ホーム > くらし・安全・環境 > 生活と自然環境の保全と改善 > 開発規制・生活環境の保全 > かながわの水源環境の保全・再生をめざして > 施策調査専門委員会の概要 > 第15回施策調査専門委員会審議結果
更新日:2020年9月18日
ここから本文です。
次の審議会等を下記のとおり開催した。
水源環境保全・再生かながわ県民会議 第15回施策調査専門委員会
平成22年10月28日(木曜日)9時30分から12時00分
かながわ県民センター4階 402会議室
田中 充【委員長】、木平 勇吉【副委員長】
淺枝 隆、天野 望、中村 道也
オブザーバー委員 新堀 豊彦、岩渕 聖、小林 信雄、柳川 三郎
未定
水源環境保全課調整グループ、担当者名 原田
電話番号 045-210-4352
(中村委員)
森林整備に水源環境保全税を使う事は問題ないが、水源環境としての森林の持つ機能向上とは関係のない間伐材搬出に水源環境保全税を充当することは疑問。
・間伐事業は否定しない。しかし、間伐による結果として出てくる木材は、素材生産として伐採される木材と異なり、当初から計算できるものではない。数量目標として設定することが疑問。
県が森林塾で人材を養成するよりも、業者に養成してもらった方が良いのではないか。
・将来雇用する可能性のある業者のニーズを把握したのか。
・卒塾した人間が就職や自立するまで、県がどこまで支援する計画があるのか。
(田中委員長)
・第2期計画骨子案に関わる意見であるが、間伐材搬出の促進は現行の特別対策事業に位置付けられている。
・中村委員の意見は、(1)間伐材搬出について、事業量の目標を設定することへの疑問と、(2)森林塾について、人材育成に係る事業者のニーズに応えているのかという意見。
(木平委員)
事業モニター結果と県民フォーラム意見の項目が今回追加されたが、できれば県民参加・県民会議の役割を評価してまとめては如何。県民参加の視点でとりまとめては如何。
現行計画にも抽象的な目標林型は書かれてあるが、段階的な筋道が書かれていない。したがって、事業の結果について、意見が分かれてくる。
・4年間の事業実績と経験を積んでいるので、「このような状態の林分は、このような経過で、このようにしていく」の筋道を書いては如何。
(田中委員長)
・県民参加の視点の取りまとめについては、点検結果報告書の工夫で対応は可能。
・水源環境保全としての森林整備をどういう道筋で段階的に導くのか、もう1度チェックして見直すべき点は見直すべきという趣旨の意見であると思う。これは第2期計画の目標設定で反映すべきと考える。
(中村委員)
確保実績を面積で表すことは理解するが、整備については面積だけで進捗管理され、中身が議論されていない。広葉樹林で蔓まで切っている箇所もあるが、それも含めて整備面積になっている。
・進捗管理とは別に、実績評価を県民や第三者機関に任せては如何。林床植生や野生生物との共生等、評価のあり方を検討しては如何。
最近は架線搬出の技術者がいなくなっている。水源環境保全に配慮しながら、施業する業者には奨励金を支出しても良い。例えば、架線搬出する業者には支出し、重機で搬出する業者には支出しないなど。そうすれば業者も努力する。
(浅枝委員)
県民会議の中に評価システムを作るべき。事業モニターが勉強会になっている。ただし、どういうシステムが可能なのか。委員が分担して点数を付ける方法等。「しずくちゃん便り」に書いても意味はない。
(新堀オブザーバ委員)
ある木材業者に言われた意見であるが良い材であるA材は搬出するが、質の劣る材であるB材は補助金が安いため赤字になるので搬出しない。しかし、B材も搬出すれば活用できるので、搬出したいとのこと。
(田中委員長)
・ここまで、(1)間伐材搬出事業のあり方、(2)森林塾、(3)県民参加の視点、(4)第2期計画に向けて事業計画の目標のあり方と、(5)段階的な目標設定について、等の論点があるが、この点について県担当課から何か説明はあるか。
(中村委員)
間伐材搬出の目標数値が設定されているが、搬出する理由・目的は何か。森林整備の結果として出るなら良いが、目標数値を何のために設定しているのか。
(木平委員)
間伐材であれ、主伐材であれ、木材は儲かれば搬出するし、赤字であれば搬出せずに切り捨てておくことが普通の考え方。水源環境の機能から考えると、搬出しなくても問題はない。ただし、見た目の問題や災害時流出の問題はある。
(森林再生課)
林道から遠い箇所については、森林所有者の整備が困難なので、県が借受けや買取により森林を整備し、搬出は困難なので混交林化を図っている。
・林道から近い箇所については、県が森林所有者に支援することにより、自分で森林を整備していただく。森林整備の補助をするが、それだけでは所有者負担が必要となり、森林整備が進まないので、間伐材搬出の補助も加えることにより、整備意欲を高める目的で実施している。
