更新日:2024年7月10日
ここから本文です。
CKD(慢性腎臓病)に関する情報の提供を行う。
CKDに要注意-慢性腎臓病-(PDF:6,417KB)CKD(=慢性腎臓病)は、主に糖尿病や高血圧など生活習慣病の悪化により発症し、症状が進行すると、人工透析に至る病気です。我が国においては約34万人もの方が人工透析を受けるなど、国民の健康に大きな影響を及ぼしています。しかしながら、CKDの初期は自覚症状がないため、この病気の怖さに対する理解は、なかなか進んでいない現状にあります。そこで、ホームページを通じて、CKDに関する情報を提供してまいります。
1か2のいずれかが3カ月以上持続した状態
1 タンパク尿など、腎臓の障害がある
2 糸球体濾過量(GFR)が60未満に低下している
<糸球体濾過量(GFR)とは>腎臓は毎日約150リットルの尿の元を作っています。そのうち必要なものは再利用されて毒素などの不必要なものが最終的に1から2リットルの尿に溶けた形で体外に排泄されます。尿の元をつくる働きがGFRで、腎臓の機能を表す指標です。
CKDは、糸球体濾過量(GFR)により進行度が、次のとおり病期(ステージ)分類されています。
病期 (ステージ) |
重症度の説明 |
進行度による分類 GFR(ml/分/1.73平方メートル) |
たんぱく尿 | |
---|---|---|---|---|
-,± | 1+以上 | |||
G1 |
正常または高値 | 90以上 |
C
K
D |
|
G2 |
正常または軽度低下 | 60から89 | ||
G3a |
軽度から中等度低下 | 45から59 |
C
K
D
|
|
G3b |
中等度から高度低下 | 30から44 | ||
G4 |
高度低下 | 15から29 | ||
G5 |
末期腎不全 | 15未満 |
GFR値の自動換算 : NPO法人日本腎臓病協会ホームページ
早見表 : 血清クレアチニン値に基づくGFR推算式早見表[PDFファイル/14KB]
病期(ステージ)が1から3期は自覚症状に乏しく、本人が気付いていないことが多いのですが、検査により発見することが可能です。貧血、疲労感、むくみなどの症状が現れたときには、病気がかなり進行している可能性があります。最も重度である5期は腎機能が高度に低下または廃絶した慢性腎不全の状態であり、人工透析を要することが多くなります。また、CKDの進行は、その原因となった糖尿病や高血圧による影響を差し引いても、脳卒中、心筋梗塞等の心血管疾患の危険を高めると考えられています。
肥満、運動不足、飲酒、喫煙、ストレスなどの生活習慣は、CKDの発症に大きく関与していると言われています。
次に該当する方は、特に注意が必要です。
CKDの予防には、定期的に健康診断を受診することに加え、普段からこまめに血圧をチェックし、尿検査を受けることが必要です。
CKDは、生活習慣の改善や薬物療法等によって進行予防が可能な病気です。人工透析が必要な末期腎不全への進行を遅らせるとともに、心血管疾患になることを防ぐことが大切です。
CKDになった場合
CKDのない高血圧の方 | 130/85mmHg未満 |
高齢の方 | 140/90mmHg未満 |
CKDの方 | 130/80mmHg未満 |
尿タンパクが1g/日以上の方 | 125/75mmHg未満 |
神奈川県では、CKD対策として、普及啓発、人材育成、CKDの進行状況を改善させるための腎臓移植の推進に努めております。
「慢性腎臓病(CKD)の予防と重症化防止」を中心とした腎臓病講演会・相談会を年2回開催しています。
【令和5年度は終了しました】
県民向けとかかりつけ医向けのリーフレットを隔年で作成しています。
かかりつけ医の皆様へ 慢性腎臓病(CKD)の発見、予防と治療(PDF:1,945KB)
[啓発ツール(国作成)]
腎臓病からのSOSを見逃していませんか?(PDF:806KB)
慢性腎臓病(CKD)の予防や重症化防止、透析導入の防止を目的として、医療従事者向け研修会を開催しています。
【令和6年度第1回 令和6年8月22日(木曜日)開催予定】チラシ(PDF:217KB)
申込は下記URLからできます(申込期限:令和6年8月21日(水曜日))
https://zoom.us/webinar/register/WN_XWWn2yyMTf2F8k3CR_uTsQ
神奈川県では、神奈川県慢性腎臓病(CKD)対策連絡協議会を年1回開催しています。
神奈川県慢性腎臓病(CKD)対策連絡協議会(県ホームページ)
健診機関・かかりつけ医と腎臓専門医の連携を推進することで腎機能が低下した患者の早期発見・早期治療につなげ、重症化予防及び透析導入防止を目指します。
日本腎臓学会が認定している腎臓専門医が在籍する医療機関の中で、診療連携に協力いただける腎臓専門医及び医療機関のリストを公開しております。(半年~1年ごとの更新を予定)
対応可能な診療等についても記載しておりますので、受診勧奨や紹介時にご活用ください。
健診機関・かかりつけ医から腎臓専門医に紹介する際の紹介状のひな型です。各地域の実状に合わせたものに改変のうえ、お使いください。
健診を受診した患者の中でCKDの疑いのある患者の診断結果や治療方針等について、行政と医療機関で情報共有する際の連絡票のひな型です。行政を含めて、地域で診療連携の体制が構築されている場合に活用されることを想定しております。CKD診察依頼書同様、各地域の実状に合わせたものに改変のうえ、お使いください。
神奈川県では、神奈川県慢性腎臓病(CKD)診療連携構築協議会を年1回開催しています。
神奈川県慢性腎臓病(CKD)診療連携構築協議会(県ホームページ)
公益財団法人かながわ健康財団アイバンク・臓器移植推進本部が行う腎臓提供者の登録募集等の活動に対する補助を行うとともに、臓器移植コーディネーターを配置し、腎臓移植の円滑な実施を図っています。
公益財団法人かながわ健康財団アイバンク・臓器移植推進本部ホームページ
神奈川県における人工腎臓装置の保有状況や人工透析患者数等を把握し、今後の腎疾患対策を検討するための基礎資料や県内の透析医療機関(人工腎臓保有医療機関)名簿を作成することを目的として年1回実施しています。
神奈川県透析医療機関(人工腎臓保有医療機関)一覧(PDF:336KB)
※受診される場合は、医療機関に確認のうえ、受診してください。
神奈川県では、災害時の透析患者に対する支援として、災害時透析患者支援マニュアルの策定等の取り組みを行っています。
国際腎臓学会と腎臓財団国際協会の共同提案により、毎年3月の第2木曜日を「世界腎臓デー」と定め、腎臓病の早期発見と治療の重要性を啓発する国際的な取り組みが行われます。
この日を機に腎臓への理解を深めていただき、腎臓病の早期発見と治療につなげてください。
がん・疾病対策課 疾病対策グループ
電話番号 045-285-0706
※ このホームページの作成にあたっては、厚生労働省・腎疾患対策検討会「今後の腎疾患対策のあり方について」、日本慢性腎臓病対策協議会ホームページ(現在は閉鎖)、厚生労働省科学研究「慢性腎臓病(CKD)に関する普及啓発のあり方に関する研究」を参考にし、一部引用しています。
このページの所管所属は健康医療局 保健医療部がん・疾病対策課です。