更新日:2024年10月29日
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次の審議会等を下記のとおり開催した。
神奈川県国民健康保険運営協議会
2019年3月22日(金曜日)15時30分から17時
神奈川県総合医療会館会議室
新田 秀樹【会長】、小林 千惠子、山口 芳夫、菊岡 正和、後藤 知良、石田 晴美、堀越 由紀子、吉原 利夫
未定
医療保険課、担当者名 植木
(新田会長)議事1「国保事業費納付金及び標準保険料率の算定結果について」、事務局から説明をお願いします。
(事務局)国保事業費納付金及び標準保険料率の算定結果について、資料1及び資料1別添をもとに説明します。それでは資料1のページをおめくりいただき、1ページ目をご覧ください。まずは、国保事業費納付金の算定について、説明します。平成30年度から、県は市町村とともに国保の保険者となり、財政運営の責任主体としての役割を担っています。保険給付に必要な費用は県が市町村に交付することになりますが、その代わりに、市町村は県に納付金を支払う必要があります。その納付金の算定については、平成30年12月26日に国から納付金の算定に必要な確定係数が示され、それをもとに算定し、平成31年1月8日に各市町村に通知しました。納付金を算定する際には、第1回の本協議会で説明したとおり、各市町村が見込む保険給付費の額(県合計)と納付金等算定システムでの見込額を比較して、高い方の額を保険給付費見込額とすることとしました。各市町村が見込む保険給付費の額とシステムでの見込額を比較した結果、保険給付の主体である市町村が見込む額が高かったため、それをもとに、診療報酬改定率(▲0.0292%)を加味した上で算出しました。納付金については、年齢調整後の医療費水準が高い市町村ほど高くなり、また、所得水準が高いほど高くなります。それでは、資料1別添資料をご覧ください。こちらは市町村別の納付金総額の一覧になります。表の右端の納付金総額の欄に記載されている額を各市町村は県に納付金として支払うことになります。平成31年度の納付金総額は最下段右下の約2,581億円で、前年度に比べて1.73%(約46億円)減少しました。2枚目をご覧ください。こちらは、一人当たり納付金及び伸び率になります。平成30年度と平成31年度を比較していますが、県平均では前年度に比べて4.9%増加しました。これは、高齢化等による一人当たり医療費の増加及び後期高齢者医療制度への移行等による被保険者数の大幅な減少が影響しているものと考えられます。なお、納付金については、年度途中に額が変更になることはなく、7月から9期に分けて徴収することになります。納付金の算定については、以上となります。続いて、標準保険料率の算定について、説明します。資料1の2ページをご覧ください。先ほど説明した納付金の算定結果をもとに標準保険料率を算定し、算定結果については、平成31年1月8日に各市町村に通知し、同月18日に県のホームページで公表しました。標準保険料率については、市町村が保険料率を設定する際の参考指標とされていますが、資料に記載のとおり、市町村が行う財政調整基金からの繰入や一般会計からの決算補填等を目的とした法定外繰入等が考慮されていません。したがって、現行、法定外繰入を多く入れている市町村にとっては、現行の保険料率と比べて、かなり高い標準保険料率が示されることになります。各市町村は現行の保険料水準等も踏まえた上で、実際の保険料率を設定することから、標準保険料率と実際に算定する保険料率は乖離が生じることがあります。
また、標準保険料率を算定する際には、平成31年度の所得や被保険者数を見込んだ上で算定することになりますが、この見込みの数は国が定めた全国一律の推計方法に基づき算出した値であり、各市町村の個別の状況を踏まえて算出される値ではありません。各市町村においては、後期高齢者医療制度へ移行する人数等、細かい状況を把握しており、より精度の高い被保険者数見込みを用いて、保険料率を決定することになりますが、標準保険料率では、今までの増減率等をもとに機械的に推計した被保険者数見込みを用いることになります。したがって、各市町村の個別の状況を踏まえた被保険者数等と機械的に推計した被保険者数見込みでは、数字が異なり、実際の保険料率と標準保険料率には乖離が生じることになります。