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更新日:2023年10月11日
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海外駐在員の活動レポート(2023年10月・東南アジア事務所)
神奈川県では、県内の未病やライフサイエンス産業の国際展開を支援するため、2016年にシンガポール政府機関*1と覚書を締結して以来、交流を続けている。具体的な取組として、2016年以降、毎年、県内等のライフサイエンス関連企業や研究機関が持つ技術・サービスをシンガポール機関に紹介する企業訪問団(シンガポールミッション)を派遣している。*2
第8回目に当たる今年度は、県内の医療関係者・企業等から関心の高かった「がんに関する研究・医薬品開発の推進」及び「医療・ヘルスケア及びフードテック関連における新たな産業の創出」の二つのテーマで、9月4日から6日にかけて実施された。神奈川県立がんセンターや横浜市立大学の研究員等16名と、医療・ヘルスケア及びフードテック関連の事業を手掛ける県内企業等11社23名、総勢39名が参加した。
健康や医療分野でのイノベーションを促進する機関であるセンター・フォー・イノベーション・イン・ヘルスケア(CIH)、シンガポール国立大学(NUS)のインキュベーション施設「BLOCK71」、健康とウェルビーイング推進のための実証地区であるクイーンズタウン健康地区、シンガポール最大の研究開発・科学技術開発振興機関であるシンガポール科学技術研究庁(A*STAR)など、テーマと関連する機関を訪問。訪問先では、神奈川県から「ヘルスケア・ニューフロンティア政策」について紹介したほか、現地の政府機関等とミッション参加企業等によるプレゼンテーションや、参加者同士のネットワーキングなどが行われた。また、このミッションに合わせて、NUS、神奈川県、横浜市立大学医学部、神奈川県立がんセンター及び実験動物中央研究所の共催による「シンガポール国立大学・神奈川がんシンポジウム」もNUSで2日間開催され、シンガポール側から9名、神奈川県から15名の計24名が登壇した。免疫学、ゲノム、多様ながん、高齢化など、最先端のがん研究に関する発表や活発な意見交換が行われ、研究者や企業など150名を超える参加登録があり、盛況であった。
本ミッションに参加した味の素株式会社栄養・加工栄養食品事業部事業開発グループの藤井孝吉氏は、「自社製品の海外展開に向けて、シンガポールの規制事情を知るために参加した。食品の安全性を所管するシンガポール食品庁(SFA)とのネットワークができたことで、今後の具体的な検討を進める足掛かりになった。」と述べた。また、培養肉をはじめとした細胞培養技術の研究開発を手掛ける株式会社オルガノイドファーム(藤沢市)代表取締役の山木多恵子氏は、「現地のフードテック関連のスタートアップ企業と、今後の連携に向けた意見交換を始めることとなった。これをきっかけにビジネスを発展させたい。」と意気込みを語った。
引き続き、シンガポールの関係機関や現地企業と県内企業との連携強化を支援し、神奈川県とシンガポール双方の発展に貢献していきたい。
*1 シンガポール国立大学(NUS)、シンガポール国立大学保健機構(NUHS)、科学技術研究庁(A*STAR)。なお、2021年にはA*STARを除く3者間で覚書を更新している。
*2 2020年度と2021年度はオンライン開催
シンガポール国立大学・神奈川がんシンポジウムの様子
健康や医療分野のイノベーションを促進する
センター・フォー・イノベーション・イン・ヘルスケア(CIH)
このページの所管所属は産業労働局 産業部企業誘致・国際ビジネス課です。