更新日:2024年2月9日
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湘南地域のモデルコースをご紹介しています。
※1 移動時間は目安のものです。
※2 本モデルコースの内容は、2016(平成28)年9月時点のものです。
辻堂駅周辺
藤沢駅周辺
※ 地図は、コースのポイントをわかりやすく示すための概略図です。そのため縮尺等が正確でないことがあります。
海を感じるお洒落で爽やかな雰囲気のJR辻堂駅から徒歩約5分のココテラス湘南7階に、2016(平成28)年7月にオープンした、「藤沢市藤澤浮世絵館」。市制40周年の1980(昭和55)年に取得したコレクションに加え、その後、藤沢市が収集してきた浮世絵等の郷土資料約1,500点を所蔵しています。
藤沢と浮世絵の関係は、東海道の宿場町として江戸時代に多くの著名な絵師によって浮世絵に描かれてきたということにあります。信仰と行楽を兼ねて江の島や大山へ向かう人々で、藤沢宿は多くの人で賑わっていました。
藤澤浮世絵館では、「東海道」「藤沢宿」「江の島」「企画展示」の4つの切り口から、誰にでもわかりやすく面白く、藤沢に関わる郷土資料を展示しています。展示コーナーには大型画面での映像解説もあり、展示物の見どころを教えてくれます。展示以外にも、藤沢の郷土史に関するライブラリーや、浮世絵版画ができるまでの解説コーナー、お子さまも楽しめる「浮世絵すり体験」コーナーもあります。
浮世絵を見ていると、江戸時代の人々も江の島や湘南の海などに、現代の私たちと同じように感動していたことが伝わってきます。
浮世絵館で藤沢の魅力を再発見したら、昔の人々の歩いた旧東海道沿いの藤沢宿へのお散歩に出発です!
藤沢宿に向かうその前に・・・。
浮世絵館と同じココテラス湘南にある「藤沢市アートスペース(愛称FAS(エファース))」に立ち寄りましょう。
FASでは、主に湘南地域で活動する若手芸術家の支援のため、活動の場を提供したり、展覧会を実施したりしています。
受付前ですぐ目に付くのは、「レジデンスルーム」。ここでは、若手芸術家のアート制作の様子を見学することができるだけでなく、レジデンスルーム内に入って、アーティスト達と言葉を交わすこともできます。
FASの魅力は、この「レジデンスルーム」で制作されたアート作品がその後、展示室で作品として展示されること。アートの制作過程を最初から最後まで見学できるのです。制作→展示をともに観ることができるのは、こういったアーティストの活動スペースとしても珍しいのだそうです。
また、「レジデンスルーム」では複数のアーティストたちが制作を進めているため、ジャンルの異なる様々なアートの「かたち」を観ることができます。「美術品=額に入った平面の絵」、という先入観がありますが、FASではもっと自由でわくわくするアートに出会うことができます。
そうした面白さからか来場者は10代から80代まで幅広く、多くの方に楽しんでいただけること間違いなし!ワークショップも定期的に行われており、子どもたちにも人気だそうですよ。
(展示やワークショップのスケジュールは、藤沢市アートスペースのHP(下記)からご覧ください。)
〔地図はコチラから〕
〔藤沢市アートスペース(FAS)のHPはコチラから〕
写真は、上から「ふじさわ宿交流館」、「高札」。
続いて、辻堂駅から藤沢駅に移動し、かつての藤沢宿周辺を歩きます。
まず、立ち寄りたいのはJR藤沢駅北口から徒歩約15分のところにある、「ふじさわ宿交流館」。「旧東海道藤沢宿の歴史、文化等と触れ合う場」として2016(平成28)年にオープンしました。
館内には、藤沢宿の成り立ちや歴史についての解説パネルや、ゆかりの品々の展示があります。また、散策の休憩所としてご利用いただけるスペースも。お持込でのお食事も可能です。また、「藤澤宿御弁当」(要事前予約、10名様から、詳しくはHPから)もお召し上がりいただけます。
交流館の外に立つのは、複製の高札場で大きさは当時の実物大だそうです。旅人たちもここで様々なお触書に目を通したのでしょうか。
