ホーム > くらし・安全・環境 > 生活と自然環境の保全と改善 > 開発規制・生活環境の保全 > かながわの水源環境の保全・再生をめざして > 水源環境保全・再生かながわ県民会議の概要 > 第40回(第5期第2回)水源環境保全・再生かながわ県民会議審議結果
更新日:2020年9月4日
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次の審議会等を下記のとおり開催した。
第40回(第5期第2回)水源環境保全・再生かながわ県民会議
平成29年12月7日(木曜日)18時00分から20時00分
産業貿易センター地下1階 B102号室
鈴木 雅一【座長】、大沼 あゆみ【副座長】
相川 健志、青砥 航次、小笠原 多加子、上宮田 幸恵、川島 範子、倉橋 満知子、佐藤 恭平、高橋 貴子、滝澤 洋子、土屋 俊幸、豊田 直之、西 寿子、羽澄 俊裕、服部 俊明、林 義亮、増田 清美、森本 正信、吉村 千洋
平成30年3月
水源環境保全課調整グループ 担当者名 角田、石郷岡
電話番号 045-210-4352
(鈴木座長)
それでは、第40回水源環境保全・再生かながわ県民会議を開催いたします。お手元の次第のとおり、本日の議題は4つございますが、それぞれの議題について、ご報告いただいてから、委員の皆様にご意見、ご質問をいただきたいと思います。
議事に入る前に、1つ、ご報告いたします。前期の県民会議から、会議の進行の仕方について、報告事項が多く中身の議論ができない、といった課題を引き継いでおります。本日の会議の前に、座長、副座長、2つの委員会の委員長による四者協議会で議事の流れを整理しております。そこで話をしまして、委員会、チームの報告というのはそれぞれが大事で言わないといけないこともありますが、できるだけ簡潔にお願いし、それで、審議の時間をなるべく取りたいと思っております。ご報告いただく方、ご発言いただく方には、この趣旨をご理解いただき、ご協力をお願いしたいと思います。
(鈴木座長)
では、早速、議題の(1)「施策調査専門委員会の検討状況について」吉村委員長からお願いします。
(資料1-1から資料1-5により、吉村委員長から説明)
(鈴木座長)
ありがとうございました。
今のご説明にもありましたが、この点検結果報告書で大事なところは0-11ページです。このページの評価は、これから後ろの例えば1-8ページ、1番事業に関する点検結果「事業の成果はあったのか」など、各事業の評価をまとめたものとなっています。
これらの評価は県民フォーラムや、事業モニターでの意見を積み上げてきたものとなっています。その意見をちゃんとまとめられているのか、ご意見いただければと思います。併せて、0-5ページの流れ図にあるように、どれだけ整備をしたかというような量的評価のアウトプット、どれだけ下草が生長したかというような質的評価のアウトカムに視点をあて、見ていただきたいと思います。
また、この点検結果報告書は2期の最後になりますので、2期のフォーマットに従って作成しております。来年からは、今年から始まった3期の点検結果報告書となりますので、もう少し見直そうではないかと話し合っています。
ただ、これだけ厚くなってしまったというのは、委員や県民の生の声をなるべく取り入れたい、記録にとどめたいという第1期からの考えもあるもので、簡単に薄くすればいいというのも辛いところです。
この段階では、なかなかご意見も出ないかもしれませんが、最初の方で意見を言っていただけると報告書に取り入れやすくなるのですが、いかがでしょか。
今、直ちには出てこないということであれば、議事を進めさせていただいて、後ほどご意見をいただければと思います。
(鈴木座長)
では、議題の(2)「市民事業専門委員会の検討状況について」増田委員長、お願いします。
(資料2-1から2-4により、増田委員長から説明)
(鈴木座長)
ありがとうございました。
同じ団体が何年も補助金をもらい続けて活動していくというのもよろしくないことで、新たな支援団体の掘り起こしについてもご検討いただいているとのことです。
