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初期公開日:2024年10月23日更新日:2024年12月18日

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東京湾岸自治体環境保全会議 疑問・豆知識

東京湾岸自治体環境保全会議の紹介ページです。この会議は、東京湾の水質浄化を図るため、東京湾岸自治体が広域的な対策と湾岸住民への環境保全に係る啓発の実施について協議し、連帯的・統一的な環境行政を推進しています。

 

疑問・豆知識

問1 東京湾とは、どこからどこまでをいうのでしょうか?
1. 東京湾アクアラインから北側
2. 房総半島富津岬と横浜八景島を結ぶ線の北側
3. 房総半島洲崎と三浦半島剱崎を結ぶ線の北側

 

答え「3」

 房総半島洲崎と三浦半島剱崎を結ぶ線から北側を東京湾といいます。
 この東京湾は、房総半島の富津岬と三浦半島の観音崎を結ぶ線でさらに分けられ、北が狭義の東京湾(東京内湾)、南が浦賀水道(東京外湾)と呼ばれています。

Q1-1

 

問2 東京湾内湾の平均の深さはどれくらいでしょうか?
1. 15メートルくらい
2. 30メートルくらい
3. 45メートルくらい

 

答え「1」

 房総半島の富津岬と三浦半島の観音崎を結んだ線の内側を東京湾の内湾(狭義の東京湾)といいます。内湾の平均水深は15~16メートルで、これは4階建てのビルとほぼ同じ高さです。世界中の海の平均水深は約3,800メートルですので、東京湾の内湾はとても浅い海です。
 内湾の入口である三浦半島の観音崎と房総半島の富津岬の距離は6~7キロメートルほどしかありませんので、外海と海水が混ざりにくく、東京湾の水の年平均滞留時間は約1~1.5か月と言われています。
 東京湾は、内湾から浦賀水道にかけて一気に深くなり、東京スカイツリーの高さ634メートルより深く、最も深いところで水深700メートルほどになります。

 

問3 干潟がとても大切ですと言われていますが、なぜ大切なのですか?
1. 鳥がたくさん集まって,羽を休めるため
2. カニや貝がたくさんすんでいるため
3. 海の汚れをきれいにしてくれるため

 

答え「1~3まで全て正解」

 干潟は、満潮時は海の中に、そして干潮時は海の外にあるため、たくさんの生き物がいます。藻の仲間や微生物、原生動物などとても小さな生き物をはじめ泥の中にいる底生生物や貝、カニやハゼの仲間などがいます。
 これらの仲間は、水を浄化するとても大切な役目をします。
 海の汚れの原因となっている有機物や栄養塩類は干潟の表面に棲(す)む微生物によって分解されます。
 この微生物は貝やカニ類などの底生生物に食べられ,その底生生物は魚や鳥に食べられ、干潟の生物間には食物連鎖が成り立っています。
 海の汚れの元である栄養分は食物連鎖により捕食する生物に受け渡され、最終的には魚や鳥、あるいは人間の手で外に運ばれていきます。
 干潟の生態系は海を浄化する自然のフィルターの役割を果たしています。
 干潟に見られる巣穴の周りのだんご状のものは有機物や微生物を取り込んだ底生生物が排泄した砂です。

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問4 東京湾には何か所の干潟がありますか?
1. 10か所以上もあります
2. 2か所しかありません
3. 昔はありましたが、今はありません

 

答え「1」

 今でも東京湾に10か所以上の干潟が残っています。
 千葉県では船橋、市川市に「三番瀬」、習志野市に「谷津干潟」、木更津市に「盤洲(ばんず)干潟」と「小櫃川河口干潟」、富津市に「富津干潟」、東京都では「三枚洲」、大田区の「多摩川河口干潟」と「森ヶ崎の鼻干潟」、神奈川県では川崎市に「多摩川河口干潟(殿町干潟)」、横浜市に「野島海岸」などの自然干潟があります。
 また、人工の干潟としては東京都江戸川区にある「葛西臨海公園」の干潟や港区の「お台場海浜公園の干潟」が有名です。
 ところで、昔の東京湾は遠浅の海でたくさんの干潟がありました。しかし、遠浅の海は埋め立てにも都合のよいところでもあり、多くは埋め立てられてしまい、明治初期に136km2あった干潟は10km2程度になってしまいました。

 

問5 海が赤く染まって見えましたが、どうしてでしょうか?
1. 主に植物プランクトンがたくさん繁殖したため
2. 赤い細菌がたくさん繁殖したため
3. 海の中に溶けている鉄分が酸素と反応して赤い浮遊物がたくさんできたため

 

答え「1」

 プランクトン(主に植物プランクトン)が異常に増殖して、海水の色が変わる現象を「赤潮」と呼んでいます。主に春から秋の水温が高く、日照時間が長い時期に発生し、東京湾では褐色や緑色、赤色等に着色します。
 植物プランクトンは海面近くで炭酸ガスを吸収して光合成をします。その際に酸素を放出するので、赤潮発生時の上層における水中の酸素濃度は高くなります。
 一方、大量に発生したプランクトンはやがて死に、海底に沈んで堆積します。海底では微生物が堆積物(ヘドロ)を分解します。その際に酸素を消費するため、夏期の東京湾の深場では海底が貧酸素状態になります。硫化水素なども発生し、海底は生物がすめなくなります。
 植物プランクトンが増殖するには、窒素やりん等の栄養分が必要です。これらは生活排水や工場排水などの形で、川や下水道を通じて海へと排出されます。赤潮を減らすには、窒素やりんの排出を減らす必要があります。

