよ。ポスター作った時、カルロス・ゴーンを入れて、大企業の社長が並んで、「これから女性の活躍だ」と言ったらネット上で大騒ぎになったのです。なぜ、大騒ぎになったのか。なぜ、女性の活躍と言いながら、おじさんばかり集まっているのかとね。
これは、実は、狙いがあったのですよ。女性の活躍を女性が応援するのは当たり前じゃないか、そうではなくて、男性の意識が変わらないといけない。トップの意識が変わらないといけない。だから、敢えて男性のトップを集めての「女性の活躍応援団」なのですね。ネット上で炎上したものですから、この問題を皆さんにも知っていただくことになりましたけれども。この問題は県全体として取り組んでいるところで、今の問題もしっかり受け止めて、対応していきたいと思っています。ありがとうございました。
参加者3(開成町・男性)
開成町で瀬戸屋敷の運営管理をしています。今年度、県西の未病の大学連携プロジェクトに東京農業大学の醸造科学科の教授とともに、「社会参加と食に関する未病改善」をテーマに、発酵に関する座学とワークショップを行う「はっこう大作戦」を瀬戸屋敷でやっております。参加定員50名で募集したところ、地域の20から80代の女性、男性もなのですが、応募いただきまして、あっという間に埋まったというところです。東京農大の学生さんや、開成町にある吉田島高校の高校生にもサポーターとして参加してもらって、発酵について正しい知識を学んで、実際に麹を作ったり、その麹を使って甘酒やミソを作ったり、趣向を重ねていって、瀬戸屋敷では3月にひなまつりをやるのですが、そのひなまつりで作ったものをおひろめすることを目標にやっております。全5回で構成されているのですが、1回目が終わってアンケート調査したところ、5段階で全員が5の満足の評価をいただいたということで、非常に好評いただいていております。先生も小田原在住ということもありまして、神奈川県には13の酒蔵がありますので、これをご縁に来年度以降も継続した取組みができればと思っています。取組みの紹介でも良いということでしたので、紹介させていただきました。
知事
ありがとうございます。瀬戸屋敷は、そんなことをやっているのですか。古民家再生ということで、前に見に行きましたけれども、ただ単に古民家再生だけではなくて、中でいろいろなことをやってらっしゃるのですよね。
参加者3(開成町・男性)
4月から指定管理者制度になりまして、その指定管理者としてやらしていただいているのですが、いろんな企画をやっていて、さらに魅力のある施設にしていこうと頑張っています。
知事
隣に東京農業大学の先生いらっしゃるのなら、先生も一言どうぞ。なぜ、「はっこう大作戦」に取り組むことになったのか。
参加者4(東京農業大学教授)
今日は、良い機会をいただきまして、ありがとうございます。現在、東京農業大学で醸造学をやっております。私は長く小田原市に住んでおりまして、結婚を機に一度町田に住みまして、5年間いたのですが、自分のふるさとの地がいいなと思いまして、ちょうどバブルが終わる頃、小田原に帰ってきました。
この地域は、みんな楽しむのですが、富士山に恵まれ、海に恵まれ、山に恵まれ、里山というような、独特の田園風景にも恵まれ、非常に良いところだと思うのですね。当然、住んでいると、それが当たり前になってしまいボケてしまうのですが、全国をいろいろ歩いて回って、また、海外も歩いて回ってみると、ここってやっぱりいいなと感じたのですね。
今回のテーマの未病でありますけれども、私も何か所かやってきました。一番有名だったのが、福島県の鮫川村、これは内閣府の事業であって、相当うまくいった例だと思うのですが、未病を含めて地域活性化ができたところです。そうしたら、県西もやれないことはないなと思って、そういうふうなことを含めて、特にここ県西地域には今、瀬戸屋敷を含めて5社酒蔵が存在すると思います。いろいろな地域で発酵というかたちで動いていますけれども、それを生かして食と文化と環境と景観保全と、それから、発酵が持つ魅力というのは、健康に未病に役立つのではないかということでトライさせてもらいました。非常に面白い展開がこれからできていって、活動の輪を東へ向かって広げたいというのが、今あります。最終的には、最低限で相模川くらいまでは行きたいです。その先に行くと、発酵については、少し厳しくなると思うので。茅ヶ崎くらいまでなら発酵の蔵がありますので、そこまで遡っていきたい。そして、鉄道網を使えば、面白い観光もできて、特に2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会には海外の人もたくさん来ますけれども、そういう人たちにも多くの要素を展開できて、さらに地域の活性化が進み、それが独り歩きすれば、自然に未病や健康につながるのではないかというのが願いです。