・目標数値は、必要な森林整備、理想的な搬出が行われた場合を想定して、利用割合等の係数を設定して計算している。
森林塾の事業者側のニーズ把握については「若い人がすぐに退職してしまう」との意見を受けて、就職前に作業経験を行うコースなどを設定した。
・就職への道筋については、森林体験コースと演習林実習コースの修了者を、神奈川労働局、ハローワークと共催して就職相談会を実施。平成21年度は9名就職している。
(天野委員)
森林塾塾長として、「単なる森林伐採の人夫ではない」ことや森林の重要性の基本的考えを説明している。
・1人前になるためには3~5年の経験が必要。また、応募者は多いが、厳しいので辞める人もいるが、歩留まりで評価することは難しい。しかし、これは大事な事業だと思う。
(木平委員)
この森林整備は、水源環境林を作るためである。木材生産に基盤を置く林業の考え方には納得できない。
(天野委員)
「混交林」と言うが、間伐して太陽光が入れば、結果的に自然の雑木が生えてくる。何が水源林で何が木材生産なのか、物理的な過程は同じだと思う。
(浅枝委員)
渓流の生態系にとっては、間伐材が残っている方が良い。しかし、間伐材が一番問題になるのは、洪水時のダム湖への流出。いろいろな側面がある。
(中村委員)
以前は、発注者である県が言わなくても、業者が間伐した後、横に並べて流出しないようにしていた。今は知らない業者が放置している。現在の制度では、丁寧に行う業者を優先的に扱う制度もない。
・水源環境保全税の趣旨を考えれば、業者の整備状況も評価した上で、支援すべきだと思う。もう少しきめの細かい支援のやり方を検討されたい。
労働力の確保や養成が目的ならば、年齢制限を若くするべき。不公平になると言う理由で年齢制限できないと言うが、60歳の人が勉強して、山で仕事ができるのか。
(田中委員長)
・水源環境保全税の目的が、最大限発揮できるような事業の組立や、評価の仕組みについての意見である。
・モニタリング調査は各事業で実施しているが、調査実施主体について、担当課ではどのように設定しているのか。
(自然環境C研究連携課)
水源の森林づくりのモニタリング調査は、自然環境Cが技術開発して、それに基づき外部委託している。
(自然環境C水源森林課)
・技術的モニタリングの他に、水源の森林づくり事業について、年1回検討委員会の外部評価を受けている。
(田中委員長)
・間伐材搬出のように、質を評価する仕組みが必要という意見があった。間伐材搬出後の土壌等の森林状態を見る等。
(自然環境C研究連携課)
間伐材を搬出しないと、その後数年間、大量の間伐材で林床が覆われ、植生が回復されない状態もある。自明のことなので特にモニタリング調査をしていない。間伐材の搬出は林床植生回復のために必要である。
(中村委員)
・学術的なモニタリング調査でなくても、適正な間伐が実施されているかのモニタリング調査であれば、一目見ればすぐわかるはず。
(木平委員)
・これは間伐材搬出ではなく、森林整備に対する評価が必要だということである。
(田中委員長)
・間伐材搬出は水源の森林づくり事業の中で間接的に見ている、という説明ではあったが、質の評価の課題はあるということである。
(天野委員)
・間伐材と言っても、間伐の時期を経過したものが多い。水源林を作るための間伐のルールを作って、間伐・搬出がされるならば、水源環境保全税を充当することは許される。まだ施工ルールが確立されていない。
(田中委員長)
・自然環境Cで、水源の森林づくり事業について、専門家の意見を受けているとのことだが、その意見や結果を県民会議にも説明していただければ、安心して確認できる。
(柳川オブザーバ委員)
・事業モニターも当初は施策を県民に周知することを本務としてきたが、次第に課題等が見えてきた。第2期計画では、その課題も組み入れて検討されたい。
(中村委員)
地下水保全について、秦野市は約70%が自己水源と聞いているが、他の市町村はどれくらいの自己水源率なのか。その割合が少なければ、支援する必要がないと思うが。
(水源環境保全課河原課長)
・地下水を主要な水道水源として利用している地域のみを地下水保全対策の対象としている。
(中村委員)
河川・水路における自然浄化対策が、本当に水源環境保全・再生対策なのか。
(浅枝委員)
直接浄化対策は中長期的な視点の効果はない。生態的に配慮した整備は、回復すれば効果が現れるが、中長期的な時間が必要。短期的な効果か、中長期的な効果か決める必要がある。
山梨県対策について、田畑からの汚濁負荷が大きいので、田畑で使用する肥料を減少させることが必要。そこまで神奈川の水源としてどれだけの費用がかけられるかということ。
(田中委員長)
