更新日:2020年9月18日

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第7回施策調査専門委員会審議結果

審議(会議)結果

次の審議会等を下記のとおり開催した。

審議会等名称

水源環境保全・再生かながわ県民会議 第7回施策調査専門委員会

開催日時

平成21年1月30日(金曜日)18時10分から20時25分

開催場所

県庁本庁舎3階 大会議場

出席者【委員長・副委員長等】

田中 充【委員長】、古米 弘明【副委員長】

淺枝 隆、木平 勇吉、原 慶太郎

事業モニターチーム 倉橋 満知子、真覚 邦彦、石村 黄仁、天内 康夫、牧島 信一、高橋 弘二、柳川 三郎

次回開催予定日

未定

所属名、担当者名

土地水資源対策課、担当者名 原田

電話番号 045-210-3106

掲載形式

  • 議事録

議事概要とした理由

-

審議(会議)経過

(田中委員長)
今回は、第7回専門委員会となります。本日は拡大委員会として、専門委員に加えて公募委員をはじめとする事業モニターチームのメンバーも出席しています。「水源環境保全・再生施策点検表(仮称)」について、意見を交換することが趣旨です。それでは、最初に資料1「水源環境保全・再生施策点検表(仮称)」について、今までの経緯の説明を受けてから、内容に入っていきたいと思います。よろしくお願いします。

【土地水資源対策課から、前回の専門委員会以降の経緯について説明。】

  • 前回の専門委員会(11月13日)及び県民会議(11月27日)において、「水源環境保全・再生施策点検表(仮称)」について議論。
  • その後、12月9日付けで「水源環境保全・再生施策点検表(仮称)」について、県民会議委員に対して意見を照会し、後日、意見の提出を受けた。
  • 資料3「県民会議各委員の意見整理表」は、その意見を受けたものである。
  • 今回提出された意見、過去の会議の意見、事業モニターにおける意見等を、前回の「水源環境保全・再生施策点検表(仮称)」から、織り込んで資料を作成。


(田中委員長)
それでは、資料1の目次・構成について、ご説明をよろしくお願いします。

【土地水資源対策課から、資料1「水源環境保全・再生施策点検表(仮称)」の構成について説明。】

  • 前回、水源の森林づくり事業など12の特別対策事業について、それぞれ「1ねらい」から「12県民フォーラムにおける県民意見」の項目を記載する構成を説明したが、経過や趣旨の説明部分が必要との意見を受けて、今回、導入部として「はじめに」「経過」「評価の主体」を追加した。
  • また、第1部総論として「点検表の見方」や、各事業の構造図や施策体系を追加した。
  • 第2部各論の各事業についての記述の中では、参考になる資料を適宜追加した。
  • また、実行5か年計画の特別対策事業以外の課題についても、森林の保全・再生や、河川の保全・再生など、織り込む予定。
  • 最後に付表・図として、水源環境保全・再生事業の対象地域図などを添付する構成を予定している。


(田中委員長)
今説明していただいた部分は、0-2~0-3頁の点検表の目次、いわば枠組みについてです。その中で、具体的には第2部の部分が12の特別対策事業についての内容的な評価、あるいはモニター結果の部分になると思います。全体の第1部総論として、全体的な枠組みを説明する部分ということです。
したがって、この総論の部分は、0-4頁以降になります。0-4~0-5頁の点検表の見方、0-6頁の各事業の構造図、0-7頁の「水源開発から水源環境の保全・再生への転換」などの図表、さらに0-9~0-11頁に「かながわ水源環境保全・再生施策大綱」などがあります。
したがって、0-11頁までが第1部総論という枠組みになります。一応ここまでについて、少し意見交換をさせていただきます。如何でしょうか。

(真覚委員)
この点検表は、県民会議委員や関係者は勿論、対象なのでしょうが、インターネット等で一般県民にも公開することを想定しているという理解で良いのでしょうか。

(星崎課長)
はい。

(牧島委員)
0-7頁の「水源開発から水源環境の保全・再生への転換」において、第1ステージ、第2ステージという表現がありますが、これは今までこのような形で表示されていたのか、それとも新たに追加されたものか。私もホームページをかなり詳細に見ましたが、拠って立つ、この施策の由来や背景を我々が再認識する必要があると気づきまして、それでこれに似たような形の、ステージが変わっているということを県民の方々にも認識していただく必要があるという提案をしたわけですが、それに該当するのかなとも思っています。
それで端的に申し上げれば、水源開発から水量の維持、水質の向上という箇所は、森林整備、水源林の整備や、アオコの問題がやはりないと、非常に抽象的で済んでしまう感じがします。背景としては明確に県民に対して、危機意識を持っていただくということがないと、問題の芯に入っていかないのではないかと感じています。

