新かながわグランドデザイン実施計画 神奈川の戦略 テキスト版
新たな総合計画(新かながわグランドデザイン)実施計画 (神奈川の戦略)
新かながわグランドデザイン実施計画 神奈川の戦略 テキスト版
超高齢社会や人口減少社会への対応など非常に大きな課題を乗り越えるために、重点施策を分野横断的に取りまとめたプロジェクトをさらに複合的に実施する取組を「神奈川の戦略」としてまとめました。
それぞれのねらいと取組内容とともに、構成するプロジェクトを整理して示しました。
全国的に少子高齢化が進む中、神奈川でも本格的な人口減少社会が到来しており、くらしや経済活動を支えてきた社会のしくみや基盤の維持が困難となっています。また、日本の国際競争力の強化につながる新産業の創出や育成、既存産業の高度化を進め、地域経済を活性化することが喫緊の課題となっています。
そこで、県では「最先端医療と最新技術の追求」と「未病の改善」という2つのアプローチを融合させ、持続可能な新しい社会システムを創造していく「ヘルスケア・ニューフロンティア」として、未病(ME-BYO)コンセプトの普及による県民の行動変容の促進や新たな市場・産業の創出、再生・細胞医療の産業化拠点づくりなどに取り組んできました。
この取組を市町村や企業、大学など多様な主体と連携しながら一層発展させていくことで、新産業の創出・育成等を図るとともに、すべての世代が生きがいを持って、生き生きと過ごすことができる健康長寿社会の実現をめざします。
具体的な取組
未病の改善
- 未病の状態を「見える化」する「未病指標」について、女性・高齢者などのニーズに応じた利活用や、従業員とその家族の健康づくりに取り組む健康経営への導入を促すなど、生きがいの実現につながるライフスタイルの見直しや社会参加の促進に取り組みます。
- 様々な分野の企業が参加する未病産業研究会を軸に、神奈川ME-BYOリビングラボなどを活用し、未病改善のための商品やサービスについて、その普及・拡大を図るとともに、個人の選択と行動を行政や企業などが支えるしくみづくりを進めます。
- 介護や寝たきりなどの地域の健康課題に対応するために、主な原因である脳卒中やフレイル、認知症などの解決に向けて産学公連携で取り組みます。
最先端医療・最新技術の追求
- 最先端医療や最新技術をいち早く県民に届けるため、国家戦略特区をはじめとした特区制度なども最大限に活用しながら、「ライフイノベーションセンター(殿町地区)」や、「湘南ヘルスイノベーションパーク(村岡・深沢地区)」など研究開発拠点との連携を通じて、大学と連携したイノベーション人材の育成、研究開発の支援、最新技術の市場化に取り組むとともに、県内における関連産業の集積促進を図ります。
- 海外とのネットワークを活用し、県内企業等の国際展開を支援するとともに、海外の先進的な取組の県内への早期導入を促進します。
次世代社会に向けた基盤づくり
- 産学公が連携して、最新技術等の社会実装を促進することで、持続的に未病改善の商品・サービス等を創出するイノベーション拠点の形成をめざします。
- マイME-BYOカルテの利用を促進するとともに、蓄積されたデータなどを、個人が日々の生活の中で未病改善に活用できるしくみの構築に取り組みます。
- 世界保健機関(WHO)等と連携し、未病コンセプトの発信、「エイジフレンドリーシティ(高齢者に優しい地域づくり)」の推進及び健康な高齢化に向けたイノベーションの促進などに取り組みます。
- 県立保健福祉大学大学院ヘルスイノベーション研究科(ヘルスイノベーションスクール)において、超高齢社会を迎えている中、「未病」の概念を踏まえて、イノベーションを起こすことができる人材の育成に取り組みます。
構成プロジェクト
プロジェクト3 未病・健康長寿
未病改善による健康寿命の延伸、地域包括ケアシステムの深化
プロジェクト4 文化・スポーツ
誰もが文化芸術に親しむための取組の推進、誰もがスポーツに親しむことのできる社会づくり
プロジェクト5 観光・地域活性化
地域にひとの流れをつくる取組の推進
プロジェクト6 経済・労働
産業競争力の強化
