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更新日:2024年2月19日

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平成26年度黒岩知事との“対話の広場”地域版(県央会場)の実施結果

平成26年度黒岩知事との“対話の広場”地域版(県央会場)の実施結果

黒岩知事との対話の広場 地域版(県央会場)

概要

黒岩知事との“対話の広場”地域版 (県央会場)

日時

平成26年11月4日(火曜日) 18時30分から20時00分

会場

大和市渋谷学習センター多目的ホール

テーマ

マグネット地域

地域テーマ

いのち輝く健康長寿社会を考えよう

内容

1 知事のあいさつ

2 事例発表
【事例発表者】

山崎 弘子 氏(神奈川県食生活改善推進団体 なごみ会 会長)

鴨下 禎子 氏(公益財団法人日本体育協会 公認スポーツ指導者)

3 意見交換

4 知事によるまとめ

参加者数

172名

実施結果

知事のあいさつ

こんばんは、神奈川県知事の黒岩祐治です。今日はお忙しい中、こんなにたくさんの方にお越しいただきまして誠にありがとうございます。

私も知事になりあっという間に3年半が経ちまして、残りあと半年になりました。その中で、「いのち輝くマグネット神奈川」を目指したいということをずっと言ってまいりました。そんな中で今、この神奈川県が最大の力を込めて取り組んでいるのが「健康寿命を延ばしていこう」ということであります。そのことについて、若干ご説明したいと思います。

まずはこちらをご覧いただきたいと思います。

超高齢社会の到来

神奈川県の課題。上が1970年の神奈川県の人口の年代別分布ですが、きれいなピラミッドですね。よく見ると、85歳以上の方って、ほとんどいらっしゃらなかったんですよ。1970年です。

それが2050年になると、全く逆の形になります。一番多いところがなんと85歳以上。特に女性が多い、すごいですね。

この変化をどう乗り越えるかということです。今のままでいれば、絶対に崩壊です。医療崩壊、病院も崩壊、だから変えなければいけない。

神奈川県は2つのアプローチを融合させて健康寿命を延ばしていこうとしています。1つは最先端の医療技術を追求するというアプローチです。再生医療やロボットとかですね。

もう一つは「未病を治す」というアプローチ。病気を治しているのでは間に合わない。未病から治していこう。そのためには食や運動も大事です。

この2つを融合させながら、健康寿命を延ばしていこうとしています。

高齢社会になっても皆さんがずっと健康でいてくだされば、なんの問題もないわけですね。皆さんが高齢になって、病気だ、介護が必要だ、となるともう支えられないということですから、みんなで健康を勝ち取っていこう、というアプローチです。

そのときに未病を治していこう。「未病を治す」というのは、とても大事な概念だと思うんです。元々は中国の漢方の考え方ですけれども、これを我々が現代的にアレンジしました。

昨年の5月にハーバード大学に行って、超高齢社会を乗り越える神奈川モデルということで講演をしました。そのとき、この「未病を治す」という考え方をどう説明しようかと思ったのですが、英語にはないんです、こういった言葉が。

どうしようかと思い、よし「ME-BYO(ミビョウ)」でいこう、となりました。TSUNAMI(津波)も英語ですからね、今では。

「ME-BYO」だ、という話をしたんだけど、そのときにこういう絵を書きました。

未病とは

「健康ですか、病気ですか」と皆さんに聞いたら、みんな大体こうやって健康か病気かで捉えているんですね。

でも、実際にはこれではないのではないですか。なんとなく具合が悪いとか、そんな状態は普通にあるでしょう。

そこで、未病という考え方があります。それはこうです。健康からだんだん変化して病気になる。ずっと変化し続けている。

未病とは

「未病を治す」というのは、このグラデーションのどこにいても、少しでも健康に持ってくるということですね。

例えば、病気のところにいても「未病を治す」という考え方は有効です。もう死にそうになっていても、食の力によって元気になってくることあるじゃないですか。その「未病を治す」という考え方が大事です。

こういうことを、先ほど言った最先端の技術、科学的なことを合わせながらやっていく。これが神奈川モデルということです。皆さんの未病を調べて、センサーで日常的に未病の状態をチェックしながら皆さんを未病から治して健康にしていく。その取組をやることによって、この人類が経験したことがない超高齢社会を見事に乗り越えていこうという挑戦をしているところであります。

そんな中で、もう既にいろいろな地域で、工夫をしながらいろいろなことをやっている方がいらっしゃるんですよね。そういう知恵を皆さんと共有しながら、じゃあこんなふうにしよう、あんなふうにしようと、いろんな議論をしながら、皆さんが健康寿命を伸ばしていく取組を共に進めたいという思いで、今回の対話の広場はこのテーマを選びました。

ということで、対話の広場ですから皆さんが黙っていると話は進みません。しかも、進行がどうなるかというのは、全くわかりません。手を挙げていただいたら、すぐに当てます。何が出るかわかりませんけれども、とにかくやります。元キャスターですので、さばくのは得意ですから。皆さん、どんどん参加してください。

その前に、まずは問題提起として、お二人の方にプレゼンテーションをしていただきます。それをお聞きになった上で、いろんなご意見、アイデア、提案、県に対して聞きたいこと、どんどん言ってください。

それでは、まずはプレゼンテーションからお願いしたいと思います。

事例発表

山崎 弘子 氏(神奈川県食生活改善推進団体 なごみ会 会長)

山崎弘子氏

 本日はよろしくお願いいたします。

なごみ会は現在、会員184名にて、大和市、綾瀬市で活動をしております。

本日は、お時間の関係もございますので、次の4項目につきまして綾瀬支部活動を紹介させていただきます。まず、生活習慣病予防教室かながわ健康プラン21(第2次)の推進。次に健康づくり教室 健康日本21(第2次)TUNAGU。そして食育が2事例、こども食育サミットと地場農産物の試食会でございます。

始めに、かながわ健康プラン21(第2次)の推進につきまして、生活習慣病予防講習会といたしまして、元気で長生きできるようにと調理実習付きで食習慣の振り返りを、減塩の工夫と合わせて提案しております。講習会の開催にあたりましては、大和センターの担当栄養士様より、惜しみのないご指導とアドバイスをいただいております。

次に健康づくり教室は、TUNAGU(繋ぐ)健康日本21(第2次)の内容を小コントつきで実施しております。後ほどご披露いたしますのでお楽しみに。

「メタボ予防でつなぐ」、「減塩でつなぐ」、「野菜でつなぐ」、「食事バランスでつなぐ」、「生活習慣でつなぐ」、「高齢者とつなぐ」、「運動習慣でつなぐ」こちらの7項目も減塩への意識に力を入れております。この7項目を文字どおりつないで健康アップを目的とし、かながわ健康プラン21(第2次)同様に、健康寿命延伸と健康格差縮小へのご提案をして、健康寿命日本一実現へのお手伝いをさせていただいております。

