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更新日:2024年11月20日
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藤沢市の「NPO法人湘南まぜこぜ計画」を取材した「かにゃさんぽ」の記事です。
かにゃお
今日は、藤沢市で、勉強の苦手な子どもや学校を休みがちな子どもの無料学習支援や、空き家を活用して町内会と連携して子どもや子育て中の方、高齢者などの居場所づくりなどの活動をしている「NPO法人湘南まぜこぜ計画」の原田さんに「子ども弁当」のお話をお伺いするよ。原田さん、こんにちは。かにゃおです。
原田さん
こんにちは、かにゃお。よろしくね。
(原田さんとかにゃお)
かにゃお
「子ども弁当」のチラシを見たんだけど、ぼくも食べたいにゃ。
(子ども弁当のチラシ)
原田さん
「子ども弁当」は、予約制なんだよ。それから、夏休み最終日の今日でいったん終了なんだ。
かにゃお
残念だにゃ。「子ども弁当」のことを聞かせてほしいにゃ。どんなふうに始まって、どんな活動をしているの?
原田さん
初めは、2016年に地域の子どもの居場所として「寺子屋ハウス」の運営を始めたんだよ。そうしたら、「寺子屋ハウス」に来る子どもの中には、ひとり親だったり親が共働きで遅くまで働いていたりして、昼食も夕食も「孤食」という子どもがちらほらいたんだよ。そこで、孤食をしている子ども、ひとり親家庭の子どもや、家では十分に食べられずに「寺子屋ハウス」から、なかなか帰らずにお腹をすかせている子どもを知り合いの飲食店に連れて行き、夕食を一緒に食べることを始めたんだよ。それが、親の仕事や病気などの事情で、子どもの食事が用意できないときなどに、子どもが安価で食事をすることができる仕組み、子育て家庭を地域で応援する「未来食堂」の仕組みとして始まったんだ。初めは4つの飲食店さんに、利用を希望する子どもが安く夕食を食べることができる協力飲食店になってもらったよ。協力してくれる飲食店さんを「未来食堂」って呼んでいるんだ。
かにゃお
「未来食堂」いい仕組みだにゃ!みんなでご飯をたべると、おいしさ倍増だにゃ。
原田さん
2020年3月からコロナで学校が一斉休校になり、給食がなくなった。「寺子屋ハウス」でも昼ご飯に困る子どもがいて、「寺子屋ハウス」に来る子ども達と「昼ご飯食堂」として、公園で昼に炊き出しをしてみんなで食べたんだよ。昼食に困る子どもは「寺子屋ハウス」に来る子どもだけの問題ではないことから、給食がなくて困っている子どもたちの支援を藤沢市の教育委員会に働きかけたんだ。その甲斐もあって、希望者には5月の1ケ月間だけは100円の簡易弁当を市が配布してくれて、800食くらいニーズがあったそうだよ。6月に学校は再開したけれど、給食の開始は6月末で、6月1日からは簡易弁当がなくなってしまう。1ケ月近くもある給食再開までの昼食をなんとかしなくては、ということで、6月1日から「子ども弁当」をスタートさせることにしたんだよ。
かにゃお
給食が始まるまでの間を「子ども弁当」がつなぐとは、困っている子どもたちにとってはほんとにありがたいにゃ~!給食がストップするのは、大変なことなんだにゃ。
原田さん
「子ども弁当」は、1食100円で、事前申込みした「未来食堂」の飲食店に取りに来てもらう、という仕組みだよ。市教育委員会の協力で、6月1日に各学校へ「子ども弁当」のチラシを配布してもらったよ。学校によってはチラシを増し刷りして全校生徒に配布したり、学校のホームページに情報を掲載したりして広く周知してくれるところもあり、6月は300食の利用があったんだ。子ども弁当は、給食再開とともにいったん終了したんだけど、利用者アンケートでは、夏休み期間の弁当の要望が多かったので、夏休みに再開したんだ。2020年の夏休みには261食、2021年の夏休みには366食の利用があったんだよ。
協力してくれる飲食店も初めの4店から増えて、2021年末から2022年初めの冬休み期間は、新たに協力の申し出があった辻堂の飲食店で試しに実施することにしたんだよ。
(ある日の子ども弁当)
原田さん
ちなみに、今年の夏休みは、協力してくれる「未来食堂」の飲食店が市内に17店、「子ども弁当」の利用は、まだ集計中だけど、900食くらいになりそうだよ。
共働き家庭やひとり親家庭のなかには、忙しさなどから昼食の用意が難しく、子どもに昼食代を渡して、子どもはコンビニでパンを買って食べることもあるそうだよ。最近では食品の値段も上がって、子どもの多い世帯の家計を直撃して、昼食はずっと素麺だけということもあるそうで、そういう家庭では「子ども弁当」のニーズは根強いね。
かにゃお
今年の「子ども弁当」のお知らせはどうやったの?
原田さん
今年の夏の「子ども弁当」のお知らせは、タウン誌に掲載してもらったよ。新聞も取り上げてくれて、その記事をネットニュースも掲載してくれた。それで2022年の夏休み利用者アンケートではタウン誌やネットニュースなどのメディアで、「子ども弁当」のことを知ったという回答が多かったよ。市の生活保護担当からも案内してもらったよ。これから「未来食堂」として「子ども弁当」の提供に協力してくれている飲食店さんに行くから、かにゃおも一緒においでよ。
==(「未来食堂」に移動)==
かにゃお
ここのお店に「子ども弁当」を取りにくるの?