市民事業について、なにかご意見ありますか。専門委員会の委員の方で、現場訪問に行った際の補足などもありましたらお願いします。
(服部委員)
現場訪問で戸川公園の現場に行きました。都市公園ということで、公園側は景観重視の整備を考えているようで、風通しをよくするために林緑部の木を切って倒木がかなりあったりしました。その辺り、水源環境の目的と調整して、どのような整備がよいのか整理して欲しいということを伝えてきました。
(上宮田委員)
先ほど、補助団体が減少傾向にあるとのお話でしたが、原因はどんなことが考えられるのでしょうか。
(増田委員長)
一番大きいのは、1団体1事業で最大5年という補助期間の制限があることがあげられます。あと裾野が広がらないこと。補助団体同士の交流で、口コミにより、周知に繋がればと思っております。
今回、募集チラシを540箇所に配布しておりますが、小田急沿線は山に繋がっているので、効があるのではないかという案が委員会で出まして、小田原、渋沢、秦野、伊勢原、本厚木駅の構内に配架してもらうこととしました。これが、団体の掘り起こしに繋がっていければと思っております。
(上宮田委員)
団体の立場で申請を経験したことがありますが、事務処理が結構大変だという声があり、窓口になる担当者の方の負担が大きく、それなら自分たちの財源だけで活動して補助金はいらないという意見も伺っています。もう少し、簡素化できないものでしょうか。
(増田委員長)
それに関しては、市民事業補助金が出来たときから各団体から言われていることです。税金を使っていることですので、なかなか難しい部分がありますが、委員会の方でより使い勝手のよい申請を検討してみたいと思います。
(鈴木座長)
次の議題に移らせていただきます。議題の(3)で、各作業チームからの報告ということで、事業モニターチームの滝澤委員、県民フォーラム森本委員、コミュニケーションチーム豊田委員の順でお願いします。
(事業モニターチームの活動について、資料3-1、3-2により滝澤委員から報告)
(県民フォーラムチームの活動について、資料4-1、4-2により森本委員から報告)
(コミュニケーションチームの活動について、資料5により豊田委員から報告)
(鈴木座長)
ありがとうございます。今、3つのチームからご報告をいただきました。多くの方が今ご紹介いただいた活動にもご参加いただいております。
チーム活動は公募委員に頑張っていただいている活動ですが、事業モニターなどは公募委員以外の方も参加でき大変参考になりますので、お時間があれば、公募委員以外の方も是非、ご参加いただければと思います。
さて、何かご意見、ご質問等ありますでしょうか。あるいは活動に参加されたご感想などもお願いしたいと思います。
(事務局)
先ほど、事業モニターチームから、森林塾のモニターを実施したいとお話がありました。
今年度については、今月の第3回事業モニターにて最終となってしまいますが、来年度にむけて、モニター実施箇所のアンケートをチームの皆さんにお伺いしたいと考えています。
その結果、森林塾のご希望が多いようでしたら、1月か2月に予定しているチーム検討会にて実施箇所として検討していきたいと考えています。
実習現場での実施は難しいかもしれませんが、可能な形での実施を考えていきたいと思います。
(鈴木座長)
何かしら工夫することで、できることもあると思いますので、事務局のほうでもご努力いただきたいと思います。
事業モニターでは、丁寧な評価、中には手厳しい評価を頂いています。これが積み重なって、議題1の点検結果報告書に繋がっていきます。
(倉橋委員)
事業モニターについては、点検結果報告書に反映されるような内容であるのに、回数が少なく11事業ある中で、実施事業に偏りがあります。森林関連の事業に集中してしまって、水質関係が少なく、県民参加型モニタリングに関するモニターは実施したことがないです。
やってどうなるのかはわからないのですが、結果を聞くだけではなく、どのようにしてやっているのか、調査の現状など委員も見たことがないと思いますので、バランスよく色々なものを見に行けたらいいのではないかと思います。
(鈴木座長)