次に、こども食育サミットはお子様のみの参加で、伸び伸びとした雰囲気の中で実施しております。綾瀬市地場農産物消費拡大推進協議会が、地場産について説明いたします。実施時期の夏は特にパワーアップです。四季の野菜を折り紙でつくり、地場産の木を完成させました。バイキング形式で一食を完成させ、共食(きょうしょく)いたします。調理はヘルスメイト(食生活改善推進員)が担当いたします。高座スイカの登場で、会場は盛り上がります。高座スイカは大人気となっております。

最後に、地場産物の試食会です。すぐに定員がいっぱいになるほどの、好評を得ております。地場産協議会との共催で、私たちも綾瀬の野菜はこんなにおいしかったのだと再確認する事業となりました。健康教室とは違った、賑やかな空気が会場いっぱいに広がり、思い思いの会話が弾み、お帰りには皆さんの笑顔が止まりません。

続きまして、「あやせAKB8」による小劇場をお楽しみください。

 あやせAKB8による寸劇

 ナレーター

楽しい盆踊りの次の日も、仲良し組は集まっておしゃべりの真っ最中。マツコ、お菓子をいっぱい持ってきて、食べ始める。

 ユウコ

あら!マツコさん、なーにそのお菓子!風呂敷屋のカステラ、らいおん屋のヨウカン、やっとこスーパーのポテチとジュース。マツコさん、ちゃんとご飯は食べてるの?お菓子はね、ご飯の代わりにならないのよ。大きなおかず、小さなおかず、あとご飯もよね。ちゃんとお勉強したでしょう。たまにはフルーツもよね。

 マツコ

知ってるわ。

 ミドリ

そうそう、このごろは塩分の取りすぎは、レッドカードよ!みんな知ってる?

 ヨシコ

なんか聞いたことあるわ。生活習慣病にかかりやすいのよ。

 ミドリ

当たり。高血圧症や、糖尿病、私たちの健康を脅かす、生活習慣病の代表なのよね。

 ヨシコ

はい、私、一日の塩分量知ってます!

女性は7.5グラム、男性は9グラム。ですが、来年度は女性は7グラム、男性は8グラムなのよ。

 ミドリ

よくできました。はなまるよ。

 ヨシコ

未病って、聞いたことある?

 マツコ

未病っていうのはね、未だ病にあらず。そやけどね、放っといたら進行するんやわ、病気に。怖いねんで。あんたらも気をつけた方がええで。現在進行形。グレーゾーンやねんで。

未病も治すって言うねん。未病を治すいうことはな、心身の状態を整えてより健康な状態にすることやねんで。放っといたらあかん。健康寿命延伸にもつながるんやわ。

 ユウコ

どんなことすればいいの?

 ヨシコ

生活習慣の見直しかしら?

全員

食習慣、運動習慣、ロコモ予防、社会参加。

ユウコ

ロコモ予防って?

マツコ

はーい、また来ました。

ロコモティブシンドロームのことやねん。運動器症候群。運動器が弱ってきたら、足腰も弱るし、健康寿命にも影響するんやで。少しずつこうやって運動、なあ、みんなしてるか?

全員

はーい。

マツコ

みんなで元気で仲ようしたいから、こんな言うてんねんで。

ユウコ

じゃあ、タバコはよろしいのよね!

全員

あー、だめだめだめだめだめよ。

ユウコ

間違えちゃった。

マツコ

あかんやん、間違えたら。COPD、慢性閉そく性肺疾患を引き起こすのよ。

ヨシコ

お酒の飲みすぎもよくないわね。

ユウコ

全部正解よね。平均寿命までは生きなきゃならないから、健康で元気で、いきいきと暮らしたいわ。おしゃれをして、旅行もして、ランチもしてね。

全員

いつまでもみんなで仲良く元気でいたいわね。

ヨシコ

そうそう、あのね、野菜はね、一日350グラムぐらいは取りたいわよね。

マツコ

はーい。神奈川県はな、新鮮な地場農産物がようけあんねん。せやから、四季折々のごちそうが楽しめんねんでぇー。

ダイコン、ブロッコリー、サツマイモ、ネギ。まだまだいっぱいあんねんけどな。

そういえばこれ、このおにぎり、えらいおいしいわ。あんたらも食べるか?

全員

食べよっかー。食べよう食べよう。お菓子も食べよう。

ごきげんよう。

ナレーター

時間を忘れておしゃべりが続き、笑い声が絶えませんでした。続きはまた今度。

山崎 弘子 氏(神奈川県食生活改善推進団体 なごみ会 会長)

ご清聴、ありがとうございました。

 

鴨下 禎子 氏(公益財団法人日本体育協会 公認スポーツ指導者)

鴨下禎子氏

皆様、こんばんは。ただ今紹介いただきました、鴨下禎子と申します。

10分の中で健康づくりについて、食べること、動くこと、休養すること、その分野の中の動くことについてお話させていただきたいと思います。よろしくお願いします。

私は、大和市で健康体操教室を開催して14年目になります。5教室で約200名。年齢層は50代から80代。平均年齢は70代で最高齢の方は88歳です。

私の教室で最も中心になっている体操は、身体調整体操の基本体操といいます。フェルデンクライスメソッドの影響を受け、創始されたものです。

フェルデンクライスとは人の名前で、ロシア生まれの物理学者、柔道のエキスパート、また機械工学の技術者でもあり、教育者でもありました。日本の嘉納治五郎から柔道を学び、黒帯を取得しております。自身の膝の大けがから苦しんだことで考案されたものです。