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平均寿命が延び、本格的な人生100歳時代の到来が予想されています。価値観の多様化が進むなど社会がめまぐるしく変化する中、超長寿の時代に向けて、県民一人ひとりが柔軟な働き方や学び直しといった多様な人生を送ることができる社会づくりを進めていく必要があります。また、そうした社会づくりを進めるためには、多様な世代・立場の人々がかかわり合いながら活動することができる持続可能な社会への転換が必要です。
そのため、県では、いくつになっても生き生きとくらせる未病改善の取組を推進するとともに、人生の充実につながるライフスタイルの多様化を促進するなど、すべての世代・立場の人々が、自分らしく活躍できる社会づくりを推進しています。
今後も、すべての人が、健康で、それぞれの能力を発揮できるというSDGsの視点を踏まえながら、これらの取組をより一層推進していくことで、県民一人ひとりが自らの人生の設計図を思い描き、生涯にわたり輝き続ける、笑いあふれる人生100歳時代の実現をめざします。
具体的な取組
生き生きとくらせる健康づくりの推進
- すべての世代が未病を自分のこととして考え行動していけるよう、企業や団体、市町村などと連携しながらライフステージに応じた未病対策を推進します。
- 県営住宅の「健康団地」としての再生、多世代居住のまちづくりなど、未病改善につながるコミュニティの再生・活性化に取り組みます。
人生の充実につながるライフスタイルの多様化の促進
- 子どもや若者、高齢者など、世代に応じ、誰もが生涯にわたり文化芸術やスポーツに親しみ、心身共に豊かな生活を送ることができる取組を推進します。
- 県民一人ひとりの学びの意欲に応え、生涯にわたって能動的に学び続けることや、いくつになっても学び直すことができるよう、生涯学習などの環境整備を行います。
- ワーク・ライフ・バランスの実現に向けて職場環境の整備促進に取り組むとともに、企業で働く人の学び直し(リスキリング)への支援に取り組みます。
地域・社会で自分らしく活動できる環境の創出
- コミュニティの再生・活性化に向けて、市町村や企業、NPO、団体などと連携し、人と人とのつながりを創出する機会や場の提供に取り組みます。また、地域に住む人が互いに協力し、支え合って生活する地域共生社会のしくみづくりの推進などに取り組みます。
- 若年者や中高年齢者、女性、障がい者等の多様な人材の活躍を促進するため、キャリアカウンセリングや、企業と求職者とのマッチングの場の提供等による就業支援に取り組みます。
構成プロジェクト
プロジェクト3 未病・健康長寿
未病改善による健康寿命の延伸、地域包括ケアシステムの深化
プロジェクト4 文化・スポーツ
誰もが文化芸術に親しむための取組の推進、誰もがスポーツに親しむことのできる社会づくり
プロジェクト5 観光・地域活性化
移住・定住の促進
プロジェクト6 経済・労働
産業競争力の強化、多様な人材の活躍促進
プロジェクト10 共生社会
ジェンダー平等社会の実現
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超高齢社会や人口減少社会が到来し、様々な分野で人手不足が深刻な課題として認識されています。また、不確実性が高まる中、自然災害への迅速な対応や、新興感染症発生時における集団感染の回避なども重要な課題となっています。そうした中、様々な課題の解決に向けて、ロボットがいのちや生活を支えるパートナーとして活躍するとともに、ロボット産業の集積などにより県内産業が持続的に発展していくことが望まれます。
県では、これまで「さがみロボット産業特区」を中心に、見守り介護やインフラ点検など様々な生活支援ロボットの実用化・普及を通じ、県民生活の安全・安心の確保や地域社会の活性化に取り組んできました。
今後も、県民や企業等に向けたロボットの有用性を実感できる機会の提供など様々な取組を通じて、多様な分野における生活支援ロボットの社会実装を加速させることで、まちにロボットがあふれる「ロボット共生社会」の実現をめざします。
具体的な取組
様々な分野における生活支援ロボットの活用促進
- 商業施設や宿泊施設などで、案内ロボットや配膳ロボットなどの生活支援ロボットのさらなる社会実装を推進します。
- 介護施設や医療施設等において、移動介助やリハビリ支援等に活用される介護・医療ロボットの開発支援や導入促進に取り組みます。
