ホーム > くらし・安全・環境 > 生活と自然環境の保全と改善 > 公害対策 > 水・地盤環境 > 東京湾岸自治体環境保全会議 用語の解説
初期公開日:2024年7月1日更新日:2024年7月29日
ここから本文です。
東京湾岸自治体環境保全会議の紹介ページです。この会議は、東京湾の水質浄化を図るため、東京湾岸自治体が広域的な対策と湾岸住民への環境保全に係る啓発の実施について協議し、連帯的・統一的な環境行政を推進しています。
青潮 | 赤潮 | 汚濁負荷量 | 環境基準 | 公共用水域 |
総量規制 | 類型 | BOD (生物化学的酸素要求量) |
COD (化学的酸素要求量) |
DO(溶存酸素) |
ph | 透明度 | 富栄養化 | 閉鎖性水域 | 干潟 |
SS | T-N・T-P |
海岸から沖合いにかけて酸素をほとんど含まない青白い水面が広がる現象で東京湾では、春から秋にかけて発生することが多い。
大量に発生したプランクトンの死骸が海底に沈み、バクテリアによって分解される時に酸素が消費されて海底に酸素の少ない水塊(貧酸素水塊)ができる。通常、この水塊は潮流等により撹拌されるが、東京湾のような閉鎖性水域ではその力が弱く海底に溜まりやすい。そのため、陸から沖に向かって強い風が吹くと、海面近くの水が沖に流され、それを補うために海底の貧酸素水塊が沿岸部の表層に沸き上がり、青潮となる。
海面が青白く見えるのは、貧酸素水塊に溶け込んでいる硫黄分が水面近くで酸素に触れて粒子状となるためといわれている。
青潮の発生により、沿岸部に生息するアサリなどの貝類やカレイなどの底生魚類が酸素不足により大量に死ぬことがある。
習志野市から千葉市幕張付近
写真:海上保安庁提供
海域における富栄養化により、海中の微小な生物(主に植物プランクトン)の異常増殖により海面が変色する現象をいう。赤褐色に変色することが多いが、プランクトンの種類によっては黄褐色や緑色などに変色することがある。
主として夏に多発し、魚介類のえらをつまらせたり、酸欠などの悪影響を及ぼすことがある。
検見川からいなげの浜付近
写真:海上保安庁提供
家庭や工場から排出される汚濁物質量をいい、汚染源から排出される量とその汚濁物質量の濃度の積によって計算される。
一般的に環境基準等の目標とする水質汚濁の程度は汚濁物質の濃度で表されるため、水質汚濁防止法や条例等で、工場などの公共用水域への排水に対して濃度規制が設けられている。しかし、濃度の薄い排水でも排水量が多ければ、水域に流れ込む汚濁物質の量は多くなる。東京湾等の閉鎖性海域では、排出された汚濁物質が湾外に出ていきにくい等の問題があるため導入された考え方である。
人の健康を保護し、生活環境を保全するうえで維持することが望ましい基準をいう。現在、大気汚染、水質汚濁、騒音、土壌汚染及びダイオキシンに係る環境基準が定められている。
海の水質についての環境基準は、「水質汚濁に係る環境基準について(昭和46年12月28日環境庁告示第59号)」によって規定されており、人の健康の保護に関する環境基準と生活環境の保全に関する環境基準の2つが定められている。
河川、湖沼、港湾、沿岸海域など広く一般の利用に開放された水域及びこれらに接続する下水路、用水路等公共の用に供する水域をいう。
横須賀市(野比川)川崎市(京浜運河)東京都(東京湾)
水質汚濁防止法の規制のうち汚濁物質が拡散されにくい閉鎖性海域の環境基準を達成するため、当該海域へ排出される汚濁物質の総量(汚濁負荷量)を規制する規制方式のこと。
水質汚濁防止法の排水規制に該当する事業所のうち、当該海域とここへ流入している河川に排水している日平均排水量が50m3/日以上の事業所が規制の対象とされ、業種区分ごとの排水量から事業所などを単位として規制値が定まる。定期的に規制値を見直すことにより、汚濁負荷量を計画的に削減しようとする制度である。対象となる閉鎖性海域には東京湾、伊勢湾、瀬戸内海の3海域が指定されている。
生活環境の保全に関する環境基準については、その利用目的の適応性により、いくつかに区分されており、この区分を類型という。
河川においてはAAからE、湖沼においてはAAからC及びⅠからⅤ、海域においてはAからC及びⅠからⅣに類型が区分されている。
東京湾では、各地点でB又はC、Ⅳに指定されている。
(環境省のサイト)
・ 海域の類型
・ 河川の類型
・ 湖沼の類型
Biochemical Oxygen Demandの略称。
CODとともに有機物による水質汚濁の程度を示すもので、有機物などが微生物によって酸化、分解される時に消費する酸素の量を濃度で表した値をいう。数値が大きいほど汚濁負荷が大きいことを示している。
河川の水質を表す指標として用いられ、環境基準が設定されている。
BOD数値の目安
数値 | 汚濁の目安 |