この体操の特徴は、骨格に沿って流れるように動くことです。その動きからより楽に動くことに気づき、効果が得られます。

この身体調整体操の効果は、1.姿勢がよくなる、2.美しい動きができる、3.機能回復が図れる、4.脳の活性化が図れます。

では、皆さんここでご一緒に体験してみましょう。

体の前で親指を立ててみてください。

目は親指を見ます。

親指と一緒に体を横にひねってみます。心地の良いところで止まって、そこがどこで止まったか印をつけておいてください。

戻ります。皆さん印つけましたね。

では、次に親指は右に回りますが、顔は左です。

はい、ゆっくり戻ります。

もう一度いきます。親指は右に、顔は左。

戻ります。

再度いきます。戻ります。

それでは次に、親指とお顔が一緒に右を向きます。一緒にいって、目だけ左。

大丈夫ですか。いって。はい、戻ります。できましたか。よろしいでしょうかね。

はい、親指と体と顔は右にいって、目だけ左に。

いきましたか。はい、ゆっくり戻ります。

はい、では最初の動きに戻ります。

親指とお顔を一緒に横にひねります。先ほど印をつけたところより、ちょっと後ろにいきましたでしょうか。これが一つ目の体験でした。

では、次は手がセンサーです。手がセンサーなので、ご自分の鎖骨を触れますか。首の下にぐりぐりがあって、そこから横に肩までいっている鎖骨を触ってみてください。

触れますでしょうか。

じゃあ、肩を体の中心に寄せて、胸を縮めてください。

はい、戻して。

今度は肩甲骨を寄せてみてください。

はい、戻して。

骨をぐーっと縮めます。どうですか、センサーが働いていますか。

はい、戻って。鎖骨は動いていましたか。

はい、次に、鎖骨の後ろの肩甲骨を触りたいんですね。肩甲骨を触りたいんですが、自分の肩甲骨に触れますか。ちょっと無理ですね。

無理なので、お隣か前の方の肩甲骨をお借りしてください。ちょっと恥ずかしいでしょうか。大丈夫でしょうか。

はい、それでは、両手を相手の肩甲骨に当ててください。どんなふうに感じますか。温かい。触っている方も、触られている方も温かい。

それでは、触られている方は手を前に出してください。右手、左手、交互に出しましょう、交互に前に出します。上にも上げてみてください。触っている方は動きが伝わりますか。

では次に、胸を縮めてみてください。はい、戻して。次は肩甲骨を寄せてみてください。はい。

では、ちょっと動き方を変えてみますよ。前へただ真っ直ぐに伸ばすのではなくて、ちょっとひねり込んで伸ばしてください。動きはどうですか、ちょっと変わりましたか。上も、真っ直ぐ上げるんじゃなくて、ちょっとひねり込んで。どうでしょうか。

皆様、ご協力ありがとうございました。触っていただく、触る、どちらも気持ちがいいし、コミュニケーションにもなりますし。

大事なことは、体の中の骨格がどのように動くかというのをセンサーで触って、それが脳に伝わるっていうことなんです。このようなことが身体調整体操の特徴の一部です。

私は、今の身体調整体操のほかに教室ではロコモティブシンドロームを防ぎ、介護に頼らない体をつくるため、いろいろな道具を使ってロコモ体操を行っております。

まず1つ目、ボールを使っています。これはGボール(空気を入れた状態で、人が上に乗って使用することができるビニール製のボール)です。これは何のために使うと思いますか。これは一番大事なO脚の防止です。

内側広筋(ないそくこうきん)という足の内側の筋肉が衰えていくと、O脚になってしまう。変形性膝関節症を予防するために、ボールを脚で挟んでギュッと絞めます。

空気を満タンにしないで60パーセントぐらいにして絞めるのが効果があるのですが、知事さん体験されてみますか。

ギューっと絞める。

このようにギューっと絞めると骨盤が真下に向き背筋がピンと伸びて、横から見てもすばらしい姿勢になります。

ロコモ体操

知事さん、ありがとうございました。

次はセラバンド(ゴム製の帯)、ゴムチューブで筋トレ。いろんな体の部位にこれを使って筋トレを行っております。

次は身近にあるタオル。身近なタオルを使って、ストレッチをしたり、筋トレを行ったり、丸めてボールのようにしてパスをしたりして遊べます。これは一番身近ですね。

そして最近、膝や腰が痛くなって歩くのがしんどいよという方が多くなってきましたので、とにかく教室に来なくちゃいけないということがありまして、ノルディックウォークのポール。これ、ご存じでしたか皆さん。

ポールが長く高さがあるので、肘が90度になって姿勢が良くなる。2本足で歩くのではなくて、4足歩行。杖だと低いのですがこのポールというのは肘が90度になる高さで持ちます。そして、2本足が4本足になるわけですね。

他には、玄米にぎにぎダンベルといって、一つが300グラムの玄米が入っているダンベル。亡くなってしまわれましたが、筑波大学の鈴木正成先生が考案された玄米にぎにぎダンベルでございます。

それともう一つ、ステッピング。13センチの高さ段差で上り下りを行う、ステッピングという踏み台です。

このようないろいろな道具を使って、ロコモ対策のロコモ体操を教室の中で行っております。

次に、健康であることの幸せ、生きがい、仲間意識、達成感を目的として、お祭りやボランティアに参加いたします。

大和市生涯学習センター祭りに参加するため、AKB48のフォーチュンクッキーやフラダンスを練習しました。花太鼓、スカイツリー音頭に合わせた鳴子踊りや、がん撲滅ピンクリボン体操で、10月12日の学習センター祭りに参加いたしました。

次は、敬老の日のボランティアです。ボランティアができる幸せ、ボランティアを受ける側にならないで、ボランティアができる幸せを感じながら行っております。

私の教室を紹介させていただきましたが、心がけていることは、心地よい音楽を使い、楽に楽しく体を動かします。また、体だけでなく心の健康にも気を配っています。

毎回教室は、準備体操として大和市歌にあわせた体調チェック体操を行っております。

今日は、県民歌「光あらたに」を聞きましたので、これを教室の中に取り入れたいなというふうに思っております。

最後に、これから私の夢をお話します。

私は、昭和39年の東京オリンピックの前夜祭と開会式に参加いたしました。次の東京オリンピックに、健康都市大和、神奈川県民としてボランティアに参加したいなと思っております。

会場の皆様、ご清聴ありがとうございました。

意見交換

意見交換

知事

ありがとうございました。

すばらしいパフォーマンスでしたね。みんな思いきり笑いましたね。なんで綾瀬なのに大阪弁なのかよくわからなかったですけれど、今日ここに来ただけで、なんか健康寿命が10歳ぐらい延びたんじゃないですかね。今日来てよかったですね。そんな感じでありまして、非常に楽しいパフォーマンスでしたが、結構本質的なところを突いていらっしゃいますよね。「未病を治す」といった場合に、食のアプローチと運動のアプローチということ。これは一番大事なことだと思うんですよね。