(星崎課長)
0-6~0-11頁に掲載している資料は、原則として既存資料、あるいはそれを編集したものです。牧島委員ご指摘の0-7頁については、実行5か年計画の冒頭の図です。例外として、0-8頁の下の図「水源環境保全・再生の概略図」は、この専門委員会において、ポンチ絵のような分かりやすい図が必要とのご意見を受けて、淺枝委員に作成していただいた資料です。したがって、この図は、施策大綱や実行5か年計画の中にはありません。

(淺枝委員)
これは確かに私が作成して、事務局に渡しました。行政の文章は、どうしても堅苦しいので、できるだけ皆さんが親しめるようにと思い、絵を書いてみました。ただ、文章などは事務局の方でどんどん変えていただいて結構です。
(田中委員長)
分かりました。淺枝先生が作成された、この図にコメントや表現を少し追加・修正していくということですね。他に如何でしょうか。第1部総論では、図が幾つも出てきていますが。

(木平委員)
0-8頁の下の図「水源環境保全・再生の概略図」には、間伐をして、光が差し込み、下草が生えると、土壌の流出が止まるということですが、シカの問題がありません。幾ら間伐しても、シカの問題が圧倒的に多いのです。ここにシカの問題を追加すべきだと思います。

(田中委員長)
ありがとうございました。0-6頁の「各事業の構造図」では、事業のアウトプット、アウトカム、最終的な目標である「良質な水の安定的確保」が示されている。次に0-7頁の「水源開発から水源環境の保全・再生への転換」、0-8頁の上段には「水資源の現状」として、流域の対象地域が示され、0-8頁の下段には、淺枝先生が作成された、見やすい図があります。更に0-9頁には、水源環境保全・再生施策の体系があり、0-10頁では、水源環境保全税を財源とする事業そのものに絞り込まれ、と0-11頁では、個人県民税の超過課税の話になります。このように、少しずつ焦点が絞り込まれていく構成になっているという理解で良いのですかね。
一応ここまでは、第1部総論として、このような資料や図を紹介し、この後に各事業の各論に入るという構成であることですね。

(牧島委員)
全体に目を通して気づいたことですが、水源環境保全・再生施策では、県民参加型など様々な主体の関わりがあると思います。市町村も、県民も、もちろん県も参加し、また、関連する事業があって、非常に広がりを持った、あるいは参加性の高い施策であるというイメージがあると思います。それを表現として、何か一工夫していただきたいという感じがします。
具体的に事業モニターで現場を見ると、例えば、市町村は非常に頑張っている。そのようなニュアンスが、あくまでも事業が中心で、主役・主体が後ろに隠れてしまっているという意味です。

(田中委員長)
0-9頁の施策体系の中でも「7水源環境保全・再生を推進する仕組み」の下に、県民参加あるいは市町村の取り組みの促進というキーワードがあります。牧島委員が何かイメージされるような、良い答えがあれば、また後で聞かせてください。
それから、私の印象ですが、この0-6頁の「各事業の構造図」と、0-9頁の施策体系が関連していると思うのです。0-6頁の構造図があって、次に0-7頁の流域全体の図面が並び、構造と図面が交互になっています。0-6頁の構造図は、0-9頁の体系図とむしろ関連していると思います。その点について、また、取りまとめの段階で、工夫していただきたいと思います。
それでは、本題に入りましょうか。事務局からご説明してください。