知事
県西から東へ広がってくるという発想はうれしいですよね。未病改善のための「食・運動・社会参加」。食は奥が深いですね。今の話を聞いても、発酵というのは、すごく多くの要素を占めている。ただ単に未病の改善ではなくて、地域の活性化とつながっている。そして、地域が活性化すると同時に、そこに参画した人が健康になっていく。みんなが良いように向いていくという流れです。是非、すばらしい成果を期待しております。
参加者5(小田原市・男性)
今日の黒岩知事との“対話の広場”を知ったのは、目の前にいる植田さんと25年来の付き合いで、先ほどの話には全然出てなかったのですが、知り合ったきっかけは、植田さんはテニスをやっていまして、そこで知り合いまして、今も怒田の運動公園で週に1回一緒にやっています。運動をすることは未病を改善するためにすごく大切ではないかと思います。テニスは、年齢が高くても、できるようなスポーツではないかなと思っています。
それともう一つ、私は会社を定年退職したのですが、再雇用ということで仕事をしています。定年後の過ごし方としては、先ほど植田さんのお話にあったように地域に貢献したりですとか、あるいは、趣味の旅行に行ったりですとか、いろいろありますけれども、日本人の労働観としては、一生仕事する。仕事というのは、自分の仕事の対価としてお客さんに喜んでいただく、「スマイル」ですか、そういうものが労働観にはあると思います。確かに高齢化でお年寄りの方の居場所がなくなる中で活躍していくには、仕事も一つではないと思います。ありがとうございました。
知事
未病改善のための3つの要素「食・運動・社会参加」の運動のことをお話されました。これは、非常に大事です。県では「3033運動」に取り組んでいます。ご存知ですか。1日30分、体を動かしてください、1日、30分体を動かす運動を週に3回やってください、それを3か月続けてくださいといったことを相当前から、私が知事になる前からやっているのです。「3033運動」実践できている人、あまりいないですね。是非、運動を実践していただきたいと思います。
それと、さらっと冒頭で言っただけだったので、何のことかなと思った方もいらっしゃったかもしれませんが、「社会参加」。未病改善に社会参加が入っています。どういうことなのか、植田さんが見事に言っていただきました。植田さんはタイトルから「未病改善には社会参加だ」といろんな形で参加されていましたけれども、社会参加がなぜここに入っているのか、背景をご説明しましょう。これを書いてくれたのは、厚生労働省の前事務次官で、辻哲夫さんという人です。この人、今は東大特任教授です。千葉県の柏市で、高齢者の研究をずっとされていて、高齢者っていうのはガクッとくるときがある。元気でいても、ガクッと悪くなり、ダダダッと進むことがある、ということなのですね。ずっと研究していて、どこで悪くなるのかというと、社会参加という要素、一番最初に気づいたのは、運動していないと、足腰が弱くなってきて、外に出るのがおっくうになってくること。そうすると自分の家でこもってしまう。人と触れ合わなくなる。そうすると、ガクッと悪くなっていくと。だから、外に出て行くことが大事だと。ただ単に外に出て、散歩をするだけではなくて、社会に参加している、そういう感覚が大事だと言うのですね。社会に参加している、ただ参加しているだけでなく、今の方がおっしゃたように、喜んでもらえるという感覚がすごく大事です。誰かの役に立っているという感覚があると、高齢者がガクッと悪くなるのを防げるのですね。だから、「社会参加」というのが入っています。今のご指摘は非常に正しいです。ありがとうございました。
参加者6(南足柄市・男性)