続いて、標準保険料率には、都道府県標準保険料率、市町村標準保険料率、市町村標準保険料率(各市町村の算定方式によるもの)の3つがあります。都道府県標準保険料率は都道府県間の比較、市町村標準保険料率は市町村間の比較ができ、市町村標準保険料率(各市町村の算定方式によるもの)は各市町村が保険料率を設定する際の参考指標となります。それでは資料1別添資料の3枚目をご覧ください。平成31年度都道府県標準保険料率算定結果表となります。都道府県標準保険料率とは、全国統一の算定基準による当該都道府県の保険料率の標準的な水準を表すものです。都道府県標準保険料率は算定方式が2方式、賦課割合は所得割率50%、均等割額50%で算定しています。全国で、統一の基準に基づき、都道府県標準保険料率を算定するため、都道府県間の比較が可能となります。続けてページをおめくりください。平成31年度市町村標準保険料率の算定結果表となります。市町村標準保険料率とは、都道府県内統一の算定基準による市町村ごとの保険料率の標準的な水準を表すものです。市町村標準保険料率は、算定方式が3方式で、所得割率約56%、均等割額約31%、平等割額約13%で算定しています。県内市町村間で年齢調整後の医療費水準や国や県からの交付金収入額が異なることなどにより、各市町村で異なる市町村標準保険料率となっています。ページをおめくりください。平成31年度市町村標準保険料率(各市町村の算定方式によるもの)の算定結果表となります。市町村標準保険料率(各市町村の算定方式によるもの)とは、各市町村の算定基準による市町村ごとの保険料率の標準的な水準を表すものです。各市町村が採用している算定方式により、それぞれ2方式、3方式、4方式で算定していて、賦課割合についても、各市町村が設定している賦課割合を用いて算定しています。各市町村が保険料率を決定する際に参考にできるのは、この各市町村の算定方式による市町村標準保険料率となりますが、先ほども申し上げましたが、標準保険料率は、法定外繰入金等を考慮していないため、実際の保険料率とは乖離が生じます。各市町村は標準保険料率を参考にしながらも、被保険者の保険料負担なども考慮した上で、実際の保険料を設定します。なお、県内の全市町村の保険料率が決定するのは、平成31年6月の予定となっています。続いて、資料1にお戻りいただき、3ページ目をご覧ください。平成31年度予算の各市町村における保険料率の設定について、ご説明します。今まで説明してきた標準保険料率は理論上の話となりますが、実際に各市町村の保険料率がどのように設定されるのかということが重要となります。本年1月に、県内市町村に対し、平成31年度の保険料率設定にかかる調査を実施し、調査回答の時点で、平成31年度の保険料率設定について、どのように考えているかを確認しました。調査結果は、県内市町村の半数以上が据え置く又は下げる予定との回答でした。上げる予定と回答した市町村は13市町村あります。保険料を上げる予定と回答した市町村は、医療費の自然増の影響や法定外繰入金の削減を予定しているところが多く、それらの影響を大きく受けているものと考えられます。なお、この調査は本年1月時点のものであり、最終的に各市町村の保険料率が出揃うのは、平成31年6月の予定となっています。続いて、ページをおめくりいただき、4ページをご覧ください。平成31年度予算の各市町村における法定外繰入金です。本年3月に県内市町村に対し、法定外繰入金の当初予算額にかかるアンケートを行ったところ、県内33市町村中、19の市町村が前年度より減らす予定と回答しており、法定外繰入金の削減の動きがみられます。法定外繰入金の削減については、国保運営方針にも定められており、計画的・段階的に削減するよう記載しています。県内全体の平成31年度の当初予算額では、平成30年度の当初予算額と比べて8.6%の削減が予定されており、金額としては、県全体で約22億円の削減が予定されています。国民健康保険事業費納付金及び標準保険料率の算定等についての説明は以上となります。
(会長)ありがとうございました。ただいま事務局から資料1「国保事業費納付金及び標準保険料率の算定結果について」説明がありましたが、これに対し、ご質問ご意見いかがでしょうか。
