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更新日:2024年11月7日
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令和元年度青少年の健全育成を進める県民大会開催結果について
青少年を取り巻く状況は、少子化の進行や情報化の進展、地域コミュニティの希薄化等により家庭や地域における青少年をはぐくむ力が低下している。こうした状況の中で居場所がなく、あるいは孤立感を抱え、社会とのつながりを失った青少年に課題が集中している。青少年の健全育成のため、家庭・学校のみならず、地域で青少年を見守り、支えることを考える場として開催した。
県立鶴嶺高等学校軽音楽部
かながわ青少年社会環境健全化推進会議会長市丸克己
講師:小澤いぶき(認定NPO法人PIECES代表理事、児童精神科医)
子どもの孤立を解消するには子どもの日常を共にする「人」との関わりが大切だと考え、NPO法人代表として地域のセーフティネットワークの構築と人材育成を行う小澤氏を迎え、「寄り添うことで生まれる“信頼”をはぐくむ」をテーマに講演が行われた。
講演の始めに孤立した子供たちについて話があり、なぜ子どもが孤立に陥るのかについて、そういった子どもたちは人と人とのネットワークを持っていないということが述べられた。
次に、大学の研究結果などを交えながら、誰かとかかわる、助けを求める「援助希求」を支えるセーフティネットワークの構築の必要性の点から論じられた。また事例を交え、大人への信頼のキーとなる市民支援者(コミュニティユースワーカー)の養成について述べられた。
最後に、子どもは一人一人違い、一人一人願いややりたいことがあっても、それをかなえる方法がわからず、不器用な形でしか自分を守れない状況があると述べ、埋もれてしまった子どもの興味や願いに寄り添い、引き出し、健全な実現の方法を一緒に見つけ出すことが重要であり、そういった姿勢が長期的な信頼を築くとまとめられた。
パネルディスカッションは講演講師の小澤いぶき氏がコーディネーターを務め、「さまざまな課題を抱える子どもたちへ「信頼できる他者」ができること」をテーマに議論が行われた。
明確に孤立を感じる機会が多いわけではないが、部活の責任ある立場にたったり、将来のことを考えたりすると、「自分で考え、責任を取らなければならない」という思いから不安を感じることがある。大人には、自分たちの側に寄り添い受け止めてほしい。
・小さなことでも普段から話せる間柄なら、大人でも話がしやすい。大人には、自分たちを理解しようとすると同時に、しっかりとしたメッセージを発信してほしい。
孤立にもいろいろある。それぞれに必要な支援の内容も変わってくる。
・親でも教師でもない信頼できる「誰か」が教育に参画することは非常に有効であると思う。信頼を積み重ねた「誰か」により生徒への支援につながった例も多い。
・子どもとのコミュニケーションにおいて、ノウハウ、スキルを身に着けた人々が子供に対することで、親や教師でも聞き出せないことを聞き出してくださるかも、という思いもある。
・学校が必要とする外部人材は生徒の抱える問題に応じて多岐にわたる。何重にも用意され、学校側が必要な支援の組み合わせを見出し、選べるようになるとよい。
子どもたちの悩みは様々であり、人間関係に悩む子もいれば将来に不安を抱えている子もいる。言葉にできないもやもや、という子もいる。
・SNSは便利だが、簡単な連絡や話題作りのためのツールであり、対面的コミュニケーションの重要性は変わらない。
・子どもたちと、一人の人間同士として尊重しあう関係を築いて行きたい。
今回のディスカッションで大事なことが2つ得られたと思う。一つは、青少年から大人への不信感、こころの距離を作り出しているのは私達一人一人であるということ、もう1つは、システム作りには青少年の参画が重要で、これを欠いたシステムは機能しないのではないか、ということ。寛容な声掛けで信頼を積み重ね、子どもたちの多様性を受け入れることが重要である。子どもたち自身も含めたセーフティネットワークの構築が急がれる。
【概要】
本日の講演やパネルディスカッションを聴いて、一人一人が青少年の健全な成長のために何ができるか考える良い機会になったと思います。来年度は川崎市で開催する予定なのでどうぞよろしくお願いします。
このページの所管所属は福祉子どもみらい局 子どもみらい部青少年課です。