南足柄市には元気な先輩が多くて、私世代も引っ張られております。今回、配布していただいた封筒の中に「あしがら山車まつり」のチラシがありまして、これを開催することになりました。県からも補助金をいただきまして、ありがとうございます。10月22日に開催するのですけれども、南足柄市には山車が27基ありまして、地元の方も総基数を知らなかった方が非常に多い。今、黒岩知事もおっしゃったように、私も実は横浜に住んでいまして、外から見た目で、自治会、保存会の皆さんが大切に保存しておりまして、地区では27基が年に何回か出ているのです。これをただ並べただけだということになりますが、並べることが非常に大変です。今回、14基、南足柄は13基、隣の町の大井町から応援していただきまして、1基出していただくというお祭りを開催することができそうです。サブタイトルでは、「魅せます!南足柄」。これだけ南足柄にあった山車を並べているのを是非皆さんに見ていただきたい。また、「帰ってこいよ!南足柄」というのは、南足柄から多く県外に輩出しているので、この時ばかりは、帰ってきていただきたい。そういうお祭りを今、敢行するところです。
南足柄は道の町でありまして、旧東海道、矢倉沢往還、246号線のことを言うのですが、そういった道の町でございます。そういう形がありまして、神社があります。是非、皆さんに来ていただきたい。また、これを第1回目として、最終的には27基全部出すことを、目指していきたいなと思っています。よろしくお願いいたします。
知事
ありがとうございます。これ第1回目なのですか。
参加者6(南足柄市・男性)
はい。
知事
初めてやるのですか。
参加者6(南足柄市・男性)
はい、そうです。
知事
すごいですね。これを見るだけで、すごいなって感じがしますよね。新しいスタート、すごいですよね。こういう「祭」というのは、非常に大事な要素というか、社会参加の一番良いきっかけになります。みんなで一つのことをやるというのは良いですよね。
今、一番問題になっているのは、大都会ではコミュニティが崩壊している。隣に誰が住んでいるか知らないという状況、これは、一番コミュニティが弱い。コミュニティが弱いと、いろいろな部分が悪くなっていきます。災害時も皆で助け合うことがないと本当に弱くなってくる。
私は神戸出身ですが、阪神・淡路大震災で大きな問題になったのは、アパートが崩れたときに、隣に誰が住んでいるか知らない。隣に誰が住んでいるか知らないと、アパートが崩れたときに、知らなかったら、「あのおばあちゃんはどうした。」とか「おじいちゃんどうした。」という話が出てこない。待っていても分からない。そんなこともありましたね。コミュニティの再生をして、コミュニティで触れ合って、そこで社会参加で、元気になることは非常に大事なことだと思います。是非この祭を大きくしていってほしいですね。ありがとうございました。
参加者7(平塚市・男性)
私は、趣味の話をして終わってしまうかもしれないのですが、高校の頃から吹奏楽をやっておりまして、打楽器をやっております。音楽とか、文化とかそういった話が大好きで、今もチラシの中で、植田さんの話にもあった「里山さんぽ」があった時に、ざる菊とか里山とか言われてもなかなかピンと来ないのですが、右側を見ると、「中学校吹奏楽部の演奏」があって、ちょっと行ってみようかなと、若い子目当てではないですけれど、行ってみたいなとそそられました。平塚に住んでいて演奏会の情報ってあるかなというと、横浜のKAATとか、横須賀芸術劇場とかいろいろ聞くのですが、西側ではあまり聞かないのですね。あまり音楽活動をメインでやっていますというのを聞かなくて、それはひょっとすると県西の自然とは相反するところもあるかとはと思うのですが、個人的には文化の発展というところからできたらいいなと思っています。
私、実は平塚で演奏活動をしていて、平塚のホールが耐震工事で使えなくて、今伊勢原でやっています。そんな中で、今まで演奏会に来てくれていた80代のおばあちゃんが、演奏がすごく楽しみで、これのためだけに外出をするのだと。ただ、伊勢原になってしまって、足が悪くて行けないのが、残念ですと。そういったものがあるだけでも、外に出るきっかけにもなるし、逆に若者が頑張っている姿というのは、すごく元気がもらえるという話もよく聞きます。私の地区で80歳のおばあちゃんがいるのですが、その方が私と話すと、「若い男の子と話せるとうれしいの。」と言って、30分くらいマシンガントークをされて、そういうところから交流が生まれて、たった一言でもいいと思うのですが、「こんにちは」とか「ありがとう」とか、そういうところから生まれるスマイルが、私自身も文化活動をしているので、頑張っていければいいなと思っております。