(吉原委員)今、ご説明がありましたが、ゆくゆくは統一保険料を目指していくと思っているのですが、前年度の保険料率との比較がないので見えないのですが、統一する環境が整ってきているのか、それとも遠のいているのか、そのあたりどのような状況でしょうか。
(事務局)統一保険料水準というのは、各市町村の医療費水準の差や法定外繰入金の差がある状況ではなかなか困難ということですが、現段階の見込みの状況では、昨年度と状況は大きく変わっていないと感じています。
(吉原委員)ありがとうございます。
(会長)他にいかがでしょうか。なければ、私から、4ページ法定外繰入金の状況ですが、全体としては減少傾向ですが、前年度より増やす予定の市町村もあるとのことでした。この増やす理由がわかりましたら教えてください。
(事務局)アンケートの実施結果では、医療費の自然増という要因によるところが多い状況です。
(会長)想定よりも医療費が増えた、しかしながら保険料への転嫁を抑えるため繰入が増えたということでしょうか。
(事務局)そう思います。医療費の伸びですが、約5%というところで予算の見込みを立てています。それに対し、被保険者数は約6%の大幅な減少という状況での算定となっています。
(会長)一人当たりは増ですけれど、総額的には減、それは医療費は伸びているけれども被保険者数は大幅に減している。その結果として、ということですね。
(事務局)そうです。
(会長)全体の医療費という点ではいかがでしょうか。
(菊岡委員)全体の医療費というと、概ね3%で推移というところが一般的ですが、5%というと少し高すぎないかと思うのですが。
(事務局)国保の場合は、高齢化が進んでおりますので、後期高齢者よりは一人当たり医療費が低いとはいえ、全体の3%に比べると伸びが大きくなっているということと思います。
(会長)国保の場合は、高齢化が進んでいることから相対的に伸びは高くなるということですね。他にご意見はございませんか。
(石田委員)保険料率を下げるというところが3市町村ありますが、この理由はわかりますか。
(事務局)アンケートの結果では、医療費の伸び、特に町村では前年においては伸びを大きくみたけれども、それと比べると医療費が落ち着いたなど、医療費の見込みという回答を得ています。
(菊岡委員)後期高齢者医療への支援金などはどうでしょうか。後期高齢者への支援金が多くなっていることなどにより、被用者保険も含め保険者はその負担に耐えられなくなってきている。保険料としてどうでしょうか。
(事務局)確かに一人当たりの後期高齢者医療支援金は増の傾向があります。被保険者が減っているので総額としては減という状況ではありますが、負担が増えているということは言えると思います。
(会長)資料では、資料1別添の後期高齢者分の納付金のところですね。
(事務局)これから説明する資料2の添付資料の歳出をご覧ください。後期高齢者支援金を含む国民健康保険支出金が、本年度は7,164億5千万円余ということで前年度が7,303億円余と比較しても139億円ほど減額となっています。後期高齢者支援金もその分減っているという理解でよろしいかと思います。
(会長)資料1については、よろしいでしょうか。
(会長)それでは、議事2「平成31年度県国保特別会計予算について」、事務局から説明をお願いします。
(事務局)国民健康保険特別会計予算について、資料2及び資料2別添をもとに説明します。それでは、資料2をお開きください。平成31年度県国保特別会計予算の概況です。図の真ん中に記載のとおり、県国保特別会計の歳入歳出予算は約7,222億円となりました。最初に歳出としましては、図の下の方向へ市町村を通じて被保険者に対して行う医療給付分を含む保険給付費相当額として交付する保険給付費等交付金として、5,714億円、全体に占める割合については、2ページの円グラフに示すとおり、約80%となっております。次に、図の右側、その他団体等、これは、社会保険診療報酬支払基金に支払う後期高齢者支援金及び介護納付金等の諸支出金が1,451億円となっております。これらは、それぞれ後期高齢者医療制度及び介護保険制度の維持運営のために、市町村が保険料として徴収する後期高齢者支援金分及び介護納付金分を国保事業費納付金として県が集め、社会保険診療報酬支払基金に支払うものです。次に収入ですが、大きな区分は4つあります。一つ目は、上部に示す国からの公費、これは、医療費等の国の定率負担金や都道府県間の財政調整や医療費適正化等の取組に応じて交付される交付金等となりますが、計1,803億円です。