それともう一つ、重要な要素が入っていました。

「未病を治すかながわ宣言」というのを、今年の正月にしました。そのときに3つの要素が必要ですと言いました。食と運動と、そしてもう一つ、社会交流。それは病気を治す発想と全然違うでしょう。社会交流とはどういうことかというと、ご老人になってみんなと接触するのも嫌だと一人きりになって、一人でこもってしまっているとなると、「未病を治す」ということの逆になってしまうんですね。やはり皆さんと触れ合って、いろんな活動して楽しい気持ちになるとか、ボランティアで何かの役に立っただとか、活動したことによって公園がきれいになったなとか、ありがとうと言われたいとか、そういうことも「未病を治す」ということにとって、とても大事なことだという発想ですね。

つまり、これまでの医療というのは病気になったら、それを潰していくといったものでしたね。でも、この超高齢社会、ご老人がたくさんいらっしゃる中で、病気をどんどん潰していってどうなるのかということですね。ある程度の年齢になると、検査をしたらいろいろと病気は出てきます。しかも1つではなくて2つ3つと出てきます。それを一個一個、全部潰していく。ご老人の方は、たくさんのお薬を飲んでいるじゃないですか。どれがどの薬かわからないぐらいたくさんの薬を持っている。一個一個の病気を全部潰していくときに、ちょっと薬の副作用があったら、またそれを補うように、また薬を飲むという。

これで、皆さんが本当に元気で幸せになっていけば良いですよ。本当にそうなのかなと。否定はしないですよ、薬なんて飲んじゃいけません、病院なんか行っちゃいけませんと、そういうこと言っているわけではなくて、むしろそれよりも今のように食生活とか日常的な運動とかで、楽しく健康になっていったのなら、これは一番良いんじゃないかということです。これを県民運動として広げようと言っているのが「未病を治す」ということです。

さあ、こういったすばらしいプレゼンテーションをしていただいたことを受けて、皆様とともに、対話を始めたいと思います。

私はこんなことをやっているんですよという発表でもいいですし、こんなことはどうすれば良いですかといった悩みでもいいですし、県はこんなことやってくださいよというご要望でもいいです。何でも結構です。

さあ、それではまいります。ご意見のある方、どうぞ。

参加者1

私は77歳ですが、この10年の間に交通事故に4回遭っています。

神奈川県警から黄色いカードをもらって横浜天理ビル21階の交通相談へ行くと日本損害保険協会の職員が交代で出てくる。これは保険会社とこれから戦うのに、保険会社と相談しているのでは、まさに敵の前で作戦会議をやっている。

黒岩さん、監督しっかりやってもらいたい。ここをしっかり直す必要がある。

タクシーのドライバーの話によると、日本のドライバーは交通法規を守っていない。一般のドライバー、レベルが低すぎるという免許制度の見直し。

来年は統一地方選挙です。ここをしっかり裁き直していただきたい。

よろしくお願いします。

知事

ありがとうございます。

ちょっと今の話を聞いて、事実関係を把握できてないので後でちゃんと調べて、そういう事実があるのかどうか、どういうところが問題なのか、それを調べさせていただきたいと思います。今この場でお答えするだけの情報を持ち合わせてないので。そのお気持ちよくわかりました。

4回も交通事故に遭われたんですか。でも、お元気そうに見えて、本当によかったですけれどもね。十分にこれからお気をつけいただきたいと思います。

参加者2

最初に出ました人口の逆ピラミッド構造の話は、市会議員、県会議員と話すときによく出てくるのですが、あれは先進国の長寿社会の典型的なパターンで、フィリピン辺りは逆で今でもピラミッド構造なんですが、逆に長生きしている社会、望ましい人口構造なんですね。

ただ、あまりにも若い世代が少なくなってくると若い世代に負担を先送りするとか言われますけれども、逆にあの構造は長生きを望まないのであれば、ある一定年齢になったら一錠飲ませてコロっと行くような薬があれば、定年になってすぐそれを飲んで社会保障費ゼロでやっていけるわけです。けれども、それじゃあやっぱり文明社会とは言えないので、あの構造を維持しつつ若い世代を増やすということがやっぱり一番大事なわけですね。そのためには少子化、結婚できないとか、結婚しても子どもを産むだけの経済力がないとか、そういうところから解決していかないと、長寿といっても与太者扱いで生きているのではあまり意味がないですし。

やっぱり政策というのはいろんな関連がありますから、一つを解決したときに関連する政策を無視しては解決しないので、健康というのも狭い意味で考えれば、社会保障の問題に絡んできますけれども、もっと広い意味でいくと環境の整備だとか、経済政策だとかに絡んでくるわけですね。

環境整備ということでいくと中国の方から汚染された物質が飛んできて、PM2.5とかということで、肺炎だとか何かを引き起こしていますけれども、こうした問題も考えなくてはならない問題です。

知事が前から太陽光とか自然エネルギーで原発に置き換えていこうという政策を唱えておられるわけですけども、それに対して若手の議員が反対しているということを前から聞いていますけども、それにめげずに是非、太陽光の推進を図っていただきたい。太陽光の推進のために当然お金がいるわけですが、今の公務員の人件費を2割か3割削減すれば、例えば知事がおっしゃっていた200万世帯にただで太陽光発電パネルを設置できるんですけども、そのために県の職員さんに神奈川県全体ではどのぐらいの予算ですかと聞いたら、長い間待たされて30兆円だというような話が出て、そんな予算ではなかろうと思ったら、後から議員に質問して聞いたら3兆円だったということで。県の職員の財務担当の方ですら、神奈川県の中の市町村の全予算をトータルでいくらかということで、例えば3兆円だとしてもそのうちの6割から7割は人件費ですので、民間の収入に比べ相当高い収入もらっているわけですから。もしもそれをやったら、あまりにも問題が大きいでしょうけども2割か3割削ることができれば、太陽光発電を知事がおっしゃった200万世帯にただでつけることができるというふうなことで。

政策はそういうふうに、いろんなものとの関連がありますので、その辺も合わせて是非、太陽光の自然エネルギーの発展をさせていただきたいんですが、今、全国で720万キロワットの太陽光の申請が出ている。原発で72基分の太陽光発電ができるにもかかわらず、それを認可しながら電力会社は実際にはそれを採用しないというようなことが実際に起きているわけですけども、そういうことを解決すれば、原発をやらなくても済むんです。けれども、何故か火山のすぐ近くにある川内原発すらも既に稼働しようとしているし、火山の爆発で原発にトラブルが起きれば健康だ何だと言っていられるような状態ではないんですけども、何故か原発を推進するところが多くて。それは日本の中に核兵器が部品単位で既に稼働されていて、それを組み立てれば、核兵器になるということですから。