森以外のモニターでも、山梨に行ったり、水質に関わるものを見に行っていたと思いますが、資料1-4の円グラフを見ていただいてもわかるとおり、森林関係の事業の金額が大きいので、多くなってしまうというようなところがあるのではないかと思います。
年間3回では、回りきらないという課題もあろうかと思いますが、事務局では何かありますか。
(水源環境保全課矢崎副課長)
モニターの回数について、もう少し多く行っていた時期もありますが、事前に学識者の方にレクチャーいただいて、予備知識を持った上で現場に行きたいというご要望が委員からありまして、昨年からそのような対応をしております。
その場合、モニター箇所が決まりましたら、県職員で下見をして、先生を探して現場を見ていただき、資料調整するなど、非常に準備が大変で、できる回数が限られてしまいます。
(鈴木座長)
色々な要望があろうかと思いますが、事業モニターチームで議論していただければと思います。
1日行程の中で、複数の事業を見るというような工夫も以前から試みていられたかとは思いますが、モニターチームでご検討いただければと思います。
チーム活動について、他になにかございますでしょうか。県民フォーラムチームは回数多く、頑張っていただいていますし、コミュニケーションチームも課題に取り組んでいただいているようです。ご意見があればお願いしたいと思います。
(滝澤委員)
フォーラムチームのアンケート結果で、税を使った取組を止めるべきというご意見が多かったということについて、私もびっくりしたのですが、アンケート集計のときに理由を聞くなどのことができればよいと思いました。
(鈴木座長)
県民の中には、数字にでてこない様々なご意見、厳しいご意見というのは、我々が目に触れる以上に潜在的にあるのではないかと頭において議論した方がよいのではないかと思います。
(鈴木座長)
それでは、ご報告いただいた議題(3)の3件は終わらせていただきまして、続いて、(4)「県民会議委員からの提案議題」についてです。
県民会議では会議の前に、各委員に、議題の提案をお尋ねしております。今回は、川島委員より提案がありました。4件あったのですが、四者協議会で検討したところで、県の担当部門に伝えていただくものと、ここで議論するものとを分けさせていただき、資料のとおり整理しております。
川島委員、時間が短くて恐縮ですが、ご提案の趣旨、概要をご紹介いただければと思います。
(川島委員)
2点あります。これから10年かけて、無花粉スギに転換されるということで、新植地が増えていく、それに対するシカ対策はどうするのか、柵の義務化についてはどうなのかというもの。
もう一つは、高標高域はワイルドライフレンジャーが頑張って、シカ密度が低下しているようですが、周辺域では逆に増えているという現象があって、箱根山地もシカの密度が年々増えて大変な状況になっています。山盛の会で調査をしており、肌で感じております。
それに対し、銃猟だけでは植生劣化を防止することはできないのではないか、もっと市民を巻き込んだ対策で銃猟以外にも括り縄のチームをつくるなどの対策も進めていかなくてはならないのではないかと感じております。
山盛の会の調査では、無花粉スギの植林地では33%の食害が起こっています。ウサギの柵は設置されていますが、シカの柵は今年度設置されていないようで、今後、どのような対策をしていくのか、シカ密度を増やさないように、シカの被害を増やさないためにも新植地を柵で囲ってほしいと思います。
捕獲の手法については、今年の1月の段階で、明神ヶ岳では1ha単位で笹食いが始まってしまい、箱根も丹沢に近づいてきています。足柄峠でも広範囲で笹食いが始まってきている状況になっています。
対策を始めているとは思いますが、銃猟では5頭/平方キロメートルが限界であると色々なところから伺っており、現在、箱根は1.5頭/平方キロメートルと伺っていますが、銃猟以外にシャープシューティングや誘引捕獲、市民を巻き込んだ括り罠猟など対策を進めて欲しいのですがいかがでしょうか。
(鈴木座長)
提案のご趣旨をお伺いしました。委員の皆さんに意見をお伺いしたいのですが、その前に県から今の議題の現状についてご説明いただけますでしょうか。