全体に占める割合は、2ページのグラフに示すとおり、約25.2%です。次に、左の県一般会計から県の定率負担金となる財政調整繰入金等で475億円、全体に占める割合は6.6%です。3つ目に左、その他団体等からの収入として、社会保険診療報酬支払基金等を通じて交付される前期高齢者交付金等の諸収入が約2,299億円となっており、全体に占める割合は約32%となっています。最後に、市町村から徴収する国保事業費納付金、2,581億円となっており、全体に占める割合は36%となっています。これらに、予備費として普通交付金の1%程度の56億円を加え、7,222億円の歳入歳出予算となっています。資料2別添1及び2は、本年3月15日に議決した予算に関する議案を添付しています。詳細の説明は省略させていただきますが、別添2をご覧ください。1総括に記載のとおり、前年度予算額との比較は、約160億円、約2.2%の減となっています。説明は以上です。
(会長)ただいま、資料2により来年度の予算について説明いただきましたが、これにつきまして、ご意見またはご質問いかがでしょうか。
(事務局)補足となりますが、資料2本体では、昨年度との比較がどうなのか、見えないところがあります。それについては、別添1をご覧いただき、歳入歳出予算が昨年度と比較して約160億円減となっているということ。また、別添2によって歳入歳出の内訳としましては、どの項目が増えて、どの項目が減っているかということが、ご確認いただけます。
(吉原委員)確認ですが、資料1の方で、法定外繰入金額の推移が示されていて30年から31年は約22億円減っているようですが、この主な原資というのは、資料2別添2の内訳にある国庫補助金が24億円増えていますね。これが原資になって法定外繰入金が減額になっているという理解でよろしいのでしょうか。
(事務局)直接結びつくものではないので、必ずしもそうだとは言い切れないところだと思います。必要な納付金をどう賄うかという中で、一人当たり保険料が高くなってしまうのを防ぐために法定外繰入を行うなど、あくまでも、市町村の一般会計予算からの繰入ということですので、県の特別会計予算とは直結しないところです。
(会長)額が近似値だから、そのように考えがちですが、直接の因果関係ではないということですね。よろしいでしょうか。
(吉原委員)わかりました。
(山口委員)基本的なことかもしれませんが、県も一般会計から特別会計に繰入金がありますが、これは市町村と同様に事務費や法定外繰入金を入れているという理解でよいでしょうか。
(事務局)県においては、法で定められたものしか繰入れしていません。
(山口委員)国保を運営するうえで、県は法で定められた額を繰入れしているが、市町村は法定外の繰入れもしないといけないという現状である、という認識には間違いはないでしょうか。
(事務局)そのとおりです。
(山口委員)ということは、国保の財政運営は、いわゆる独立採算制で行うとなると相当厳しい課題を抱えているという認識でよろしいでしょうか。
(事務局)市町村が払う納付金ですが、法定外繰入を入れないとなるとその分を保険料で賄うこととなるわけですので、被保険者に大きな負担を求めなければならなくなるということです。
(会長)法定外繰入を入れないということになると、入れないことを前提に算定している標準保険料率にだんだん近づいていくことになるということですね。現状で法定外繰入金をたくさん入れている市町村では、入れないと大きく保険料が上がってしまうということになるので、中長期的に計画的、段階的に解消していくということなのでしょうね。
(会長)他にいかがでしょうか。
(石田委員)教えてほしいのですが、標準保険料率という理論値が出て地域の状況によって保険料が違うということになると思うのですが、一番高いところと低いところで、どの程度違うのでしょうか。
(事務局)保険料の差ということですが、国保運営方針に27年度の状況の記載がありまして、59ページをご覧ください。一人当たりの保険料ですが、年額で、一番低いところが秦野市で89,176円、高いところが湯河原町で127,372円となります。
(石田委員)となりますと、この市は法定外を入れているから保険料が低いのか、医療費水準が低いからなのか、その点の分析はされていますか。
