更新日:2024年7月30日
ここから本文です。
江の島丸の観測業務の紹介
江の島丸の基本業務として、相模湾や東京湾の41定点で、水温・塩分・流向流速・透明度・クロロフィル量・DO(溶存酸素量)などの様々な項目を毎月定期的に観測しています(観測項目は定点によって異なります)。プランクトンネットで卵稚仔(魚の卵や赤ちゃん)の採集も行います。
これらの観測調査の結果は漁況予報をはじめとして様々な研究の基本データとして欠かせず、国や都県の各研究機関にも共有されます。また、観測データは数十年に渡って蓄積されており、地球温暖化の研究や過去と現在の環境変化を比較検討する際にはきわめて貴重なデータになります。
月一回実施する定線観測点図 CTD(海中に垂下し水深・水温・塩分を自動測定する観測機)を海中に投入
プランクトンネットによる卵稚仔採集状況 採集した卵稚仔は種の同定や採集量の測定を行います。
卵稚仔とは魚の卵や赤ちゃんのことをいいます。
これらの調査結果に基づき、研究員が漁況予測を立て、漁況予報を発行しています。
透明度板(直径30cmの白円板)を海中に降下させ、どこまで見えるか肉眼で計測します。右上画像は、水色基準サンプル。神奈川県沿岸でも透明度が30m近くに達する時があります。
CTDによる海水採集風景 採集した海水は凍結保存し、CODの測定などを行います。
STDによる観測状況 通信長による遠隔操作で海水は採集され、さまざまなデータを収集します。
水産技術センターの研究員は、江の島丸観測結果、漁礁ブイ、人工衛星画像などを用いて、「長期漁海況予報」(中央水研共同)、「関東・東海海況速報」(東京、静岡、千葉など共同)、「東京湾口海況図」、「ブイ情報」、「海況データ」、「海況予報」、「東京湾溶存酸素情報」などを関係機関に提供しています。漁業調査指導船「江の島丸」水温等調査情報
このページの所管所属は 水産技術センターです。