さて、藤沢宿についてざっとおさらい。藤沢宿は、徳川家康により整備が始められた東海道の、日本橋から数えて第6の宿場。位置としては、遊行寺東門付近の「江戸見附」から、台町にあった「京見附」までの範囲を指し、距離にすると約2キロです。
ふじさわ宿交流館の建つあたりは、当時の東海道のクランクにあたったそう。(旧東海道は大鋸(だいぎり)町で左右に屈曲し、大鋸橋(現遊行寺橋)を渡って右に折れています。なお、現在では旧東海道から藤沢橋が延びており、こちらがメインの大通りとなっていますが、昔はこのクランクのある交流館前の道が「東海道」としてメインストリートだったそうです。)このクランクは、東海道が整備された頃、敵の侵入をいったん食い止めるための、軍事上の意味があったそう。今も残る、”不自然な”屈曲のある道を歩くと、江戸と現代のつながりが感じられます。
〔地図はコチラから〕 〔ふじさわ宿交流館のHPはコチラから〕
写真は、上から歌川広重「東海道名所 藤沢
遊行寺」、「遊行寺本堂」、白木蓮の見ごろ
の時期(4月頃)の「放生池」。
ふじさわ宿交流館から、徒歩約2分(入口にあたる惣門は、交流館のすぐ裏手です。)のところにあるのが、時宗総本山の通称「遊行寺」(正式名称は、清浄光寺(しょうじょうこうじ))です。
遊行寺は、名だたる絵師によって浮世絵にもたびたび描かれてきました。左(藤澤浮世絵館所蔵)は、歌川広重による「東海道名所 藤沢 遊行寺」。雪の遊行寺が描かれています。
そんな遊行寺の境内には、昔を偲ばせる見どころが数々残されています。いくつかご紹介すると・・・、まずは惣門を入って大銀杏を左に折れたところにある、中雀門(ちゅうじゃくもん)。この中雀門は、遊行寺の正門にあたり、境内で一番古い1859年に建築されたものだそう。造りとしては大きくはありませんが、何ともいえぬ品のある佇まい。屋根の頂部にあたる大棟に菊の御紋、屋根下に徳川家の三葉葵が刻まれているそうです。
そして、中雀門の左手の黒門から入ったところにある「放生池(ほうじょういけ)」。今も鯉が泳いでいますが、徳川綱吉の「生類憐みの令」発令で他の生き物同様殺生を禁じられた、江戸中の金魚がこちらに放たれたそう。
さらに、境内の奥にひっそりとあるのが、宇賀神社です。徳川家の祖と言われる有親(ありちか)の守り本尊と伝えられます。ご祭神は宇賀弁財天で、ご利益は金運だそう!
さて、本堂に向かって右手にあるのは、地蔵堂。建物は新しいものですが、お地蔵様は江戸時代のものだそうです。江戸時代、宿場を通る旅人たちも、ここで旅の安全祈願をしたのかもしれません。
広い境内には他にも見どころがたくさん。
国宝も所蔵する宝物館は、現在、土曜・日曜・月曜・祝日のみの開館ですが、貴重な文化財をご覧いただけます。
また、秋には樹齢700年の大銀杏が金色に色づき、春には惣門からのいろは坂が桜色のトンネルを作り、放生池の白木蓮も見事な花を咲かせます。
〔地図はコチラから〕
〔遊行寺のHPはコチラから〕
写真は、上から「常光寺」、「弁慶塚」。
遊行寺橋を渡り、右手に折れて旧東海道沿いを歩きます。(途中、道の右手の、国登録有形文化財にも指定されている「桔梗屋」もお見逃しなく。(内部は非公開です。))
道なりに歩き、道左手の藤沢南消防署を入ったところにあるのが、「常光寺(じょうこうじ)」です。門の外から観ると、寺一体がこんもりとした森のようで、樹林全体が市の天然記念物に指定されているほどです。
境内には、静謐な時間が流れています。高い木々は、カヤやカシ、タブなど。カヤの木は、県の「かながわの名木100選」に選ばれています。
こちらの常光寺の開山は、1572年。東海道が敷かれるよりだいぶ前のことです。藤沢宿の成り立ちをじっと見守ってきたのですね。
〔常光寺の地図はコチラから〕
さて、常光寺の樹林に癒されたら、旧東海道に戻り、一本先の道(済美館(さいびかん))を左に折れます。常光寺の南側の公園にひっそりとあるのが「弁慶塚」です。なぜ、ここに弁慶塚が・・・?もう少し歩いて、その謎を追ってみましょう。
弁慶塚の謎を抱えたまま、旧東海道に戻ったら、さらに歩みを進めます。