そんなことで、環境とか、老人の精神衛生の環境も整備する必要があるだろうと。

知事

核兵器まではちょっとわからないのですが、人口構造のグラフ、これは悪くないじゃないかという話、長生きできている証拠だから。そのとおりですよね。

このグラフ、実はいろんなメッセージが込められています。下のグラフは若い人たちがずっと減ってきているんですね。私は今、上のグラフのことだけ言いましたけれど、ずっと減ってきているんです。だから、高齢化というだけじゃなくて、少子高齢化なんですね。

このままいくとどうなるのかというと、若い人の年齢が上がってくると、減ったままで人口がどんどん減少してくる。この間、増田レポートといって元総務大臣で岩手県の知事やっていた方から、人口が減少し消滅する町が神奈川県の中でも出てくる、それぐらいのことが起きるぞ、という話がありました。

だから、これは高齢化だけではなくて、少子化を何とかしなくてはいけないだろうということも含まれているグラフなんですね。

私は敢えてこの高齢化のところに焦点を当ててお話をしました。それは、この問題を何とかしなくてはシステムそのものが通用しなくなってしまう。

以前、厚生労働省の現役の課長さんと私が一緒になるシンポジウムがあり、お互いに講演をしました。そのときに私がこの話をしたら、厚生労働省の課長さんも同じような絵を出して話をしました。そのときに話していた内容は私が言っていることよりももっと過激でした。何と言っていたかというと「この時代になったら、病院は人を治す余裕はありません。ご老人がみんなどんどん病院に行って、病院のベッドが全部ふさがれている。救急車を呼んでも受け入れる余裕はない。じゃあ病院は何をするところなのかというと、死亡診断書を書き続ける場所になります」と厚生労働省の課長が言っているんです。

そうならないためにどうするかという中で、皆さんを健康にしていくということです。

平均寿命と健康寿命は違うわけです。ぎりぎりまで元気でいてくだされば、この問題はまずなくなるだろうということで、敢えてここに焦点を当てて言っているんですけれども、まさにおっしゃったとおり、それだけで済む問題じゃない。まさにそのとおりですね。

それとともに、非常に良いご指摘がありましたね。例えば環境の問題、そういうことも含めて考えなければいけないんだと。まさにそのとおりで、私がこの「いのち」という言葉にずっとキャスター時代からこだわり続けているのですけれども、いのちが輝くために何が大事でしょうか。医療がどんどん進化すればいのちが輝きますか、それだけじゃないですよね。まさにおっしゃった環境というのは非常に重要な要素ですね。

この間の北京のマラソンは見ましたか。外に出たらPM2.5だらけで、走っているだけで喘息になりそうですよね。あんな状態で医療がどんなに充実していても、病院がどんなにきれいになっても、いのちは輝かないですよね。

それと環境だけではなくて、例えばエネルギーの問題もそうですよね。なるべく自然にやさしいエネルギーをつくっていかなきゃいけないとか。いのちというのは、いろんなものが関連しているんですよね。それをみんなの「いのち」が輝くために持っていきましょうということで、いのち輝くという言葉を敢えて使っているんです。

今、太陽光発電の話もありました。太陽光発電はでき過ぎていて、もういらないんじゃないかみたいな雰囲気が出ていますが、そういうことは全然ないですからね。

私は知事選のときに太陽光発電をいっぱい付けるんだと、それだけを言っていましたけれども、その後、神奈川で我々が目指しているエネルギー体系というのは、いろんな変化が起きてきました。

今、言っていることは、今までの集中型電源から分散型電源へ、という言い方をしています。

集中型電源とはどういうことかというと、原子力発電所や火力発電所など一カ所で巨大な電気をつくって、それを長い送電線で各家庭に運んでいく形。ああいう電気というのは、長い送電線で運んでいるうちにどんどん失われていく。ロスがあるんですね。ロスしても、もっとつくればいいやというのがこれまでのエネルギーの形。

それが3.11の前まで。原子力発電所であんな事故になった、ということで根本的に発想を変えようということ。

分散型電源とはどういうことかというと、なるべく自分たちの生活の現場に近いところで電気をつくりましょうということですね。一番近いのは太陽光発電。御自分の屋根にポンとつければ、もうそのまま電気が使えるんです。だから、エネルギーの地産地消ということですね。

それで今、私は太陽光発電をなんとかして普及させようと思って、国にもいろんなことを言って、体制ができ上がっています。公務員の給料を2割下げればただでも付けられるだろうというお話がありましたが、もう既にただで付けられるようになっているんですよ。

太陽光発電を付けるには当然お金はかかります。けれども、今、それを付けると大体10年経たないうちに、最初に付けるために出したお金は全部回収できます。結果的にはただです。

それと、我々がもっと工夫したのはこの間、綾瀬で実験をやりました。ちょっと難しいのですが、「複数住宅の屋根貸し」というものです。

「屋根貸し」って御存知ですか。「屋根貸し」というのは、屋根を発電事業者に貸すんです。屋根を貸すと自分は屋根で発電した電気は使えないのですが、それを全部電力会社に買い取ってもらう。

この「屋根貸し」というのは10キロワットというのが一つの分かれ目になっていて、10キロワットより少ないと、それは家庭用電源とされています。家庭用は大体平均3.3キロワットぐらいですね。10キロワットに満たない場合には、電力会社は発電した電気を全部は買い取ってくれません。家庭用電源の場合はシステムとして、余剰電力買取といって、自分のうちで使って余ったものを買い取ってもらうことになります。

10キロワットを超えると、全部買い取ってくれる全量買取制が適用されるんです。だからメガソーラーというのがどんどんできて来たわけでしょう。

一戸建てだったら、10キロワットにいかないから、余剰電力買取になるので、自分のうちで使って余った分だけしか買い取ってくれない。

だったら、複数の住宅を集めたら10キロワット以上になるでしょうということで、複数の住宅をまとめて10キロワット以上になったら全量買取制が適用されるようにしてくれと国に言って、それが認められました。

それでこの前、綾瀬で複数住宅の屋根貸しの希望者を募集しました。結果的にどうなったかというと、びっくりしますよ、皆さん。私もびっくりしました。

想定した以上の希望者があって、一銭も使わないで皆さんの屋根に太陽光発電がポンと付けることができます。そして、壊れたらメンテナンスも全部やってくれます。それで、結果的に屋根貸しの賃料として、20年間で70万円から90万円ぐらい儲かるんです。信じられますか。嘘だと思うでしょう。

なぜかと言ったら、要するに、発電した電気を自分の家で使わないんです。全部買い取ってもらう。自分の屋根を発電所にしているわけです。そうすると、10年から20年ぐらいにかけて、その料金が貯まってくる。いろいろその家の状況にもよりますから差はありますけど、年金みたいに入ってくる。

