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更新日:2024年12月10日

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社会福祉法人啓生会

障がい者雇用の事例を紹介しています。

障がい種別

身体障がい/知的障がい/精神障がい

企業紹介

住所:三浦市三崎町諸磯1411-1

事業内容:特別養護老人ホーム、高齢者デイサービス事業等の運営

常用労働者数※:111人(令和6年6月1日時点)

※常用雇用労働者数とは、1週間の所定労働時間が30時間以上の方の数と1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満の方の数を0.5倍した数を合算した数をいいます。(いずれも1年を超えて雇用される見込みがあることまたは1年を超えて雇用されていることが必要です。)

企業への質問

Q1 障がい者雇用に取り組むようになった「きっかけ」はどのようなことですか。

A1 近隣の特別支援学校から雇用先を探している生徒がいるので相談に乗ってほしいと依頼があったことがきっかけです。

ただし、法人として障がいのある方に限らず、元々手掛けていた事業が高齢者に関わる事業であったことや、外国籍の方や宗教など多くの価値観のある者が共存していくということに全く抵抗がなかったので実習などで働きぶりをみて雇用することを決め、受け入れました。

それ以降、現在に至るまで多くの障がいのある方を雇用することにつながっています。

Q2 現在、障がいのある方が働いている部署及び担当業務について教えてください。

A2 法人として6名の障がいのある方を雇用しています。そのうち4人が介護職員として、1名が機能訓練指導員として、1名が清掃業務に従事しています。

Q3 仕事の創り出しはどのようにされましたか。

A3 採用前にどのような職場であるのかを知ってもらうため、支援学校のインターンシップ実習や就労支援機関を通じての実習を経験してもらっています。

法人としても、あらかじめ従事する職務を限定的なものとしてとらえず、能力等に応じた職務に従事するためには、障がいごとの特性はもとより、個別にどのような配慮が必要な方であるかをあらかじめイメージし、仕事の創り出しを行います。

特に知的障がいや精神障がいのある方については、事前に事前実習のほかにもプロフィール表に記載されている「希望する業務」や「そのためにどのような配慮を求めるか」を確認し、最終的にどのような業務が適しているかを定めています。

Q4 採用する決め手はどのようなことでしょうか。

A4 まず、職業上の適性に目を奪われすぎず、就労するうえで基本となる「移動能力(通勤できるか)」や「基本的な生活リズム(遅刻・欠席しないか)」をはじめとして、「基本的労働習慣(指示に従って行動できるか)」を重視しています。

それは言い換えると、どの職業にも共通して必要とされる職業人としての基本的な要件を整えているかということになり、「職業適性(仕事を覚えることができるか)」も大事ですが、併せて確認することで定着できるかを見極めることができると思うのです。

Q5 採用時にどのように配慮すべき点を整理しましたか。

A5 実習時や採用面接時に障がい当事者からどのような配慮を求めるかを聞き取っています。そのことは配慮してほしい点を伝えることができるかということにもつながるのですが、その内容を踏まえて法人としてできる配慮は行っていくという思いです。また申出のあった事項以外にも職場で気づいた点なども本人に配慮が必要か否かについて確認するようにしています。

たとえば、軽い片麻痺がある場合、デイサービスにおける食事の配膳ができなかったり、体の大きな利用者の歩行付き添いができないので配慮してほしいとの要望があります。

また、補聴器を使用しているので入浴介助から外してほしいなどの要望もあります。このような要望にはできうる限りその業務からは外れてもらうなど対応しています。

Q6 特別支援学校の卒業生や就労支援機関を利用されている方など多くの機関から採用されていますが、採用後の連携はどのようにされていますか。

A6 特別支援学校から就労につながる場合、2年間に渡るインターンシップを経ての採用となるので、進路支援担当の教諭と繋がりを持ち、採用後も本人との面接のほか、職場定着に向けての助言などをもらっています。

また、障害者就業・生活支援センターの登録者を採用する場合も、採用当初は密に連絡をとってもらい、またその後も適宜相談や助言をもらうことにより、本人はもとより、法人としても安心して雇用を継続することができることに繋がっていると思います。

