更新日:2023年10月31日
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神奈川県の民生委員、児童委員に関するページです。
皆さんがお住いの地域に、「民生委員・児童委員」と呼ばれる方々がいるのをご存じですか。
地域のつながりが薄れる中、高齢者や障がいのある方、子ども、子育てや介護をしている方などが、周囲に相談できず孤立してしまうケースが増えています。
そういった方々が地域で安心して暮らせるよう、地域の身近な相談相手として、関係機関と協力しながら活動するボランティアが「民生委員・児童委員」です。
地域で誰でも安心して暮らせるように、さまざまな活動をしている「民生委員・児童委員」についてご紹介します。
民生委員とは、民生委員法に基づいて知事(政令市・中核市は市長)の推薦により厚生労働大臣から委嘱される、非常勤の地方公務員です。
歴史は古く、大正7年の創設から100年の歴史があります。
社会福祉の増進のために地域にお住いの方が選ばれ、身近な相談相手として活動しながら、関係機関への「つなぎ役」を担います。
給与の支給はなく、無報酬でボランティアとして活動しています。また、全ての民生委員は児童福祉法によって「児童委員」も兼ねており、子育てに関する様々な相談や支援も行っています。
民生委員制度は全国統一の制度であり、すべての市町村において、その定数(人数)が定められており、全国では約23万人、神奈川全県では約1万1千人が活躍しています。なお、政令市(横浜市・川崎市・相模原市)及び中核市(横須賀市)は、独自に民生委員を推薦・委嘱していますので、神奈川県は、これらの市の区域の委員を除く、約4千人について推薦・委嘱を行っています。
民生委員・児童委員の定数(神奈川県所管分) 4,075人(令和4年12月1日改正)
また、政令市(横浜市・川崎市・相模原市)及び中核市(横須賀市)の民生委員制度や定数について知りたい方は、それぞれの市にお尋ねください。
→それぞれの政令市、中核市の民生委員に関するホームページについて
民生委員・児童委員には区域を担当する民生委員・児童委員と主任児童委員がいます。
区域を担当する民生委員・児童委員は、自らも地域住民の一員として、それぞれが担当する区域において、住民の生活上のさまざまな相談に応じ、行政をはじめ適切な支援やサービスへの「つなぎ役」としての役割を果たすとともに、高齢者や障がい者世帯の見守りや安否確認などにも重要な役割を果たしています。
主任児童委員は、それぞれの市町村で担当区域をもたず、区域を担当する民生委員・児童委員と連携しながら子育ての支援や児童健全育成活動などに取り組んでいます。
なお、民生委員・児童委員には法に基づく守秘義務があり、相談内容の秘密は守られます。
民生委員・児童委員、主任児童委員の活動内容
民生委員・児童委員 | 主任児童委員 | |
---|---|---|
活動内容 | 特定の区域を担当し、高齢者や障害がある方の福祉に関すること、子育てなどの不安に関する様々な相談・支援を実施 | 特定の区域を担当せず、地域の児童福祉に関する機関の連携を図り、区域担当の児童委員の活動をサポート |
活動事例 | 担当区域の高齢者や障害者のいる世帯、児童・妊産婦・母子家庭などの状況把握(家庭訪問や地域での情報収集など) ・ニーズに応じた福祉・サービスなどの情報提供 ・支援が必要な方の様々な相談に応じ、助言 ・児童の登下校時の声かけ、パトロール活動など |
市区町村、福祉事務所、児童相談所や保健所、学校と区域担当の児童委員・民生委員との連絡調整 ・民生委員・児童委員の活動に関しての相談など |
(政府広報オンライン「ご存知ですか?地域の身近な相談相手「民生委員・児童委員」より)
民生委員・児童委員は、住民の方で、その地域の実情をよく知り、福祉活動やボランティア活動などに理解と熱意があるなどの要件を満たす人が民生委員・児童委員に選ばれる対象になります。
選ばれる際には、具体的には、市町村ごとに設置される民生委員推薦会による選考などを経て、県への推薦を受けた候補者を県が国に具申します。
具体的には次の手順で選ばれます。
(政府広報オンライン「ご存知ですか?地域の身近な相談相手「民生委員・児童委員」より)
民生委員法に定められている、県や政令市・中核市の責務は次のようなことがらです。
地域で様々な活動に取り組んでいる民生委員・児童委員ですが、どのような時に、”やりがい”や”達成感”を感じているのでしょうか。
全国民生委員児童委員連合会では、民生委員の活動の「やりがいや達成感」に関して調査(注)を行っています。
支援した人に喜ばれたとき・感謝されたとき |
68.2% |
---|---|
その人(世帯)が抱える課題(困りごと)が解決したとき |
42.0% |
要支援者から頼りにされたとき |
34.5% |
民生委員同士で仲間ができたとき | 34.1% |
福祉についての自分自身の理解が深まったとき |
19.3% |
地域についての自分自身の理解が深まったとき |
19.0% |
自分自身で成長できたと感じたとき | 18.4% |
活動を応援してくれる住民が増えたとき | 17.2% |
(注)全国民生委員児童委員連合会調査「平成28年度全国モニター調査」(10%以上の回答を抜粋)
このことから、次のように言うことができます。
・民生委員は、課題を抱えた人に寄り添い、それが解決した時に委員自身もやりがいや達成感を感じている。
・民生委員・児童委員が地域の一員として活動している中で、活動を行う仲間が増えていくときや、活動を応援してくれる住民が増えたときにも、やりがいや達成感を感じている。
・福祉や地域のあり方をより深く理解できるようになったり、活動の中で成長できるということにも、やりがいや達成感を感じている。
つまり、地域の困っている方の役に立っていること、そのことで仲間や応援してくれる人が増えること、そのことを通じて委員自身が成長できたり、地域を知ることができる…ということに”やりがい”や”達成感”を感じていることが分かります。
最近の地域社会は、高齢者の増加や子どもの減少、住民同士の関係の希薄化などにより、住民同士の見守り、支え合う「地域の力」が弱くなっています。
多様な生活問題や地域の課題を解決することに向けて、民生委員・児童委員や関係機関・団体はもちろん、住民一人ひとりが地域の課題として受け止め、ともに取り組むことが大切です。
誰もが安心して暮らせるように、ぜひ、地域での民生委員・児童委員の活動に御理解と御協力をお願いします。
国や全国団体のホームページ
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