(水源環境保全課矢崎副課長)
まず、全体的な県の考え方について説明させていただきます。
県全域でシカの対策が必要となるということで、新植地については、シカ柵設置を進めていったらどうか、さらには義務化したらどうかというご提案です。
基本的な考え方としましては、ご指摘のとおり、従来の丹沢大山だけでなく、箱根、小仏でもシカが見られるようになり、第3期計画ではこれまで丹沢大山で実施してきた取組を箱根、小仏にも拡げていくことにしました。
ただ、6月の現場説明会で小仏を、8月の事業モニターで丹沢の現場を皆様にも見ていただきましたけれども、小仏山地、丹沢山地、箱根山地と状況は様々です。それぞれの中でも場所々々では状況が異なっており、被害が全く発生していない場所、発生していても軽微なままで留まっている場所もあります。
新植地での被害防除策として植生保護柵を設置するというのは有効な対策ですが、設置費用が高額であり、状況に関わらず全ての場所で予防的に設置するということは適当とは考えられません。県としては、新植地に関するシカ柵の設置については、シカの生息状況や被害状況を見ながら判断するというのが基本的な考え方です。
丹沢大山では従来から生息密度が高いので保護柵を設置してから植林するというのが基本ですし、箱根地方では、増えてきているとは言え、まだ低いレベルですので、一律に設置するのではなく、状況を見ながらやっていきたいと思っています。
生息数の上昇が始まっているということは事実だと思いますので、状況を注意深く把握していく必要があると思います。また、当面の間、柵を設置せざるを得ない状況が増えていくのではないかとも考えております。
(自然環境保全センター斉藤森林再生部長)
小田原の久野の県行造林、250ヘクタールぐらいの面積があります。そのうち、平成23年度から29年までの間で新植したのは約11ヘクタール、3箇所ぐらいに分散して植え替えています。
そこでのシカの影響ですが25年度まではほとんど受けておりません。26年度は樹皮食いなどが全体の2割程度起こっています。28、29年度、林縁部や林道沿いは部分的に食害がみられています。29年度は4、5月に非常に雨が少なく、枯れてしまったところもあります。
今後の対応としては、シカの被害は部分的ではありますが、シカの生息密度は上昇傾向にありますので、被害の見られる新植地では植生保護策の設置も検討しております。
また、小田原市などの鳥獣被害対策を行っている部局に対しても、シカの対策を働きかけております。
(自然環境保全センター山根研究企画部長)
箱根のシカに関して、捕獲の成果と新たな捕獲手法について、県管理の森林の捕獲をしている観点からお話させていただきます。
箱根地域については、近年になって、シカの生息が認められるようになってきましたが、前は、ほとんどシカは発生していなかったということで、明神ヶ岳や火打石山でシカの捕獲は今まで行われてきませんでした。
こうした場所の県管理森林について、センターでは県の猟友会に委託して巻き狩りという山の中にハンターを配置した捕獲や、ワイルドライフレンジャーによる忍び猟というシカをこっそり追いかける方法による捕獲など検討してきています。
こうした新たな捕獲地での捕獲を試みておりまして、巻き狩りは低密度地域や、植生が繁茂して見通しが悪い場所での捕獲は難しく、これまでの経験もないところですが、3、4頭の群れの捕獲にも成功しており、徐々に成果を上げてきています。
新たな捕獲手法について、銃猟以外のシャープシューティングや誘引捕獲という話もありましたが、全国的にも試行段階のものですし、高密度の場所で行われているもので、低密度のシカを捕獲するのは苦戦していると聞いております。ワイルドライフレンジャーの忍び猟にて新しい手法を試みながら、低密度でのシカの捕獲に努めているという状況です。
(羽澄委員)
