更新日:2024年12月10日

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横浜製機株式会社

障がい者雇用の事例を紹介しています。

障がい種別

知的障がい/精神障がい

企業紹介

住所:横須賀市内川1-8-31

事業内容:輸送用機械器具(鉄道部品・用品)製造業

常用労働者数※:180人(令和6年6月1日)

※常用雇用労働者数とは、1週間の所定労働時間が30時間以上の方の数と1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満の方の数を0.5倍した数を合算した数をいいます。(いずれも1年を超えて雇用される見込みがあることまたは1年を超えて雇用されていることが必要です。)

企業への質問

Q1 障がい者雇用に取り組むようになった「きっかけ」はどのようなことですか。

A1 以前にも障がいのある方の雇用を検討した経緯はありましたが、社長から障がい者の雇用を本格的に検討しようという働きかけがあったことと、同時期に県障害者雇用促進センターからの支援メニューの説明があり、そこから支援を要請したことがきっかけとなりました。

Q2 障がいのある方の担当業務について教えてください。

A2 新たに雇用した2名については「製造部」に所属し、工場の消耗品を配布し、終わった後に不足分を注文するための書類を作成したり、リサイクルで使用している部材の整理や、社員食堂の清掃などに従事してもらっています。

Q3 雇用の準備はどのように進められたのでしょうか。

A3 当初は障がいごとの大まかな特性やどのような関係機関とつながって雇用を進めていったらよいのかなど、全く知識のない状態でゼロからのスタートであったと思います。

そのため県障害者雇用促進センターの支援メニューを活用させてもらうところから開始しました。

その中で、「既に障がい者雇用を積極的に進めている企業」の見学会は、障がいのある方が実際にどのような仕事を担っているのかを直接見聞きすることができ、具体的な障がい者雇用のイメージを持つことにつながり、大変雇用準備の参考になりました。

以降は複数回に渡る出前講座などを通じて仕事の作り出しの考え方などを知り,職務整理表の作成から作り出した業務を実際に就労支援機関の職員に見てもらう機会を得て、その場で質問を受けたり意見をもらうことが気づきにもなり、業務の再構成に役立てました。

障がいのある方々への職場内における体験実習については3日ほどと短期間で設定しましたが、業務を体験している場面をみて言葉だけではなく、実際にこんなに働きたい方々が存在する、頑張って働きたいと思っているということを知ることができました。

Q4 採用後の仕事の定着はどのように図られていますか。

A4 採用当初に作成した職務整理表を細分化し、ひとつひとつの工程をよりわかりやすくするため、「作業手順書」を作成しました。

この「作業手順書」に基づき業務を遂行してもらうことになりますが、それでも手探りの状態からのスタートでしたので、そのなかで「これはやりにくい」とか「説明がわかりにくい」とか問題があれば都度修正を図っていきました。

採用に至った障がい者は2名ですが、両名とも実習の体験を経ての採用だったこと、真面目に与えられた業務に従事できており、想定していた業務がクリアできれば、また新たな業務を付加していくといったことを繰り返し、職場定着をめざしています。

そして定着できている一番の要因は、障がいのある彼らが「与えられた仕事を達成し、給与という対価が得られる」という意識を持ち、真面目に働き続けることができること、何かあったときに(予め定めた社員に)相談できるなどコミュニケーションが円滑にとれることが大きいと思います。

Q5 障がい者雇用を始めるに当たり、職場内における配慮はどのように社員に周知したのですか。

A5 まずは、実際に県障害者雇用促進センターに大まかな障がいの特性や合理的配慮の考え方などについて、各作業工程に携わるリーダーを対象に出前講座を依頼し、併せて企業として障がい者雇用を進めていくということを明確にしました。

とはいっても、企業全体として障がい者を雇用するということに対する不安感は少なからずあることから、業務上、直接関わる社員が必要に足る配慮ができればよい、そこで何か問題が生じる場合は、あらかじめ定めた固定の担当者に相談するといったルールを確立しました。