- インフラ・建設、災害、農林水産など様々な分野におけるロボットの実用化や普及に取り組みます。
ロボット産業の振興に向けた企業支援
- 企業や大学などが持つ技術・資源を活用した共同開発のコーディネートを行うとともに、早期の商品化や高い発展性・経済的効果が期待できる案件への重点的な支援を行います。
- 実証実験場所やモニターの紹介、実際の利用状況に近い環境を模したプレ実証施設の運営など、ロボットの実用化において不可欠な実証実験の支援に取り組みます。
- 中小企業などのロボット産業への参入促進を図るため、ロボット開発プロジェクトの支援や、マッチング支援、企業間交流に取り組みます。
- 企業が立地しやすい環境づくりや優遇措置の実施などにより、ロボット産業の集積を促進します。
- ドローンの社会実装に向け、開発や実証実験などの支援に取り組みます。
ロボットの普及・定着
- ロボットを実際に体験できる機会の提供や、現場が抱える課題に対応したロボットの導入支援など、ロボットの普及・定着を促進します。
- ARやVR等の最先端技術を活用し、県民や企業に向けてロボットを身近に体験できる機会を提供します。
構成プロジェクト
プロジェクト3 未病・健康長寿
地域包括ケアシステムの深化
プロジェクト6 経済・労働
産業競争力の強化
プロジェクト7 農林水産
安定した食料等の生産基盤の構築
プロジェクト10 共生社会
障がい児・者とともに生きる社会の実現
プロジェクト12 危機管理
災害対応力の強化、非常時に対応できる持続可能な医療提供体制の構築
プロジェクト13 都市基盤
交流と連携を支える交通ネットワークの充実、活力と魅力あふれる強靭なまちづくりの推進
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文化芸術は、心豊かな県民生活の実現や、個性豊かで活力に満ちた地域社会の発展に寄与するため、文化芸術のさらなる振興が求められています。
そこで、県は、文化芸術の魅力で人を引きつけ、地域のにぎわいをつくり出す、「マグネット・カルチャー(マグカル)」の取組を進めてきました。「マグカル」の取組では、各関連分野が有機的な連携を図りながら、文化芸術の振興を進め、年齢や障がいなどにかかわらず、子どもから大人まですべての人が舞台芸術に参加し楽しめる「共生共創事業」や、文化芸術を通じた地域の活性化、神奈川の文化芸術を支える人材の育成などを行っています。
文化芸術の力により、ゆとりとうるおいの実感できる社会の実現をめざすため、こうした「マグカル」の取組をさらに進めていきます。
具体的な取組
マグカルの充実、発展に向けた取組
- 文化芸術の魅力で人を引きつけ、地域のにぎわいをつくり出す事業・活動を「神奈川文化プログラム」として認証し、文化活動や地域の継続的な活性化につなげていきます。
- 伝統的な文化芸術の継承者の育成をめざし、ワークショップの充実支援などに取り組みます。
- 「マグカル・ドット・ネット」による情報発信や情報誌の発行など、情報発信の強化に取り組むとともに、神奈川を訪れる外国人や外国籍県民向けに、多言語による情報提供を促進します。
- 県立文化施設の特色を生かした取組により、文化芸術に関するプロフェッショナル人材の育成を進める取組を推進します。
- 友好交流先やベトナムなどとの多様な文化交流を推進していきます。
共生共創事業の推進
- 年齢や障がいなどにかかわらず、子どもから大人まですべての人が、舞台芸術に参加し楽しめる「共生共創事業」を実施します。
- 県営団地で団地住民等を対象に合唱事業を実施し、文化芸術の振興とともに、共生社会の実現や未病改善などに向けた取組を推進します。
- 市町村や企業、NPO、団体と連携し、文化芸術活動などを通じて、人と人とのつながりの創出に取り組みます。
- 「ともいきアート」の実施など、障がいの程度や状態にかかわらず誰もが文化芸術を鑑賞、創作、発表する機会の創出や環境整備を行い、障がい者が自ら楽しむための取組を推進します。
文化芸術による地域活性化
- 文化芸術活動を通じた活性化に取り組む地域を支援するなど、「マグカル」の全県展開を推進します。
- 文化芸術を観光資源として活用し、文化の振興、観光の振興、地域の活性化の好循環を創出する取組を推進します。