(事務局)一人当たり法定外繰入金については、国保運営方針54ページにあります。仮に27年度にこの額の法定外繰入金がなかったとしたら、この金額が単純に保険料に加算されることになります。
(石田委員)一番保険料が低いのは座間市ですね。座間市は一人当たり法定外繰入金も多いですね。このように、次の段階になるかもしれませんが、どこが法定外繰入金をたくさん入れて保険料を抑えているのか、それとも、もともと法定外はそれほど高くなく、保険料は低いというのは、次の保険者努力支援制度の項目にもつながっていくかと思うのですが、自助努力で、医療費をものすごく低くすることで高くならないようにしているのか、そういう分析を行っていただきたい。表にしても、いつも横浜市から順番ではなくて、高い順、低い順などランク付けが見えるようにしないと、どこが優秀で、どこが優秀でないかわからないので、しているのであればそれを見せていただきたいし、していないのであればその辺の精緻な分析を進めていただきたいと思います。
(事務局)正直なところ、そこまで精緻なものというものはありませんが、保険者努力支援制度などで医療費適正化の状況や取組によりランク付けされて交付金が支払われているので、そういった市町村ごとのランク付けという意識は深まっていると思います。
(石田委員)県がもっとリーダーシップをとって、ベストプラクティスを示して情報を共有するとか、何も言わなくてもランク付けすることで、ワーストワンだと市町村は頑張らなくてはということになりますよね、見える化といいますか。いつも横浜市から清川村という並びの表だと何も思わないので、そういう工夫も大事だと思います。次の議案の保険者努力支援制度にもつながりますけど、見える化、ベストプラクティスの共有とランク付けなど数字はあるのですから、すぐできることではないでしょうか。
(会長)今、大事なお話がありました。法定外繰入は中長期的に見て解消していかなくてはならない、そのためには医療費の適正化を図っていくといった自助努力が必要と。具体的にどうするかということもそうですが、医療費の年齢構成や法定外繰入などいろいろ原因があるわけなので、まずは分析を行っていただく。それをまた市町村と共有し、また見える化を図っていきながら、県と市町村とは国保の共同運営を行うわけですので、医療費適正化などについても意識を共有していく。まずできることを行っていただきながら、少しずつでも進めていただきたいと思います。貴重な御意見でした。他にいかがでしょうか。
(会長)それでは、議事3「保険者努力支援制度について」、事務局から説明をお願いします。
(事務局)資料3により、保険者努力支援制度について、説明いたします。ページをおめくりください。保険者努力支援制度は、各保険者の医療費適正化に向けた自主的な取組を促進することを目的に創設された制度です。資料に記載のとおり、平成30年度から、市町村及び都道府県を対象に、全国で、都道府県分500億円、市町村分500億円の合計1,000億円の予算を確保し、医療費適正化等の保険者共通の指標と収納率等国保の固有の指標による評価に応じて、交付金が交付されます。3ページをご覧ください。主な評価項目ごとの評価点の配分の推移となっています。市町村の評価指標は、共通指標が(1)から(6)、収納率向上に関する取組以下が国保固有の指標となっております。加点、評価項目の配点の推移が記載されていますが、平成28、29年度は、制度の本格実施前の市町村に対し前倒しで実施されたものです。また、国による保険者の評価と交付金の交付の仕組みですが、例えば、平成31年度に交付される交付金に対する保険者の評価は、平成31年度の指標により、配点としては、資料の平成31年度の欄となりますが、これにより、平成30年度中に実績等に応じて国から評価を受けることとなります。ページをおめくりください。都道府県分の指標は、(1)市町村の主な指標の県平均等に基づく評価、(2)都道府県の医療費水準に関する評価、(3)都道府県の取組状況の評価となっています。次に、本県の交付金獲得に向けた取組の方針です。市町村の取組に対する支援策を充実し、市町村の評価点の底上げを図ります。市町村の取組の底上げにより、県分、市町村分、双方の獲得につなげます。将来的にはアウトプット評価からアウトカム評価重視へとなりますので、それを見据えた取組を進めます。