Q7 障がい者を雇用して職場にもたらされた変化はありましたか。

A7 一番初めに障がい者を採用した際には、正直に言えば他の職員から「自分たちと比べて仕事量が少ないのではないか」といった意見があったことも事実です。

それが、現在に至って多くの障がい者を雇用することにつながったのは、結局は障がいのある当事者の職場適性はもちろんのこと、人柄やがんばりによるところも大きいと感じています。

元々高齢者を支援するという職場の特性上、人の痛みや悩みが理解できるといった土壌は培われていたと思いますが、障がい者雇用が定着していく過程では、職場全体にも一層他人を思いやるといった温かい空気が醸成されるという効果をもたらしてくれていると思うのです。

 

Q8 障がい者を雇用した経験から学んだことはありますか。

A8 元々、法人理事長は「一緒に働く職員に対しての思いやりがなければ、施設の入居者や利用者に対して思いやりのある支援はできない。」という考えをもっていました。

そのことが障がい者雇用を積み上げていくことにつながり、職場全体として「今まで人から支援を受けてきた立場であることが多かった障がい者が介護という仕事を通じて、人のためになる喜びや、仕事に対する自信を持つことができ、さらに人生が豊かになっていくこと」がわかったことは大変大きな学びとなったと思います。

 

企業からのメッセージ

障がい者も職場の貴重な働き手であることを知る

(法人本部施設長 井上政江さん 課長 岩元真弓さん)

外国籍の方、高齢の方、障がいのある方などが混在して働く職場を法人として当たり前のこととしています。

障がい者にも当然、特性や個性があるので、雇用する側が障がいの特性を理解して、その人その人に合った仕事の創り出しを行うことで無理なく就労につなげることができると思います。

そしてこのように職場としても障がいのある方々をかけがいのない貴重な戦力として雇用が継続できていることが企業の価値をさらに高めていくことにつながると思います

井上施設長岩元課長

 

本人からのメッセージ

「できないことを相談してできることからやらせてもらう」ことが持続につながる

(石井明日香さん)

 

高齢者デイサービスの送迎の補佐や各種ファイルへの記入、ご利用者の送迎車への誘導などを行っています。

職場でどうしてもできないことがあった場合、そのことを相談して配慮してもらい、できることからやらせてもらうことで、とても働きやすい環境で仕事をさせてもらっています。

「あなたがいてくれるからデイサービスに来ることがとっても楽しみなのよ」と言ってもらえることが何よりもうれしいです。

人に喜んでもらえることは、とても励みになりますし、これからも長く働き続けられるように頑張っていきたいです。

石井さん

利用者の皆さんに会えることが励みになっています

(佐久間楓大さん)

知人の紹介で入職しました。利用者の皆さんには優しく接することを心掛けていますし、実際に「優しいね」と言われることで頑張ることにつながります。

就労時間や仕事を新しく覚える際の説明を丁寧にしてもらえるなど配慮してもらっているので、これからはリハビリの仕事だけでなく、レクレーションプログラムなどに関わり、他の仕事もできるようになりたいと思っています。

佐久間さん

 

障がい者としての雇用がプラスになることを知ってほしい

(今村美帆さん)

障がいをオープンにしてこの施設で働くようになり、(難聴であることから)重要な話は個別でもう一度説明してもらったり、聞こえづらい時などは自然に間に誰かが入って通訳してくれたり、雨の日の送迎時には補聴器の心配をさりげなくしてくれるなど数多くの配慮を得て仕事を続けています。

職員の方々はもとより、利用者の方々からも親切にしてもらっているのでできることを一生懸命やっていきたいと思っています。

今村さん

障がいをマイナスととらえず、特技を生かして仕事につなげる

(大越和廣さん)

以前も特別養護老人ホームの機能訓練指導員として働いていましたが、人材募集の広告をみて応募、採用に至りました。

視力に障がいがあるのですが、できることできないことを区別をして配慮してもらっています。

自分が施術することで利用者の方が元気になってくれることが仕事のやりがいにつながっています。

これからも自分自身の健康管理に気を配りながら、障がいをネガティブに考えず、特技(資格)を生かして働き続けていきたいと思っています。

これから働いていこうと思っている方には、「ハンディがあるのでできない」のではなく、それをプラスに変えて頑張ってほしいと願っています。

大越さん

集合写真

 

 

 

 

 

 

このページの所管所属は 障害者雇用促進センターです。