- 各地域の文化財や伝統的な芸能などを活用して、県内外に発信していきます。
構成プロジェクト
プロジェクト3 未病・健康長寿
未病改善による健康寿命の延伸
プロジェクト4 文化・スポーツ
誰もが文化芸術に親しむための取組の推進
プロジェクト5 観光・地域活性化
観光の振興
プロジェクト10 共生社会
障がい児・者とともに生きる社会の実現、多文化共生の推進
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グローバル化等により社会・経済の変化が激しくなる中、海外進出している県内企業等の増加や、外国人労働者の受入れ進展などによる神奈川でくらす外国籍県民等のさらなる増加など、神奈川と世界との結びつきはますます強まっています。県ではこれまでも、企業の海外展開支援や外国企業の誘致などに取り組んできましたが、本格的な人口減少社会が到来している中、産業の国際競争力の強化やインバウンド消費の向上などにより県内経済を活性化していくことが期待されます。
こうしたことから、外国籍県民等が安心してくらすことができる環境の整備などに引き続き取り組み、外国籍県民等も地域で共にくらす一員として活躍できるよう、当事者目線で多文化共生の地域社会づくりを進めます。
また、様々な分野における神奈川の魅力や先進的な取組を世界に強力に発信し、神奈川の強みを生かした積極的な国際展開を推進します。
さらに、国際社会で活躍できる多様な人材の育成、外国人材が働きやすい環境づくりを進め、グローバル人材などの活躍を促進するとともに、神奈川の特色を生かした友好交流先等との国際交流・協力を推進します。
具体的な取組
多文化共生の地域社会づくり
- 国籍などの違いを越えて多様性を理解し、一人ひとりが互いに認め合うことができる社会の実現をめざし、多文化理解を推進します。
- 外国籍県民等も、言葉の壁などにより不便や疎外感を感じることなく、安心してくらすことができる環境を整備します。
神奈川の強みを生かした国際展開
- 県内経済の活性化を図るため、県内中小企業の海外展開支援と外国企業の誘致を進めます。
- 海外の先進地域などと連携し、最先端医療や未病関連分野の産業の国際展開を促進します。
- 世界保健機関(WHO)が推進する、「健康な高齢化」や「エイジフレンドリーシティ(高齢者に優しい地域づくり)」の取組と連携し、未病改善や高齢者ケアの取組活性化に向けた情報発信等を行います。
- 県立保健福祉大学大学院ヘルスイノベーション研究科(ヘルスイノベーションスクール)において、イノベーションを担い、国際社会において活躍できる人材の育成に取り組みます。
- 富裕層向けの高付加価値コンテンツの開発や観光レップを通じたプロモーション、市町村と連携したMICE誘致等により、観光消費額が高い外国人観光客の誘致促進に取り組みます。
- 世界に向けて神奈川の文化の魅力を発信するとともに、文化芸術の国際交流を推進します。
グローバル人材などの活躍促進
- 英語による実践的コミュニケーション能力を育む取組や高校生の国際交流支援などのグローバル化に対応した教育を通じ、国際性豊かな人材を育成します。
- 「かながわ国際ファンクラブ」を活用した幅広い留学生支援、友好交流先等との国際交流の推進、海外からの研修員の受入れなどにより、人と人との交流を進め、人的ネットワークづくりを促進します。
- 経済連携協定に基づく外国人看護師・介護福祉士候補者の学習支援など外国人材の活躍促進に取り組みます。
- 労働相談の多言語化などを行うことにより、外国人材が働きやすい環境づくりを促進します。
構成プロジェクト
プロジェクト2 教育
思いやる力や自立して生き抜く力、社会に貢献する力を育成する学校教育
プロジェクト3 未病・健康長寿
未病改善による健康寿命の延伸
プロジェクト4 文化・スポーツ
誰もが文化芸術に親しむための取組の推進
プロジェクト5 観光・地域活性化
観光の振興
プロジェクト6 経済・労働
産業競争力の強化、中小企業の収益の改善、多様な人材の活躍促進
プロジェクト10 共生社会
多文化共生の推進
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