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更新日:2024年12月10日
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障がい者雇用の事例を紹介しています。
住所:横浜市都筑区佐江戸町183
事業内容:食品製造事業の運営
常用雇用労働者数※:160人(令和5年6月1日時点)
※常用雇用労働者数とは、1週間の所定労働時間が30時間以上の方の数と1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満の方の数を0.5倍した数を合算した数をいいます。(いずれも1年を超えて雇用される見込みがあることまたは1年を超えて雇用されていることが必要です。)
A1 3年ほど前に当社が連結子会社化されたことから、法定雇用率を既に達成している親会社から「企業としての社会的な責務」として障がい者を雇用するように指示を受けたことがきっかけです。
ただ、子会社としては、「障がい者を雇用する」、「働く場を提供する」という気持ちがあってもどのように進めたらいいのかわからず、親会社から指示を受けた3年ほど前までは実際に雇用に至った障がい者はいませんでした。
また、実際には障がいの特性もよくわからないなど、何から始めたらよいか情報も知識もまったくありませんでしたので、令和2年6月に雇用担当の社員が県障害者雇用促進センターにどのような準備を進めていけばよいか伺い、情報を収集するところから始まりました。
A2 障がい者雇用の準備を進めていくといっても、具体的に何から始めたらよいかわかりませんでしたので、県障害者雇用促進センターに受入の準備を進めるうえで、なにが必要かその都度助言を仰ぎながら、仕事の作り出しや配属部署の検討、指導担当者の配置の必要性などを認識する取組を丁寧に進めました。
また、雇用の準備期間がコロナ禍でしたので、集合研修などが実施できないという制約があったことから、障がいのある方への理解を深めるためのeラーニングを導入し、社全体としての障がい者雇用に取り組む姿勢を醸成するとともに、雇用に関する不安を抱くことのないようすべての社員に対し、個別面談を実施し、取組みへの理解を求めました。
さらに、川崎市で開催された「企業向け障がい者雇用ワークショップ」への参加などを経て、障がいのある当事者や就労支援機関の方々と話をさせてもらう機会を得ることにより、就労の準備についてより具体的なイメージを持つことができました。
A3 採用前には、就労支援機関の方々に作り出した仕事を見学してもらう場を設定しました。また、見学してもらった就労支援機関に企業実習の案内をしたところ、複数の機関から弊社の仕事に興味を持つ障がい者がいたので、受け入れることになりました。
その結果、採用面接を経て1名の方を雇用することができました。
採用の決め手は今思うと、障がいの特性に応じた仕事の創り出しというよりも、切り出した仕事への適性はもとより、働き手としてコミュニケーションが図れるか、自立した生活が送れているかといった基本的なところでした。
A4 まず、障がいのある方を雇用するにあたっては、勤務時間や上司からの指示の出し方など、あらかじめご本人から配慮してほしい事項を丁寧に聞き取り、そのことを社員全員まとめてではなく、一人ひとりに協力してもらえるように説明しました。
このことは、後になってみれば職場の中で障がいのある社員が必要な配慮を受けることで「特別扱い」されるものではないということに社員全員が気づくことに繋がったと思います。
また、雇用されてからも体調の変化などは当然にしてあることと考え、どうしても働くことが苦しいときは休む、体調が戻ってきたら自らの意思で出勤し、頑張って働くといった「働き手」として当たり前の受け入れを行ってきたことも定着するうえで大きかったと思います。
さらには、就労支援機関に必要な支援を求めてきたことでしょうか。
雇用に向けて準備を重ねてきた本人が就労後も引き続き関係を保ちながら、定期的な面談を通じて相談に乗ってもらうことは定着に向けては大事なことですが、それは企業にとっても同様です。
企業が障がい者雇用についてなにか相談があったときにいつでも相談に乗ってもらえる支援機関があるということは、職場への定着を考えたときに大きな存在であると思います。
A5 まず、障がいのあるなしにかかわらず、「自分が必要とされている」と思える職場でなければ定着などできないということを学びました。
人は誰しもほんの少しのモチベーションを持つことで働き続けることができます。
仕事をしていくうえで、一人ひとりに必要ななんらかの配慮があるから、企業が成り立っている。社員みんなが助け合える環境につながっていくのだと思います。
(左:永島一希さん 右:総務課長 栗山寿久さん)
必要な支援を受けながら障がいのある方を雇用し続けることは、人それぞれに得手不得手があるように、働く場としての配慮を個別に行い、皆で共有すれば、決して特別なことではないということを学びました。
そういった取組みを丁寧に行うことにより、企業全体によりよい職場が作られていくのだと思います。
障がいがあっても、戦力として働いてくれることで、会社としても、周囲の同僚社員としても助かっています。
本人の「自立したい気持ち」をサポートしてあげることが、企業としての使命であると考えています。
(永島一希さん)
コーヒー豆の焙煎の量などのデータ入力や、電気やガスの使用量の入力、敷地内の清掃などを担当しています。
体調を崩すこともありますが、そのようなときは医師の指示どおり無理せずに休むようにしています。そのことで会社の皆さんに心配と迷惑をかけているなと思うこともありますが、その分できることを少しずつ増やしていければと思います。
コーヒーの焙煎量が増える冬季などは忙しくなりますが、周りの方々の助けを得ながら、できる限りこの仕事を続けていきたいと思っています。
最近、一人暮らしを始めました。自炊をしたり、時にはサッカー観戦に出かけたりしながら、気分転換を図っています。
これから就職する方にも、「自分に合った仕事は必ずある」と思います。必要なときはいろいろな人の支援を得ながら自分の得意なことをみつけ、生かし、のばしていけば楽しく仕事に取り組むことができると思うので、ぜひチャレンジして欲しいと思います。
このページの所管所属は 障害者雇用促進センターです。