【土地水資源対策課から、資料1「水源環境保全・再生施策点検表(仮称)」の「点検表の見方」(0-4頁)について説明。】

  • 12の特別対策事業のそれぞれについて、次の項目で記載している。
  • 「1ねらい」~「4事業費」は、実行5か年計画の各事業の内容を転記。
  • 「5事業実施状況」は、整備量など事業量の数値目標のあるものは事業量の実績を、数値目標のないものは事業内容を記載。
  • 「65か年計画進捗状況」は、計画量などの数値目標のある事業についてのみ、「5か年計画の目標」、「平成19年度の実績」、「平成20年度の計画」を記載。「目標に対する進捗状況」を帯グラフとして記載。
  • 「7予算執行状況」は、「5か年計画における5年間の事業費の新規必要額」、「平成19年度の予算執行実績」、「平成20年度の予算額」を記載。執行状況を帯グラフとして記載。
  • 「8事業実施に係る評価」は、数値目標のある事業について、19年度の事業量の実績に基づいて、A~Dの4つのランクで評価。数値目標の設定がない事業については、評価せず。
  • 「9モニタリング調査実施状況」は、モニタリング調査を行っている場合は、方法、結果を記載。行っていないものは考え方を示す。
  • 「10モニタリング調査結果に基づく評価」は、調査結果に基づき評価できるものは行い、できないものについては考え方を示す。また、参考データがある場合は記載。
  • 「11県民会議事業モニター結果」は、8回の事業モニター結果を集約したものを記載。
  • 「12県民フォーラムにおける県民意見」は、6回の県民フォーラムにおける意見を集約したものを記載。


(田中委員長)
今、点検表の見方をご説明いただきましたが、一つの事業を事例に説明していただければ、イメージがしやすいと思います。それでは、1番目の「水源の森林づくり事業」について、ご説明してください。

【土地水資源対策課から、資料1「水源環境保全・再生施策点検表(仮称)」の「1水源の森林づくり事業の推進」(1-1頁)について説明。】

(田中委員長)
ありがとうございました。1番事業を例に全体の構成、点検の内容、事業モニター等からの意見のまとめ方について、イメージが出ました。それではご意見をどうぞ。

(柳川委員)
第一に、この施策は、単年度つまり19年度1年間だけを見て、いろいろな方向づけをするのが正しいのか、それとも、間もなく2年目の20年度も終わるので、2年間を総括するのかによって、相当変わると思います。その場合、現在の県民会議委員の任期は平成21年3月までなので、次期の委員に依頼することになりますが。この森林や水の問題については、単年度で評価することに価値があるのかな、やはり2~5年経過しなければ、自然の実態は見えにくいのではないかと思います。
第二に、我々事業モニターの意見は、ニュースレターの内容が転記されていますが、少し違和感を覚えます。箇条書きにして、全体のトーンに合わせた形に修正した方が良いと思います。

(田中委員長)
今、本質的な話がありました。つまり、今回の点検は、19年度の実績を20年度にまとめるわけですが、確かにご指摘のとおり、水源保全あるいは森林保全は、1年という短期間で効果は出ないのでその点をどうするか。しかし、事業も進捗し、県民会議としても活動してきたので、事業評価は、やはりしなければならないという、この2つの課題があると思います。
事業モニターの意見については、現時点では、例として挙げていますが、最終的にはもう少し取りまとめた形になるのかというご意見です。
他は如何でしょうか。

(倉橋委員)
点検ということについて、私も柳川委員と同様の意見です。やはり自然を相手にしているので、1~2年で結果はほとんど見えないと思います。まして、森林は長期間で見なければ、結果は分からないと思います。特に点検の中で、A~Dの4つのランクが付けられていますが、このランクはあまり意味がないと私は思います。一般の県民は、やはりAは良い評価と思ってしまうと思うのです。ですから、結果として進捗率がパーセンテージで分かればよいと思います。
私は、生物を目で見たりするソフト面の点検を1~2年ではなく、継続調査して、設定されたポイントを毎年調査しながら、その変遷を県民に知らせる方が良いと思います。

(田中委員長)
ありがとうございます。ただ、一応前回の11月の県民会議で、方向性・大枠としてはこのような形ができたわけですね。この点検表を作る趣旨は、主に事業評価ですね。事業の進捗について、我々は県民会議委員として、事業について、監視、モニターをして、場合によってはアドバイスして、その結果を県民に公表しなければならない役目だと思うのです。
その成果の評価、つまり事業の結果としての森林環境や水源環境の変化は、長期的なスタンスが必要と思います。場合によっては、5年間に1回ということだと思いますが、少し工夫が必要かも知れません。