年金は自分で掛け金をかけているからお金が入ってくるのですが、これはお金を掛ける必要がないんですよ。屋根を貸せばいいんです。はいどうぞと貸して、置いたら後から90万円ぐらい入ってくるんですよ。

そこまで来ているんです。すごいと思いませんか。壊れたら直してくれるし。しかも、停電が起きたときだけは自分のところで使えるんですよ。最高でしょう。

これを綾瀬で実験してうまくいったから、これを神奈川県全域でやっていきますからね。もうどんどん付けてください。

今日はそんな話をする予定じゃなかったんですが、何でも言ってください。

参加者3

健康普及員を6年、食生活改善推進員も1年目でやっていますけども、知事にお願いがあります。学校給食の完全実施をしてほしいんです、中学校の方です。

調べたところによりますと、24年度5月1日現在で、小学校の実施状況は99.8パーセント、中学校で24.9パーセント、ミルクだけっていうのが38.6パーセントでした。

将来を担う子どもたちに食育を植えつけていきますと、医療費も少なくなると思います。そういう観点から是非お願いしたいんですけど、よろしくお願いします。

知事

これも非常に重要なことですね。食のあり方が大事だという話。食習慣とはよく言ったもので、やはりこれは習慣になってきます。

未病を治す話、食は大事ですよという話はご高齢の方向けに話をしていることが多いんですよね。でも、本当は子どものときから若い人も食習慣は大事です。先ほどの小コントのマツコなんてお菓子ばかり食べていましたよね。ご飯のようにお菓子ばかり食べている子どもっていますからね。そうなっちゃまずいわけですね。マツコみたいにならないように、小さいころから食の教育をしなきゃいけないといったとき、学校給食というのはそういう場になるわけです。

それで、神奈川県には栄養教諭という人がいるんです。学校の先生なんだけれども栄養士さんです。今、神奈川県は全部の公立の小学校に、学校給食と同時にこの人たちが食育の授業をできるような体制を整えました。

それで、学校給食というのはすごく大事だということで、先ほど地産地消という話もありました。地産地消の学校給食を目指していこうということで検討会も設けて、なるべく学校のそばで取れたものを使って、その食材をその学校の給食に使いましょうということを実験的にやっています。それを栄養教諭さんが、実はこうですよと教えてもらう。そういう小さいころから食に対する意識を身につけていくということが大事だという中で、今、学校給食を全部の学校でやってほしいというリクエストありました。これは基本的に市町村の仕事なんですね。だから、そういったご意見があったことをちゃんと伝えておきたいと思います。

ありがとうございました。

参加者4

こんばんは、大和市在住で松蔭大学から来ました。よろしくお願いいたします。

今日、私は学生の立場として考えたアイデアを発表しに来ました。ここにいるメンバーで何度か話し合って、まず私たちの世代から見た高齢者のイメージを考えていったんですけれど、やっぱりちょっとマイナスイメージが多かったので、それを改善するためには、交流が大事なのかなと思いました。

それで、健康長寿社会をつくるために食、運動、社会参加が挙げられているんですけれども、私は大学の活動で地域の方とかかわることが多く、その活動から交流で元気になってもらおうと考えています。

そこで、私が考えた案のキーワードは居場所です。

居場所というのが学校ということで、その名も「今日は私が先生学校」というものを考えました。それは、高齢者の方と私たちの世代が通うことができる学校をつくって、高齢者も私たちも、どちらも先生と生徒になれ、お互いに教え合うことのできる居場所ができればと思っています。

私たちの世代はファッション、メイク、ゲーム、携帯などの先生になれると思います。

そこで、高齢者の方は何の先生になれるのかなと考えたときに、先ほどのいろいろな体操とかそういう先生も素敵だと思うのですけれども、他にもっといろんなことを教えていただけると思っていて、私たち学生の中では戦争のことや歴史を教えていただけるという結果になりました。それだけではなく、他にもっと明るいテーマで何を教えていただけるか、というのを今日は聞きに来たので、よろしければこの場で教えていただきたいと思っています。

よろしくお願いします。

知事

すばらしい提案ですね。なんか嬉しくなりますよね、こういう話が若い人から出てくると。

確かにそうですね。この教え合うという先輩が後輩に教えるみたいなことが当たり前だけど、その逆もあるという。実は、それと似たようなことを神奈川県でやろうとしているんです。

夏にハイスクール議会というのがあるんですが、これは青年会議所の皆さんが企画をして、高校生が神奈川県議会の本会議場で本物の議会をやるんです。委員会にも分かれていて、いろんな委員会で熱心な討論をやって、最終日に本会議場にみんなが集まって、委員会の代表者がどんどん質問して私が答弁するんです。

そんな中で、おもしろい提案が出てきました。若い人はみんなスマホとか持っているでしょう。そうすると、ネットだったり携帯でLINEなどのSNSとかいろいろあります。それを学校の先生がいろいろと教えてくれるのですが、教えている先生の話を聞いていて、ちゃんちゃらおかしいと言うのです。全然わかってない、私たちの方がよっぽどわかっているから先生に私たちが教えてあげる、そんな授業をやりましょうって言ったんですよ。おもしろいと思って、すぐやろうと決めて、今度実際にやるんです。

その教える役の高校生を今、集めています。高校生が先生になって、携帯とかよくわからない先生たちが生徒になって教わる、ということが成立する世界です。ここで皆さんと話をしたら、いくらでも先生がいますよ。先生はたくさんいるし、しかも、皆さんから教わりたいこともいっぱいあるでしょう。パソコンだとか、それこそ携帯だとか。

LINEとか私もやっていませんからね。やっと新しいのを覚えたと思ったら、次々出てくるから。

そんなことでありますから、いくらでも交流が出てくるという。これはおもしろいです。是非実際にやってください。

何を教えてくれるんだろうってご質問がありましたけれども、何を教えてくれますか。

山崎 弘子 氏(神奈川県食生活改善推進団体 なごみ会 会長)

それはもう、ご飯のつくり方、お米の研ぎ方からを一から。そういうことでしたら、どんどんできると思います。

知事

あと、芝居も教えてくれそうですね。

山崎 弘子 氏(神奈川県食生活改善推進団体 なごみ会 会長)

はい、どんどんおっしゃってください。出張します。

鴨下 禎子 氏(公益財団法人日本体育協会 公認スポーツ指導者)