まずアウトプット評価は、31年度の交付金アップを、アウトカム評価については、全国での比較となることから、2年前等の実績に応じて評価がされるため、33年度以降の交付金アップを目指すというものです。なお、平成31年度の交付分は、30年度までの取組や実績で評価を受けています。6ページをお開きください。まず、保険者努力支援制度の平均獲得点数割合(市町村分)全国の状況です。本県は、30年度より得点は5.7ポイントアップしたものの、順位としては、30年度と横ばいの44位となりました。保険者努力支援制度の得点状況の表をご覧ください。順位に変動はないものの、二重線で囲った評価指標については、いずれも得点率がアップしています。これは、アウトプット評価指標であり市町村が交付金獲得を明確に認識し、取組を進めている結果が反映されたと考えています。共通指標の「(1)特定健診」や「(6)後発医薬品の使用割合」、固有指標の「(1)収納率」といったアウトカム指標は、28年度から29年度の実績評価となっており、30年度の実績は、33年度以降反映となりますが、取組の検証ができるものと考えています。続いて、8ページをご覧ください。都道府県分の結果です。本県は、30年度より得点率は14.7ポイントアップ、順位としては35位から11位と大幅なランクアップとなりました。下の表をご覧ください。市町村のアウトプット評価が上がった結果、「2 重症化予防」、「3 個人インセンティブ・情報提供」のポイントがアップしています。都道府県の取組状況としては、ほとんどの項目で満点の評価となっており、市町村と協議、連携し、これらの取組の体制を整えた結果となっています。32年度以降の交付金獲得に向けても、県における取組の充実を図るとともに、引き続き、市町村の取組を支援していきます。説明は以上です。
(会長)ただいま、資料3により保険者努力支援制度について説明いただきましたが、これにつきまして、ご意見またはご質問いかがでしょうか。
(石田委員)先ほどと同じような話で恐縮ですが、こうして47都道府県ランキングが出ていると、良いところはどんなことをしているのかという分析があればよいと思います。すなわち、良い取組みを手っ取り早く真似してみるということができるわけです。都道府県では35位から11位と飛躍的に上がったという誠に良い結果なわけですが、市町村が44位と非常に低い。そうすると1位のところは、30年度は大分県、31年度は佐賀県ですね、どういうことをしているのか。ベストテンのところはどういうことをしているのか。そういう分析をされているのであれば教えてください。まだないのであれば、そういう情報をとってくるのは市町村ではやっぱり難しいわけですので、県が持ってきてそれを市町村に下ろしていくのが望ましい。あるいは、全体で何位を目指そうと県が旗を振っていかないと44位というのはなかなか解消できないと思いますので、その辺のところを分析しているのであれば教えていただきたいですし、そうでないならば頑張っていただきたいと思います。
(事務局)分析については、委員ご指摘のとおりもっとしっかり進めていく必要があると考えています。市町村の順位はあくまでも33市町村の平均ですので、県内でも頑張っているところと、そうでないところがあります。まずは、県内で頑張っているところをお手本として、例えば、糖尿病性腎症の重症化予防の取組で高い得点を獲得している市町村の取組を紹介して、これからのところにはそれをモデルにして取り組んでもらうなど、30年度から徐々に進めているところです。一つの取組として、どの市町村も得点が獲得できるよう重症化予防事業の支援アドバイザーとして、管理栄養士や糖尿病の専門医の先生を派遣するような事業を30年から始めているところですので、そういった成果が表れてくるのはこれからと思っています。今のは一例ですが、このような取組をそれぞれの項目で行っていかなくてはならないと考えています。
(石田委員)ぜひよろしくお願いします。
(会長)あと、県内市町村の中で良いところを他の市町村に広げていく展開を行っていくということですね。国の方でも、良い県の取組を紹介しているのでしょうか。