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イラスト:トミタイチロー

 

問6 海がいつもと違う青白い色をしていましたが、どうしてでしょうか?
1. 海岸から沖合にかけて酸素をほとんど含まない青白い水面が広がる現象
2. 海がきれいなため青く見える現象
3. 青い色素を持つプランクトンが大量発生し、海が青く見える現象

 

答え「1」

 海岸から沖合にかけて酸素をほとんど含まない青白い水面が広がる現象を「青潮」と呼び、東京湾では春から秋にかけて多く発生します。
 この現象は、大量に発生したプランクトンの死骸が海底に沈み分解するときに、酸素を消費して海底に酸欠状態の水塊ができ、陸から沖に向かって吹く風などの気象条件によって、この酸素の少ない底層水が沿岸部の表層に湧き上がるときに発生します。
 では、なぜ底層水が表面に沸き上がると青白く見えるのでしょうか。それは、底層水に溶け込んでいる硫黄分が水面近くで酸素に触れて微粒子状となり青白く見えるといわれています。
 また、青潮の発生により、沿岸部に生息するアサリなどの貝類やカレイなどの底生魚類が大量に酸欠死することがあります。

Q6-1

青潮発生の仕組み(東京都環境科学研究所)

Q6-2

船橋航路に発生した青潮

 

問7 現在、東京湾の水質汚濁の主な原因は何ですか?
1. 工場の排水の汚れ
2. 家庭の排水の汚れ
3. 清掃工場のごみの汚れ

 

答え「2」

 昭和40年代は、日本の高度経済成長期で工場からたくさんの汚れた水が東京湾に流れ込んでとても水質汚濁が進んでしまいましたが、法規制などにより工場からの汚れは減少して東京湾の水質も改善してきました。現在では、東京湾の水質汚濁の主な原因は、私たちの家庭排水なのです。

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東京湾のCOD負荷量(令和3年度)

東京湾岸自治体環境保全会議東京湾水質調査報告書(令和4年度)

 

問8 東京湾の水はきれいになっているの?
1. きれいになっている
2. 汚くなっている
3. あまり変わっていない

 

答え「3」

 水の汚れをあらわすものさしである化学的酸素要求量(COD)、栄養塩類の全窒素及び全りんの経年変化を示します。CODは東京湾に流れ込む工場排水などについて対策が進められ始めた昭和50年代から少し改善されたものの、大きくは変わっていません。これは、夏に貧酸素水塊が解消せず底泥から栄養塩類が溶出することにより、植物プランクトンが増殖する(二次汚濁)ためと言われています。

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 COD、全窒素及び全りん(全層)の経年変化(東京湾の環境基準点の測定値の平均)
 東京湾岸自治体環境保全会議東京湾水質調査報告書(令和4年度)

 

問9 私たちが家庭でできる水を汚さない工夫はどれでしょうか?
1. 台所の流しに三角かごを置き,水切りネットを付けて調理くずや食べ残しを流さないようにする
2. 食器やなべの汚れや油は古新聞や古布でふき取ってから洗うようにする
3. 石鹸や洗剤は適量を量ってから使うようにする

 

答え「1~3まで全て正解」

 この他に、食用油は揚げ物に使った油の一部を炒めものに使うなど調理を工夫して油を使い切りましょう。
 また、使い切れなかった油は、廃油回収を利用したり、廃油処理剤で固めて処分するなど流しに捨てないようにしましょう。
 お風呂の残り湯を洗濯の水に利用することは、水道水の節約になります。

 

問10 お皿に残ったマヨネーズ小さじ2杯を魚のすめる水(BOD(生物化学的酸素要求量)5mg/L程度)にするためにはどれだけの水が必要でしょうか?
1. 風呂おけ1杯分
2. 風呂おけ5杯分
3. 風呂おけ8杯分

 

答え「3」

 マヨネーズ小さじ2杯は約10グラムでBOD12.9グラムに相当します。(「千葉県生活排水マニュアル」による。) これを5mg/Lまで薄めるには、約2,580リットルの水が必要になります。ほぼ風呂おけ8杯分です。
 たかがマヨネーズ小さじ2杯程度の汚れと思ってはいけません。お皿に残った汚れはよく除いてから洗うことが大切です。
 水道水の節約にもなります。

 

問11 台所やトイレ、風呂など家庭から汚れた水が出ています。この汚れた水はどこに行くのでしょうか?
1. 下水処理場できれいな水にされて川や海へ
2. 浄化槽から川や海へ
3. 直接川や海へ

 

答え 正解は各家庭で異なります。あなたの家庭ではどのようになっているか調べてみましょう。

 台所やトイレ、お風呂など家庭から出る汚れた水を家庭排水と言います。
 この家庭排水がどのような経路で東京湾に流れ込んでいるか、みなさん調べてみませんか。
 下水道処理区域の場合、ほとんど家庭排水はすべて下水処理場に流れ込み、そこできれいな水になって東京湾に流れ込んでいます。
 自宅で浄化槽を設置している場合や団地等で共同処理施設を設置している場合は、家庭排水すべてを処理している合併処理浄化槽又はトイレの汚水のみを処理している単独処理浄化槽が設置されています。
 単独処理浄化槽や汲み取り処理の場合は台所や風呂からの汚水は直接、東京湾に流れ込んでいます。
 台所や風呂からの水をきれいにするためには合併処理浄化槽や下水道による処理が必要です。

 よりきれいな海や川を保つためには,まず私たちひとりひとりが汚れた水を少しでも出さないことが大切です。

 

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