白旗交差点の手前、旧東海道の右手のマンション脇を入ると、小さな公園が。ここにあるのが、「義経首洗(よしつねくびあらい)井戸」です。
その名のとおり、義経の「首」を洗い清めたと言われる井戸です。
時を遡ること、1189年。兄である源頼朝に追われた源義経は、遠く奥州平泉で自害しました。そして、義経の「首」は腰越の浦(鎌倉市)に運ばれて首実検が行われ、義経であることが確認されました。
・・ここまでは鎌倉幕府の歴史書『吾妻鏡』に伝えられていますが、その後「首」がどうなったのかは、明らかになっていません。
ここ藤沢では、腰越の浦にうち捨てられた「首」が境川をさかのぼり、または金色の亀に乗って、白旗川にたどり着き、不憫に思った人々によりこの井戸で清められたという伝説が伝わっています。
さて、先ほどの「弁慶塚」。主人を慕った弁慶の霊が、義経を追ってこの地に飛んできた伝説から、建てられた石碑だそうです。
このあと義経はこの地でどうなったのか・・・、さらに歩いて観てみましょう。
〔地図はコチラから〕
さて、旧東海道に戻り、白旗交差点を右に曲がりしばらく行ったところにあるのが、「白旗神社」です。
井戸で洗い清められた「首」は、その後、ここ白旗神社に葬られたとされており、神社の古くからのご祭神とともに、義経も合祀されています。
さて、ご本殿の右手にあるのは、「弁慶の力石」。昔は、この石で力くらべをしていたそうですよ。境内の授与所では「弁慶力石守」のお守りも。お守りの中の小石をこの「力石」の上に置くことで、病気平癒や健康のご利益がアップするそうです。また、義経をご祭神としていることから、勝負事にも良いとされ、「勝ち守」のお守りもあるそうですよ。
境内には、義経藤とも呼ばれる白い藤もあり、5月には美しい花を咲かせるそうです。
また、毎年多くの人で賑わうのが、市の重要無形民俗文化財に指定されている湯立神楽。10月末に行われるこのお祭では、神職により舞が奉納され、撒かれた湯を受けることで災を除き、福を招くと言われているそうです。
この白旗神社、江戸時代には藤沢宿における守り神的存在だったそう。
多くの人が行き交い、様々な伝説に彩られた東海道藤沢宿を、ぜひゆっくりと歩いてみてください。
〔地図はコチラから〕 〔白旗神社のHPはコチラから〕
左の浮世絵は、藤澤浮世絵館の所蔵作品で、歌川広重による「東海道五拾三次之内 藤沢(保永堂版)」です。鳥居は江の島一の鳥居(現存しません。)で、橋は大鋸橋(現遊行寺橋)。橋を向こう側に渡る人たちは大山に向かい、鳥居をくぐる人たちは江の島に向かうところだそうです。
そして左下の写真は、現在の遊行寺橋。橋をずっと行ったところにあるのが遊行寺です。この写真で言うと、手前右手あたりに、かつては一の鳥居があったそう。
その一の鳥居を今まさにくぐろうとしている、浮世絵の3人の男性。
江戸時代、視覚に障がいのあった針師の杉山検校(すぎやまけんぎょう)という人が、針の道に行き詰まり江島神社にお参りに行ったことで、針の道を究めたことから、視覚障がいの方への道標が、ここから江島神社まで十数本建てられたそうです。そのうち12本が藤沢市の重要文化財に指定されており、右下の写真は、藤沢駅から5分ほどの遊行ロータリー付近の道標です。道標の右側と左側には同じ文字が刻まれており、触れて左右を確認すれば、方向を間違えることはないよう工夫されているそうです。
様々な夢や願いを持った人たちが、この道を通っていったことがわかります。
今回のモデルコースでご紹介したスポット以外にも、藤沢市には見所がたくさん。
その他の見どころは、藤沢市観光協会のページからご確認ください。
日本語を含めた多言語での藤沢飲食店検索ガイドはこちらからご覧ください。
多言語での藤沢市観光案内"DiscoverFujisawa"はこちらからご覧ください。
藤沢の昔と今が楽しくわかる、電子博物館 みゆネットふじさわはこちらからご覧ください。(別ウィンドウで開きます)
企画調整部 商工観光課
電話 0463-22-9268
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