知事
これ、とっても大事なことですよね。神奈川県では「マグカル」。「マグカル」って聞いたことありますか。「マグネット・カルチャー」といって、文化や芸術の力によって、人もお金も引きつけようということで、こういう政策を実行しようとしています。神奈川県全域、それぞれの地域で「マグカル」が欲しいなと思っているのですね。おっしゃるとおりですよ。文化や芸術の力には人を引きつける力がありますよね。「あそこであれをやっているから、見に行こう。」っていうのはありますよね。県西部、それがちょっと弱いですかね、どうですかね。会場がないですか。こういう話をするとよくあるのが、会場作りましょう、いわゆる「箱モノ」を作るのですよね。全国回りましたけれども、畑の真ん中に大きな、どこにあるのだというような大ホールがあったりします。箱モノはあるけれど、中身が何もない。やるものがない。だから作らないと言っているわけではないですよ。
まずは、ソフト優先です。もし、これはというのがないのであれば、何か作っていただければと。ベリーダンスとか良いのではないですか。「はこじょベリーダンス」ってね。それを見たくてわざわざ来るという、そんな感じを作っていくというのはすごく大事なことだと考えています。
それとね、「リ・古典」っていうのをやっていて、何かというと、それぞれの地域に元々ある伝統的な芸能とか、いろいろあるのですよね。そういったものを現在の感覚でよみがえらせるっていうのを「リ・古典」って言います。だから、人形劇で昔の浄瑠璃みたいなものを、今、高校生たちが新しい感覚でやっている。そういうものをやりながら、土地ならではのもの、そこに行かなければ見られないものを、それぞれの地域の新しい感性でよみがえらせて、わざわざ人が行きたくなるような流れを是非作っていきたい。確かに、指摘されたとおり、県西地域はそこのところ、大きな課題かもしれないですね。ありがとうございました。
参加者8(男性・小田原高校生徒)
小田原高校は県西地区で小田原の伝統をもっと広めていこうと活動していまして、その一つで、今は、おでんの新しい具を作って、みんなに注目をしてもらおうと思って、去年からおでんの具を開発しています。
知事
例えばどんな具ですか。
参加者9(女性・小田原高校生徒)
小田原市の特産物のかまぼこ、みかん、カマスとか、そういう食材を使っておでんの具材を作っています。例えば、かまぼこをすりつぶして、それを巾着にして、小田原の特産のかまぼこを生かしたおでんの具材を作るという取組みを、今年は夏に合宿を行って、そこでグループに分かれて、3つ具材を作って、みんなで試食して、今後、文化祭などでおでんを売っているので、小田原高校で作った独自の食材として売り出していけたらいいなと思っています。
知事
いいですね、小田高おでん。楽しみですね。それ、どこかで食べられるの。
参加者9(女性・小田原高校生徒)
お店で売るという形ではなくて、文化祭で小田原のおでん協会の具材を今まで売っていたのですが、それと加えて、昨年も作らせていただいたのですが、文化祭で販売して、食べていただくという形です。
知事
是非、皆さん楽しみにしていきましょう。
今の話の中で、土地のものを使ってというのは、健康にとって大事なことです。「身土不二」(しんどふじ)という言葉がある。これは、自分の生活しているそば、一番近いところのものを食べるのが、健康に良いという中国の考え方です。だから、近くにあるものをどうやって食べるのか、おでんにするという発想は非常に良いと思います。小田高おでんが食べたいがために、人がどんどん集まってくる。そんな流れに、志は大きくしてもらいたいと思います。
では、この中に実は、私の知っている方も何人かいらっしゃるのですが、未病にこういう形の取組み方があるのかと。「おんりーゆー」の方に来ていただいているので、ちょっと話をしてください。せっかくですからね。未病改善っていうことを、観光に結びつけようとしているのですね。例えば、温泉をどうすれば観光の形に変わっていくのかという一つのモデルになっていますから、ご紹介いただきたい。