自然環境保全センターでは承知の上で進めておられることではありますが、県民会議として、認識を共有していていただきたいと思うのは、この先、猟師が減っていく、捕獲をする人がいなくなる、そういう時代に入る中で、シカとは未来永劫向き合っていかなくてはならないということです。猟師がいなくなるということは、専門的捕獲部隊を確保してシカを捕るという事業に税を投入し続けなくてはならないということです。
その際、高密度になってから対策するのでは、ものすごくコストがかかるので、低密度で維持することが大事であります。フェンスと捕獲の組み合わせで、出来るだけ低密度のうちに丹沢大山で培ったノウハウを箱根に生かしていく必要があります。
捕獲は鳥獣法の特定計画制度によって、森林は森林法の森林計画制度によって事業が動いています。それぞれの分野で調整作業を進めていかなくてはなりませんが、最近の法改正で森林計画制度にも鳥獣害対策をしっかり書き込むことが盛り込まれるなど、シカと向き合うという認識が、森林関係者の間でも共有されるようになってきております。長期的にみて、コストパフォーマンスのよい形で、県として総合的に進めていただきたいと思います。
(鈴木座長)
神奈川県は丹沢で色々な経験を積んで行政としては高度な取組をしていると思いますが、それは丹沢の森林の所有形態が県有林であったり、国有林であったりと大きな括りで持ち主がいるので、管理がしやすいということがあると思います。これが、今、問題になっている、箱根や小仏となると所有形態が細切れになってきて、県が自由にやれるものでもなくなってくると思われます。
丹沢で行っていたような連携が取れるのか、その上で丹沢での取組のような高度な取組ができるのかというのは、努力が必要なのではないかと思います。
(川島委員)
低密度管理というのは、箱根の事だけを言っているのではありません。丹沢でも5頭/平方キロメートルが限界で据え置きと思ってしまったら、山の再生はありえないのではないかと思っております。先日、丹沢堂平のブナ林に行きましたが、シカの影響により土壌が流出して、17年前に設置した柵の中にはいまだ大きな木が育っていないという状況を見てきました。
土壌は100年経って数センチ堆積するような貴重なもので、流出するような状況に至ってしまっては遅いのではないかと思います。
今、箱根でも植生劣化がおこり、笹も枯れ、裸地が増えてきています。次には土壌流出が起きてきますので、そうなっては遅いと思います。
5頭/平方キロメートルでいいとは思わず、全力をあげて、市民を巻き込んで、森林塾ならず括り罠塾みたいな制度も作ってもらえたらいいと思います。
(鈴木座長)
ありがとうございました。
さて、ここで、先ほどの議題1の点検結果報告書について、何かありましたらご意見をいただきたいと思います。後日、意見照会をすることになりますが、意見するに際して、聞いておきたいこと、気がかりなこと、読んでわからないこと、構成についてなど、どの点でも結構ですが、ご意見いただければと思います。
(吉村委員長)
少し、補足をさせてください。資料1-3をご覧ください。0-5ページに評価の流れ図がありまして、中身の話を少しさせてください。
この報告書の構成についてなのですが、各事業の報告内容はアウトプット、1次的アウトカムを中心に書かれています。0-5ページを見ると左に事業名、その次がアウトプット、次が1次的アウトカムの順で記載されています。アウトプットが数値情報で、それを説明する質的指標である1次的アウトカム、さらに、それを積み上げていく総合的評価として2次的アウトカム、最終的アウトカムになります。
一番右の最終的アウトカムについては、施策大綱で将来にわたる良質な水の安定的確保という目標が示されているので、それに向かって全ての事業が進んでいると考えていただいていいと思います。
2次的アウトカムは3つありまして、1つが水源涵養の向上、これによって、安定した水を県内に供給していくといくもの。2つ目が生態系の健全化。水の量・質についても、背景として森林・河川で必要であると。シカについてもこの点で重要との位置づけです。最後が水源水質の維持向上となっています。
難しいところもありますが、できるだけ、ここに近づけていきたいという図です。
次に、0-11ページの総括について、このページが重要となりますので、ざっと内容を見ていきたいと思います。