業務上の注意をしたり相談できるといった体制をある程度固定することは配慮という面でも有効であると言えます。

また、当初作り出した業務に応じて様々な部署と関わることもあるのですが、入職後に改めて「この業務には合わない」といったことも実際には生じることもあります。

そのようなときは、柔軟に担当する業務を替えてみる、新たに作り出していくといった見極めを行っていくことも必要だと思います

Q6 障がい者雇用に係る関係機関との連携について教えてください。

A6 障がい者の雇用を準備する前は就労支援機関の役割やどこにあるのかも含め、まったく知りませんでした。

そのため、県障害者雇用促進センターの支援に基づく企業見学会の際に、多くの就労移行支援事業所に集まってもらい、作り出した業務を見学する機会を設けたことは、その後のつながりを持てるという点で大変有効であったと思います。

実際に雇用した障がいのある方は2名ですが、それぞれの就労支援機関は異なるものの、体調面等で波があったりするので定期的な本人との面談やそれ以外にも何かあった場合に連絡をとることができるといったフォローがしてもらえることは、本人はもちろん雇用する側にとっても大変心強いのではないでしょうか。

職場への定着のためには就労支援機関の支援は大変ありがたいですし、これからも必要なときには遠慮せずに頼っていきたいと思います。

Q7 雇用に至った障がいのある方に対して今後期待することはありますか。

A7 いま障がい者雇用を始めて1年と少しといったところです。

まだまだ雇用した2人の業務は変わっていくと思いますし、当初想定していた以上の工程もスキルを身につけて対応してくれているので、今後も着実にできることを増やしていけることを期待しています。

最近は2人とのコミュニケーションもSNSを活用したりすることで、「いま何に困っているのか」なども業務の現場で支援しなくても可能になりました。さらに社内でも2人を新たに雇用したことで残業が減ったり、複雑な部品の製造工程に集中できるといったメリットも生まれてきています。

本音でいわせてもらえば職場への定着はまだ先のことであると思っています。そして、いま職場で頑張っている2人が2年、3年と続いて、社内での任せられる業務が増えていき、そのことで「障がい者雇用が社内全体をよりよく変化させている」と思ってもらえればよいかと思います。

社内では今回の2人の雇用を踏まえて、さらに障がいのある方の雇用を進めていきたいと考えています。

後輩がいつか入ってきたときに先輩として培った業務を伝達できるようになれることを期待しています。

そしてこの会社が「障がいのある人もない人も企業の戦力として生かすことのできる会社」として認知してもらえるようになればいいなと思います。

企業からのメッセージ

個別の配慮は丁寧なコミュニケーションから

(総務部部長 橋満和美さん)

最初のころは、障がい者を雇用すると言ってもどう接していいかわからないというところがあると思います。どういう配慮をしたらいいか、ではなくどういう配慮を求めているのかよく話を聞いたうえで、業務上必要なことは丁寧にしっかりと伝えておくことが大事だと思っています。

コミュニケーションがうまく図れなければ具体的な個別配慮も組み立てることができません。

逆にコミュニケーションがとれることで、配慮すべきはする、そのうえで周りが見守りながら困っていたら誰か気づいた人が声をかける。そういったちょっとした気を配ることで特性を活かし十分に実力を発揮することができ、任せるべきことは任せるということにつながるのはないかと思います。

総務部部長

 

本人からのメッセージ

仕事をやり遂げることができたときの達成感が力になる

(三留礼也さん)

入職して1年が経ちました。こつこつとこなしていく作業が好きなのですがいろいろな配慮をしてもらいながら仕事を続けてきました。

指示を受けた仕事をやり遂げることができたときには達成感を感じることができるし、いろいろな人から声をかけてもらったり、「あなたの仕事が私たちを助けてくれている」と言われることが励みにもつながります。

仕事を新しく始めるときは不安もあると思いますが、上司や周りの同僚に相談できれば、配慮してもらえるので安心して働き続けることができると思います。

三留さん

 

 

業務上の失敗も次に生かしていくことができる

(金山慎吾さん)

電車が好きでこの会社に入職しました。

現在は各部署を回って不足している物品などの注文票を作成し、パソコンを使って注文する仕事などをしています。

業務上の失敗をすることもありますが、適切な助言や注意を受けることができているので再び起こさないように自分として気をつけていくことが大事だと思っています。

現在は短時間での雇用ですが、フルタイムでの雇用を目指しています。職場の仲間にも恵まれて好きな仕事につけてやりがいを感じて働けています。

金山さん

横浜製機集合写真

 

このページの所管所属は 障害者雇用促進センターです。