参加者10(男性・南足柄市温泉施設おんりーゆー)
元より未病のための「おんりーゆー」の開設ではなかったのです。まず、そのきっかけは、私が小さな頃から、農閑期には、富水や足柄の地域の人は山を越えて、仙石へ湯治に行っていました。長い間、温泉願望が強かったのですね。ところが、箱根外輪山、内輪山には温泉が出るけど、外輪山には温泉が出ないという神話がありました。いくつかトライした人たちが、失敗した。実は、それは、温泉が出ないわけではないのです。深すぎて、当時の技術では揚げられなかったということが、温泉地学研究所で調べたらわかりまして、結果的には温泉願望をかなえようとして、1,500メートル掘って成功したわけでございます。
山の中の唯一の温泉をどう多くの方々に親しんでいただけるか、ご利用いただけるか、「湯」「食」「動」ということで、「湯」というのは、風呂です。特徴は38度、黒岩知事は42度が好きですが、38度で長くゆっくり末端神経まで全部行き渡って、老廃物がどんどん出て行く。「動」というのは「運動」です。ノルディックウォークであるとか、ヨガであるとか、そういったこと。「食」というのは、当然「食事」です。野菜中心ですね。そして、神奈川県の協力をいただきまして、それぞれの身体の状態によって「証」を判定し、「あなたには、こういう食事がよい」という表示をそれぞれレストランにしております。そういうことから、結果的に未病につながっていったというものであります。現在、5つの(未病いやしの里の)駅、先ほど地図を見たら、おんりーゆーだけだったと思うのですけれども、5つの駅に登録しております。
私ども、そこを目的とはしていなかったのですが、非常にそういうものにマッチして、先端を行っていたかもしれないので、より多くの方々に訪れていただいて、本当にその良さと、喜びというものを与えることによって、さらに精神的な対応、楽しみというものも大切だと思いますので、これからも頑張っていきたいなと思っております。ありがとうございました。
知事
ありがとうございます。今の話で「証」ということが出てきました。「証」を説明しますと、中国の漢方の考え方です。証明の「証」と書きます。人間には一人ひとりタイプがあるでしょうということです。例えば、太っていて暑がりの人もいるし、細くてガリガリで寒がりの人もいるし、ものすごくパワフルな人もいるし、虚弱な人もいるし、いろんなタイプが分かれている。それを漢方は、「証」に分けるのですね。これは、西洋医学にない発想です。西洋医学では一人ひとりのタイプは無視ですよね。どんな病気かというのを診て、それに対する薬はこれだと、一人ひとりの違いにはあまり目を向けないというのが、西洋医学。漢方は、一人ひとり違うタイプだといって、一人ひとりに合わせて、全部違うものを処方するのですね。これは漢方的な処方です。
実は、これは県が作ったのですが、未病チェックシートというのがあります。これは、誰でも見られますから、県のホームページで「未病チェックシート」を調べてみてください。いろいろな質問があります。それにYESかNOで答えると、あなたはこんな「証」ですと出てきます。例えば、「水毒証」って出てくる。「水毒証」の人はどういうことかというと、体の水の量が過剰・偏在していて、むくみやすいとかそういうタイプの人を「水毒証」というのです。「水毒証」にとって良い食材は何かなどと未病チェックシートに出てくるのです。「水毒証」にとって良い食材はこれとこれとわかると、「おんりーゆー」のレストランはビュッフェ方式になっていて、「証」の札が立っているのです。あなたにとっては大豆が良いです、ここの食材に大豆はありますよ、「水毒証」の人はこれが良いですと札が立っています。自分の「証」に合わせて、食材を選んで食べる。それとともに、食材を選べるだけではなくて、お風呂の入り方も、あなたはもっとじっくり入ったほうが良いとか、長湯してはいけませんとか、「証」によって違います。アクティビティ、こういうことをやったほうが良いと分かれています。そういうものを楽しみながら、未病を感じながら、お風呂に入るというので、未病改善の温泉という一つの形だなと思っています。