最初に活動内容について、概ね順調に進められていると評価をまとめています。その次に森林関係事業、水関係事業についての記述があり、下から3行目に2次的アウトカムについて、としてまとめの文章となっています。
例えば、森林に関しては、水循環モデルというシミュレーション方法を組み合わせてみたところ、森林が健全化しているほうが比較的年間の流量が安定している、それが、水資源の安定的供給に繋がるだろうとまとめています。
さらに、下層植物や林床性の昆虫の種の多様性が高まるというところも見られ、こういった取組が上手く進んでいけば、森林生態系の健全化に結びつくとまとめております。
河川に関しては、モニタリングの結果、水質や動植物、魚や昆虫に大きな変化はなく、総じて良好な状態にあると。地下水に関しても、環境基準を達成していない点が減少傾向であるとなっています。依然として課題なのは、水源となっているダム湖の水質はアオコが発生する富栄養化な状態にある、ということです。
これを踏まえ、第3期計画への流れにもふれており、0-11ページに今後の展開に関するコメントが書かれています。
その他、県民参加として、市民事業、事業モニターについても効果的に組み合わせて進めていきましょうというまとめです。
(鈴木座長)
ありがとうございました。ここまでの全体の話で何かご意見ありますか。
(大沼副座長)
皆さんのご意見を伺っていて、実際に関わっていられる方々にはその人なりの問題点があるものだと思いました。
1点だけ、先ほど、市民事業補助金について、申請の事務処理が難しくて、それなら完全ボランティアでやったほうがいいとお話がありました。
補助金を出したいにもかかわらず、それより自分たちだけでやったほうがいいと思われてしまうミスマッチが起きていて、非常にもったいない、改善の余地があるのではないかと思います。
どういった点が難しいと思うのか、ここだけは判断ができないのですが、私たちは国から補助金をもらって研究をしてきています。国の補助金もかつては非常に使い勝手が悪かったのですが、ここ10年ぐらいで、使い勝手がよくなってきているように個人的に感じておりまして、県の補助金と照らし合わせてどれぐらい煩雑なのか、あるいはこれぐらいは仕方ないという状況なのか、判断させていただければと思いました。
それによって、補助金のあり方も検討していければいいのではないかと思います。
(鈴木座長)
他に、どうでしょう。土屋委員、突然のご指名ですがどうですか。
(土屋委員)
本日、初めての参加でして、勉強のつもりでお聞きしていたのですが、全国で色々な調査などしている者として印象を申しますと、神奈川県がこれだけ県民の方の意見を聞いたり、実際に現場をモニターしてもらっているというのは、全国に誇るべきことだと思います。これが形骸化しないようにこれからも続けていくということが大事だと思いました。
(西委員)
先ほどの市民事業補助金についてですが、弱小なNPO法人にとっては、事務局などに割ける人員がいないところがほとんどだと思います。
専属で事務的な仕事をするという形が整っていないので、10万円程度をいただくのに、煩雑な書類を書かなくてはいけないと思うと、じゃ、自分たちで頑張りましょう、となってしまうのだろうと思いました。
(服部委員)
国が吸収源対策として間伐を実施するため森林環境税の創設を検討しているわけですが、国と地方で2重の課税になる部分もあるかと思うのですが、重複する部分については後発の国が調整してきてくれているのか、地方と国でどんな議論をしてきたのでしょうか。
それから12月13日に結論がでるとの事ですが、今議論されている税の中身について、分かっている範囲で教えていただきたいと思います。また、それを踏まえ水源環境保全税については今後どんな調整がなされていくことになるのかも教えていただければと思います。
(鈴木座長)
先日、国の検討委員会の報告書が出され、与党の税制調査会で検討している段階だと思いますが、すぐ来年度からという雰囲気ではなさそうなので、本日の会議でお話するというのは時期尚早なのかと思ったのですが、大事な話なので、どこかで情報提供いただくべきだとは思います。県ではいかがでしょうか。