・これまでの各委員の意見については、(1)今回の点検結果報告書の総括・評価にどのように記載するか。(2)また、第2期計画にどのように反映させるか。2つの視点から整理が必要である。
(天野委員)
公共下水道ではなく、合併浄化槽を整備する区域は、県営水道を受けられなかった地域で、自分たちで生活用水を確保し、浄化施設を整備・使用していた。その後、宮ヶ瀬湖の関連事業で上水道を整備した。
・彼らは相模湖・津久井湖の汚水対策のために、何故自分たちが負担してまで合併処理浄化槽を設置する必要があるのかという意識がある。
・高度処理型合併処理浄化槽整備について、従来からの住民がどれだけ入れ替えているのか、それとも新たに入ってきた人が設置しているのか、把握すべき。
・相模湖・津久井湖周辺の高度処理型合併処理浄化槽整備を進めるため、個人負担を軽減し、行政主導で押し進めた方が早いと思う。
(田中委員長)
各事業の項目の中に「9モニタリング調査実施状況」「10モニタリング調査結果」があるが、これは11番事業の「水環境モニタリング調査の実施」と文言が重複するので分かりにくい。別の表記にするなど工夫した方が良い。また、具体的な測定を行ったか否か整理した方が良い。
・「8事業進捗状況から見た評価」であるが、数値目標がないものでも定性的に記述できないか。
・空欄になっている「13総括」について、私(田中委員長)と事務局で整理し、試案を県民会議(11月15日)の際に、箇条書きで提示したい。それを叩き台に、またご意見を頂きたいが如何。
(一同了承)
(田中委員長)
県民会議が関わる形で評価をまとめるようにしたら如何と言う意見が木平委員や中村委員から出された。各位の意見を頂きたい。
(新堀オブザーバ委員)
・県民会議では、意見を全部発言し切れない。公募委員は事業モニター等の機会に発言できているが、特に関係団体の委員は出席が少なく、発言も少ないため、意見の吸収が十分ではない。
(中村委員)
・行政による実績評価やモニタリング調査の評価と、県民目線の評価の二本立ての評価でも良い。
(浅枝委員)
・実際に採点表を提出していただければ良い。その際に、自由意見があっても良いが、評価項目を決めてABC等の評価を付けると明確になって良い。
(中村委員)
・しかし、1~2回の現場の印象のみで判断されても困る。県民会議の中で別の委員会を作り、自分たちで現場を回ることが必要ではないか。
(木平委員)
・中村委員に賛成。県民会議の報告書作成という目標が決まれば、活動や役割が明確になる。
(柳川オブザーバ委員)
・事業モニターの委員として、この事業は水源環境保全税を充当すべき事業か否かという疑問や意見が出始めている。機会をとらえて、県民委員から意見を出し、それが行政に反映されると良い。
(浅枝委員)
・河川・水路の整備についても、全部ではなく一部を水源環境の予算から充当する方法もある。そのような意見を書いていただきたい。
(岩渕オブザーバ委員)
・納税者が納得できるように県民会議の中に評価システムを作るべき。また、目的外支出が明らかな場合はやり直させるとか、返還させる等の是正をすべき。
(小林オブザーバ委員)
・事業モニター結果として、しずくちゃん便りの内容が記載されているが、公募委員のみの意見なので、専門家の意見がなく、内容のポテンシャルが低い。もっと上げていきたい。
(田中委員長)
・事業モニター結果は現場を点検した視点でまとめることとし、総合的な点は「13総括」が県民会議全体の意見として反映させることになる。施策調査の評価について、私(田中委員長)が事務局とも相談して反映させる。
(田中委員長)
意見の提出の仕方はどうすべきか。県民会議委員の個人としての意見提出もあるが、施策調査専門委員会としての意見提出はどうするか。
(水源環境保全課河原課長)
・現在、市町村に対する意見照会、県民会議委員に対する意見照会、県民に対するパブコメを実施している。県民会議委員意見として扱って良ければそのように対応する。
(田中委員長)
・それでは、施策調査専門委員会としての意見を県民会議(11月15日)に提出すれば良いのか。
(水源環境保全課河原課長)
・それでは時間的には間に合わない。県民意見を11月7日に締め切り、その後、素案に向けて意見を整理し、庁内検討に入るため。
(田中委員長)
・それでは、本日出た意見のうち、第2期計画に向けた意見を事務局で整理して、出席者各位に確認し、11月7日までに県に提出する方向で整理することとしたい。
(水源環境保全課河原課長)
・また、計画素案を12月の県議会で報告した後に、パブコメを実施するので、その時にも機会はある。
【会議終了】
資料1-1 点検結果報告書(平成21年度実績版)の作成の基本的考え方
資料1-2 点検結果報告書(平成21年度実績版)(案)
資料2 第2期実行5か年計画(骨子案)
このページの所管所属は環境農政局 緑政部水源環境保全課です。