一緒に楽しみたいですよね。美しい年の取り方を教えたい。

知事

自信ですね。やっぱりそういう感じがしますよ。格好よかったですよね。

あと、県では百万通りの「いのちの授業」というのを神奈川県全域でやろうとしています。百万通りと言っているのは、皆さんに学校へ行っていのちの授業をやってください、テーマは何でも良いですと言ったら、どんな話をされますか。例えば戦争の体験を話すというのもあるだろうし、家族の病気の話をするというのもあるだろうし。例えばペットの話をするというのもありますよね。ありとあらゆること、私は森が好きだという方なら森のことをしゃべるだけでもいのちの授業になるかもしれないし、魚のことでもいのちの授業になるかもしれない。そうしたら皆さん先生です。

実はいのちの授業をずっと実践してくださっている方が、そこに来てくださっています。これも、人間ってご縁ですね。ちょっとお知り合いがいたので嬉しくなってしまいましたけれども。

今からもう何年前ですかね、健太郎君。

参加者5

健ちゃんが亡くなったのはもう12年前です。

知事

重田健太郎君という13歳のお子さんがいらして、そのお母さんです。

私がフジテレビのキャスター時代にお母さんから手紙をもらいました。健太郎君が長いこと闘病生活していて手術をしようと言われていたんだけれども、その手術が成功するかどうかわからないというようなことがあって迷っていた。

そのとき、たまたま私がフジテレビ時代にやっていた「眠れない3歳児」という番組がありました。寝たら呼吸が止まってしまうという病気の3歳児、その子をどうやって家族が支えているかというのをずっとドキュメンタリーで追いかけて、そしてゴールデンタイムに2時間のドキュメンタリー番組を放送しました。

それを健太郎君がご覧になって「僕、手術をする、戦う。その代わりお母さん、フジテレビを呼んできてくれ。僕が戦っている姿を撮影してくれ。僕はあの3歳の子が戦っている姿を見て元気づけられた。だから僕は戦うから、この放送をフジテレビでしてもらって、同じような病気で苦しんでいる子たちを元気づけたい」と言って、お母さんが手紙くれた。

それですぐに会いに行ったら手術を行うぎりぎりの時で、取材の段取りをしている時間がないのでホームビデオで撮影を始めました。手術はうまくいって、よかったねと言って映像を撮り始めたら、ある日突然、健太郎君が亡くなったという話を聞いた。

それで、これは辛いなと思ってね。ドキュメンタリー番組ですから映像がないと放送できないじゃないですか。だから、これは放送することができなかったと思ったのですが、お母さんはなんとかして健太郎君が自分の病と戦う姿を全国の人たちに見せて勇気づけたいと思い、なんとかしてできませんかと、何度も何度もお手紙いただいた。私も何かできないかなと思いました。しかし、テレビですから映像が無ければできないだろうという中で、はっと思いついた。もしかしたら小さいころから、家庭用のホームビデオで健太郎君の映像を撮ってはいませんかと聞いたら、撮っていますって言うので、それを全部お借りして、ディレクターが全部見て、撮った映像をつないでみろと言いましたら、お母さんが撮った映像でドキュメンタリー番組ができ上がりました。

そして放送したところ大反響で、フジテレビで3回続けて連続放送したということがありました。

ところが、まだこれで終わらない。

なんとかしてその思いをもっと伝えたいと、まあびっくりしたのだけど、あれは小田原でしたか。ある日突然、少年院の門をトントンと叩いた。少年院の門を突然叩いて、この番組を見てほしいと言って少年院の子どもたち、中には人を殺した子もいるわけですが、いのちの大切さを伝えたいからと、子どもたちみんなを集めて少年院で見たそうです。

みんな泣いたそうです。

そうしたら、お母さんの話を聞きたいとみんなで作文を書いてくれて持ってきてくれた。そして今度はお母さんが行って、少年院で講演をされたというところから始まって、ずっとそういう活動をされていらっしゃるんです。

折角ですので、ちょっと一言お願いします。

参加者5

いのちの大切さということで少年院に行かせていただきまして、もう8年が経ちます。

私は、少年院では健太郎のお話をしたりするのですが、今は出所間近の子たちと対話をするような形でやらせていただいています。反対にすごく勉強することがたくさんあって、いのちの大切さというのをいろいろと学んでいます。

私は最初、いのちって病気とか災害とかで亡くしてしまう人がたくさんいるので、絶対に自分で命を落としてはいけない、もちろん人を殺したりしてはいけないということを最初は言っていたんですけど、自殺する人というのはどこにも相談できなくて、悩んでいのちを落としてしまうとか、そういうこともたくさん少年院の子たちからも教えていただいています。今は反対にいろんなことを自分で勉強しながら、いのちってやっぱり自分だけのものではなくて、家族とか、友達とか、みんなのものだと思うので、自分だけじゃなくて、みんなのために大切にしていかなきゃいけないなと思っています。

この活動をさせていただいているのは、本当に黒岩さんにきっかけをつくっていただいたおかげなので、こういう活動をこれからも続けていけたらなと思っています。

知事

ありがとうございます。

13歳で亡くなった健太郎君のいのちはお母さんの魂を通じて、みんなを勇気づけるという形で生き続けているということですよね。

素晴らしい活動をこれからも是非続けてください。

突然ですみませんでした。ありがとうございました。

参加者6

今日は、私たちのところで移動の「のりあい」という車を動かしているのですが、「のりあい」は、座間市の境から小田急線の鶴間駅を間にはさんで商業都市から市役所、そして市立病院を通って1周9キロの道、路地を走るのですが23の停留所を設けて1日15回、ぐるぐると回っております。だいたい1便の間は約20分間隔で走るようになっているのですが、利用者の方は、だいたい70歳代、80歳代の方が多いですが、90歳代、100歳を越える方もいらっしゃいます。

これが何で健康長寿社会のいい例になるかというと、先ほどの食や運動、社会交流の場に出向いていくこと、移動困難になる前に出かける足として、それを支えることで未病を防ぐ。それで健康長寿社会に役立っているっていうところだと思うんです。

それと、逆ピラミッドという中で、地域には若いお母さんたち、パパも含めてご家族の方に住んでいただかないとこれから先がない。妊婦さんや、小さい子どもと両手をつなぎながら買物した後、荷物を持って帰りましょうというときに、一人の子の手を離すこともなくて、私たちの「のりあい」に乗っていけば、安心して買物も行ける、遊ぶ先にも連れて行けるということで利用していただける。

その人たちは、子どもがちょっと大きくなれば利用者ではなくなるのですが、そういう交代をしながら地域として健康長寿社会を支える仕組づくりを今、5年半が過ぎていますが一生懸命やっております。