(牧島委員)
我々が実際に現場にモニターに行って、将来の方向性としては、この方法で事業を続けることに関して、ある程度プラスの評価をしてきたと思います。不十分な部分はありますが、その事業の担当者の姿勢を見ると、非常に真面目に真摯に取り組んでいただいています。その意味で、その事業の成果を評価するのではなくて、その姿勢や進捗状況については問題ないという意味における評価ですね。点検表にまとめてしまうと、現場へ行って見てきたその味がなくなってしまうと思います。我々が実際に感じたものをどのように残すべきか、あるいは残さなくても良いのかということです。

(田中委員長)
ありがとうございました。1-7頁に書かれている「11県民会議事業モニター結果」についてですね。県民会議として、特に事業モニターの中からどのようなメッセージを発信するかということがあると思います。県民会議の皆さんの考えで、これを作成する必要があるので、課題が大きいわけですが、如何でしょうか。

(真覚委員)
確かに個々にはいろいろ要望はありますが、まず点検表をこのような形でまとめて、県民に示すことを考えた場合に、私は過不足ないと考えています。特に1-8頁における「森林の公益的機能」の易しい解説など。先日、自然環境保全センターが主催した「森林管理とシカ管理」というワークショップがあり、主に行政や学識経験者が主体の会議でしたが、我々も一般県民として率直な意見を聞きたいということでオブザーブしました。その中で、多くのNPOや環境関係者の中で、圧倒的に私が感じたのは、行政が税金を取って事業を実施しているが、それについて我々は知らされていないし、知らない。このような意見が、一般の方ではなく、環境問題に関わる人たちの意見として出てきました。やはり我々が思っている以上に知られていないし、まず知らせていくことが第一歩だと思いますので、あまり細かくではなく、大づかみで、分かっていただくことが必要だと思います。特にその中で税金がどのように使われているか、適切なのかという意見も、当然税金を払っている県民としては、関心が高くなっているので、このような形で予算の事業別の内容の明細が見えていますが、結論的には、全般としてはかなり良いのではないかと考えます。

(田中委員長)
ありがとうございました。まず、「1ねらい」~「10モニタリング調査結果に基づく評価」まで項目の立て方は良いと。今までの事業進捗や、モニタリング調査の具体的な測定調査、現地調査の結果があれば、それをまとめると。
ポイントは、議論されている「11県民会議事業モニター結果」において、県民会議としてのメッセージをどのようにするか、その評価をどのように使うかという話です。「12県民フォーラムにおける県民意見」は、県民フォーラムでこのような意見が出ているので、事実として、後はまとめ方だけの話です。
そうすると、「11県民会議事業モニター結果」の整理の仕方がポイントだと思いますが、如何でしょうか。例えば、山北町で水源の森林づくり事業をモニターした場合、その中での評価やコメントを箇条書きにする。つまり、時期、場所を明記した上で、課題や評価を箇条書きにすることが事業モニターの直接的な内容だと思います。その上で、もう一つ私が気になるのは、資料3にあるように、全体としてどのように考えるかということもコメントが出ていまして、これをどう生かすかを考えてみる必要があります。
繰り返しますと、事業の現場をモニターした結果について、その中での課題や評価は箇条書きなどにまとめて出して良いのではないかと。加えて、モニターとして事業を全体的に見て、あるいは残されている課題などの指摘も、全体論としてのコメントも追加したらどうかと、そのように考えますが如何でしょうか。
そのようなまとめ方を想定した上で、少し事業の内容を見ていきましょうか。

(高橋弘二委員)
「8事業実施に係る評価」という表現が、この事業を実施したことによって、どうだったかという評価をしているように受け取られてしまうと思います。したがって、ここのタイトルは、「事業進捗率」などに変更したら如何かと思います。

(田中委員長)
確かに「評価」というと、全体的なイメージがありますね。これは項目を整理することはいいですね。それでは、よろしいでしょうか、2番の「丹沢大山の保全・再生対策」以降の事業について、内容を見ながら、議論を深めていきたいと思いますので、事務局から説明をお願いします。

【土地水資源対策課から、資料1「水源環境保全・再生施策点検表(仮称)」の「2丹沢大山の保全・再生対策」(2-1頁)、「3渓畔林整備事業」(3-1頁)、「4間伐材の搬出促進」(4-1頁)、「5地球水源林整備の支援」(5-1頁)について説明。】