原田さん
このお店は「子ども弁当」に協力してくれている「未来食堂」のひとつだよ。「子ども弁当」は予約した時間に取りにきてもらうんだ。そうそう、市内の農家さんにも「子ども弁当」に協力してもらっているよ。無農薬野菜を生産している農家さんとつながり、収穫が多くあったときには、無償で分けてもらって、それを「未来食堂」の飲食店に届けて使ってもらっているよ。今日は農家さんから大量に収穫して余ったピーマンをもらったから、お店に届けに来たんだよ。中に入ってみよう。
かにゃお
こんにちは、かにゃおです。いいにおいだにゃ!女将さんのお店が「子ども弁当」に協力しようと思ったきっかけはなんですか?
「未来食堂」の女将さん
こんにちは、かにゃお。きっかけは、毎日、忙しい親から昼食代を渡されてコンビニのパンで済ませている子どもの話を聞いたことが気になっていてね。これは、その子だけの問題ではないのではないか、忙しい親の手助けをしたい、と考えるようになったの。ちょうどそのころ、タウン誌で「湘南まぜこぜ計画」の「子ども弁当」の記事を読んで、原田さんに電話して是非協力したいとお話したのよ。
かにゃお
なるほどー。
「未来食堂」の女将さん
「子ども弁当」は、昼と夕方に渡していて、おかずの栄養バランスに気を配っているのよ。学年を事前に知らせてもらっているから、学年に応じてご飯を大盛りにしたり、できるだけ温かいご飯を食べてほしいから、お弁当は受け取りに来るギリギリの時間に詰めるようにしたりしているのよ。
かにゃお
嬉しい心配りだにゃ。あったかごはんはおいしいにゃ。
(「未来食堂」の女将さんと農家から提供されたピーマンを差し入れる原田さん)
原田さん
夏休みの弁当利用者アンケートでは、共働き、ひとり親、きょうだいの多い家庭の利用が多かったよ。夏休みが終わって、子ども弁当もいったん終了だけれど、利用者の中でも家庭の事情、経済的な事情など特に困っている家庭については、これからも土日の弁当の要望には個別に応じていくよ。
かにゃお
「子ども弁当」で大変なところは、どんなこと?
原田さん
弁当の利用者が多くなって注文の件数が増え、対応が大変になってきたんだ。そこで、今年は、無料学習支援をしている「寺子屋ハウス」に協力してくれている、大学生などの若者が立ち上げた学習支援団体「ふじらぼ」の代表の20代のプログラマーが、「子ども弁当」の予約フォームのシステムを作成してくれて、注文システムがIT化されてだいぶ効率が良くなったね。でも、突然の注文の変更などの対応には人手が必要で、高校生をアルバイトとして雇って、注文の変更を「未来食堂」の飲食店に伝える手伝いをしてもらっているよ、その高校生は、小学生のころうちの「寺子屋ハウス」に来ていた子なんだ。
かにゃお
いろんな人の協力で「子ども弁当」ができているんだにゃあ。
原田さん
利用者さんとは主にSNSでつながっていて、利用者アンケートをとって「未来食堂」と共有しているよ。今度フードバンクから米の提供があるので、SNSで配布の希望をとって、必要な家庭に配布するよ。SNSでつながっていることで、食以外の困りごとも聞くことができるなど、支援につながるアンテナが張れているよ。
かにゃお
SNSでのつながりが力を発揮しているんだにゃ。
原田さん
米といえば、「寺子屋ハウス」でも今年は2反の田んぼを借りて米を作っていて、今年の収穫した米は「未来食堂」の飲食店に配布するつもりだよ。
かにゃお
つながりが広がって輪になっていくね。すごいにゃ~。活動を続けるのに困っていることはある?
原田さん
法人の運営で困っているのは、運営費だね。いろいろな補助金などを活用して運営しているよ。寄附はホームページでお願いしているよ。タウンページに掲載されたときは、記事を見た方から寄附をいただいたよ。それから、湘南台のイベントのチャリティでも寄附をいただいた。「未来食堂」の中には、レジ脇に募金箱を置いて、おつりを寄附してもらっているお店もあるよ。
かにゃお
いろんな人に寄附してもらえて、ありがたいにゃ。
原田さん
それから、「子ども弁当」の利用者が増えているので、さらに効率の良いシステムが必要だね。ただ、利用者とお店をつなぐには、アナログの対応も必要で、作業を担ってくれる若手を育てる必要を感じているよ。市のコミュニティソーシャルワーカーに利用者さんをつないでもらったこともあるよ。
かにゃお
これからの活動のことを聞かせてにゃ。
原田さん
「未来食堂」や「子ども弁当」の仕組みが、いろいろな地域に広がればいいなと考えているよ。子ども食堂は一般的に月に1、2回開催の所が多いけれど、困っている子どもは、毎日、食事の問題を抱えている。夏休みは毎日だし、親が土日に仕事だと、土日のこともある。子どものおうちの近くの飲食店に協力いただき、子どもが食事できる仕組みがいろいろな地域に広がるといいと考えているよ。
かにゃお
子育て家庭を地域で応援するすてきな仕組みだにゃ。みんなができることをちょっとずつ集めると、子どもに優しい、あたたかな地域になるにゃ。いろいろなところにこの仕組みが広がってほしいにゃ。原田さん、お話を聞かせてくれて、ありがとう。
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<活動内容や寄附についてのお問合せ先>
NPO法人湘南まぜこぜ計画
お問合せ 090-5449-1160
メール terakoya@mazekoze.org
公式サイト https://www.mazekoze.org/home
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