それともう一つ。私たちの活動は無償運送という位置づけの中で、ボランティアでやっております。ただ、まるっきりボランティアでは何年も続きませんので、多少関係者の人に活動のお礼として渡していますが、それの捻出が非常に困難です。それで今、国の方で健康福祉とまちづくりとを合わせて、地域自治体に権限移譲をということで動いています。それで、県として、こういう続いてきた交通運行の「のりあい」というような仕組を制度として支えていただけるような取組を是非していただきたいなというふうに、私たち一同そう思っております。

よろしくお願いいたします。

知事

ちょっと聞いていいですか。そこにはバスは走っていないのですか。

参加者6

路線バスは撤退しました。

今、私たちの運行を協働事業にさせていただいているので、市の方が同じようなものをつくろうとしたのですがうまくいかなくて、事業委託の運行がこの10月30日から2地域で始まりました。それはかなりの金額がかかるものなんです。

だから、そういうふうに本当に50年ぐらい皆さん、移動の足を望んでいた地域です。

知事

その事業体というのは、会社になっているのですか。

参加者6

いいえ、ボランティア。

知事

ボランティアで集まって、車を走らせている。

参加者6

はい。地域と主に関係している9自治会を巻き込んで、カンパや支援等をいただきながら動かしています。

知事

全部大和市の中を走っているんですか。

参加者6

はい。利用者の方は、近隣市の座間市の方もいらっしゃいます。

知事

例えば、そういうことをやるときによくある話は、万が一事故があったらどうするんだといった話がありますよね。それはどうなっていますか。

参加者6

同じ白ナンバーで走って、福祉有償運送というのがありますよね。わりと最近に法律の中に位置づいたものですね。私たちのも同じような立場ですが、法律の中にまだ位置づいていないために、今、黒岩知事のおっしゃられたような問題点を指摘されることはあるんですが、路地の中なので、時速10キロから15キロを走っているということと、同じところをぐるぐる走っているので、危険箇所をみんなが熟知していて、今のところ、こすったりとかそういう事故はあるんですが、大きなこともなく試運行からはもう6年経つのですけれども走っております。

知事

今日は大和市の副市長さんがいらっしゃっていますから、ちょっと聞いてみましょうか。

伊部 大和市副市長

大和市の副市長の伊部と申します。

「のりあい」の皆様には日頃から大変お世話になっておりまして、この場をお借りしてお礼を申し上げます。

そもそもこの事業は地域の住民の方々と大和市との協働事業でやっておりまして、路線バスが撤退したところに、どうしてもご高齢の方が病院に行きたいとか、市役所に行きたいということがございますから、うまくつなぐ方法として考え出された形になっております。車両と車両の置き場所等について、市が協力をさせていただく形でやっております。

また、今のお話にありましたように、市ではそういう枠組ができない別の地域ではいわゆるコミュニティバスを行っておりますが、運行に関して国土交通省のいろいろな規制等があります。ですから、まだまだ解決をしなければいけない問題がいろいろあるというのは事実でございますので、私どもも一生懸命知恵を絞っていきたいと考えているところでございます。

参加者6

市の方には要望もしたりして、自治会長さんの名前でも要望をこれから出すんですが、市単独ではなかなか動きにくいところもあるようなんですね。ですから、知事さんにも、是非県としても取組を。

視察には県内いろんな所、それから県外からも今まで来ていただいています。事業委託するような高額なお金をかけられる自治体ばかりではないので、そういうところからも、これが位置づくということは、非常に大事かなと思っております。

知事

わかりました。他の市町でもそういう問題はあるかもしれないので、他のところを全部調べながら、ちょっと対応してみたいと思います。

ありがとうございました。

参加者7

障害者の福祉団体の会長をしたり、いろいろやっております。いのちは普通の方達だけではなくて障害者にとっても、いのちというものは大切だと思っております。

障害者が増える中、本人も親も高齢化して、入所施設もできない時代になっておりますので、グループホームに入るということになっております。つい最近、私が運営しておりますグループホームで、高齢でちょっと身体に障害があった方が、おうちに帰ってお風呂場を掃除していて滑ってしまい、もうグループホームにはいられないということがわかりました。私たちは、グループホームに入ればなんとか将来安心していられると思ったら大間違いで、終の棲家ではないということをつくづく感じております。

今、自立支援協議会というのがありますけど、そこの部会でこの問題について話し合いをしております。今日もその部会がありまして、老人ホームに入るにしても今度1割負担になりますし、負担が障害者にとって年金ではやっていけない状況になってきておりますので、これから障害者が老人ホームを使うにしても、老人のいろいろな福祉を使うにしても、最後にはお金ですっていうことになったんです。

何を使うにしても、障害者は今そんなにお金はかからないのですけれども、老人の方のを使うとなると、1割負担となりますのでお金もかかりますし、障害者が高齢化してグループホームにいられなくなったときに入れるホームがないので、これからそういうものを考えて作っていこうと考えておりますので、どうか何かお知恵がありましたら、よろしくお願いいたします。

知事

ありがとうございます。

障害者に対する捉え方ですけど、最近こういうことを打ち出そうかなと思っているんです。

パラリンピックってあるじゃないですか。障害者のスポーツです。障害者と健常者って、こういう言い方をしますけれど、障害者と健常者と言うと最初にお見せした健康と病気の概念の感じに近いんですよね。だんだん年を取ると歩行が困難になってきたりとか、目が見えなくなってきて耳が遠くなってきたり、ある種の障害じゃないですか。障害が一つもない人っているんですかと言うと、みんな結構障害はありますよね。目が悪いだけでも一つの障害でしょう。

そうすると、障害者だけを切り分けて特別な存在として扱うのではなく、要するにみんなある種の障害があるという捉え方をする、そういう発想が大事なんじゃないか。障害者と健常者で線を引くのではなくて、みんなの問題として考える。そういうふうな政策のアプローチというのをちょっと考えたいなということですね。

ただ、そういった中でご指摘のあった問題がきれいに解決するということではないとは思いますけれども、障害者との向き合い方というものを基本的に変えていくところから、始めたいなと思っているところであります。

知事によるまとめ

ということで、ちょうど時間となりました。

今日は本当に素晴らしい食と運動のパフォーマンスを見せていただき、とても役に立つお話から始まって、皆さんとともに様々な話も出ました。しかし、みんなで工夫しながら、考えながら、いのち輝く神奈川を作っていきたいじゃないですか。これで、みんながにこにこして神奈川ってなんか、ご老人がみんなにこにこしているんだよ、というそんな時代、そんな社会を是非つくっていきたいと思う次第であります。今日が皆様のそのいいきっかけになればと思います。

本当に今日はどうもありがとうございました。

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