(田中委員長)
ありがとうございました。今、森林関係の事業の進捗について、ご説明いただきました。専門委員の先生方、如何でしょうか。このモニタリング調査や、「9モニタリング調査実施状況」、「10モニタリング調査結果に基づく評価」の書き方など、もしアドバイスがありましたら、どうぞ。

(淺枝委員)
この水源環境保全税の予算で実施されている部分が、一般会計を含めた全体の中で、何割ぐらいかはすぐに分かるのですか。

(星崎課長)
例えば、4-5頁の「県産材活用総合対策」の中で、一般会計が1億303万円で、水源環境保全・再生事業会計を含む合計が1億8,840万円と記載されていますが、このようなことでしょうか。

(淺枝委員)
そうです。それを各事業について示すと、水源環境保全税がどのような形で使われているのかイメージがもう少し分かりやすくなると思います。今までも既存事業が実施されているけれど、分かりにくくなっているので、全体の対策の中で水源環境保全税の役割などがもう少し分かると思います。

(星崎課長)
仰せのことは分かりますが、全体の捉え方によって、どこまで含めるかという問題があります。この県産木材活用総合対策については、このようなプロジェクト的な形で分かりやすいのですが。

(淺枝委員)
例のアオコ対策がそうなのです。アオコ対策は別の予算ですよね。

(星崎課長)
それについては、9-8頁の「ダム湖(相模湖・津久井湖)の環境整備事業」をご覧下さい。例えば、植物浄化施設による直接浄化対策や、エアレーションによるアオコ発生抑制対策、浚渫による堆砂対策を実施していますが、これらには水源環境保全税は充当されていません。淺枝先生、このような事業の予算も入れるべきという話であれば少し考えますが。

(淺枝委員)
全部の事業を入れたら切りがないので、県民にも別の予算で実施されていることが分かれば良いということです。

(柳川委員)
私も水源地域で工事をしている人たちに直接、水源環境保全税で実施している事業かどうか聞いところ、これは違うと思いますという話でした。一体、水源環境保全税がどのように、どの分野で使われているか、現場では非常に分かりにくいのです。しかし、一般会計の事業と、この水源環境保全税を円グラフに出すことは、非常に大変な作業だと思いますが、そうしなければ、なかなか県民には分かりにくい気がします。

(星崎課長)
水源環境保全税の成り立ちを説明します。水源環境保全・再生施策として、従前から既存事業が実施されていますが、更に充実・強化する必要がある、だから超過課税を頂きたいという、いわば2階建ての構造になっています。例えば、丹沢大山自然再生の8つの事業に全部、水源環境保全税を財源として充当するという切り分けができれば分かりやすいのですが、それでは、今まで既存財源で実施してきた事業の財源の振り替えという話になってしまいますので。そのような状況があります。

(高橋弘二委員)
よく工事などハード事業では、看板を立てますよね。ハード事業には、看板に「水源環境保全税を使っている」ことを明記させるように指示することは如何でしょうか。

(星崎課長)
それこそ、評価の中に入れてください。

(田中委員長)
具体的な提案としてよろしいのではないでしょうか。それは、この水源環境保全税がどのように使われているかを、現場で県民に示すために。

(原委員)
モニタリングに関してコメントします。0-5頁の「点検表の見方」の中で「9モニタリング調査実施状況」、「10モニタリング調査結果に基づく評価」を説明してますが、その「10モニタリング調査結果に基づく評価」で、この結果が何を評価するというところがここには書かれていません。実施したモニタリング調査結果に基づき評価を行うと書いてありますが、「何を」がここには具体的に書かれていないのです。恐らく、そのねらいに対してうまくいっているかどうかということだとは読むことができるのですが、そのような点で読むと、例えば、具体的に2-4頁で、丹沢大山の保全・再生では、公表の有無と、まだ具体的には評価できないことが書かれていて、各事業について書きぶりが違うのです。勿論、事業によって、評価の量的、質的を含めて方法は異なりますが、その点を統一したら良いと感じました。
また、0-5頁の「8事業実施に係る評価」の中で、数値目標の設定がない事業に対してはA、B、C、Dという評価は行わないとのことでした。例えば4-1頁の「間伐材の搬出促進」の中で、事業内容の「1間伐材の搬出支援」は量的目標があり、評価できますが、「2生産指導活動の推進」は、量的な評価はしていません。この数値目標の設定がない事業で評価をしないことが、事業によっては本質的に評価ができないものと、目標を設定していないものを区別して説明いただくと、分かりやすいと思います。

