県内企業による新型コロナウイルスの民間検査の開始
SmartAmp(スマートアンプ)法による迅速検出法の最新成果を活用
神奈川県では、文部科学省からの資金支援(地域イノベーション・エコシステム形成プログラム)も受け、(地独)神奈川県立産業技術総合研究所等の関係機関と連携しながら「SmartAmp(スマートアンプ)法を利用した新型コロナウイルスの迅速検出法」の活用を進めてきました。
スマートアンプ法の最新の研究成果と県内企業による民間検査の開始についてお知らせします。
スマートアンプ法の最新の研究成果
1 スマートアンプ法による迅速検出法の試薬が、どの変異も見逃さずに陽性として特定できることを遺伝子解析により確認(詳細は別紙1(PDF:163KB)参照)
- イギリスと南アフリカ及びブラジルで確認された変異ウイルスが、更なる感染拡大等を引き起こすことが懸念され、今後は、検査試薬の技術的な信頼性等が一層求められることとなります。そこで、スマートアンプ法による迅速検出法の試薬が、どの変異も見逃さずに陽性として特定できることを遺伝子解析により確認しました。
2 スマートアンプ法による迅速検出法による検査で使用する輸送用懸濁液が、新型コロナウイルスを確実に不活化していることを確認(詳細は別紙2(PDF:341KB)参照)
- 濃厚接触者や有症状者以外で、社会経済活動の中で本人等の希望により全額自己負担での検査、いわゆる自費検査を行う方が増えています。
- 一般的に自費検査の場合、自宅や企業などで唾液を採取し、郵送等により検査機関に送り検査を行っていますが、この輸送時には、新型コロナウイルスが不活化(感染力のない状態)していることが重要となります。
- そこで、スマートアンプ法による迅速検出法による検査で使用する輸送用懸濁液が、新型コロナウイルスを確実に不活化していることを確認しました。
県内企業による民間検査の開始
3 川崎市殿町のライフイノベーションセンターに入居している株式会社リプロセル※が、新横浜の登録衛生検査所にて、スマートアンプ法による迅速検出法を活用した民間検査を開始(詳細は、株式会社リプロセルが発表予定)
※ 株式会社リプロセル
設立:2003年 本社:横浜市港北区新横浜3-8-11
業務内容:iPS細胞関連研究試薬製造・販売、創薬支援、遺伝子解析、臨床検査の受託、再生医療等製品の開発
参考 スマートアンプ法による迅速検出法の経緯
- 神奈川県では、横浜港を持ち、羽田空港に隣接するという地理的な背景から、2016年より外来感染症対策として、ウイルスの迅速検出法(等温核酸増幅法:スマートアンプ法)について、県衛生研究所と理化学研究所の共同研究を支援してきました。
- 2020年2月、横浜港に乗員乗客約3,700名のダイヤモンドプリンセス号が接岸。その後、県衛生研究所と理化学研究所に、スマートアンプ法を利用した新型コロナウイルスの迅速検出法の研究開発を依頼し、3月に開発された試薬が、新型コロナウイルスの検査試薬として保険適用されました。
- 2020年7月、株式会社ダナフォーム等が、新型コロナウイルス感染者からの検体採取後の、前処理・等温増幅・測定等の全工程をパッケージ化した検査機器「Life Case」を開発しています。
- 2021年2月18日現在、国内では、検査機器「Life Case」67台が、当該試薬は148,800テスト分が販売されており、医療機関、福祉施設、スポーツ団体等で使用されています。