0mg/L(リットル) | 汚濁のないきれいな水 |
2mg/L 以下 | ヤマメ、イワナなどが住むきれいな渓流 |
2~3mg/L | 少し汚れている。3mg/L 以下ならサケアユが住める |
3~5mg/L | 汚れている汚濁に強いコイやフナなどが住む |
Chemical Oxygen Demandの略称。
BODとともに有機物などによる水質汚濁の程度を示すもので、酸化剤を加えて水中の有機物と反応(酸化)させたときに消費する酸化剤の量に対応する酸素量を濃度で表した値をいう。数値が大きいほど汚濁負荷が大きいことを示し、東京湾では夏季に高くなる傾向がある。
湖沼及び海域の水質を表す指標として用いられ、環境基準が設定されている。
COD数値の目安
数値 | 汚濁の目安 |
0mg/L(リットル) | 汚濁のないきれいな水 |
1mg/L 以下 | ヤマメ、イワナなどが住むきれいな渓流 |
1~2mg/L | 雨水と同じくらい |
2~5mg/L | 少し汚れている。3mg/L 以下ならサケアユが住める |
5~10mg/L | 汚れている汚濁に強いコイやフナなどが住む |
10mg/L 以上 | 大変汚れていて下水や汚水がこの値を示すことが多い |
参考:環境省ホームページ
Dissolved Oxygenの略称。
水中に溶けている酸素の量。水の自浄作用や水生生物の生存には欠くことのできないもので、河川等の水が有機物で汚濁されると、有機物を分解するため水中の微生物が溶存酸素を消費し、水中の溶存酸素が少なくなることで魚介類に悪影響を及ぼす。さらに、この分解が進行すると、嫌気性の分解も起こり、有害ガス等が発生して水質はさらに悪化する。
一般に魚介類が生存するためには3mg/L 以上、好気性微生物が活発に活動するためには2mg/L 以上が必要である。
水素イオン濃度指数のこと。
水(溶液)の酸性、アルカリ性の強さを示すもので、pH7が中性、これより小さくなるほど酸性が強くなり、大きくなるほどアルカリ性が強くなる。
通常、日本の河川のpH値は7.0前後、海水は7.8~8.3前後である。
透明度板と呼ばれる直径30センチメートルの白色円板を用いて水面から識別できる限界深さをメートルで表したもの。透明度は主に湖沼や海域など水深の深い水域で測定にされる。
透明度は水質の浄化状況を端的にあらわすため、藻場の保全や再生等に重要な指標として環境基準を設けることが検討されている。
人の活動により河川などから窒素やりんなどの栄養塩類が運び込まれることによって、栄養塩類の濃度が上昇することをいう。これらの栄養素が豊富に存在することになり、植物プランクトン等が繁殖しやすい環境になる。富栄養化が進行し、水温や日照条件などが整うと赤潮が発生しやすくなる。
地形などにより水の出入りが悪い内湾、内海、湖沼等の水域をいう。
東京湾は房総半島と三浦半島に囲まれた内海であり水の出入りが悪く、閉鎖性水域となっている。
主に河口域にあり、潮汐の影響により干出と水没を繰り返す。
ここには、川と海からのさまざまな栄養分が運ばれて推積し、また、干潟の表面に生息する藻類は、豊かな光を受けて光合成を行う。そのため、栄養分や酸素が豊富であり、微生物、底生動物(貝類、甲殻類(エビ、カニの仲間)、ウニ・ヒトデの仲間など)をはじめ、それを餌とする魚類など多種多様な生物が存在する。
干潟では、潮の満ち引きにより汚れた水が干潟の砂粒の間を通過しろ過される。また、砂粒の間に生息する微生物などの小さな生き物の働きにより汚濁物質(窒素やりんなどの栄養塩類)が分解され浄化が行われる。さらに、アサリなどの生物が水中の汚濁物質を餌として体内に取り込み、これを鳥たちが餌として食べ、干潟の外に持ち出すことによる浄化も行われるため、一般的に水質浄化機能が高いといわれている。
川崎市多摩川河口干潟
Suspended Solidsの略称。直径2㎜以下の粒子状浮遊物質。
水中に浮遊して溶解しない物質の総称で、微粒子、動植物プランクトンやその死骸、下水・排水などに由来する有機物や金属の沈殿物などが含まれ、水の汚濁状況を示す重要な指標のひとつである。河川や海域にSSが多くなると、透明度などの外観が悪くなるほか、魚類のえらがつまって死んだり、光の透過が妨げられて水中の植物の光合成に影響することがある。
また、沈澱して河底や海底に堆積すると、腐敗するため底生生物にも悪影響を及ぼすことがある。
Total Nitrogen(全窒素)、Total Phosphorus(全りん)の略称。
全窒素は、アンモニア性窒素、硝酸性窒素などの窒素化合物の総和であり、全りんはりん化合物や有機性りんなどりん化合物の総和を意味している。東京湾では、窒素やりんなどの栄養塩類の流入により富栄養化し、夏期の水質悪化の大きな原因となっている。
このページの所管所属は環境農政局 環境部環境課です。