(田中委員長)
ありがとうございました。主に「8事業実施に係る評価」、「9モニタリング調査実施状況」、「10モニタリング調査結果に基づく評価」について、ご指摘を頂きました。「10モニタリング調査結果に基づく評価」のコメントの書き方を少し統一した方が良いというご意見でした。

(木平委員)
第一に、「11県民会議事業モニター結果」については、ニュースレター「しずくちゃん便り」の意見が転記されていますが、私は生の言葉を入れることは非常に良いと思います。ただし、全部の事業箇所をモニターしたわけではないので、この意見は、何処に行って何の事業をモニターした結果であるかを説明する必要があります。他の委員と意見が異なりますが、意見をあまりまとめて抽象化すると、全部同じような表現になるので、生の言葉でも私は面白いと思います。
第二に、言葉のことですが、「浸食」よりも「侵食」の方が私は良いと思います。
第三に、「森林」、「整備」、「荒廃林」、「荒廃している森林」、「手入れが必要な森林」などの言葉が書かれていますが、「荒廃している手入れが必要な森林」とはどのようなものか、今だにイメージが湧きません。したがって、少し言葉を入れた方が良いのではないのですか。また、「整備」という言葉で括っていますが、整備とは何か、このようなことをするという言葉を入れてほしい。次に目標林についても、このような森林だと入れた方が良いと思います。
一番分かりにくいことは、全体として、天然林の問題なのか、人工林の問題なのか、広葉樹の問題なのか、針葉樹の問題なのか、その点が非常に分かりにくいのです。私は、端的に人工林で間伐作業が遅れている所を重点に実施したとか、他にも天然林についても書いても良いのですが、そこを見直してほしいと思います。特に1-6頁には、水源林のモニタリングの結果の写真があって、広葉樹の雑木林があります。県の森林の整備は一体何をやっているのか、もう少し全体として入れた方が良いと思います。

(田中委員長)
ありがとうございました。少し内容の具体的なご指摘をいただきました。

(古米委員)
第一に、先ほど「8事業実施に係る評価」という言葉を「進捗」などの形で修正した方が良いという意見については、私もそう思います。単純に5年間で20%を実施したという軸でAとかBなどの評価が本当に良いのか先程から考えています。最初の年度に25%実施して、次の年度は15%だとランクが下がって、BやCランクになってしまう。しかし、目標よりも毎年度多く実施すれば、いつも20%を超えていて、Aでいいかなという考えもするので、悪くはないと思いますが、1年目は良いのですが、2年目に、2年間の累積した実績のことも考えて、ランキングをこのような方法で良いのか整理する必要があると思いました。
第二に、評価・点検した結果、だから次はどうするのかをどこに書くのかと思いました。Aなので引き続き頑張りますとか、B・Cなので、問題は何処にあって進捗しなかったので、次にどうすするのかを、どこに書くのかが2点目の意見です。
第三に、先程、水源環境保全税による事業が、プラスアルファの部分であるという話がありました。その部分で評価をせざるを得ないけれども、前回指摘したように、関連の事業の資料・情報を入れて、このような既存事業も一緒に実施しているということを示す工夫をしていただきました。
しかし、予算の話は同じ土俵に乗せられないという県の率直な回答がありました。そこで、「8事業実施に係る評価」か、「10モニタリング調査結果に基づく評価」か分かりませんが、既存事業がこれだけ実施されている中で、今回の事業が追加的に実施している事業であり、これによりどうなるという位置づけや機能を書くことはできるのではないだろうかというのが意見です。
第四に、市町村に対する交付金を対象とする事業は、ランクがAが少なく、CやDになるのですが、要は交付金なので、市町村が手を挙げないと交付金が出ないということが表れていると思います。その意味において、この市町村交付金の事業の書きぶりは、県が直接実施事業と比較すると、進捗が悪いことだけが表れてしまいます。そうだとするならば、そのような状況のなかで、水源環境保全税の予算をどのように活用して施策を推進するのかが気になるということが4点目の意見です。

