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更新日:2024年12月10日

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日本水産観光株式会社

障がい者雇用の事例を紹介しています。

障がい種別

知的障がい

企業紹介

住所:横須賀市三春町4-8

事業内容:飲食業

常用雇用労働者数※:57人(令和6年6月1日時点)

※ 常用雇用労働者数とは、1週間の所定労働時間が30時間以上の方の数と1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満の方の数を0.5倍した数を合算した数をいいます。(いずれも1年を超えて雇用される見込みがあることまたは1年を超えて雇用されていることが必要です。)

企業への質問

Q1 障がい者雇用に取り組むようになった「きっかけ」はどのようなことですか。

A1 12年ほど前にハローワークの勉強会に参加したのがきっかけで、特別支援学校や就労支援機関からの実習受入れから始まって「障がいのある方にどういう仕事を担ってもらえるだろう」というところから始めました。

Q2 障がい者の働いている部署、業務内容を教えてください。

A2 今回紹介するお二人は、系列の洋食店の調理・仕込み等担当されています。ハンバーグの成型やグリルを担当され、毎日30Kgから60Kgの肉を成型し、焼いています。多いときは100Kg(500個以上)を作っています。グリルでは売り上げの7割のメニューを担当しています。

Q3 仕事の創り出しは、どのようにされたのでしょうか。

A3 支援学校の体験実習時に進路指導の教員に職場を見てもらい、「ハンバーグの成型」等、「在校生ができる仕事」を教えてもらいました。最初は4時間かけて行なっていた作業が2時間でできるようになり、仕事の幅が広がっていきました。当社は元々地域の小学生の職場体験受け入れをする中で安全面や指導方法などの配慮もしていたので、障がい者の受け入れもスムーズでした。

 

Q4 職場定着のために、取り組まれたことはありますか。

A4 社長が「ジョブコーチ研修」を受け、現場指導者が「障害者職業生活相談員」の資格認定講習を受けました。障がいのある方と毎日コミュニケーションをとり、「困っていることがないか」「体調が悪くないか」などを把握するとともに、職場定着に向けて、本人の得意分野を生かすことや勤務時間延長などの相談に応じています。ご家族とも月1回は連絡をとって家庭での様子や体調・生活状況等を伺っています。

定着している理由は、本人が楽しんで働いてくれていることでしょう。また、「疲れた」「体調が悪い」等本人が言いやすい雰囲気であり、休憩時間の延長等の対応がとれること、周囲の従業員が、体調を気遣う声掛けをし、「いろんなことがやりたい」と他の仕事にもチャレンジしようとする本人の気持ちを大切にしていること、学校の先輩・後輩で働いているのがお二人の「励み」になっていること、そして、お二人が「同僚のみんなに愛されている」ということが定着している理由だと思います。

 

Q5 障がい者を雇用して苦労したことはありますか

A5 以前在籍していた方で、会話ができず「LINE」でコミュニケーションをされた方はいました。現在就労されている方は健常者と同じようにコミュニケーションをとっていますが、困ったことは特になく、仕事もどんどんできるようになって助かっています。

刃物の扱いについては、ご家族の許可を得てから職場内で教えています。パートの従業員等周囲がよく見てくれているので、本人の希望があればチャレンジさせてあげたいです。

衛生面についても、むしろお二人はきれい好きで衛生面での意識が高く、職場における基本的な衛生ルールにも従え、そのルールを継続して守り、決して手抜きをしません。

 

企業からのメッセージ

支援機関と連携し、地域性を重視

(取締役社長 小澤さん、山中さん)

支援機関を知らない企業が多いと思います。支援学校や就労支援機関からの実習受け入れの中で障がいのある方の能力を見極めてください。

まずは「同業他社」を見学してもらうのが一番。「他の企業の見学を受け入れてくれる会社」は多いので、障がいのある方の職業体験やいろいろとチャレンジをさせてくれている会社を見てみると良いと思います。

また、採用の際には通勤距離・通勤時間を考慮していますが、「就労を支える生活面・家庭とのつながり」を大切にしているからです。卒業した学校の先生が来店してくれて仕事ぶりを褒められるのは本人たちもとても嬉しいと思います。「働いて給料をもらう」ことで、「仕事は大変だけど自由に使えるお金がある」ことは就労のモチベーションとして大きな要素であると思います。

日本水産観光集合写真

社長と山中さん

本人からのメッセージ

挑戦していくことが大事

(鈴木さん)

グリル(焼き物)担当でハンバーグや唐揚げを作っています。ハンバーグの成型や皿洗い等も行ないます。現在の職場を選んだ理由は、学校の紹介もありましたが、調理するのが好きで、もっといろいろと料理してみたかったからです。家庭ではチャーハン等を作っています。担当の仕事ではハンバーグの焼き加減や焦がさないように工夫するなどやりがいを感じています。

仕事中は忙しくて他の従業員とのコミュニケーションは取りにくいのですが、あいさつはきちんとするようにしています。体調が優れない時等は少し休ませていただくなどの配慮をしていただいていますし、「体調が悪い」と言いやすい雰囲気にしていただいています。

休憩中は「Youtube」の動画を見てリフレッシュしています。仕事をしていてうれしかったことは、ハンバーグをうまく焼けて、キッチン担当の方から「上手くなったね」と褒められるとモチベーションもあがり、やる気が出ます。グリルの仕事中は暑いですが慣れていかなければと思いますし、頑張った分お給料がもらえると思うと前向きになれます。お給料を貯金してオートバイの免許をとり、オートバイでツーリングをするのが夢です。

今はグリル業務を完璧にこなすことが目標ですが、将来は色々な場所での業務を完璧にこなしたいです。人に教えるのは得意なので、自分が覚えた仕事(ハンバーグの成型・洗い場に入るときは「早く・きれいに洗える方法」)を後輩にも教えていきたいです。包丁を扱う仕事も周囲の従業員が教えてくれたので心配はありませんでした。

これから就職する人には、仕事は少し大変ですけど、何事にも挑戦することが大事ですので頑張ってください、と伝えたいです。

鈴木さん

 

給料で家族と外出したり、家族にプレゼントを買ったりできるのが励みに

(ジェシーさん)

現在はハンバーグの成型を担当しています。その他、包丁を使って野菜のスライスやソースの計量等の仕込みを担当しています。手が空けば洗い場にも入ります。現在の職場を選んだ理由は、学校の実習の際に最初は緊張していましたが、職場の方たちがみんないい方ばかりで、この職場なら楽しく働けそうだと感じたからです。

職場の環境としては、ハンバーグ作りを一緒に行なっている先輩から声をかけてもらい、仕事について教えてもらっています。疲れた時や体調のすぐれない時は職場の方たちにも言いやすい環境でしたし、仕事に慣れて作業の時間配分も自分でできるようになると(忙しい時間を避けて)疲労度等自分のタイミングで休憩をとらせていただいています。

うれしかったこと、はげみとなっていることは、自分が成型したハンバーグを焼いてくれる従業員から「成型が上手で焼きやすい」と褒められた時がうれしかったです。また、いただいた給料で家族と出かけたり、プレゼントを買ったりできるのがうれしいです。

将来は、先輩が担当しているグリルの仕事を覚えて、これからできる後輩にも教えていきたいです。これから就職する人へは、就労に向けて不安なことがいろいろあると思いますが、くじけずに続けていくと良いです、と伝えたいです。

ジェシーさん

 

 

このページの所管所属は 障害者雇用促進センターです。