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更新日:2025年3月26日
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厚木市の「NPO法人かながわ森林インストラクターの会」を取材した「かにゃさんぽ」の記事です。
かにゃお
今日は、主に県西地域の水源林などの森林で活動している「NPO法人かながわ森林インストラクターの会」に、県庁の会議室でお話を聞くよ!
こんにちは、かにゃおです!
黒川さん・佐藤さん
こんにちは!「かながわ森林インストラクターの会」理事長の黒川と、事務局長の佐藤です。
かにゃお
今日は、お忙しい中、ぼくのいる県庁に来ていただいてありがとにゃ!
佐藤さん
どういたしまして!
ところで、かにゃおは、「森林インストラクター」という言葉を聞いたことありますか?
かにゃお
聞いたことないにゃ。森林の「インストラクター」って森林の指導者?
佐藤さん
そうですね、正確に言うと、「森林インストラクター」は、森林を訪れる一般市民に対して森林の案内や森林での野外活動を行ったり、森林や林業、緑地の知識や技術を伝えたりして、森林の大切さを周知する人たちのことです。
ちなみに、「森林インストラクター」という名称は、林野庁より神奈川県のほうが1年早く使い始めたそうですよ。
かにゃお
神奈川県が国に先駆けて「森林インストラクター」という名称を使っていたとは、びっくりだにゃ!それでは、「かながわ森林インストラクターの会」の活動を始めたきっかけを教えてほしいにゃ。
佐藤さん
神奈川県/かながわ森林づくり公社(現在は解散)では、水源林など大切な県内の森林の整備や保全に県民にも参加してもらおうと、平成元年から「神奈川県森林インストラクター養成講座」を開催し、「森林インストラクター」を養成し始めました。
養成講座は、毎月1回、2年間の履修プログラムで、受講者は、森林に関する知識や技術について座学や実技の講座を履修します。私はその1期生なんですよ。
私が受講した1期の頃は、プログラムは1年間の座学だけで、実技は実際に森林インストラクターとして活動しながら教わったんですけどね(笑)。
かにゃお
なんと、1期生とは!一番古株の森林インストラクターさんだにゃ!黒川さんは?
黒川さん
私は14期生ですよ!
「神奈川県森林インストラクター養成講座」については、現在は「公益財団法人かながわトラストみどり財団」(以下、トラスト財団)にて継続され、2024年11月に18期生が卒業しています。
佐藤さん
養成講座を修了した後、卒業生がそれぞれ県から森林インストラクターの業務を依頼され、活動していたのだけど、県からの業務依頼にインストラクター同士が協力して対応しよう、また、インストラクターの自主的な活動をやろう、ということでね。平成4年に、養成講座の修了生である森林インストラクターたちが「かながわ森林インストラクターの会」を立ち上げ、県からまとめて依頼を受けて活動することになったんです。その後、平成20年にNPO法人化したんですよ。
かにゃお
へぇ~。森林インストラクターさんの団体を作るなんて、みんなやる気があってすごいにゃ!
それでは、森林インストラクターの会の主な活動内容を教えてにゃ。
佐藤さん
主に、①県民参加の森林づくり活動、②森林再生パートナーからの派遣依頼、③成長の森植樹への派遣、④森林探訪などがあります。
トラスト財団が企画・実施している「①県民参加の森林づくり活動」は、水源林などの県有林で、植林や下草刈り、間伐、枝打ちといった林業で行う「施業(せぎょう)」を、一般の県民の皆様にボランティアとして体験していただいているのですが、その際の指導を行っていますよ。
(真鶴町の県行造林にて県民参加の森林づくり活動(間伐))
(※オレンジのヘルメット及びベストを着用している人が森林インストラクター)
黒川さん
まずは、植林して、植林した木が育つよう雑草を刈り、木が大きくなってきたら間引きしたり枝を切ったりします。土がむき出しだと雨で流れてしまうので、草が生えるように地面まで光を入れるんです。
その活動に県民の方にもボランティアとして参加していただき、その際、安全に体験できるよう、森林インストラクターが指導をしています。
佐藤さん
「②森林再生パートナー」というのは、社会貢献のひとつとして企業や団体などに、県が行っている森林整備等の費用として300万円以上寄附していただき、社員や家族に間伐や枝打ちなどの森林づくり活動や自然観察などを体験していただく、という県の制度に参加いただいている企業や団体のことです。
我々森林インストラクターは、森林再生パートナーから派遣依頼があれば、施業の指導、森林の案内、クラフトワークや森林癒し体験など、様々な楽しい森林体験活動を提供していて、それが、「②森林再生パートナーからの派遣依頼の活動」です。「森林再生パートナー」の企業・団体数は、2020年度は28団体でしたが、コロナ禍を経て倍増し、今では57の企業や団体にパートナーとして御協力いただいているんですよ。
(「森林再生パートナー」の企業からの派遣依頼(新入社員研修の一環として、県立21世紀の森にて、下草刈りの指導及び林道等での自然観察))
(※オレンジのヘルメットを着用している人が森林インストラクター)
かにゃお
なるほど、県だけでなく、企業や団体、県民もみんなで協力して、大切な森林を保全しているんだにゃ~。森林インストラクターの皆さんは、その素晴らしい取組に携わっているんだにゃ。
それでは、「③成長の森植樹への派遣」は、どのような活動なの?