(田中委員長)
今、先生方から数点ご指摘がありました。私からも追加したいと思います。
一つは、木平先生が仰った人工林や天然林など各事業が対象にしている、森林の種類を最初の方で事業の位置づけなどを書いてもらいたいということですね。
もう一つは、古米先生からも出ましたが、少し踏み込んで課題の指摘と提言のようなものまで、ここに書くことできるかどうかですね。単年度の事業を見た中で出せるものは出しますが、しかし、なかなか苦しいところもあるので、問題の指摘とプラス次にすべきことを追加する。その場合、その欄を何処に作るのか、今「12県民フォーラムにおける県民意見」までありますが、そのあたりに何か総合コメントの欄を設けるかどうかですね。つまり、その事業が全体としてどうか、残されている課題など総合コメント的なものをつけるか。それが先生からご意見を受けてどうかということです。
また、淺枝先生からも出た関連事業についてですね。今まで県や市町村が実施している、つまり従来の事業に加えてこの水源環境保全の事業がある。位置づけや役割分担があるといいですね。そうしないと、何かこれらの事業だけ実施しているように逆に見られがちだし、むしろその全体の事業量からすれば従来からの事業の方が多くの事業を実施していることもあって、その点で事業費ベースでの積算が難しいとすれば、例えば、施策の体系の中で、水源環境保全税で実施している事業を出すなど工夫するところもあるということですね。
まとめて申し上げましたが、如何でしょうか。また委員の皆さんから追加のご意見もあれば。

(倉橋委員)
沢山言いたいことはありますが、この施策が20年間で予定されていて、最終目標がどこにあるのか見えません。今はともかく荒れた森林の手入れをすることは良く分かるのですが、手入れをし終わった後、どうなるのか。私有林だから、地主が自立して、そこの森林を守っていけるのかというところが必要だと思います。要するに、森林は手入れだけしても、お金にならなければならないというのがあります。その中でこの対策の中には、間伐材の搬出までは分かりますが、その先の対策がないので、この中に盛り込めるのかどうかは、ある程度この5年間に目標を定めないと、後々の20年間で難しくなると思います。それと、今、間伐しているのは、年数の低いものですが、今後、高齢級間伐を行う中で、伐採したら捨て間伐で良いのか。その伐採した木を搬出する方向性を見出さなければ、20年後に伐採したで終わってしまうのと心配です。その目標をぜひ入れていただきたいと思います。

(田中委員長)
今のご意見について、この事業は当面5か年事業ですが、この後にどのようにつなげていくか、あるいは全体として提言していくかは、大事な話だと思いますので、そちらをまとめて整理したいと思います。
それでは少し急いで、残りの水の事業をご説明いただいて、もう一度ご議論をお願いしたいと思います。よろしいですか、では事務局から。

【土地水資源対策課から、資料1「水源環境保全・再生施策点検表(仮称)」の「6.河川・水路における自然浄化の推進」(6-1頁)、「7.地下水保全対策の推進」(7-1頁)、「8.県内ダム集水域における公共下水道の整備促進」(8-1頁)、「9.県内ダム集水域における合併処理浄化槽の整備促進」(9-1頁)、「10.相模川水系流域環境共同調査の実施」(10-1頁)、「11.水環境モミタリングの実施」(11-1頁)、「12.県民参加による水源環境保全・再生のための新たな仕組みづくり」(12-1頁)について説明。】

(田中委員長)
ありがとうございました。12番の事業まで大体見ていただきました。ご発言されていない委員の方、如何でしょうか。最後に、全体をまとめて、少し最後にちょっと今後の進め方についてご相談をしたいと思いますが、如何ですか。

(天内委員)
事業の進捗状況は非常に大事な仕事だと思いますが、結果については、例えば公共下水道や合併処理浄化槽、また森林など、予算とパラレルに成果がかなり出やすい部分と、水質など予算と成果が非常に評価しにくいことがあると思います。そのようなことを考えて、説明をつけた評価が必要だろうと思います。
それから、私がモニターした中で、例えば、開成町で水源環境保全税の予算を使って、バイオコードで水路の水質を浄化する事業箇所を見ました。面白い事例でしたが、いろいろな業者がその効果をPRして使ってもらったことではあると思いますが、開成町のように水が非常に速く流れる箇所で、あのバイオコードで果たして効果があるのか、と私は素人ですから、そのようなことを考えました。事業は進捗したけれど、その調査・評価を実施した自治体等からもしっかり出してもらって、比較した方が良いと感じました。