(事務局)国も行っています。例えば、首都圏では埼玉県は糖尿病重症化予防で取組が進んでいるわけですが、それを横軸展開と言って全国に紹介しています。本県としても、そういうことを参考に、アドバイザーの派遣なども行っています。皆様ご存知かもしれませんが、先日、安倍首相が未来戦略会議で、これからは予防、健康寿命を延ばしていくことで医療費の適正化を図っていくという、それが社会保障制度、医療保険制度を持続可能なものとしていくのだ、とかなり力強く発言されていまして、保険者努力支援制度も今、国保が1,000億円で、後期も含め全体で1,200億円くらいの予算です。それを今年は財源を探して大幅にアップしたいということで、このことは、順位が高いか低いかで交付額が大きく異なっていくということになりますので、我々行政としては、その取組はきちんと進めていかなくてはならないと考えているところです。
(会長)県も市町村もやはり各々の事情がありますから、すぐに順位が上がるということにはならないとは思いますが、まず今できる一番の方策としては、データヘルス計画、データの分析や研究をしていく、ということもあると思いますが、他にいかがでしょうか。
(後藤委員)本当にそうなのですが、それぞれの項目のところで各市町村がどんなことをやっているのか、それで効果的なことはどれなのか、もちろん地域差があるのでそのまま横に展開とはならないかもしれませんが、なるべく細かいところを知らないとどういうことを市民町民に対し行っていくかなど、議論がなかなか難しいところがあります。もう一つ、その前の議論として、保険そのものの在り方として、保険料で賄っていくべきところに税金などを投入していて複雑になっているわけですけれども、保険というのは保険に入った人たちがそれぞれ拠出して、たまたま病気になった人については保険料を使って病気の治療などをするというのが本来のシステムなので、シンプルに考えて保険料収入、保険料を納めてない人から徴収することも含めて、どのくらいの収入なのかわかったうえで、どのくらい医療費を使っているのか。そのうえで人口構成なりを加えてといった、見える化をしていかないと。例えば高齢化率の順番に並べてみて、医療費がそのとおりなっているか。なっていないと思いますけれど、その原因がどこにあるかなどを探るうえでは、分析はやはり必要だと思います。
(吉原委員)7ページの市町村分の評価点が30年度から31年度に上がっているところ、後発医薬品の使用割合など、こういうところを重点的に進めていく。あるいは、もともと点が高いところ、特定健診、保健指導、メタボ減少率は配点が150点と高いですが、神奈川県はこういうところが得点がとれていない。こういうところに31年度以降注力していただき、得点、順位を上げていただくといいのかなと思います。特に後発医薬品については、神奈川県は重点地域ということで国から予算も来ているところですので、力をいれていただければと思います。
(事務局)ありがとうございます。今、市町村評価を見ていただいていますが、二重線で囲っていないところ、こちらは28年度、29年度の実績で評価されているものです。吉原委員がおっしゃったように、後発医薬品については、重点地域ということで今年度から取り組んでいますので、30年度の実績が来年以降出ます。また、特定健診は非常に悪いということで、特定健診は下から4番目、保健指導は一番下で、市町村は得点を獲得しているところもあるのですが、県分は実は獲得できていない、0%なんですね。実は、これは全国の半分に入らないと点数がもらえないという仕組みになっていまして、かなりハードルが高いわけですけれども、前年より0.9ポイントアップした場合は得点をもらえる仕組みになっていますので、なんとかこういうところで得点を獲得して全体のかさ上げをしたいと思っているところです。
(堀越委員)特定健診、特定保健指導についてですけれども、私も本学の周囲の市町村と連携をとっていまして、特定健診、保健指導の実施率が上がらないという声を非常に多く聞いています。実際のところ、受診率が上がることと、本当に受診が必要な人が受診するということがマッチしないのかなと感じています。私どもの学部で受診率が少しでも上がるようにと活動しておりますけれども、リピーターの方が毎回やってこられるのであって、本当に慢性疾患を潜在的にお持ちになっている方は、ほとんどお越しになっていないということがあります。医療費の抑制に直接につながるという点では、後発医薬品をたくさん使うなど即効性の高いものと質的に違うのではないのかなと思います。特定健診受診率を上げるためにお金をたくさん使うのとどっちが早道かということを、もう少し色々なことの相関を見ていただいた方がよいのではないかなと思っています。実際にお手伝いしている取組にお越しの方は、人間ドックもやっている、スポーツトレーニングにも通っているといった、骨密度等を図ってもほとんど正常値の方たちなんですね。ですからフレイルやロコモに至る人たちは、もっと別の層なんだなと。こういうこともあって健診率に関しては私たちは懐疑的に思っていて、ここを上げるよりも、もう少し違うことがあるのではないかな、とエビデンスはまだなのですが思っています。