(羽鹿水源環境保全課長)
森林環境税について、総務省の検討会による報告書が提出され、ホームページ等で公開されているところです。それを受け、与党税制調査会で議論されているもので、報道によると12月中旬にも最終的な報告書がまとまるとのことです。
わかっているのはそれだけで、導入時期や使途について、税額などは今後明らかになっていくものと承知しております。導入年度も森林法の改正により新しい森林管理システムが平成31年から導入を目指しているというところであり、そこに税を充てたいということで、少なくても来年4月から始まるというものでもないだろうと理解しています。
水源環境保全税との重複については、今後、県民の方にご理解いただかないとならない部分は出てくると思いますので、検討していきたいと考えております。
(土屋委員)
森林部門から唯一、総務省の検討会に参加していたのですが、それが終了し、報告書を出したところです。課長から説明があったとおり、まだ、政府与党で決めようとしているところで、税額をどうするか、使途を人工林だけにするのか天然林も含めるのか、普及などにも伸ばすのか、まだ決まっておりませんで、それに応じて、様々な対応が必要となってくるのかと思います。
神奈川県については、重複があるということは、総務省も林野庁も十分理解しており、地方が色々な努力して取り組んできたものを邪魔するようなことしないようにと、我々検討会の委員も述べてきました。政府もそのことは認識しているので、影響が全くないというわけではないでしょうが、少なくはなっていくのではないかと思います。ただ、調整に時間はかかるかとは思います。
むしろ大事なのは、新たな森林管理システムについてでして、それがどのような形になるのか、市町村がちゃんと対応できるのか、森林所有者が上手く管理していけるのか、意欲のある林業経営者がそれでやっていけるようになるのかが問題で、それを時間かけて作っていくことになると思います。
それと税をからめて考えていかなくてはならないとなると、詳細はまだ分からないというのが現在のところかと思います。
(鈴木座長)
ありがとうございました。森林環境税については、本日はここまでに留めさせていただきたいと思います。
(鈴木座長)
では、議題についてはここまでとさせていただき、最後に報告事項として事務局から9月5日の施策懇談会について、お願いします。
(水源環境保全課角田副主幹から資料7により説明)
(鈴木座長)
ありがとうございました。これで、本日の全ての議事は終わりとなりますが、何か、ありますか。
(滝澤委員)
事業モニターチームの報告の際にお話した、所有者へ森林を整備して返還した後のことについて、別の機会にでも教えていただきたいと思います。
(鈴木座長)
はい。わかりました。
では、事務局へお返しします。
(事務局)
事務局より今後の予定をお知らせさせていただきます。今年度最後の県民会議については、2月下旬頃を予定しています。詳細につきましては、別途お知らせさせていただきます。
これを持ちまして、第40回水源環境保全・再生かながわ県民会議を終了いたします。
(会議終了)
資料1-1 第40、41回施策調査専門委員会の検討状況について
資料1-3 特別対策事業の点検結果報告書(第2期・平成28年度実績版)(案)(その1)
資料1-3 特別対策事業の点検結果報告書(第2期・平成28年度実績版)(案)(その2)
資料1-4 特別対策事業の点検結果報告書(第2期・平成28年度概要版)(案)
資料1-5 点検結果報告書(第3期版)の構成見直しについて(案)
資料2-1 平成28年度水源環境保全・再生市民事業支援補助金事業実績一覧
資料2-2 平成29年度水源環境保全・再生市民事業支援補助金交付決定事業一覧
資料2-4 平成30年度もり・みず市民事業支援補助金(チラシ)
資料4-1 第35~37回水源環境保全・再生かながわ県民フォーラム結果概要
資料4-2 第38回水源環境保全・再生かながわ県民フォーラム(チラシ)
このページの所管所属は環境農政局 緑政部水源環境保全課です。