(田中委員長)
ありがとうございました。石村さん、いかがでしょうか。

(石村委員)
第一に、事業モニターをする場所ですが、私はそこそこ整備された箇所を見せられて、本当にモニターが必要な箇所は見せられていないという印象を受けております。
第二に、県と市町村の協働して行う施策がどのような関係でつながっているのかが見えてこないということです。
第三に、経済性を生み出すということ話も出ていましたが、それはかなり重要で私もよくそれを言いますが、私は「林地団地化・集約施業」というドイツ林業を今年度から始めておりますが、私有林の所有者の方々の関心が余りにもなさ過ぎます。もっと森の中に分け入っていけば、何か新しい手法が見つかるのではないかと思っていまして、私自身は実践に向けて動き出しております。

(田中委員長)
ありがとうございました。後半の部分がまた大事な課題で少し皆様が意見交換をする時間が足りなくなってきました。
そこで、今後の進め方について、ご相談ですが、まず専門委員会の各先生に、事務局が意見をお伺いすることをさせていただきたいと思います。水の事業の部分について、また、全体の枠組みについて、事務局の方から電話等でご意見を伺い、1回整理をしてみる。これを先生方にぜひお願いしたいと思いますので、本日時間が足りなかった点はそのような形でお伝えをさせていただきたい。
それから、今後のスケジュールを考えると、県民会議が3月下旬に決まっていて、そこにはこの点検表の最終案を提示したい。その前には、この施策調査専門委員会での素案を作り上げて、県民会議の中で改めて委員にご意見を伺う素案を出したいと考えています。
それは2月下旬か3月上旬には、各委員の皆さんにお配りをして意見を聞きたい。すると、2月下旬には、やはりこの案を整理する必要があると思います。そうすると、もう一度このような場を作り、内容を聞きとったものを入れ込むことで如何でしょうか。事務局で用意できればそのような形を第1案にしたいと思います。
もし、それが間に合わなければ、今言ったように個別にご意見を反映する形で点検表の案を調整する方法を、事務局と日程調整したいと思います。
したがって、本日は事業モニターチームの皆様に出席していただき、貴重な意見をいただきましたが、まだ言い切れなかった意見があると思います。水の事業などについて、意見をもう一回事務局に伝えて下さい。そのような形で施策調査専門委員会の委員、また、事業モニターの委員の意見を踏まえて、もう一度案を調整する。その案をこのような集合形式で検討するか、個別の段階で検討するかは、事務局と調整したいと思いますが、いずれにしても3月初めには原案を作成するスケジュールを考えていますが如何でしょうか。

(星崎課長)
そのようなスケジュールでお願いしたいと思いますが、事業モニターチームについては、水チームは1月18日に、基本的に方向性を議論しました。また、森チームは2月9日に議論する機会があるので、そこで方向性について詰めたいと思います。

(田中委員長)
その段階で、またご意見が集約されるということですか。

(星崎課長)
現時点では、「11県民会議事業モニター結果」は、個別の意見が列挙されており、木平先生はそのような生の意見があっても良いとのご意見でしたが、少し方向性を詰めて、それに基づいていくつかの意見をピックアップするという形で如何でしょうか。

(田中委員長)
分かりました。ありがとうございます。事業モニターチームは、その形でまとめていただいて、本日、この資料の水の事業については、十分に議論できなかったので、個別にご意見を提出してください。それでは、場合によっては事務局と私で調整して、もう1度2月下旬にこのような会議を持たせていただくかもしれません。
最後に倉橋委員から持参資料の説明をお願いします。

(倉橋委員)
本日配布した資料「アオコの湧かない相模湖・津久井湖のための提言」は、私個人の意見ではなく、桂川・相模川流域協議会の市民部会から、県民会議の任期が終わることに関して、提言書を出したいと思い、まとめました。これは、タイトルにも書いてあるように、アオコの問題についてです。本日は時間がないので、これを持ち帰っていただいて、よく読んでいただいた上で、次回の機会があれば、検討の一つにしていただきたいと思います。

(田中委員長)
分かりました。倉橋委員がご意見として出されることは別に構わないと思いますね。
それでは、少し定刻を過ぎましたが、これで終了としたいと思います。ありがとうございました。

【会議終了】

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会議資料

資料1水源環境保全・再生施策点検表(仮称)

資料3県民会議各委員の意見整理表

(資料2はなし)

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