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更新日:2020年8月7日
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第1回県民フォーラム結果概要です
日時 | 平成19年10月23日(火曜日) 18時30分~20時30分 |
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会場 | 山北町立中央公民館多目的ホール |
参加者 | 250名 |
この県民会議は神奈川県民にとって非常に大きな影響をもつものであり、特に水源地にお住まいの方には多大な御支援、御協力を賜らなければならない。同時に横浜・川崎等の都会の住民は山の皆さんに感謝し、山の実態を知り、さらに協力しなければならない。その意味でこの山北で第1回目のフォーラムが開催されたことは喜ばしいことである。
県民会議を中心として、この5年間にどれだけ水源環境が保全・再生されたかということは非常に大きな意味をもつ。
このフォーラムは今回を出発として、全地域で開催していく。今回が第1回目ということもあり、水源地の皆さんの率直な御意見をいただきたい。
県民会議は「行動する県民会議」ということで、県民の手作りでやっていこうとするものであり、決して官製のものではないということを御承知おきいただきたい。
本町は、県内市町村では、横浜市、相模原市に次いで第3位の面積があり、その大部分が山林という自然環境豊かな町である。
その広大な森林が涵養する水は、丹沢湖に蓄えられ、都市への安全な水の供給のため、日ごろから水質保全に努めている。
今年度から水源環境保全・再生交付金事業がスタートし、本町としても地域水源林や合併処理浄化槽の整備などに取り組んでいる。
一方で山村地域ならではの悩みとして、少子高齢化による人口減少、農林業の担い手不足などの過疎化現象による地域活力の低下が大きな問題となっている。
水源地域を守るための取組や苦労、悩みなどを十分に御理解いただき、都市部の方々に向けたメッセージを県西地域ならではの意見として取りまとめていただければ幸いである。
なぜ、今、水源環境の保全・再生が必要かというと、平成13年の宮ケ瀬ダムの完成により、県内水資源の供給体制は概ね整ったと言えるが、その水を育むのは水源地域の自然環境である。
森林の状況でいうと、平成15年度に県が実施した人工林調査では、県内の私有林林で人工林なのは29%だが、そのうち荒廃が進んでいると思われるCランクやDランクが60%を占めている。
自然林についてもブナやモミの枯死や下層植生の後退、土壌流出などが進んでいる。
また水質の状況もBOD(注1)、COD(注2)は基準値を下回っているが、ダム湖でアオコ(注3)が発生する富栄養化の原因である全窒素や全リンの数値は概ね高い状況である。
このような状況に対し、これまでも様々な取組を行ってきたが必ずしも十分とは言えなかった。そこで県では、従来の枠組みを越えて取り組むため、20年間の取組を示す「かながわ水源環境保全・再生施策大綱」と最初の5年間に取り組む「かながわ水源環境保全・再生実行5か年計画」の2つの計画を平成17年11月に策定した。
この新たな取組を推進するため、新たに必要となる年間約38億円の財源を今年度から個人県民税の超過課税という形でお願いしている。納税者一人当たりの平均負担額は年間約950円となっている。
実行5か年計画では、「水源の森林づくり事業の推進」から「県民参加による水源環境保全・再生のための新たな仕組みづくり」までの12の事業を推進していくこととしており、対象地域も事業ごとに分けて実施する。
今年度は県全体では約35億円の財源を活用して12の事業を推進していく。の自然この県西地域では、水源の森林づくり事業や地域水源林整備の支援、河川・水路浄化対策、地下水保全対策、ダム集水域における合併処理浄化槽の整備促進の事業を推進していく。
注1 BOD…水質指標の一つ。生物化学的酸素要求量(Biochemical Oxygen Demand)の略で、微生物が水中に存在する有機物を分解する時に消費する酸素量を数値化したもの。数値が多いほど有機物が多く、水質汚濁が進んでいることを示す。
注2 COD…水質指標の一つ。化学的酸素要求量(Chemical Oxygen Demand)の略で、水中に存在する有機物を酸化剤により分解する時に消費する酸素量を数値化したもの。数値が多いほど有機物が多く、水質汚濁が進んでいることを示す。
注3 アオコ…富栄養化した湖沼や池で、夏期を中心に植物プランクトン(ミクロキスチスなど)が異常増殖して厚い層が形成されることがあり、水の表面に緑色の粉をふいたように見えることからアオコという。
(コーディネーター)
横浜国立大学経済学部教授 金澤史男 氏
(パネリスト)
小田原山盛の会会長 大森良一 氏
(有)川又林業代表取締役 川又正人 氏
三竹里山の竹林を考える会会長 杉山精一 氏
山北町副町長 清水正己 氏
1.活動事例報告
各パネリストから自己紹介を含めた活動事例報告があった。
2.パネルディスカッション(水源環境保全・再生施策について)
(大森氏)
山の仕事というのは年季がいる仕事である。また、今はどんどん便利な世の中になり、我々がやっていることと別の方向に進んでいくことが問題である。
(川又氏)
この水源環境保全・再生施策が始まって丹沢に資金が投入されたが、人手が足りない。山は木材生産だけでなく、様々な生物も住んでおり、このような空間を大事にしていかなければならない。それにはやはり小規模林家を大事にしなければならない。
(杉山氏)
水源環境保全・再生の取組は森林に関わる者にとって何十年に一度のチャンスである。
(清水氏)
山北町の人口はどんどん流出してしまっているため、地域のまとまりがなくなってしまっており、都会の人との交流がなかなかできない状況にある。ただ、結束力が強い地区もあるので、そういう所を大事にしていきたい。
3.会場からの質問・意見等を踏まえたコメント
(担い手不足について)
(川又氏)
林業というのは自然と一体となった感じになれる。これはとても素敵な商売だと思う。安全に配慮すれば、1年ほどの訓練で林業はできる。
(間伐材の利用について)
(杉山氏) 間伐材は、補助金制度を使えば日当にはならないかもしれないが、林道近くか関係者の所ならば負担がかからず、間伐材を出すことができるので、是非出してほしい。
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