(会長)貴重なご意見をありがとうございます。
(菊岡委員)医師会も、特定健診よりもフレイル対策であろうという中で、方向転換ではないけれども、そっちに力を入れていったらどうなんだろうという感じなのですね。高齢者は医療機関で検査しているんですね。別に特定健診を受ける必要があるのかということですね。市町村によっては、特定健診でなくてもよいからその結果を出してくれというところもあるわけで、そういうことが根本にあるのではないかと思います。
(会長)今のご意見にあるように特定健診についてはいろいろまだ課題があるわけですが、それを踏まえたうえで、限られた保健医療資源、資金をどこに注力していくのか、ということも大事ですね。事務局の話にあったように、この特定健診の評価の体系自体も考える必要があるのかもしれません。それは県のレベルでの話でないわけですが、そういうことも踏まえていかに効果を上げていくかということですね。いろいろなご意見ありがとうございました。
(石田委員)神奈川県は、未病ということに力を入れていて、多額の予算が入れられていると思うのですが、それとこれらの関連性が見えない。それが医療費の削減などに結び付くようにコーディネートしていかないと。今までの未病をこれからも行っていくのであれば、横ぐしでこれらと結び付けて、県として本当に効果があることが見えるように、未病をやっているセクションが違うとは思うのですが、ぜひ行政としてやはり横ぐしを入れていただければと思います。
(会長)この国保運営協議会もそうですけれども、関係者が連携をとってということは現に進められているわけですが、実務をやっている行政においても行政内部の関連部局が相互に連携をとって、実効性のあるものにしていただきたいというご指摘だと思いますので、ぜひご留意いただければと思います。
(事務局)はい。
(会長)他にいかがでしょうか。
(会長)それでは、議事4「その他」として、事務局からお願いします。
(事務局)それでは、資料4「神奈川県国民健康保険運営協議会 平成31年度の審議事項について」をご覧ください。平成31年度につきましても、年2回の協議会の開催を予定しております。第1回目は、2019年11月頃、「納付金の試算等について」、「国保運営方針の取組進捗状況について」、「平成30年度国保特別会計決算の状況について」などの報告等を予定しています。第2回目は、2020年3月頃、「納付金の算定結果について」、「国保運営方針の取組進捗状況について」、また、「国保運営方針の見直しの方向性について」として、翌年度に予定する国保運営方針の見直しにあたり、市町村との協議状況及び方向性についてお示しいたします。その他必要に応じて、協議会を開催する場合がありますので、ご承知おきくださるようお願いします。説明は以上です。
(会長)全体を通じて、ご質問等ございましたら、お願いします。本日、用意された議事は、これですべてとなります。最後に、事務局より何かありますか。
(事務局)特にありません。
(会長)本日は、円滑な会議の運営にご協力をいただきありがとうございました。以上で、平成30年度第2回神奈川県国民健康保険運営協議会を終了します。皆様、お疲れ様でした。
以上
資料1 国保事業費納付金および標準保険料率の算定結果について(PDF:267KB)
資料1 別添1―1(各市町村納付金算定結果一覧表)(PDF:79KB)
資料1 別添1-2(一人当たり納付金及び伸び率)(PDF:54KB)
資料1 別添1-3(標準保険料率算定結果表)(PDF:133KB)
資料2 平成31年度国保特別会計予算について(PDF:354KB)
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