一昨年の「ME-BYOサミット」の第1回目で、そこにWHOの専門家が来て、今年も来てくれますけれども、「おんりーゆー」に行って、その女性はレポートをしました。レポートといっても、NHKワールドが取材に入って、特番を作ったのです。「古代の知恵が現代の課題を乗り越える」というのがテーマで、未病ですよ。超高齢社会という今の課題を乗り越えさせてくれるのは、中国古代の考え方を持ってきて、現代風にアレンジして、乗り越えようとしている神奈川の取組みということで、「ME-BYOサミット」が開かれました。神奈川県ではどんなことをされているのかなと、WHOが「おんりーゆー」に行って、レポートをしていたということもあったというわけであります。いろいろな形で未病改善と観光を広げていこうと思っているのですが、「おんりーゆー」のことだけを言うとちょっと悪いので、富士屋ホテルの方にも一言、お願いしたいと思います。
参加者11(男性・富士屋ホテル)
箱根は年間2,000万人、宿泊が約460万人訪れますが、最近、商売をしながら、観光のスタイルが変わってきたなと思っています。まさしく未病を目的とした外国人観光客がたいへん増えている。特に仙石原というのは、一番上にある高原地帯なのですが、とにかく観光客が歩きたいのですね。物見遊山の観光ではなく、自分が実体験をした、ふれあいを大切にしたいという観光が増えております。是非、県や町が造る道も、アスファルトだけではなく、間伐材を使ったチップを敷き詰めるなど、人に優しい観光地作りが必要だと思っております。
知事
ありがとうございました。「ME-BYOサミット」は今度の金曜日と土曜日にあります。今回の大きなテーマは、未病の白と赤のグラデーションを指標化しよう、ということであります。どこにいるのか、指標化するための新しい技術がたくさん出てきています。いろいろなセンサーが、未病状態を見せてくれます。指標化がきちんとできると、いろいろな形で展開ができる。
今、お話伺って、外国の皆さんが、未病改善に魅力があって、歩きたいって言うそうです。ウォーキング、ウォーキングセラピーが実際にどういう効果があるか、なかなかわからない、気持ちが良いなだけしかわからないですね。でも、今、いろいろなセンサーを使うと、ウォーキングする前に測ったデータとウォーキングした後、温泉入ってリラックスした後のデータを見ると、数値が改善する。そういうものが科学的に見えるようになってきている。これが、未病の見える化ということです。
それが、どんどん進んでいくと、例えば認知症、先ほど冒頭に言いましたが、これも大きな課題です。認知症はまさに未病の白と赤のグラデーションと同じで、症状が出てくるまで10年以上かかるのですね。今、ここに来ていますよと、もし見えたら、認知症になりたい人は誰もいないですから、何とか食い止めようとしますね。早く見えるということがすごく大事です。今はとにかく認知症対策をどうするかということで、国立長寿医療研究センターが開発して、非常に効果があると言われているのが、コグニサイズ。コグニサイズを知っていますか。動きながら、運動しながら脳を使う。歩きながら、100から7ずつ引いていくとか、二人で歩きながら、しりとりをしていく。あるいは、歩きながら歌を歌う。ただ、これだけのことです。それをやっていくことによって、認知症の進行を抑えられる。ただ、それだけのことでできるのです。だから、もっともっと科学していこうと。未病改善に向けて、みんなが一人ひとり頑張って、健康が広がっていく。そして、そこに笑顔が溢れてくる。笑顔が溢れると、また健康になっていく。こういう良い循環を作っていきたいなと思っています。
こういった話をしている中で、時間になってきましたけれども、「未病」という言葉をわかってもらえましたでしょうか。この言葉を実践しながら、お一人お一人がスマイルになるような人生を作っていっていただきたい、と思うと同時に、特にこの神奈川県西部は潜在力が豊富であり、それを生かしながら、地域の活性化につなげていきたいし、観光客を引きつける「未病ツーリズム」、こんなことも展開していきたいと考えているところであります。
お二人も、皆さんも、どうもありがとうございました。
参加者アンケートに記入していただいた皆様からのご意見を掲載しています。
企画調整部企画調整課(小田原合同庁舎)
電話 0465-32-8903
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