佐藤さん
県/トラスト財団では、子どもの誕生・入学・卒業を記念にして、以前は松田町寄(やどりき)の「やどりき水源林」、現在は南足柄市の「県立21世紀の森」での植樹を募集する「成長の森事業」を実施していましてね。
お子様一人につき参加費3,000円で植樹していただき、またお子様の名前を刻んだ銘板を植樹した木の付近に設置し、お子様の成長と苗木の成長を重ね合わせてともに見守りながら森づくりを行っていく、というものです。
森林インストラクターは、「成長の森植樹」に参加されるお子様やその御家族に、植樹場所の案内や植樹の指導などを行います。参加者がたくさん来られるので、案内する森林インストラクターもたくさん人数が必要になるんですよ。
(県立21世紀の森にて「令和5年度成長の森植樹」の様子)
かにゃお
へぇ~。「成長の森事業」、子どもの成長とともに植林した苗木の成長も見守るなんて、とても素敵な事業に関わっていらっしゃるんだにゃ~。
それでは、「④森林探訪」はどのような事業なの?
佐藤さん
「④森林探訪」は、森林を中心とした自然観察会で、森林インストラクターが参加者とともに雑木林や里山などを巡り、参加者に自然に親しみながら森林や自然に対する理解を深めていただくイベントです。
かにゃお
森林インストラクターのガイドでトレッキングやハイキングなんて、森林や自然のことを詳しく教わることができて楽しそうだにゃ。
ところで、森林インストラクターさんは、何人くらいいるの?
黒川さん
現在、約280人の森林インストラクターに会員として登録いただいているのですが、森林インストラクターとして実際に活動しているのは100人程度で、様々な派遣要請に対して何とかやりくりして派遣しています。
「森林再生パートナーへの派遣依頼」などは、企業が平日に行う社員研修への派遣を依頼されることもあり、その場合、参加される方約10人に対し1人の森林インストラクターを派遣しているので、1件の依頼に何人もの森林インストラクターが必要になり、やりくりが大変なんですよ。
かにゃお
それは大変だにゃ・・・。もっと森林インストラクターが増えるといいにゃ。
それでは、活動を通してやりがいを感じたことはどんなこと?
黒川さん
森林を訪問した県民の皆様に喜んでいただいている反応がやりがいになっています。
例えば、水源林を来訪する方の案内や、成長の森事業にて植樹した区画の巡回などを行う「やどりき森の案内人事業」では、3月~11月の土日に森林インストラクターを2名、「やどりき水源林」に案内人として派遣しているのですが、その際に、以前成長の森事業に参加された御家族が、その後植樹した木の様子を見に、水源林を再度訪問していただいた、といったような「リピーター」の方に出会うととても嬉しいです。
佐藤さん
そのほかには、森林のイベントに参加したお子さんが、これをきっかけに森林や林業に興味を持っていただき、その後、大学の森林学科に入学したなんていう話を聞くと嬉しいですね。
かにゃお
水源林のリピーターもいるし、大学の森林学科で学ぶきっかけになった人もいるんだね。それはやりがいになるにゃ~。
佐藤さん
ところで、かにゃおは、神奈川県の森林率って何%か分かるかな?
かにゃお
日本の森林率は約70%だと思うけど・・・。神奈川県は平均よりは低そうだにゃ。
佐藤さん
神奈川県の森林率は、約40%なんですよ。日本の中では下から4番目です。
森林には、主に「土砂災害防止」、「水源涵養機能」、「木材としての機能」、「生物多様性」、「二酸化炭素の固定化」などという大切な機能があります。
神奈川県は、主に県の東部に人が多く住んでいて、西部に山がありますが、県内の貴重な水源林が、雨や雪を土に染み込ませゆっくり浄化しながら川へ水を流す「水源涵養機能」をしっかり果たしてくれているお陰で、県民が使う水の大部分を供給できていることは、とてもすごいことだと思っています。
また、県の「水源環境保全税」の導入も、個人的にはとてもいい着想だなと思っています。
かにゃお
確かにすごいことだにゃ。これからは、森林もお水も、もっと大切にするにゃ。
それでは、法人として、これから新たに挑戦したいことはあるかにゃ?
佐藤さん
当会では、独自事業として、2019年に『森林探訪ガイドブック』を編集し、出版しています。
このガイドブックには、地図、森に生えている木の種類や植物の種類などが掲載されています。
2019年版は、県西部を扱っているガイドブックになっているんですが、『森林探訪ガイドブック』の改訂にあたり、県西部に加え、今回初めて県東部の『森林探訪ガイドブック』も出版することにしました。『森林探訪ガイドブック 神奈川県西部編/東部編』の2冊を出版する予定です。
このガイドブックは、当会のメンバーが実際に森林を歩き写真を撮って調べた内容になっています。是非、かにゃおにも読んで森林を探訪してもらえると嬉しいですね!
(2019年発行『森林探訪ガイドブック』)
かにゃお
県東部編も作成するとは、新たな挑戦だにゃ!
ぼくもこのガイドブックを片手に、県内の森林を探訪したいにゃ!
ガイドブックの出版、楽しみにしてるにゃ!
黒川さん、佐藤さん、今日は、お話を聞かせてくれてありがとうございました!
黒川さん・佐藤さん
こちらこそありがとうございました!
(黒川理事長(左)と佐藤事務局長(右)とぼく。今日はありがとにゃ。)
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<活動や寄附についてのお問合せ先>
NPO法人かながわ森林インストラクターの会
ホームページ:https://www.forest-kanagawa.jp/(別ウィンドウで開きます)
電話:046-297-0301
FAX:046-297-0302
メール:k-inst0981@friend.ocn.ne.jp
このページの所管所属は政策局 政策部NPO協働推進課です。