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更新日:2024年6月5日

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障害者雇用優良企業インタビュー(特定非営利活動法人グッド・クリーンライフ)[No.82]

かながわ障害者雇用優良企業のインタビュー

理事長町田様、副理事長戸田様、事務局長水上様にお聞きしました。

川崎市中原区苅宿42-25

https://good-clean-life.com/

グッド・クリーンライフ写真

就労継続支援A型とB型の事業所を始めたきっかけについて教えてください。

私どもは川崎のクリーニング会社を母体としており、以前から障がい者雇用に取り組んでいました。その障がい者雇用の取組を更に進めるために、新たにNPOを設立し、そこで就労継続支援A型とB型の運営を始めたことがきっかけです。始める際は川崎市内の就労援助センターにご協力をいただき、そこから障がい者の方をご紹介いただきました。

ー障がい者の方の人数と障がいの種別について教えてください。

2事業所合計でA型に42人、B型に32人おり、障がいの種別としては、知的障がいの方と精神障がいの方がおります。最近は、精神障がいの方が増えてきましたが、割合としては知的障がいの方が多い状況です。

精神障がいの方を雇ったきっかけを教えてください。

特に精神障がい者の方の紹介をお願いした訳ではなく、就労援助センターから紹介され、まずは実習を受け入れたところ、問題なく仕事ができるので、採用いたしました。

ー精神障がい者の方が働くに際して、配慮されていることはありますか?

体調面で朝9時からの出勤が難しい方は、10時からの出勤としたり、本人の状況を見ながら、出勤時間を調整しています。また、グループの中に入って仕事をすることよりも、一人で作業に集中しながら取り組んでもらったほうが精神的に安定する方もいますので、作業の配置について配慮しています。

障がい者の方が行っている業務について教えてください。

主には、クリーニングの仕上げの部分を担当しています。服のプレスや仕上がった服を袋に入れて、お客様ごとにまとめて出荷するまでの一連の流れを、ほぼ障がい者の方達で行っています。最初は入荷した服の検品などの単純作業からスタートして、進歩していくと次の段階へというように、仕事の難易度をステップアップするようにしています。

ー障がいのある方も習熟に応じて、どんどん新しい仕事を任されていくということですね。

そうです。ここで働く障がいのある方たちは、ほとんどの方が一般就労を目指しています。B型から始まって、習熟を深めていきA型に移行して、その後一般企業へ就職できるようにする。まだ時間が足りていないので、一般企業の就職まで至った人はいませんが、その橋渡しを私たちが担いたいと思っています。

ー一般就労への橋渡しを行うためにされている取組はありますか?

作業以外にみんなで勉強会を行っています。勉強会ではひとりひとりの仕事の進め方にPDCAサイクル(「Plan=計画」、「Do=実行」、「Check=評価」、「Action=改善」)の考え方を取り入れて、目標設定や、計画に沿った実行、計画に沿った実行ができたかの検証、検証を踏まえての改善策をみんなで話し合っています。このような過程を経て、「社会人とは」とか、「働くとはどういうことか」といった事を伝えています。この勉強会を通して、一般就労を実現するために「何をしなければいけないのか」とか「何を覚えていかなければいけないのか」等を自身で考える姿勢を身に付けてほしいと思っています。

ー皆さん一般就労を目指して努力なさっているんですね。

本当に一般就労を実現できるかは今後の本人たちの努力次第ですが、みんな一般就労するという夢を持っています。

ーそのような取組をなさる中で、障がい者の方の成長を感じることはありますか?

勉強会では私も結構厳しいことを言いますが、自ずと仕事に向き合う態度が変わっていく点に成長を感じます。また、チームワークが徐々に生まれていき、同じ仕事仲間という意識が芽生えていくことにも成長を感じます。1つの仕事というのはみんなでやらなければ成り立たないから、そのために助け合いとか、みんなでこうやろうねといった意識が生まれてきます。

ー障がい者の方の定着状況はいかがでしょうか。

辞める方はほとんどいません。皆さんずっと定着してくれています。

ーそのように定着できる秘訣は何でしょうか?

クリーニングの仕事は作業がシンプルで、障がい者の方が集中しやすい点と、作業が一人では完結できず、必ず次の工程があるので、チームワークが生まれやすい点だと思います。チームワークができると、仕事を続けることもできますね。あとは9時から17時まで7時間働けるので、短時間の勤務に比べ、金銭面で続けられる面もあると思います。

ー面談の機会を設けていますか?

仕事の進捗状況の確認や、本人が悩んでいることを吸い上げるために設けています。

ーその面談のペースはどのくらいでしょうか?

3か月に1回のペースです。また、この面談のほかに、「個別支援計画」という計画書を年に一度作成して、本人と今後一年をどう過ごしていくかについての計画を話し合う面談の場もあります。

ー知的障がいの方、精神障がいの方が働いていらっしゃいますが、それぞれの強みは何だとお考えですか。

知的障がいの方は、同じ仕事をずっと集中して行ってくれるのが強みだと思います。また精神障がいの方は、計算能力や判断能力が高いので、一番難しい仕事である、最後に伝票を書くことや、出荷前の最終チェックを任せることができます。

ー障がい者雇用をやって良かったと思うことはありますか?

親御さんから感謝のお言葉をいただく時がありますが、その時はやっていて良かったなと思います。それから、皆さんがとても素直で真面目なので、自分が勉強になったり、また、私たちが出来ないことをできる力を持っている方がいますから、そういうところを活かしてあげるところにも楽しさがあります。

ー1人ひとりの能力を引き出すということですか?

そうです。「ああ、この人はこういうことができるのだ」とか、「よく知っているなあ」という点に気づいて、それを活かすことが本当に大切だと思います。

最後に、これから障がい者雇用を始めようという会社にアドバイスはありますか。

「障がい」は特別なものではなくて性格みたいなものなので、「障がい者として見ないこと」が1番です。そこからだと思います。

訪問を終えて

障がいのある方が各々持っている能力に気づいて、それを活かす道を考えることが障がい者雇用にとってとても大切だと思いました。また、障がいの有無にかかわらず、ともに働く仲間から学ぶという姿勢を皆さんがお持ちだと感じました。

(平成30年7月6日取材)

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